機動戦士ガンダムSEED 哀しみの傭兵の軌跡   作:TBの狙撃手

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seed系の小説を楽しみにされていた方々、本当に申し訳ない。
Isやデアラの方に集中していておろそかになってました

では、本編へ


第4話 戻らない平穏

〈ヘリオポリス 宙域・ヴェサリウス〉

 

 

「ミゲル機、中破!!緊急帰投するようです!」

 

「なに、ミゲルが!?こんな任務でか!?」

 

ザフトの艦、ヴェサリウスで衝撃の報告が入った

ザフトのエースパイロット、黄昏の魔弾という異名までついているミゲルがやられたというのだ

幸い、ミゲル自身は無事なようだが、この報は艦の中に大きい衝撃を与える

 

 

「ふむ…」

 

このヴェサリウスの艦長、ラウは、あごに手を当てながら考える

イザーク、ディアッカ、ニコル、アスランが奪取に成功し、ラスティが失敗

ミゲルが手傷を負い、エレン・アシュクロフトからも応答が来ない

 

 

「ミゲル・アイマンから報告!ジン・ハイマニューバがコロニー内で確認!連合側で、傭兵の様です!」

 

「マシューからエマージェンシー!機体を失ったそうです!残り、2機にやられたと。エレン・アシュクロフトは……失敗した模様です……」

 

「なんだと!?」

 

 

さらに入ってきた報告に、アデスが声を上げる

エレンもまた、ミゲルほどまだ名は知られてはいないが、

いずれはザフトのトップエースになるだろうと言われていた逸材だった

 

 

「エレンが失敗し、ミゲルにマシューまで落とされたか…。いささかうるさいハエが飛んでいるようだな…」

 

「隊長?」

 

ラウはなめらかな動きで立ち上がる

 

「私も出る。残りの2機とその傭兵、そのままにはしておけん」

 

 

 

 

 

ムウは1人で奮闘していた

まわりの仲間は落とされ、母艦も落とされた

だが、ここで死ぬわけにはいかない

新型のMSが奪取され、運び出されていくのは傍目ながら確認した

今、奪取された機体は4機

まだ残りの2機がある

それら全てを奪われるわけにはいかないのだ

 

「?」

 

決意を固め、ムウは再び敵機に向かおうとするが、突然敵機が撤退し始めた

訝しげな眼で撤退していくジンを見ていたムウを不思議な感覚が襲う

 

「!」

 

背筋に冷たい感覚

不快に感じるこの感覚

この感覚を感じるときは、いつも奴がいた

 

「これは…ラウ・ル・クルーゼか!」

 

感じる方向に機体を向けると、そこにはザフトの新型のMS、シグーがいた

 

「私も感じるようにお前も感じるのだな?不幸な宿縁だな……ムウ・ラ・フラガ……」

 

ラウはシグーを操作し、ゼロに向かっていく

ムウはレバーを動かし、距離を取ろうとする

 

MAであるメビウス・ゼロは接近戦の手段をもたない

なので遠距離攻撃で撃ち落とすしか基本攻撃手段がないのだ

 

「…なに?」

 

交戦していたラウが、急に転進しはじめる

その行先は…

 

「…!コロニー内部に!?行かせるか!」

 

ムウも機体を転進させ、ラウを追っていく

 

 

 

 

 

 

 

「どれですか!?パワーパックって!」

 

「武器とパワーパックは一体になってるの!そのまま装備して!!」

 

 

「ハイマニューバで、使えるのはこの大型バズーカに……給弾ベルト式大型マシンガン……それと……」

 

 

 

現在、キラ達とシルヴァはストライク、キャリバー、ジン・ハイマニューバの整備をしていた

 

 

戦闘が終わった後、コックピットから何とか降りたキラはトールたちのもとに、

気を失った女性を連れて行った

 

 

「おい、この人誰だよ?キラ」

 

「地球軍の人だと…思う」

 

「げぇ、軍の人!?」

 

