四ツ谷文太郎の幻想怪奇語   作:綾辻真

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前回のあらすじ。

美鈴によってとある部屋に連れて来られた四ツ谷たちは、そこで紅魔館での壮絶な過去を知る事となる。


其ノ六

「そんな……そんな事って……」

 

想像を絶する紅魔館の過去に、咲夜は信じられないといった表情で口元を片手で覆う。

一緒に聞いていた四ツ谷たちも全員が沈黙しており、小傘に至っては無関係な話ではあれど哀愁さえ漂う顔を浮かべていた。

そんな皆の視線を受けながらも美鈴は俯いた暗い顔のまま話し続ける。

 

「……奥様の死後、私は奥様の墓を作ろうとしたのですが……旦那様は紅魔館の庭園内に墓を作るのを嫌い、許してはくれませんでした。ならば、奥様の身を元の故郷……奥様の生まれ育った村へと返そうとも思ったのですが……」

 

そこで美鈴は言葉を詰まらせる。

しかし、数秒の短い沈黙後に再び口を開いた。

 

「……生前、奥様から村のある場所を聞いていた私は、彼女の身内に奥様を渡すために、単身その村へと向かったのです。ですが……もう、()()()()()()()()()()

「……え?無かった……?どういう、事……?」

 

咲夜のその問いかけに、美鈴は静かに答えた。

 

「……川べりにあるというその村は家々の残骸らしきモノが点在して残っているのみで人がいる形跡が影も形も無かったのです。一体どう言う事なのか、私は少し離れた別の村の住人にこの村の事を聞いてみました。そうしたら――」

 

 

 

 

 

「――その村は数年前に、嵐で川が決壊し、その濁流で押し流されてしまったらしいのです……」

 

 

 

 

 

美鈴から語られたその事実に四ツ谷たちは押し黙ったまま聞き入る。

 

「……数百人いた村人の何人かは遺体で見つかったらしいのですが、今だ大半の者が行方不明なままなのだとも……。生存者の存在はたった数名しかおらず、見つかっていない者たちの中には、()()()()()()()()()()()()()()()()を賢明に探していた夫婦の姿もあったとか……」

「そんな……」

 

やるせないといった顔でそう響く咲夜。

深くため息をついて美鈴はそれでも言葉を続ける。

 

「……奥様の故郷、家族が既にこの世に無い事を知った私は、家族の墓(どころ)か遺骨すら存在しないこの地に奥様を埋葬する事が彼女にとって良い事だとはとても思えませんでした。でも、だからと言って紅魔館に無理矢理作ったらあの旦那様が奥様の墓に何をしでかすか分からない……」

 

そうして一呼吸置いて、美鈴はまた言葉を続けた。

 

「……散々迷った結果、私はあの地方では主だった埋葬である土葬を諦め、奥様を火葬にしてその遺骨を私の手で保管する事を決めたのです。いずれ時が経ち、奥様をちゃんと埋葬できるその日が来るのを信じて……」

 

そうして美鈴は言葉を止める。

周囲の沈黙は重く、空気だけでなくその場にいる者たち全員の全身に圧力をかけているかのようであった。

しかし、そんな空気にも構わず美鈴に質問を飛ばす男がいた。

 

「んで?その奥様の遺骨ってのは、今はどうなってんだ?」

「……今はもうちゃんとこの館の裏庭に埋葬しています。旦那様が亡くなって直ぐに……裏庭の隅の、日の当たる場所に」

 

四ツ谷の問いに美鈴がそう答えると、途端に咲夜がハッとした顔を浮かべる。

 

「裏庭って……あそこは私ですらお嬢様からむやみに立ち入らないように言われている場所よね?……そこに奥様のお墓が?」

「ええ、そうです。……実はそのお墓のお手入れはお嬢様が自らが定期的に行っているんです。()()()()()()()だけは……お嬢様にとって今も昔も、特別な場所でありましたから……」

