ピカチュウの強力で、脅威的で、いっそ殺人的な突進がケンタロスに向かって一陣の槍のように突っ込んでいく。それをケンタロスがさけて、ピカチュウをかいりきで吹き飛ばし、
「“むげんふぶき”」
グリーンの指示がぼそりと呟かれた。ケンタロスはその指示に戦意を高揚させながら、嬉々としてピカチュウに極寒の風を流す。氷のつぶてがピカチュウを殴り、
そうして吹き飛ばされた先には既に吹雪が展開されていた。
「ッ!?」
レッドが息を飲んで、風に殴られるピカチュウの受けたダメージに耐える。五回展開された吹雪に吹き飛ばされたピカチュウはケンタロスの怪力で上から押さえつけられ、そうしてケンタロスの遠吠えと共にグリーンが淡々と告げた。
「“じしん”」
ゴゴゴゴゴゴ、とフィールドが震え、ピカチュウを弾き飛ばした。フィールドの場外には初代フィールドの展開の影響で出れなくなっているので、見えない障壁にぶつかってピカチュウは地に落ちる。
「“はかいこうせん”」
グリーンの指示により、ケンタロスの士気が極限まで上昇し、“こうげき”ランクが最大まで跳ね上がる。そうして初代ルールの展開の影響で、素早いケンタロスはピカチュウの急所を“はかいこうせん”で穿ち、そのダメージを二倍に増幅させた。
リンクが途切れていないことからピカチュウが倒れていないことは分かる。しかし、あれだけの猛攻を受けたのだ。瀕死に近いことは間違いないだろう。
レッドが不敵に笑い、わざわざ言う必要のない指示を口にした。
「ピカチュウ“さついのはどう”」
その瞬間、ボッ!! とピカチュウの体が紫の炎に包まれ、どす黒い殺意と怒り、怨念を込めて放出した。それはフィールドの全範囲を飲み込み、回避という概念を根こそぎ喰らいあげ、守る、見切りという防御を絶対的に反則とした。
つまり、次の攻撃を強制的に、お互いに必中にした。
それを悟ったグリーンが獰猛に笑い。
「一騎打ちと行こうかタロウ、“はかいこうせん”」
「ピカチュウ、“クロスサンダー”」
ゴオッ!! と放たれた全力の“はかいこうせん”を、ピカチュウが自らの周囲に張った電磁力で相殺し、ピカチュウが“でんじふゆう”し、ケンタロスに突っ込んでいく。破壊光線と、クロスサンダーがぶつかり合い、まばゆく発光して爆発した。あまりに痛烈な光度故に画面ごしに目をやられて、数秒後。
そこには、倒れたケンタロスが映し出さていた。
「……グッジョブ」
「……お疲れ様、タロウ」
そういって、お互いにポケモンをボールに戻して、初代ルールが解除される。そしてグリーンはピン、と一つボールを取り出して、前に掲げた。
「おひろめだ、盛大に暴れてこい……ラティス!!」
対するレッドも此方が入るボールを掲げ、声を発した。
「二ヶ月の成果、存分に見せ付けてこいソラァ!!」
そうして。
お互いにポケモンを放出して。
相手のポケモンに絶句した。
◇
青髪をポニーテールにした、青い瞳の、体操服前時代風だが、ブルマを装備した、若い少女。
「うげっ」
ヒトガタのラティオスである。
「ねー、ボクを出す程の敵なの?」
「ああ、全力のタロウが、原初フィールドで押し負けた敵がいた。油断も慢心もするな、それくらいやつのトレーナーとしての技能は高い」
むず痒そうに頬をレッドが掻いて、そうしてリンクを繋げる。ずぷり、と体に何かが入ってくるような感覚と共に、世界が冴え渡る。
「ラティス、リンク」
グリーンがそう宣言して、入った。凶悪な、青い伝説級のポケモンが。
極限状態の深みに一瞬で潜り、そうして伝説級故の高い能力を生かして技を放つ。
「“りゅうのほうげき”」
音を殺し、強烈な光線を危機一髪で回避し、レッドの指示に従い空中に散布されたサイコショックを回避しながら距離を詰める。懐に潜りこんで、
そして全力の“げきりん”がラティオスのその身を穿つ。レッドが指示で急所に必中させながら、反射的に身体操作を行い回避したラティアスに舌打ちをかましながら、手のひらから“りゅうのはどう”を放つ。伝説のタガが外れたその能力により悠々とそれを回避したラティアスは、ぴん、と指を立てて呟いた。
「“りゅうせいぐん”」
「こんなところで流星群ぶっぱなすあんたの気が知れないッ!!」
そうして。
天から降り注ぐ流星群を、どう対処しようかと、レッドと二人で考えた。
ケンタロスも充分ガチ育成されてるはずなのにそれをねじ伏せるピカチュウのバグっぷりよ
そして多分予想されていたグリーンのラティオスちゃんだぞ本当の性別は♂のはずなのにヒトガタになったから体は♀だぞ
なお、このこはボールの中でお勉強をしていた模様。テレビなんてつけてないから外の状況が一切分からなかったそう
鬼畜3rdでついにロリマンダ捕獲しました。NNはこの作品と同じソラにさせていただきました。きらぼしver.のデータは未だオツキミ山です(
理由がフカマル厳選です(
性格変更パッチ当てたから見た目にマッチする性格の子が欲しい