君のためなら俺は   作:アナイアレイター

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今回楯無パイセンお休みです。


第14話

「いや、それにしてもまさか俺達がこうなるとはなぁ」

「何か不思議そうに言ってるけど、切っ掛けはお前だぞ。この方向音痴が」

「……いや、違うんだって。ここだろうって思ってた部屋が全部ハズレでな? 次の部屋入ってハズレだったら、そこにいる人に聞こうとしたらISが――――」

「単なる迷子じゃねぇか、方向音痴」

「だから違うんだって。いいか、あれは建物が悪い」

 

 久しぶりに会った悠斗と一夏は並んでIS学園の廊下を歩いていた。必死に言い訳をする一夏に溜め息を吐く。一夏は相変わらず自分が方向音痴だと認めようとしない。頑なに違うと否定する。

 

 教室に近付くにつれ、人混みも多くなる。一年生だけでこんなにもいるのかと思えるほどいるが、ネクタイの色が違うのもいた。

 IS学園ではネクタイの色によって、同学年かそうでないかを一目で分かるようにしている。

 つまり、ここいるのは一年生だけではない。皆見に来ているのだ。世界でたった二人の男性IS操縦者を。

 

「はぁーあ、俺達は動物園のパンダかよ」

 

 こそこそと一夏が周りには聞こえないように話す。それすらも聞こうと周りの女子は聞き耳を立てるのだから油断出来ない。

 

「まぁ今はそんなところだろうな。その内、普通になるだろ」

「そうかぁ……?」

「きっとな。それにしてもやっぱ女子校ってのは華やかでいいねぇ」

 

 うんざりした様子の一夏に対して悠斗は何処かこの状況を楽しんでいた。にこやかに廊下を歩いている悠斗を見て、一夏はぼそりと呟く。

 

「……お前、箒と楯無さんにチクるぞ。浮気してたって」

「おい、馬鹿やめろ。浮気じゃねぇから。セーフだから」

「いや、アウトだろ」

「分かった。百歩譲ってセウトにしよう」

「それ語感的に限りなくアウトだぞ」

 

 そんな他愛ない話を二人でしていると、不意に一夏が微笑んだ。突然笑みを浮かべた一夏に悠斗が不信感を抱くのも無理もない。

 

「……何だよ」

「いや、悠斗が元気になったみたいで良かったなって」

 

 ジト目で睨む悠斗に嬉しそうに一夏は言う。

 一夏もここ数年、ずっと悠斗が思い詰めていたのは知っていた。それを少しでも和らげるべく、楯無が側にいた事も。

 無論、一夏だって弾や数馬と共に何とかしようとしたが、どうにもならなかったのだ。悠斗が作り笑いをする度に一夏も辛い思いをしていた。そんな悠斗と再びこんな会話が出来ると一夏は心から喜んでいたのだ。

 

 それを聞いて悠斗の表情が一瞬強張る。そして表情を見られないように少し顔を背けると返事した。まるで何かを悟られないように。

 

「そう、か……」

「ああ、皆心配してたんだ。後で弾と数馬にも連絡しろよ?」

「分かってる、分かってるよ」

「……ん?」

 

 この時、一夏は一切目を合わせないどころか、顔すらこちらに向けようとしない悠斗に違和感を感じていた。少しだけ前の、作り笑いをしていた頃の悠斗が頭を過る。

 

「……なぁ――――」

 

 何かあったのかと訊ねようとする一夏だったが――――

 

「ところで何で浮気云々の話に楯無が出てきたんだ? 箒は分かるが、楯無は関係ないだろ?」

「…………は?」

 

 遮るようにして放たれた悠斗の言葉に彼方へと吹き飛ばされてしまった。ついつい足を止めてしまう。見ると悠斗は本当に分からないといった表情をしている。一夏にしてみれば目の前の男が何を言っているのか分からない。

 

「ゆ、悠斗さん? あの、前から聞こうと思ってたんですけど……いいですか?」

「いいけど、何で敬語なんだ?」

「楯無さんの事、どう思ってるんですか?」

「んん?」

 

 分からないが故に、遂に一夏はある種、触れてはならない事にふれてしまった。我慢出来なかったのだ。

 それに対して悠斗は質問の意図が分かりかねないのか、一層難しそうな顔をして少し悩む。たっぷり十数秒ほど考えてから口が開かれた。

 

「やたら面倒見のいい年上の友達、かなぁ」

「…………うわぁ」

「えっ、何その『うわぁ』って」

 

 ある程度予想通りの答えが返ってきた事に一夏の顔が引き攣る。別の意味で百点満点の解答だ。

 箒の事しか頭にない悠斗は他の女性から好意を寄せられているという事実に気付かない。 というよりは気付けない。一夏は思った。一途というのも考えものだと。

 

