空に憧れて   作:moti-

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 遅れました。

 12時に更新出来るはずやったんや……!


空を飛びたくて

 空を、飛びたい。切実にそう思った。

 

 レベルを上げる為にハピナスを殺害しまくろうと思って、洞窟の中に突入した。体が適応したのか暗闇の中でもそこまで暗いとは思わなかった。故に、ポケモンを見て、どこにハピナスがいるかを探し、そうして一体が自爆をしたあと。

 

 レベルが上がった、という実感があったが、進化にはまだ遠い。いや、純粋にレベルアップだけじゃあ進化は出来ないのだろうか。分からないが、体の中に膨大なエネルギーを溜め込み、それを用いて成長する、といった仕組みだったはずだから、レベルアップをせず、そのエネルギーを体の中にくすぶらせておけばいいのだろうか。考えても分からないが、能力が飛躍的、とまではいかなくても、かなり強くなるということが分かっている。確か覚えているタツベイの種族値が、H45A75B60S50だったはずだから、それが進化してコモルーになればH65.A95.B100まで増加する。すばやさの値は変動はないが、マンダまで漕ぎ着ければすばやさの種族値は今の二倍になる。強い。速い。かわいい。マンダは三つを兼ね備えた最強さんだということが分かった。ロリコンホイホイ。

 

 少し脱線したが、取りあえず、今の自分がかなり恵まれた立ち位置にいる、ということが分かった。ゲーム通りならレベル50まで上がれば進化。それと同時、そらをとぶを習得する。メガをしない限りひこうわざが極端に少ないマンダだが、ターンがないから浮いて突進でそらをとぶになってくれればいいなあ、とかはおもう。ひこうタイプの技は便利なのだ。しかしこおりには滅法弱い。C、D共に80のマンダはグレイシアのれいビを喰らったら堕ちるんじゃないだろうか。何とか気合いで持ちこたえたいものだ。

 

「ハピナァスッ!!」

 

「ありがとう、お前ら毎回回復に来てくれるよな。あ、カイリューの時は来なかったか」

 

「ハッピ!ハッピ!」

 

「何がやりたいのかな?君は。一人でカバディしたってつまらないよ?」

 

「ハ……ピィ……!?」

 

「いやそんなショック受けないでも。というか君ノリいいね。俺がトレーナーだったら捕まえてるよ?」

 

 なんだと、とでもいいたげなハピナスを眺めて、こいつ、どこでこんな知識を培ったのだろうか、そう思った。今も尚ジョジョ立ちで祈っている。なかなか面白いハピナスだった。

 

 バタン、とハピナスが力尽きる。安らかな死に顔だった。こいつ、もしかして昔トレーナーと一緒にいたんじゃないだろうか。そもそもポケモン世界にジャンプはあるのだろうか。そんな、どうでもいいことに頭を働かせる。

 

 レベル30の壁は厚い。

 

 ◇

 

「ピッカッチュウ」

 

「…………」

 

「ピーカー」

 

「お前……苦労してたんだな」

 

「チャアッ!?」

 

 傷だらけのピカチュウが現れた。

 

 血まみれである。そう、血まみれ。

 

「おーい、ハピナース!」

 

「ハァアアアアアピィイイイイイッ!!」

 

 どこからともなくハピナスが現れて、ジョジョ立ちで祈って力尽きる。もう見飽きたともいえる光景だが、ハピナスが来てくれるようになったのは嬉しいことである。回復に便利。

 

 さて、傷は治った。ピカチュウの方を見てみると、べちゃりと凄惨なほど血が付いている程度だった。傷はない。

 

 血に触れないようにピカチュウの頭を撫でる。「チャア」、と声を漏らして嬉しそうに顔をほころばせるピカチュウは、それでも10まんボルトをぶっぱなすバグネズミであることを忘れてはいけない。そういえぱかみなりって億ボルトくらいらしい。なぜ威力が四十しか違わないのか。詳しいことは運営のみが知る。

 

 ぽんぽん、と頭を叩いて終了、と告げると、ピカチュウは尻尾を鋼鉄化させて此方に飛びかかってきた。

 

「うわぁっ?!」

 

 困惑と、驚愕やらなんやらで右肩下がりの疑問系になってしまったが、ピカチュウはぴょん、と自分の上を飛び越えると、後ろで“アイアンテール”を放った。がつん、と鈍い音に、後ろでバリバリと光が轟く。

 

 電気がピカチュウの周りを包み、青色のシェルターのようなものが出来上がり、ぎりぎり此方に当たらないといったところで止まった。衝撃波を放ちながらピカチュウは飛び上がり、浮遊しながら電撃の突進を襲ってきたリングマに喰らわせる。地面を砕き、穿ちながらの一撃は、リングマの腹に着弾した瞬間強く炸裂した。

 

「く、“クロスサンダー”?」

 

 そう。

 

 それは、ゲームで見た伝説のポケモンの技と、モーションが同じだった。

 

 やつは、本当のバグチュウであった。

 

 ◇

 

「何お前、ゼクロムのところに弟子入りしたの?ワタルさんに育てられたの?お前ピカチュウ辞めたでしょ。きっとお前はぴかちゅうでしょ」

 

「チャ、チャア?」

 

 困惑するピカチュウをよそに、ぐちぐちと言葉を呟いていく。困惑顔のままたどたどしくピカチュウが此方の頭を撫でる。でも力加減をミスってるのか知らんが頭がぐらんぐらんと揺すられるだけだった。はっきりいおう。

 

 ──なして自分こんな愛玩動物に負けてるん?

 

 こいつが萌えもん界隈に君臨する狂気のぴかちゅうならまだ理解してやろう。でもなに?こいつなに?普通のピカチュウだよ?種族値的にすばやさととくぼうが負けてるくらいだよ?こうげきでいえばこっちが20も勝ってるんだよ?レベルか。レベルの差なのか。

 

 そうして軽く鬱になっていると、ピカチュウが思案顔で顎に手を当てて、そうして石を拾い上げ、軽い動作で放り投げる。

 

 洞窟の壁が消し飛んだ。

 

「ピーカー?」

 

「怖い怖い怖い!何お前石で壁消してんの!?お前本当にピカチュウ!?もっとおぞましい何かだよね!?」

 

「ニタァ」

 

「ひぃっ!?やめて来ないで助けて!?」

 

「ピッ……カァッ……!!」

 

「わらうな!?」

 

 このピカチュウ、案外サドっ気があるらしい。怯えたこちらの前で笑いながら反復横飛びを始めた。「ねえどんな気持ち?」といっているようだった。

 

「てい!」

 

「ピカッ!?」

 

 でこぴん一発。ただそれだけのことだが妙にスカッとした。恨めしげに上目で睨むピカチュウを笑い、そうしてやってきたグラエナをピカチュウが潰し、再度壁に穴を開け、そこから飛んでいったグラエナの冥福を祈っていると、ピカチュウが飛んでくる。

 

 ──取りあえずは、平和だった。




 読了お疲れ様です。
 平日ではモチベさえあれば二本投稿いけそうですが、多分萌えもんでロリマンダ育成するんで一本になりそうです。
 宿題をやらず更新していくスタイルだぁ!おかげで二週間分の宿題が溜まってるぜやっほぅ!
 宿題はノートに短編のSS書いて提出してます。基本的にマンダ賛美で埋め尽くされてます。というかタツベイもコモルーもマンダもかわいいからなかなか進化まで時間がかかるんだ。許してくれ。
 ネンドールも擬人化絵かわいいんだよなぁ……

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