「ははは、負けたよ──次はガチでしばくお前」
「よっしゃ勝ったバッチ入手ヒャッハー!」
「いわっち」
「お呼びでしょうかマスター」
レッドが煽ってタケシがキレる。今日でかなり馴染んだ光景に吐息が洩れる。
ともあれ。
「いわっちさんどうもよろしくお願いしますこのクソガキ潰してあげてください──本当に」
「あんたこいつの身内よね……? じゃあ遠慮なく」
そうしていわっち──恐らくは6Vイワークが情けも容赦もなくいわなだれを使い、レッドが岩を破砕する。中指を立てていわっちをちょうはつするレッドにいわっちが攻撃一辺倒になる。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す──……」
いわっちの殺意と共に放たれるアイアンテールを笑って回避し、「ざまぁw」と笑って更に煽る。悪循環である。耐性のないいわっちに任せたのは悪かったかもしれない。ごめんいわっち、あとで百円やるから。
そうして普段通りげきりんを叩き込んでレッドは倒れた。タケシは即効で起き上がったレッドを見て、しみじみと呟く。
「こいつの存在がファンタジーだよ」
「うちのバカが御免なさい……」
レッドのボールの内一つが割れてレナが出てくる。きょろきょろと首を振って、そして倒れたレッドを踏んで走り出していった。
「嫌われてるなあ……」
「あの子捕まえる時にあいつあの子のクロスフレイム殴り壊したからね……」
「あいつ人間かよ……」
まあ、ともあれ。
そんな感じで、ニビジム攻略は終わった。
◇
次のジムはハナダシティなのだが、面倒なことにオツキミ山をくぐり抜けないとハナダシティには行けない。それは面倒なので、早速使えるようになったいあいぎりを使ってクチバシティに向かう。ロケット団なんか知ったものか。シルフでサカキ倒せばいいんだろ──絶対な補正を持つレッドならシルフ襲撃とかいう悪役も顔を覆うような事件でもロケット団に罪をなすりつけることぐらいは出来るだろう。
というか、オツキミ山とかどうでもいいし。という訳でディグダの穴を走ってクチバシティに直行している。直線で繋がっているとはいえ相当に長いそれをゆっくりと歩いていきながら、レッドがダグトリオを壁にめり込ませながらいう。
「パーティー全員でしりとりしようか」
そういってボールを開く。一人一瞬で引き込もったのは戦闘狂である。それ以外はピカチュウと自分、ニビジムの三体。
レナが言う。
「リチウム!」
「ムウマ」
「ピカ(マグカルゴ)」
「バナァ(ゴリチュウ)」
「オーオオ(ウルガモス)」
「スイクン」
「何言い出しっぺが速攻で終わらせてんのよッ!! それにダネ! あんた変な名前言ったんだけどっ!?」
ディグダの穴は長い。
ここで切って次回文字数大幅増量。できたらいいな……
30分クオリティ