 

少し苦笑気味に美鈴がそう答えると同時に、今度は今まで黙って聞いていた小傘が、腕を組んで憤慨しながら口を開いた。

 

「それにしても、レミリアさんたちのお父さんって酷過ぎますよ。まがりなりにも自分の奥さんにそんな酷い事をして……レミリアさんたちにも嫌われていたって話ですから、一家の大黒柱としての自覚が薄すぎてたんじゃないんですか?」

 

その言葉を聞いて美鈴は再び暗い顔になって俯きながら響く。

 

「『自覚が薄すぎる』……ですか。それは違いますね小傘さん。実際、旦那様は奥様の夫である所か、お嬢様たち二人の実の父親である自覚が()()()()()()()のです」

「……え?」

 

絶句する小傘を他所に美鈴は続けて言う。

 

「はっきり言ってしまえば……あのお方は奥様を自分の妻だと全く思っていなかった。……そして、お嬢様たちに対しても……。あの方にとって奥様とお嬢様たちは――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……一時、家族というモノに座興(ざきょう)を見出すためのただの人形――戯れの相手に過ぎなかったのですよ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴のその言葉に再び全員が言葉を失う。

だが、直ぐに咲夜が憤りながら美鈴に食って掛かった。

 

「な、何言ってるのよ美鈴!奥様の事は……残念ながらそうだったのかもしれないけれど、少なくともお嬢様と妹様はその方の血を引いていたのよ?どんなに最低な存在だったかは分からないけれど、娘だと思わないわけ……」

 

そう言う咲夜を前に、美鈴は泣きそうな顔で力なく首を振った。

 

「いいえ……。いいえ、咲夜さん。本当に残念ですけれど、あのお方にはお嬢様たちに対して父親としての愛情を向ける事は一切無かったのです。それ所か――()()()()()()()()()()()()()()()()……」

「なっ……!?」

 

咲夜は何度目かは分からない絶句を再び重ねた。

そして、それは四ツ谷たちも同じであった。

 

 

 

 

 

――美鈴が言うには、妹様……フランドールが生まれて三年ぐらいした時の事であった。

当時、まだ生まれてから僅かしか立っていないフランドールは、物事の善悪の区別がつかないでいた。

そんな中生まれ持った強大な能力、『あらゆるものを破壊する程度の能力』を彼女が乱用する事は目に見えた事であった。

まだ物心のつかない彼女は、目に付く物を片っ端から破壊していく。

現在なら狂気を帯びた言動で破壊し歩き回っているが、善悪の理解が無かったこの頃は、ただただ純粋で無邪気なだけであった。

そんなフランドールを周囲の者たちは恐れ彼女から距離を大幅に置く。

赤ん坊が核兵器持って歩いているようなものなのだ。必然的にそうなっても仕方の無い事であった。

しかし、そんな中でも母親である奥様、美鈴、そして姉であるレミリアだけは恐れる所か彼女から全く離れようともせず、フランドールに能力を乱用しないよう優しく言い聞かせながら彼女に接し躾けながら日々を暮らしていったのである。

そのかいあってか、無意識的にではあろうが、フランドールも能力を使いすぎるのはあまりよくないと考えたのか、時が経つに連れてしだいに能力を使う回数が少しずつ減っていったのである。

それを間近で見守っていた三人はフランドールの変化に安堵の笑みを浮かべていた。

だが、それでもまだ安心し切れていない者たちが周囲には多く存在しており、中でもフランドールの実の父である館の主は実の娘である彼女に心底の恐怖を抱いていたのである。

何も触れずに一瞬の内に対象を木っ端微塵に破壊するフランドールの能力は、何と主の吸血鬼としての破壊能力を凌駕していたのだ。

物心のついていないフランドールが、自身にその能力を向ける事を恐れた彼は、恐怖のあまりとんでもない凶行に及ぶ。

母親と美鈴が少しの間眼を放した隙に、彼は寝ているフランドールに近づくと、無垢な顔で寝息を立てる彼女の細い首に、それこそ一切の躊躇(ちゅうちょ)も無く手を掛けようとしたのだ――。

