竜使いかのんちゃんのVRMMO   作:ヴィヴィオ

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第1話

 

 かのんの世界は暗くて真っ暗で、声しか聞こえない。それが数年と続いているのです。小学生の入学式に事故にあって失明し声を出せなくなり、足や手を失って寝たきりになったです。そんなかのんにママ達は毎日、会いに来てくれるのです。撫でてくれる感触だけは忘れられない。でも、なんの為に生きているのかもわからず、ただの感触を感じるだけ。そんなかのんの前に一気に不思議な光景が映し出された。

 

【ようこそ、無限の世界へ。特殊パッケージを起動します】

 

 直に綺麗な白衣を着た女性が現れた。

 

「柊花音様。ご家族様よりメッセージが届いております」

「?」

「この世界では昔のように自由自在に動き回り、楽しむ事ができるので楽しんでほしいとのことです。また、ゲームの中で出会えるのを楽しみにしているとの事です」

「パパやママたちにあえるのです?」

「はい。彼等はアバターを作成しております。正式サービスですので、一ヶ月後にはお会いできるでしょう」

「やったっ!」

 

 また会えるだけでも嬉しい。苦しいだけの世界から解放されるのです。

 

「さて、貴方があちらで遊ぶ姿を作成しましょう。お母様達からデータを預かっておりますが、構いませんか?」

「ん、良くわからないからお任せ」

 

 元の姿なんて、覚えてないのです。

 

「では、そちらを使用しますね」

「ん」

 

 直に綺麗な金色の髪の毛に赤い髪の毛をした、綺麗な女のが映し出されたのです。

 

「基本はこれでいいとして、種族はどうしますか?」

「種族?」

「はい。色々な種族になれます。人間、エルフ、ドワーフ、ヴァンパイアなどの種族が選べます。また、ランダムでも選べますよ」

「ドラゴン!」

 

 ドラゴンがカッコイイの。お話でもあった強いのっ。強かったら、もう辛い思いはしなくていいよね?

 

「えっと……ドラゴンはないかな」

「ドラゴンがいいです!」

「えっと……」

「ドラゴン、ドラゴンっ」

「ちょっと待ってくださいね……えっと、はい。わかりました」

 

 お姉さんが誰かと話してる。

 

「えっと、ランダムで一応竜族が出るそうですのでそちらを選んでください」

「当たらないかも……かのん、運ないです……」

「だ、大丈夫です。身体障害者の……かのんちゃんはケア用の特殊パッケージですから、作り直しが簡単にできます。気に入った種族が出るまで何度もやり直したらいいんですよ。残念ながら、選ぶ事はできませんが」

「?」

「ようは頑張ればかならず取れます!」

「ん、かのんがんばるっ!」

「では、どうぞ」

「らんだゃむ!」

 

 かんじゃったけど、種族という所が色々と回っていく。

 

「ドラゴン、ドラゴン、ドラゴンっ」

 

 出たのはエルフだった。やり直し。ドワーフ、やり直し。天使、やり直し。人間、やり直し。人間、やり直し。人間、やり直し。人間、やり直し。人間、やり直し。ドワーフ、やり直し。エルフ、やり直し。ドワーフ、やり直し。悪魔、やり直し。

 

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 

 

「でにゃい!」

「天使や悪魔がでているんですけどね~」

「う~もう一回っ!」

 

 ランダムボタンを押すと、額に綺麗な石を持った翼を持つ物が出て来た。名前は竜人。

 

「えっと、一応ドラゴンですよ」

「う~」

「私の時間がないので、続きを説明しますね。次に進んでも、チュートリアルを終わらせるまでならやり直せますから」

「ん」

「では、次です。スキルを選びましょう。色々とありますよ」

「ドラゴンっ!」

「ドラゴン系統ですか……えっと、竜属性魔法と……あ、お勧めにしますか?」

「ん、お願い」

「じゃあ、ソロが多くなるかも知れないし、ドラゴンが好きなら……眷属召喚と属性を選んで……戦闘系も有った方がいいわね。いえ、ここは特化にさせておきましょう。眷属強化と上位召喚、代償軽減くらいね」