「楯無さんも可哀想になぁ……」

「何で楯無が可哀想なんだ? ちょっと一夏くんの話がワープし過ぎてよく分からないんですけど」

「(な、殴りたい……!)」

 

 最早呆れるをあっさり通り越して殺意が湧いてくるレベルだが、一夏はぐっと堪える。入学初日でいきなり評判を悪くするのは大変宜しくない。

 

「おお、ここだ」

「そ、それより凄い付いてきてるんだけど……」

「……気にするな。俺は気にしない」

「さすがレイ・ザ・バレルの台詞、汎用性高い。ってそうじゃなくて、早く入ろうぜ」

 

 漸く教室に着いたところで、二人が振り返れば自分達が歩いてきた後を女子が学年を問わず、付いてきていた。宛らモンゴルの民族大移動のようである。

  廊下を埋め尽くさんばかりの人数に二人とも震え上がりそうになったため、急いで教室に避難しようとして――――

 

「――――」

「おふっ!? な、何で立ち止まるんだよ? ぅん?」

 

 先頭を切っていた悠斗の足が止まった。背中にぶつかった一夏の声すら今の悠斗には届いていない。

 扉を開ければ当然のように女子だけがいて、ほぼ全てが一様にたった二人の男子を見ている中でただ一人、窓際に立ってずっと外を見ている少女がいた。悠斗の視線はその少女に釘付けにされている。一夏も漸くそれに気付いた。

 

「…………っ!」

「な、なんだぁ?」

 

 扉の前で止まったかと思えば、突然その少女に向かって真っ直ぐ歩き出した悠斗を一夏だけじゃなく、女子全員が不思議そうに見ていた。

 

 黒くて長い髪はポニーテールにしても優に腰まで届いている。真っ直ぐな背筋は何か武道でもやっていたのかと思えるほど綺麗で。

 

「何を……しているんですか?」

 

 気付けば悠斗はその少女に話し掛けていた。震えそうになる声を必死に押し殺して、何とか平静を保った声で。

 少女は振り向かず、悠斗の問いに背中を向けたまま答えた。

 

「人を待っています」

「人、ですか?」

「はい、とても大切な人なんです」

 

 二人の会話が静まった教室によく響いた。教室どころか廊下にまで溢れんばかりに人がいるのに、ここには悠斗と少女しかいないんじゃないかと錯覚させるほど静かだった。

 

「大切な人……」

「子供の頃に必ず迎えに行くと約束してくれたんです。本当は私の方から行きたいんですが、きっとその人が嫌がると思うので」

「何故嫌がるんですか?」

「私から行くと、迎えに行くと約束したのが守れなかったとしてカッコ悪いから……ですかね?」

「……その人の事、よく知ってるんですね」

「ええ、とても」

 

 何処か嬉しそうに話す少女。本当にその大切な人を想っているのが、事情を全く知らない周りの女子からも見てとれた。

 それを聞いて、一夏も漸く確信に変わる。そういう事かと、悠斗が突然立ち止まった理由も把握したのだ。

 

「あなたは?」

「俺は、何処か遠くに行った大切な人を迎えに行く途中で」

「……何処か遠く、ですか。場所も分からないその人を諦めようとは思わなかったんですか?」

「……っ」

 

 少女からの問い掛けに悠斗は息を呑む。本当によく知っている。

 

「……正直、何度も諦めようかと迷いました。でもその度にその人の笑顔を思い出して……諦めないでここまで来れました」

「そう、ですか。苦労……されたんですね」

「それなりには。それに……」

「それに?」

「今は何処にいるか、分かってますから」

 

 少女の体がぴくりと反応した。元々お腹の辺りで組まれていた少女の手が歓喜で震える。溢れる感情のまま、体が動きそうになるが何とか抑えて話を続けた。

 

「その人は何処に……?」

「……今は、俺の目の前に」

「っ、悠斗!!」

「箒……!!」

 

 もう我慢出来なかった。少女、篠ノ之箒は悠斗との間にあった最後の一歩を自分で埋めて、抱き締めに行った。愛しい大切な人の腕の中へと。

 

「すまない……ちゃんと待ってるつもりだったんだが……」

「いいよ、これくらい。誤差みたいなもんだ」

「そうか……。それにしても少し痛いぞ」

「ごめん、ちょっと上手く加減出来そうにない」

「そうか、ふふっ」

 

 久しぶりに出会えた事に悠斗は上手く抱き締める力を加減出来ないでいた。五年振りに再会出来たのだから無理もない。

 それに痛いと言っている箒自身、嫌そうにしているどころか嬉しそうに悠斗の首筋に顔を埋めている。

 

