なんてのを思いついた。今回はピカチュウメイン回。次の話は戦闘回。戦ってる時一番ソラちゃんは生き生きしてるね
お休み(あと一本投稿します)
「おい、」
「…………」
「おーい、ソラー?」
「……モンスターボールの中ってあんな風になってるんだ」
モンスターボールから出て、数十秒。
オスとメスとで部屋が分かれているのだろうか、しかし取りあえずは女がみんなピンク好きだと勘違いされてることは実感出来た。
「私もう絶対あそこに入らない」
「ソラちゃんは一体何を見たんだろうね……」
──。
「……思い、出したくない」
「そんなに!? そんな酷いの!?」
レッドのその言葉にうん、と頷きで返し、そしてピカピカ鳴くピカチュウのほっぺを触りながら、そうだ、と名前も知らない男の存在を思い出す。
ヒトガタポケモンはそんなに珍しいのだろうか。ふと、疑問に思って、そしてポケモンを長く見ているであろうナナミさんに聞く。
「ねえ、ナナミさん。私みたいなヒトガタってそんなに珍しいのかしら?」
「うん? ……いや、別にそんなことはないよ。五十匹に二匹は見かけるし、育てかたによっては進化の時にヒトガタに変化するし」
へえ、と小さく呟いて。
──そして、ORASで存在したサーチ機能の存在を思い浮かべる。
サーチ機能は相手の能力を図ることが出来たが。
──五十に何匹かは、能力規格外が見つけられた。
能力規格外は、個体値が3V以上が確定されてある個体を指す。そして、そこから考えるとつまりは。
3V以上の個体はヒトガタになれる素質を持っているのではないだろうか。
そして、おそらくは進化の際にどちらになるかを選べるのだろう。
人に強い望みを抱いているものはヒトガタへ。そうでないものはそのままで。
もしくは、ヒトガタの方が強い者はヒトガタへ。素の自分のほうが強い者はそのままで。
そこまでいって、何でヒトガタを人が望むのかをようやく理解した。ゲームで言えば何てことない、寧ろ普通に厳選したもののほうが能力的には高い値が出るが、当然この世界に孵化厳選なんて物は存在しないし、存在したとしても“あかいいと”を持たせて置けば能力を引き継いだ子供が生まれるなんて誰が分かるのだろう。そう、つまりは、
3Vという物はこの世界からすれば純粋に強い部類、というわけだった。
ふう、と息をはいて一言。
「何でこのピカチュウはヒトガタじゃないのかしら……」
壁を消し飛ばしたりクロスサンダーをぶちかます限界に真っ向から喧嘩を売ったこのピカチュウではあるが。
第一伝説の固有技なんていう物は真面目に考えて、伝説という規格外の能力でないと体がそれに耐えられない。
つまりは、このピカチュウは自分と相性のいい電気技ではあるが、グレードを少し落とした程度では間違いなく体がその身に纏う電気にやられ、破裂するのは目に見えているだろう。
なら、このピカチュウは伝説という殺意と狂気を煮詰めた存在と同じ枠に足を突っ込み入れている、といったことではないだろうか。
──そして、萌えもんというゲームではピカチュウ、という種族で規格外の物が存在した。
その名もぴかちゅう。
全てのポケモンという存在から頭一つどころか体全体が飛び出た、作者の殺意が肌に伝わる狂気的な存在。
そしてその特徴は。
「伝説よりも強いんだし」
種族値合計──脅威の1000超え。
公式戦で出場出来そうになかった。
◇
ナナミさんが、不意に。
「ソラちゃんの歓迎パーティーやりましょう」
そういって、自宅の飾り付けを始めたので、冷蔵庫の具合から見て此方は買い出しにいく必要があった。
“そらをとぶ”はレッドはクチバのバッチを持っていないため使用不可能である。そのため、歩いて草むらを抜けた先にあるトキワシティに向かうことになるのだが。
ちらり、と今まで通った道を振り返る。
あちこちに焼けた跡があり、そしてそこに倒れる野生のポケモン達、主にピカチュウの電撃の割りを喰ったポッポ達が瀕死体として地に堕ちていた。
軽く合掌し、何の関係もないポッポに同情して、草むらを抜けた。軽い段差を身体能力を生かして飛び上がれば、舗装された道が見えてくる。コンクリートではない。石英のレンガを敷き詰めた物であろう白い足場を踏みしめ、少し深めに帽子を被り直す。青い帽子は今まで存在を忘れていたが、意識を向けてみれば頭からずり落ちかけていたからだった。
トキワの街は案外広い。それはゲームのようにフレンドリィショップとポケモンセンターだけではなく、家庭用量販店やスーパー、小規模なコンビニがが存在するからだった。現在は食材の購入を目的としているわけだから、スーパーに向かう。
自動ドアのところで少し遊んで、中に入る。毎日安いを取り柄としているだけあって、どれもこれも商品が安めだった。それは一重に、ポケモンという労働力があるからだろう。耕作から収穫まで、例えばワンリキーなどを大量に拾って、そうすれば畑仕事は人手が足りる。輸送は小分けにしてカイリューなどに運んでもらえればすぐだ。故に量も作れて、新鮮なまま届けられる。そんな感じである。
レッドがどさどさと此方の持つ籠に商品をぶち込む。金が足りるのか、と問えば、その手には真っ黒なカードが握られていた。
ナナミさん辺りがオーキド博士からぶん取ったのだろう。罪悪感が半端ではなかった。
会計を済ませ、微笑ましい目で見られながらスーパーを去っていく。身長が低いせいで袋を地面にずりそうになるが、代わりに此方より幾分か身長の高いレッドがそれを持ってくれた。
そうして、トキワシティを抜けて、草むらに差し掛かる辺りで。
「──ようやく見つけたぞ! ヒトガタポケモン!」
そんな。
そんな声が聞こえてきた。
ロリマンダアアアアアアアアアッ!!
伝説の技って真面目に考えよう、あれは狂気的なキャパシティがあるからあんなことができるのであって、真面目に考えてゼブライカが同じ動きとか電力ファイアすれば干からびるか爆ぜるよね(
感想でこの挨拶を見かけて世界にまた同士が増えた