 

キラからの返答に驚いたトールはつい大声をあげてしまう

しかし、怪我をしているということで、驚くのは後にして手当をすることにする

 

「それで、あれに乗ってるのは誰なんだ?」

 

今度はサイがキラに聞いてくる

しかし、それに関してはキラも知らないのだ

あの圧倒的な動き

キラが介入することもなくジンを撃墜していた

 

「あ、ハッチが開いたわ」

 

ミリアリアの声を聴き、全員がキャリバーに視線を向ける

そこにはザフトの赤いパイロットが、少女を抱えながら地面に降り立っていた

 

「ざ、ザフト!?」

 

ザフト兵が乗っていた一同は、警戒をし出す

 

「待て、俺はザフト兵じゃない……」

 

「・・・・・本当だよな?」

 

「あぁ、俺は地球軍に雇われた哀れな捨て駒だよ」

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

何処かの伝説の兵士みたいの言葉を言ったせいか周りが納得した

 

「ね、ねぇ…。降ろしてくれない?」

 

「あ、済まない」

 

シルヴァがずっと抱き上げていた少女を降ろす

 

「あの、貴女は?」

 

周りの少年達がこんな感じで騒ぐ声がうるさかったのか

 

 

「…うぅ」

 

 

女性の軍人が目を覚ます

それに気づいたキラたちは、女性に歩み寄る

 

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「!?ラミアス大尉!」

 

 

ミリアリアが女性に問いかける

女性は「ええ、大丈夫…」と弱弱しく答える

その弱さを感じたミリアリアは女性の手当てを始めようとするが…

 

「みんな、そこに一列に並んで…」

 

女性が指示した通り、全員が一列に並ぶ

全員がこの女性がなにを言うのか気になっている中、女性が口を開く

 

「私は、マリュー・ラミアス。地球軍の将校です。申し訳ないですが、あなたたちをこのまま解散させるわけにはいきません」

 

「!は?」

 

「なんでだよ!」

 

女性…、マリューが発した言葉に、カズイとトールが声を出して反応する

 

「これらの機体…、X-105ストライク、X-111キャリバーは軍の最高機密です。事情がどうあれ、機密を見てしまったあなたたちには、しかるべき所と連絡がとれ、処置が決定するまで私と行動を共にしていただきます」

 

「なんだよそれ!冗談じゃねえよ!」

 

「僕らはヘリオポリスの民間人ですよ?中立なんです!軍なんて関係ないんです!」

 

あぁ、そうだ

彼らは戦争とは無関係の民間人なのだ

さらに自分の代わりにストライクを操縦してくれた少年

しかし、申し訳ない気持ちを抑え、現実を告げなければならない

自分は、軍人なのだから…

 

「黙りなさい!」

 

騒ぎ立てるトールたちをマリューは一喝する

マリューの気迫におされ、トールたちは黙り込む

 

「中立だ、関係ない!そう言ってさえいれば今でも無関係でいられる…、まさか本当にそう思っているわけではないでしょう!?」

 

「無茶苦茶だ、そんなの…」

 

マリューの言い分に不満を持ったサイがぼそりと反論をする

 

「無茶苦茶でも、戦争をしているんです!今、あなたたちの外の世界ではね…」

 

 

 

「済まないが……分かってくれ……」

 

なんと、関係無いはずのシルヴァが頭を下げる。

この行動には、キラ達とマリューも驚きを隠せない

␣    ‥‥

「俺達、連合がこのコロニーが戦場なる筈が無いと思い込んだ結果だ……。済まない……」

 

「いや、その……頭を上げてくださいよ」

 

「貴方のお陰で私達が助かったような物ですから!」

 

「だが・・・・・」

 

それでも、何かを言おうとするがマリューが肩に手を置く

 

「もう、いいのよ?貴方が責任を感じなくても……」

 

「しかし……!」

 

「貴方のお陰で彼らの生命とストライクとキャリバーは、守れた……。誇っていい事なのよ?」

 