「?」

「竜族を召喚して戦うの。つまり、ペットね」

「おー」

 

 面白そう。

 

「職業も召喚士にしておくわね」

「ん、それでいい」

「あれだったらまた作り直していいから。クローズβやオープンβが終わるまでは慣れる為の専用エリアがあるからね。召喚したモンスターが気に入らなければやり直しでもいいからね」

「ん、よくわからないけど、わかった」

「まあ、連絡をくれたら教えるからね」

「ん」

「じゃあ、楽しんでね」

「ありが、と」

 

 お姉さんが消えると、視界が暗くなってまた暗闇に閉ざされて怖くなった。でも、次の瞬間には光りのある世界に戻った。中央には大きな塔があって、回りにはぷよぷよした変なのがいる。きょろきょろと眺めていると、塔から小さな妖精さんが飛んできた。

 

「ようこそ、初心者さん。ボクは妖精のノルン。まずは貴女の名前を教えてくれるかな?」

「かのんはかのんだよ」

「かのんだね」

「ん!」

「プレイヤー名、かのんで登録しました。チュートリアルを開始するね。まずは何から知りたいかな?」

「しょーかんっ」

「召喚だね。わかったよ。それじゃあ、君の場合は……眷属召喚だね。宣言するだけでいいよ」

「けんぞーくしょーかんっ!」

 

【召喚を開始します。ランダムでランク1から10までのランクのモンスターが出現します】

 

「ん」

 

 出て来たボタンを押すと、トカゲさんだった。やり直す事にした。

 

 

 

【2週間後】

 

 

 

 699072って数字がのってけど、気にしない。ドラゴンが出るまでやるのだー!

 

「ていっ!」

 

 でた種族はりゅーぞく。りゅ~じんじゃなくて、りゅーぞくっ! これはもう、何回もでたっ! あとはこのまま進んで次はしょーかん!

 

「しょ~かん!」

 

 ランク7のドレイクっ! にせどらごんだから、めっ。どらごんってつかないと!

 

 

 

【四週間と六日】

 

 

 

 ついに出た。りゅーぞくで、しょーかんしたのがランク8で機械竜ジャガーノート。おっきくて金属のドラゴンで、カッコイイのっ!

 

「おめでとう。眷属召喚に眷属強化、上位召喚によるランク上昇。普通の召喚よりランクをあげたから、出たね」

「最大じゃない、です……」

「それは出せないよ。スキル構成が間違ってるから」

「あう?」

「眷属召喚で+1、眷属強化で+1、上位召喚で+1、代償召喚で+1、使い捨て課金アイテムで+1。これが召喚に10ランクが出る確率がうまれるスキル構成とアイテムだよ」

「嘘つかれた、です?」

「いやいや、あの召喚はあくまでも条件を満たしたらロックが解除されるだけだから、出るって扱いとして書かれているんだよ。ロック解除されてなければ意味がないと。ちなみに基礎値は5だからね」

「お~」

 

 ランク8は今、最高なのです。なら、ジャガーノートでやっぱり決定なの。

 

「じゃあ、続きを教えるね。アイテムストレージの使い方からだよ」

 

 喋ったり、手を素早く動かして開いたり、消したりしていく方法を習ったのです。次は魔法の使い方。こっちも喋るか手で決めた順番に振ると発動できるとの事。つまり、ニンジャみたいに印を作ればいけるのです。

 

「続きを教えたいけど、ご家族の方がお待ちだよ。もうすぐ正式サービス開始だからね」

「ん、それなら直ぐいく」

「了解だよ」

 

 妖精さんがかのんを何処かへ飛ばしてくれたです。

 

 

 

 


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