「一瞬しか見れなかったけど、箒は美人になったな」

「良かった……。これでも悠斗と会う日に向けて女らしさを磨くべく修行していたんだ」

「ぷっ、修行って言葉は女らしいのか?」

「ふふ、実は私も疑問に思ってた」

 

 お互い笑い合うと今度は悠斗の話となった。

 

「じゃあ、俺はどうだった?」

「その、正直言うとまだ悠斗の顔は見てないんだ……早くこうしたかったから……」

「お、おう……」

 

 そう言うと箒は悠斗に更に強く抱き着いてくる。こうしたかったと言葉でなく、行動で示してくる辺り、かなり揺らいだ悠斗だったが、何とか堪えた。

 

「な、なら今見てくれよ」

「う、うむ」

 

 悠斗に言われて離れようとするが、直ぐにまた抱き着いてきてしまい、一向に離れる様子がない。

 

「どうしたんだ?」

「だ、ダメだ……今はまだ悠斗から離れたくない……ぅん? 悠斗、どうしたのだ?」

 

 少し落ち込んだように言う箒に遂に悠斗の我慢が限界に達したのか、顔を見るべく緩めていた腕にまた力が入る。

 

「やばい。俺の彼女が超可愛い」

「えぇ!?」

『(何なんだろう、これ……)』

 

 二人のフィクション作品で見るような展開にほぼ今日出会ったばかりの女子全員の心が重なった。よく分からないが、とりあえず二人は中々大変だったという事は分かった。

 しかし、ここにいるのは一人身が多い上に、一人身じゃないとしても恋人とは簡単に会えない場所にいる。女子校という場所では女同士に目覚めない限り、この二人は毒みたいなものだ。

 

「うぅ……皆さーん、席に、というか自分のクラスに戻ってくださーい! 予鈴は鳴りましたよー!」

 

 悠斗達のクラスの副担任である山田が自分のクラスにいる生徒達へ、というよりやたら群がっている生徒達に言うがあまり効果はない。

 どうにも自分のクラスに原因があると分かった山田は人垣をかき分けて、何とか自分のクラス前まで辿り着く。

 

「はぁ、漸く、ってあれ? 織斑くん?」

「はい?」

 

 一息つこうとしたのも束の間、山田がこの騒動の原因だと思っていた一夏に出くわした。呼ばれて山田の方へ向いた一夏だったが、どうも一夏自身も何かを見て呆けていたらしい。原因ではなかったという事だ。

 

 では何が原因かと一夏や生徒達の向いてる方向へ見てみれば――――

 

「箒……」

「悠斗……」

「んなっ!?」

 

 堂々と教室で抱き合ってるバカップルみたいなのがいた。すっかり自分達の空間に入り込んでいるのか、山田の驚愕に満ちた声すら聞こえていないらしい。

 

「ん……まだ予鈴は鳴っていないよな?」

「だなぁ」

「ならまだこのままでいれるんだなっ」

「(とっくに鳴ってますよ!)」

 

 山田が心の中で突っ込みを入れるも当然届かない。五年間という空白の時間は二人には大きすぎたのだ。鳴り響いていた予鈴すら聞こえなかったらしい。

 

 と、そこへこの状況を打破出来る存在がやってきた。

 

「ん? 誰――――むぐっ?」

 

 不意に悠斗の肩が叩かれ、振り向こうとすると頬をむにっと指で突かれる。

 

「ははっ、漸く気付いたか。この色男が」

 

 古典的な悪戯が成功した事に千冬は笑みを浮かべて二人を見ていた。それまで抱き合っていた悠斗と箒は知り合いの登場に勢い良く離れる。

 

「ち、千冬さん?」

「お、お久しぶりです、千冬さん」

「ああ、久しぶりだな。だが公私の区別は付けろ。ここでは織斑先生だ、白井、篠ノ之」

『はい』

 

 家族だから、知り合いだからと言って特別扱いは出来ない。根が真面目な千冬らしい忠告だった。だが――――

 

「それと幾ら久しぶりだからといって公共の場でイチャつくのはやめろ。目に毒だからな」

『…………』

 

 続く言葉は何とも意地の悪い笑みを浮かべており、とても公私を区別している人間とは思えなかった二人だった。しかし、反論しようとも恐らくはもっと意地の悪い事を言われて敗北するだろう。

 それに遅れて漸く自分達が皆の前で抱き合っていた事に気付き、真っ赤になって俯く二人。この後の自己紹介で質問攻めに遭うのは目に見えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、そうだ。授業の前にクラス代表を決めておこう」

 

