空に憧れて   作:moti-

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モンスターボールに引きコモルー。ロリマンダが退化を始めたー(嘘)


尚、みんなには聞こえていなかった模様

 外に出れば、そこはオーキド研究所だった。回復装置を使わせてもらったのだろうか。あれは確かにボールに入れないといけないし、そりゃあボールの中で治療しているので当然なのだが。

 

 そう言えば、服と髪型は普段のものに戻っていた。ボールから出れば自動でセットされるのだろうか。なかなかに便利なものだった。

 

 気まずそうなピカチュウが此方を見て、ピカー、となく。どこかそれに謝罪に近いニュアンスを感じて、頭を捻ることになった。どういうわけだろうか、ピカチュウは此方に罪悪感を覚えているということだろうが、謝られることなんて一切ないはずである。そうしていると、身じろぎして視線をさ迷わせていたレッドが口を開いた。

 

「あー、その……ボールに入れたのは許してくれ」

 

「いや、別に怒ってないわよ? いったいなによ、あんたたち。私に何を隠してるのかしら?」

 

「い、やあ、あの、うん。元気そうで何よりだよ」

 

「? そりゃあ、元気だけど……回復してるわけだし」

 

 そういえば、酷く気まずげにレッドが頭を掻いて、ピカチュウが縮こまってしょぼーんとしていた。もしかして、戦闘中に何かあったのだろうか。

 

「……あのね。俺に当たらないでよ?」

 

 うん。と答えると、口をもにょもにょさせてレッドが言った。

 

「──あのね、最後のピカチュウの攻撃でね? ……ソラのスカート、思いっきり……」

 

「…………ッ!?」

 

 スカートを押さえて、続きを言おうとするレッドに向かって、羞恥と怒りで真っ赤になりながら、叫び声込みで。

 

「──記憶消去ォッ!!」

 

「水玉でしたッ!!」

 

「言ってんじゃないわよぉおおおおおお!!」

 

 “げきりん”を叩き込んだ。

 

 ◇

 

 ズタボロになったレッドを家のソファーに放り投げ、自分のボールを拝借し、紙に“開けるな”と書き置きして、テーブルの上に置いたボールの中に入る。

 

 暗くなった視界が開けると、豪勢なホテルの一室のような部屋に戻ってきた。服装はパジャマに変わっており、髪型も降ろしたものとなっている。何気に冷蔵庫まで用意されているが、中には何も入っていない。圧倒的に無駄だった。

 

 服を脱いで、洗濯籠に入れる。着替えとバスタオルが用意され、それを確認してから備え付けの風呂に入った。大きいものである。一軒家のバスルームの二倍の大きさのこれが、よくもあんな紅白玉の中に入るものだ。

 

 体を流し、汚れを泡で落としてから風呂に入る。緑色の液体が目一杯に入っているそれを見て、そういえばこの世界は前に比べて発達している。そう思った。ポケモンのおかげで電力も炎も水も有り余っているのだ。謎物質も多いこの世界、オーバーテクノジーで造られたモンスターボールが最たる例だと思う。どうやったら生物をあんな小さい球体の中に保存するのだろうか。昔じゃ考えられないものだ。

 

 鼻までを水の中に沈め、どれだけ息が長く続くかを確かめてみる。一分も続けば上々だが、実際にやってみると五分を容易に超えることが出来た。ぷはっ、と声を漏らしながら顔を上げる。そうして、人間とポケモンの能力の違いを再確認し。

 

 ──そんなポケモンと生身で渡り合えるキチガイ共がいることに恐怖した。ポケモン使えよ。

 

 あまり長く入り過ぎるとのぼせてしまうので、早めに出ることにした。浴槽から出て、軽く伸びをして、温まったことで血色のよくなった白い肌をみながら、自分ということを忘れれば萌えるんだろうな、と思った。

 

 体を柔目にタオルで撫で水分を拭き取り、そうしてするすると髪の色と似た下着をつけながら、人は状況に染まるものだと思った。上からパジャマを通して終了。着替えが早くなったことを実感し、慣れたものだと呟いた。

 

 ◇

 

 ベットの上に寝転がって、枕の心地よさに眠りそうになるのを抑えながら、隣に横たわったボーマンダ抱き枕を抱きしめる。いるかも分からない親を感じているのだろうか。それは自分にも分からないが、ともあれ。

 

 レッドにケーキを奢ってもらわないと気が済まないので、あとで集ることにした。

 

 部屋に設置されてあるテレビの電源を付けて、そうして何が映しだされるかを確認する。起動まで十秒もしないが、その間にあくびを一度してテレビに視線を向けた。

 

 そこにはテレビ一杯にレッドの顔が映しだされていた。難しい顔をしながらうーん、と唸って。

 

「やっぱり悪かったよなあ……」

 

 と呟いた。

 

 その後もぶつぶつと何かをつぶやいて、結果何も出なかったのか、頬を叩いて言う。

 

「飯作ろう」

 

 そうして画面からレッドは遠ざかっていって、画面外からガチャガチャと音が入る。おそらくは食器の整理とかそこらなのだろうが、音だけだとそこらへん詳しい状況は分からない。枕の柔らかさに悶えながら、そうして画面にピカチュウが映り込んだのを見て、なんだろうかと思案する。まあ能天気なピカチュウのことだ。今日ものんびりと、何かをピカピカと伝えてくるのだろう。そう思って、半分眠りながらテレビを眺めていた。

 

 そういえば、食事はどうしようか。




こっちに専念するとか思いながらモンハンのSSを思いつくのはなんなのだろうか。仕方ないからモンハンの方をノートに書き溜めて、そんでそのうち投下するーーーかも。
まあそんなどうでもいいこと置いといて、ロリマンダ教が出来つつあることにもの凄いテンションが上がってポリープ出来た。

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