 

 

 

 

「なん、ですって……!?」

「……幸い、奥様と私が直ぐに気づいて止めに入り、事なきを得ましたが……あと少し遅れていれば、妹様の首は旦那様の手によってへし折られていた事でしょう」

 

信じられないといた表情で咲夜は響き、美鈴はそう静かに言葉を零す。

咲夜がそう思うのも無理は無い。脅威の能力を宿しているとは言え、仮にも実の娘を父親が殺そうとしたのだから。

美鈴が一際大きなため息を吐くと天井を仰ぎ見て続きを言う。

 

「……私と奥様の必死の説得で何とかその場から手を引いてくれた旦那様でしたが、その目に映る妹様への恐怖心は少しも拭える様子は無かったようでした。……そして同時に、私は悟りました。旦那様は妻である奥様どころか自分の血を分けたお嬢様や妹様ですら、自身の身内などとこれっぽっちも思っていなかったと言う事に……」

「……ハァ、もうどうしようもなく擁護(ようご)できねーなその男。呆れるまでにつくづくクズ野郎だ。夫所か親ですら失格とは始末に終えん」

 

舌打ちをしてそっぽを向きそう毒つく四ツ谷。無表情ながらもその目には少なからずの侮蔑と怒りが混ざっていた。

それを見た美鈴も頷く。

 

「はい……。その時は手を引いてくれた旦那様でしたが、やはり妹様の能力が怖かったのでしょう。彼女を館の地下深くへと幽閉し、自身から遠ざけようとしました。その時も私と奥様は旦那様を説得して地下から出してもらえるよう懇願しましたが、それは受け入れられる事はありませんでした。……旦那様から許可を得られなかった私たちは、仕方なく妹様と同じ地下に入り、そこで一日を過ごしお嬢様と共に妹様を育てる事を決めたのです。……薄暗く息苦しいほどに圧迫された地下ではありましたが、それでも奥様は笑顔を絶やさず二人を愛情を持って育て、そこで静かに暮らしました」

 

そこで美鈴は言葉を一旦止め、続けて口を開く。

 

「……奥様の死後も旦那様のお嬢様たちへの冷遇は変わる事はありませんでした。私は一人でお二人を守るため地下に篭り続け、お嬢様たちの身の回りのお世話をすると共に、いつか旦那様を倒し、この冷たい地下から二人と共に出るためにそこで修行を始めたのです。……もっとも、その努力は無駄となってしまいましたが……」

「無駄になった?どう言う事……?」

 

咲夜の問いかけに美鈴は苦笑しながらそれに答える。

 

「……私が旦那様に挑むよりも先に、()()()()()()()()()旦那様は殺され、あの世へと葬られたのです。()()()()とは言え、何とも呆気ない最後だったみたいですが……」

「殺された……?先代よりも強い者に殺されたの?」

「ええ。私自身の手でかたをつけられなかったのは残念でしたが……」

 

小傘の問いに美鈴はそう答え、その時の事を詳細に語り始めた――。

 

 

 

 

 

――奥様の死後、数百年。その間も美鈴は地下でレミリアとフランドールと共に先代主の冷遇を受け続けながら暮らしていた。

そんなある日、先代主は風の噂で()()()()()()の事を耳にした。

東の最果て……『日ノ本』と呼ばれる島国に『人と人ならざる者たちが共存する奇妙な里』があるのだと――。

その里の存在を知った先代は腹を抱えて笑う。

 

――共存?人と魔の者が?そんなおめでたい場所を創ったのは一体何処の誰なのだろうか?吹けば簡単に散るような脆い命を持った人間と共に暮らすなど、さぞそこに暮らす人外も創設者も脆く弱い存在に違いない。

 