 四時限目、授業開始前に千冬がそう言った。

 クラス代表とは文字通りそのクラスの代表となって様々な学校行事に出る役目がある。まず最初の仕事として、再来週に行われるクラス代表戦というのに出場しなければならない。これは入学時点での実力を計るためのもので、優勝すると食堂でのデザート一年間フリーパスを貰える。それを知った時に女子の目の色が変わった。

 

「さぁ、自薦他薦どれでも構わないぞ」

「はいっ! 織斑くんがいいと思います!」

「私も織斑くんを!」

「私も!」

「まずは織斑か……」

 

 次々にクラスの女子達が一夏を指名していく。それも自己紹介の時に《ブリュンヒルデ》千冬の弟だと知られたからだろう。世界最強の弟という肩書きにより、まず一夏が。

 対する悠斗には誰も推薦しなかった。物珍しいだけでフリーパスを獲得出来はしない。ただの男に興味なんてなかったのだ。

 

「では、イギリス代表候補生のこのわたくしも立候補しますわ」

「僕も頑張らないとね」

「セシリア・オルコットさんとシャルロット・デュノアさんですねー……他にはいますかー?」

 

 次に手が上げられたのはイギリス代表候補生のセシリア・オルコットとフランス代表候補生のシャルロット・デュノア。

 どちらも代表候補生の中でも高い実力と国から大きな期待を受けており、絶対数が少ないISを専用機で持っている。それで二人がどれだけ期待されているか分かるだろう。国家代表になる事を期待されている二人には今の内から試合の経験を積んでおいて損はない。

 

「えっ!? お、俺!? む、無理です! 降ろさせてください!」

「ダメだ。何のための推薦だ」

 

 かなり遅れて一夏が立ち上がり、推薦された事へ抗議するもあっさり却下された。がっくりと項垂れる一夏へ千冬の追撃が迫る。

 

「それよりも何故今更抗議した? 織斑が推薦されたのは随分前だったが……まさか聞いてなかったのか?」

「クラス代表、精一杯やります!」

「露骨に話を逸らすな。全く、他にはいるか?」

 

 千冬が教室を見渡した時、一人手が上げられている事に気が付いた。それはたった二人の片割れで、千冬にとってもう一人の弟。

 

「白井か。誰を推薦するんだ?」

「俺を、俺を立候補させてください」

「何……?」

「えっ、悠斗もか?」

「悠斗……?」

 

 悠斗の発言に悠斗を知る千冬、一夏、箒が違和感を感じる。三人が知る悠斗という男は穏やかな生活を望む男だった。断じて、自らが望んでこういった目立つ場所に行く男ではない。だからこそ箒も推薦しなかったのだ。少し、箒の胸がざわついた。

 

「ダメですか?」

「あ、いや、大丈夫だ。山田先生、白井を追加で」

「はーい、白井悠斗くんっと。他にいますかー?」

 

 どうやら悠斗が最後だったようだ。そして候補者が四人もいる事から、四人の候補者がISを使ってのバトルロワイアル形式で決める事に。

 

「箒、ほら行くぞ」

「あ、ああ……」

「おーい、俺も忘れんなって」

 

 その授業後、昼食となった悠斗達は三人で食堂へ。久しぶりに幼馴染三人での行動となった。

 

「悠斗、その、どうしたんだ?」

「ん? 何が?」

「クラス代表の事だ。何で立候補なんてしたんだ? 以前ならしなかっただろう」

「ああ、それ俺も不思議に思ってたんだ」

 

 道中、箒が先程のクラス代表に立候補した事で話し掛けた。一夏も不思議に思うという事はどうやら会わなかった期間が悠斗を変えた訳じゃないらしい。

 その問い掛けに悠斗は真っ直ぐ箒へと向いて答えた。

 

「――――やりたい事が出来たんだ」

「やりたい、事……?」

「それのまぁ、練習みたいなもんでクラス代表にならなくちゃいけなくってな。やりたい事はまだ秘密だ」

「何だよそれ、教えろよ!」

「教えねーよ!」

 

 歩きながら騒ぐ悠斗と一夏を見て、箒は胸のざわつきがより大きくなるのを感じていた。

 

「(何だろう……?)」

 

 先程見た悠斗の黒い瞳に何か良からぬものを感じ取った箒は思わず立ち止まる。

 あの日から何か変わってしまったのだろうか。箒の嫌な予感が強くなっていく。

 

「どうしたんだ箒? ほら、行こうぜ」

「あ、う、うむ(気のせい、か……?)」

 

 しかし、それもすっかり消えてしまった。差し出してくれた手の向こうにいる悠斗の笑顔が眩しくて。

 悠斗の手を取ると箒は自分の心が満たされていくのを感じた。隣に大切な人がいる。それだけで箒は満足していた。今度はこの繋がれた手が離れない事を願いつつ、箒は悠斗と共に歩いていく。

 

 


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