空に憧れて   作:moti-

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眠いので二話投稿です。投稿が終わると同時、私はマンダを求めて旅立ちます、


おくがふかいぽけもんとれーなー

「それじゃあ感覚同調と思考同調について説明するわい」

 

 そういって、部屋に用意したホワイトボードに黒ペンで図式を書いていく様を、用意された机と椅子に座って待つ。きゅっ、と音と共にその図式を完成させ、そうして説明モードに入ったオーキド博士が口を開く。

 

「感覚同調は、トレーナーが意識をポケモンと繋げることができる」

 

 つまりこういうこと、とオーキド博士は一つの図式にペンの先をこんこん、と当て、それに意識を集中させた。トレーナーの意識を強制的にポケモンと“リンク”させる技能らしいが。

 

 そうしてオーキド博士はその技能のメリットとデメリットを語っていった。

 

 いつになく若々しい、荒々しい口調で、しかし説明に持ってこいなそれで言葉を繋げる。

 

「──メリットはだな。“感覚の強制リンク”という面にある。ある程度ポケモンと絆を結ばないと受容拒否されるが、強制リンクしてポケモンを戦闘中に内側から改変、指示が出来る」

 

 育成力が強い者は、強制リンクを使用して戦闘中にその場に応じた特性に変更させることもできるし、その感覚までお互いに共有するのだから当然、言葉に出さずとも指示を伝えることだって出来る。戦闘中に新しいオリジナル技のイメージを送ってそれを使用させることだってできる。便利な共有技能だが、感覚を共有するとは当然。

 

「ポケモンが受けたダメージさえも共有してしまうのがデメリットってところか」

 

 そういうことである。お互いにその感覚の共有をしているのだから、片方に何か異常が起こればお互いにそれを共有して、そうして命を削る。

 

 だがしかし。

 

「この技能はかなり使える。事実、痛覚の共有を無視すれば状況に応じたポケモンの変質が行えるわけだからな」

 

 つまりは、受けにも殴りにも使えるポケモンをバトル中にそのどちらにも変更できる、というかなり異常な事実である。それ故に片方が大怪我をすれば、もう片方も同じダメージを受けるのだが。

 

 リーグ級のポケモントレーナーとなればポケモンバトルに命さえ賭ける。故に、そんな制約が存在しても感覚共有を使えるわけである。

 

「んで、そこらへん二人はどうかな? 共有できるかな?」

 

 共有、共有か。難しい物である。どうもその感覚が掴めない、あやふやなものであると思ってしまう。

 

 すると、体に何かが入ってきた。ひょっとすると、これが共有の感覚かもしれない。まだ全部入っていないそれを受容し、そうして妙に頭が冴えたように感じる。これが共有の感覚だろうか。

 

「おめでとう。もう解いていいぞ。さて、次は思考同調なんだが……」

 

 ──読んで字の如く、思考の共有だ。

 

 オーキド博士はそういって、説明を始めた。

 

 ◇

 

 ポケモンの記憶領域を借りて、トレーナーが思考の足りないところを補完する技能らしい。こちらは特にデメリットは存在せず、気安く使えるのでポケモンリーグもそれ用のポケモンを用意するのは戦闘用と別枠でいいと、初心者の救済のためにルールを作り、事実、記憶領域の拡張用といってもいいポケモンはどんなパーティーにも一体はいるらしい。

 

 さて、何故このようなルールが出来たのかといえば、思考同調を行っているポケモンは、思考領域さえもトレーナーに持っていかれてしまって戦闘を行うことが出来ないからだった。

 

「そしてこの思考同調の真価は、ポケモン側から見ての推測もトレーナーに送れることにある」

 

 どういうことか、とレッドが呆けていたので、口に出して説明してやる。

 

「ポケモンから見て感じることはトレーナーより多くあるわ。道具や技の知識にトレーナーが優れていても、ポケモンはそれとは別、つまりは相手のコンディションとか、相手を倒すことができるかどうかとか」

 

 そう言えば、オーキド博士は頷いて言った。

 

「うむ。……ところで、もう夜になる。そろそろ帰りなさい」

 

 はい、といって、研究所からでていった。

 

 未だ止まぬ吹雪に辟易しながら近くの家まで早足で急ぐ。スカートがめくれても気にしない。あの日からスパッツという装備を身につけたのでパンツが見える心配もなかった。

 

 そうして家に到着して、リビングのソファーでへたりこむ。

 

 レッドが部屋に戻ったのを見て、自分も帽子をのけて、眠ろうと机の上に置いたモンスターボールに入った。




ロリマンダかわいいのでちょっと抱きまくら作ってます(
ジムリ難易度としては萌えもんきらぼしの難易度のレベルを大幅に上げた状態を目安にやっていきたいと思います。
次回、奴が来る

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