空に憧れて   作:moti-

22 / 33
パーティーは一体を除いてニビジム戦、明らかになります


トキワの森攻略作戦

 トキワの森までの移動は順調だった。

 

 トキワのジムは閉まっていることを事前に確認しておいたのでスルーして、そして新調したランニングシューズを履いてトキワシティを抜けた場所にある二番道路でフシギダネのレベルを一気に上げて何とか進化させ、トキワの森で後のレベル上げは新参三人を加えて進めようと計画していた。ニビジム戦までに全員50まで上げておきたいというのがレッドとしての本音らしいが、流石にそれをするには一日掛かるとのことなので妥協して40までだそうだ。40まで上げれば確かに戦法を組むことが出来るが、とはいえ今日はかなりハードスケジュールになるだろうと予想した。

 

 レッドが進化用の“ほのおのいし”をカバンにいれて、そうしてタケシ蹂躙計画を開始する。即ちレベル上げ。

 

 ボン! と音を立てて開いたのは三つのボールだった。この三匹で徹底して敵を潰して回る。フシギソウ──NNダネはここの敵と相性が悪いが、とはいえそこはレッドが何とかするだろう。

 

 ちなみに自分はボールに引き込もってその光景を見ている。虫が大嫌いなのだ。あれ、何故か目から水が……。

 

「ヂュル」

 

「ッッッ…………!!」

 

 虫が倒れた時の断末魔さえもかなりヤバい。ジムリーダーのカスミが言ってのけた虫は無視発言だが、事実その通りである。いや、パーティーメンバーの彼は大丈夫なのだ。ただ駄目なのが一度ここで特訓した際、奴らよってたかって此方にいとをはくばかりしてきた時には真面目に泣くかと思った。レッドの視線がアレだったので一発げきりんを決めておいた。

 

 とまあ、そんな背景も存在し、個人としては虫は無視しようとしているが、やはり無視出来ないのである。無視しようものならいとをはく一斉射撃が飛んでくる。正直ピカチュウに森を消してもらおうかと思った程である。

 

 故に今回出来ることは特に無い。しばらくの間ぼーっとしていることぐらいだろうか。

 

 ふう、と息を吐き、ニビジムのスタンダードルールを思い返す。ニビジムのルールとして、ジムとして強制50、3対3のバトルだったはずである。準伝説の登場自体は世界規模で許可されているので、まあラティスが登場出来ないということはない。禁止アイテムもないのでこころのしずくも当然装備出来るだろう。

 

 一度レベルリセットを限界突破したというのにグリーンは掛けて、

 

「次はもっと強く鍛える」

 

 と言っていたので、恐らくニビジムではラティスが暴走するだろう。3対3なので此方のパーティーの内、出るのは現在鍛えている三体だ。レッドとしても彼を出したいのだろうが、ジムとしてしばらくは相性が悪い。出すとすればタマムシ戦だろうか。

 

 フシギソウが光輝いてフシギバナへと進化する。一時間もせずにこれはかなり早いんじゃないだろうか。ともあれ、パーティー的に見て全体でレベル32だろう──ゲームでリザードンにするにはビードル4000体を倒す必要があったが、それはレッドの能力でぎりぎりどうにかなっている。口に作り置きの保存されたオムライスをつぎ込みながら、暫くは出ることもないので食べ終えれば風呂に入ろう、そう思った。

 

 ◇

 

 風呂に入る。

 

 程よい温度に全身をほぐされ、ああー、と声を上げながら、浴槽の縁に手を置き、その上に顔を乗っける。体を支えるようにそれに体重をかけ、髪が水に浸からないようにする。そうしてじーっと自分の体を眺め、レッドよりも小さい体にふう、と息を吐いて、成長の見込みがないことに絶望混じりの悲しみの表情を形作る。

 

「ああ……」

 

 とはいえ、正直言って150くらいは欲しかった。いや、マンダの図鑑が1,5mになっているのに自分が小さいのはなぜだ。個体か、個体の差か。それが世界の選択か。アルセ潰れろ。

 

 そんなことを思っていたら、赤い光に体が包まれる。まあ、服は自動装備されるので問題ない。最近は帽子とスパッツも装備の一種とみなされてるので、履いたり被ったりする手間が省けている。

 

 そうして、赤い光が消え、ボールの外に排出される。謎である。レッドが此方の体を見て、固まった。何故だろうか。服は着てある。特に問題はないはずだが。

 

 と疑問に思ってると、レッドが言った。

 

「服──水で透けてる」

 

「よっし潰れなさいッ!!」

 

「危ないなおいロリ!!」

 

「誰がロリよぉおおおおおおおおお!!」

 

 げきりんと共に、援護でレッドにだいもんじが迫る。見事に上体を逸らして回避したレッドに、

 

 タネばくだんが破裂した。

 

 犯人はフシギバナだった。レッドに怒りやらのあれこれを込めたそれをぶつけてご満悦である。

 

 愉快な奴だった。




 フシギバナとカントーのほのおタイプとカロスの変な樹木と。

 分かったか? 野郎、ハメ殺すつもりだ

 そしてラティスちゃん再育成のお知らせ。三日あればレベル100まで上がるそうです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。