そう決め付け考えた先代はふとひらめく。

それは、自分がその里の支配者となり、人間は蹂躙し殺し、共存などと愚かな考えを持った人外たちには、『自分たちは人間のはるか高みに立つ存在』だと改めて理解させるために、自身の手を持ってご教授してやろうと――。

名案だとばかりに、自分勝手にそう思いついた先代は、早速部下に命令してその隠れ里の正確な位置を割り出すと、そこに館ごと己が力を持って自分たちをその地へと転移させたのであった。

 

――その隠れ里に、自分の想像を絶する存在が多く住んでいる事も知らずに……。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょ、ちょっと、その『隠れ里』ってまさか……」

 

顔を引きつらせてそう問う咲夜に美鈴はまた苦笑を浮かべると『それ』が正解だとばかりに口を開く。

 

「そのまさかもまさか。()()()()()()()()咲夜さん。そしてその時旦那様が起こした事件も、幻想郷の記録にしっかりと残されています――」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――『吸血鬼異変(きゅうけつきいへん)』と……」

 

 

 

 

 

 

 

開いた口が塞がらない咲夜たち。そんな彼女たちを前に、美鈴は苦笑しながらゆっくりと先代主の最後を語り始めた――。

――その異変が起こった時も、美鈴はレミリアとフランドールと共に地下にいた。

突然の爆発音が頭上から揺れと共に響いたかと思うと、それらが立て続けに地上の方から轟きだしたのだ。

戦争でも起こったのか!?何が起こっているのか分からず、美鈴はレミリアたちを腕の中に抱えてそのまま嵐が過ぎ去るのを待った。

そして数時間にも及ぶ轟音がようやく止み、静かになった地下で美鈴は様子を見に行こうとゆっくりと立ち上がる。

すると同時に、地下の出入り口の方から、規則正しい足音を鳴らしながら一人の美女が地上から降りてきたのだ。

紫のドレスに足元まで垂れた長い金髪。片手には畳んだ日傘を持ったその美女は、美鈴たちを見つけると薄っすらと微笑みながら近づいて来たのだ。

その美女を見た瞬間、美鈴は直ぐに彼女が人間ではない事を悟り、それと同時に自分一人ではまるで歯が立たない強大な存在である事も本能的に気づいた。

急速に血の気が引き、冷や汗を垂らしながらも、レミリアたちを守るように立つ美鈴。

そんな彼女の数メートル手前で立ち止まった紫色のドレスを纏った女性――八雲紫が柔らかい口調で口を開いた。

 

『……あら、()()()()()()()()()()()……。あなたの後ろにいる可愛らしい吸血鬼ちゃんたちは、この館の主の娘かしら?』

『そう、ですが……。あの、貴女は一体……?地上で一体何が?』

『あら?何も知らないの……?』

 

美鈴のその問いかけに、意外そうな顔を浮かべる紫は先程まで地上で起こっていた事を掻い摘んで話してくれた。

――曰くこの館の当主が突然、自分たちの住むこの地に館と共に現れ、総力を挙げてこの地を攻めて来たとの事。そして自分たちはその火の粉を払う為に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだと言う――。

 

『ぜ、全滅って……。それでは、旦那様は……!』

『ええ、私とこの地を守護する(当時の)博麗の巫女で取り押さえて、ちょっと前に登った朝日にその身をさらさせてやったわ。見事に塵芥(ちりあくた)となって風に乗って散って行ったわよ』

 

なんとも呆気ないこの館の主の最後をあっさりと聞かされ、美鈴は思考が停止し開いた口が塞がらなくなった。

そして、それは彼女の背後で聞いていたレミリアたちも一緒であった。

しかしそれに対して、紫は先程の笑みを消して、一転何とも複雑そうな顔で美鈴たちに向けてその時の詳細を口にする。

 

『……あの男。いきなりここへやって来たかと思うと「この地の支配者になってやる」とか、わけの分からない事をほざきながら攻めて来たのよ。……でもね。確かに強力な力に強い魔物たちを使役していたけれど、戦略とか戦術的戦い方がまるでなっていなかったわ。その()に直ぐに気づいた私たちはそこを突いて攻めてやるとあっさりと形勢逆転。あの男との最後の一対一(サシ)の勝負でも力任せに攻めまくる考え無しの戦い方ばかりで、ちょっとした隙を見つけてそれを突いてやったら呆気なく決着がついちゃったのよ』

 

呆然となる美鈴たちの前で紫の話は続く。

 

『……朝日にさらして消滅させる時も、あの男結構無様に泣き喚いていたわ。――』

 

 

――この私が……こんなにあっさり負けるはずが無い!!そんなはずは無いんだぁ!!

 

――私の持つ軍勢は最強だ!!それを従える私も世界の頂点に至る存在なのだ!!そんな私がこんな弱小な里の民どもに負けるわけが無い!!

 

――夢だ……これは夢だ!!悪い夢なのだぁぁぁっ!!

 

 

『――って、最後まで自分の敗北も死も受け入れる事無く、朝日に炙られながら逝ってしまったわ。こんな大きな館を持つ貴族の者にしては目に余る無様な最後だったわね。……ねぇ、あの男本当にこの館の主だったのよね?影武者とかじゃなく』

 

 

 

 

 

 

「……あまりにも情けない最後だったのでしょう。旦那様に手を下した紫さんでさえ、彼がこの館の本当の主だったのかと最後まで首をかしげていましたから……」

 

美鈴の説明に咲夜も四ツ谷たちも反応も見せなかった。

それに構わず、美鈴はその後に起こった出来事も簡潔に話し始める。

 

「……一通り話をした紫さんはその後、館を去って行きました。もうこの館の生き残りは私とお嬢様と妹様のたった三人のみ。しかもその三人とも幻想郷に対して敵意は無い以上、もはやここにはもう用は無いと、そう言って……。残された私たちは地上に出て半壊した館を目の当たりにしました。あの忌々しく。私やお嬢様たちの憎悪が積もりに積もったその場所が、あまりにもあっさりと瓦解し、瓦礫の山となった状態でそこにあったのです。……その後、お嬢様が必然的にこの館の当主となり、私たちは長い時間をかけて館を修復しました。この幻想郷の妖精たちをメイドとして引き入れたり、館全体をお嬢様の好きな赤色に塗り替えたりして……。今までの過去を文字通り塗り潰して無かった事にするかのように……。そして、館の復興がある程度終り、安定した頃……私はお嬢様から()()を言い渡されました」

「え?お嬢様があなたにお暇を?」

 

驚く咲夜に美鈴は頷く。

 

「はい。以前から私が武者修行の途中でこの館に留まり続けた経緯を知っていたお嬢様は、私をこれ以上この館に縛り続けるのは酷だと思ったのでしょう。私を役職から解放し自由にするつもりだったみたいです。ですが……」

 

美鈴はそこで小さく微笑むと静かに首を振った。

 

「……私はそれを断りました。この数百年、私は奥様とお嬢様たちと共に今日までこの館で生きて来たのです。今更、武者修行の旅の空に戻っても行きたい場所などありませんし、お嬢様と妹様の今後の事が気がかりでしたので」

「それであなたはここに残る事を決めたのね……」

「ええ。それを伝えましたらお嬢様を内心嬉しそうでしたが、やはり私を数百年この館に留めさせ、面倒をかけた負い目もあったのでしょう。私を比較的楽な今の門番の役職につかせたのです」

 

咲夜のその言葉に美鈴はそう答えると、最後に「これが、私が知る紅魔館の五百年間の過去の……大まかな経緯です」と響いて話を()()終わらせた――。




最新話投稿です。

美鈴の過去話『その2』です。
次回は最も重要な話を美鈴の口から最後に語ってもらう予定です。

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