「・・・・・・はい」

 

 

 

そして現在に至る

作業をしながらキラはキャリバーのことを思い出す

シルヴァ・クロフォードと名乗って、後から自分の機体であるジン・ハイマニューバを持ってきて、ジンでも使える装備とストライク・キャリバー用の追加兵装をかき集めてくれた。

それに、シルヴァさんと乗っていたあの娘は誰なのか

マリューに名を聞かれたとき、エレン・アシュクロフトと名乗っていたが…

そう思考を深めたとき、轟音と共に、地面が揺れる

 

 

 

「……なんだ?」

 

 

コックピットから顔をだし、空を見上げる

そこには、戦闘機とモビルスーツが戦闘を繰り広げていた

 

「!最後の2機か!」

 

ムウが下をのぞき、Xナンバーの残りの2機の存在を確認する

 

 

「ほう、あれか」

 

ラウはシグーを2機に機体を向け、接近する

 

 

「くそ、させるかよ!」

 

ムウも負けじとラウが駆る、シグーを追う

しかし、急にシグーが視界から消える

 

「な…!上か!」

 

ムウは気づくや否や、必死に回避行動を行う

そのすぐ後、機体が衝撃に揺れる

ラウの攻撃によりリニアガンが損傷

不時着を余儀なくされる

 

 

「ちっ、落とせなかったか」

 

ラウは損傷は与えたものの、撃墜できなかったゼロを見る

 

「まあいい、今はこっちだ」

 

そう

今の最重要任務はあの2機を奪取、もしくは破壊することだ

ラウは再び機体を2機に向ける

 

 

 

シルヴァは頭上で行われていた戦闘を見ていた

あれは…シグーか!

しかし、考えている場合ではない

フラガ大尉は今、不利だ

やられるのは、時間の問題だろう

少年達は、作業の途中でダメ

残っているのは

 

 

「俺だけか!」

 

 

シルヴァは、ハイマニューバではなくキャリバーのコックピットに乗り込もうとする

しかし、シルヴァの手をつかみ、止めたものがいた

 

 

「エレンさん…?」

 

 

 

 

 

どうして彼は戦おうとするのだろうか

彼はまだ幼いのだ

だから機体に乗り込もうとする彼を止めた

いや、上官と戦うのを止めたいという思いもないと言ったらウソになるけど…

 

 

「エレンさん…?」

 

 

シルヴァがきょとんとした顔でこちらをのぞき込む

 

 

「何故……?」

 

 

「え…?」

 

 

「何故、貴方は……戦おうとするのですか?」

 

 

 

 

何故…か

その答えは…決まっていた

 

 

「力を持ってるからだ」

 

 

「え…?」

 

 

自分の答えを聞き、エレンが意外そうな顔をしてこちらを見る

 

 

「俺は傭兵である前に力があるんだ、その力を活かさないままに死ぬなんて、俺は絶対に御免だ」

 

 

「…」

 

 

シルヴァの言葉をきき、エレンは手を放す

それを確認したシルヴァはすぐさまコックピットに乗り込み、ハッチを閉める

PSを起動させる

 

モニターで見ると、フラガ大尉がやられていた

機体は不時着してるし、大尉は無事なようだが、あれではこれ以上の戦闘は無理だろう

キラの作業は、まだ少しかかるように見える

シグーは、起動したこちらを警戒しているのか動かない

 

 

「はぁ…」

 

 

シルヴァは、最初に操縦する直前のように、深呼吸をして気持ちを落ち着かせる

 

 

「やるか……!」

 

 

準備万端

シルヴァはバーニアを吹かせ、シグーに向かって上昇する

シグーも、キャリバーの動きに反応して、こちらに向かってくる

 

 

シルヴァは腰にあるビームサーベルを抜き放つ

ラウも重斬刀を抜く

 

 




どうでしたか?まだまだ、未熟ですが楽しめて頂ければ大いに結構です
では、オリジナルMSを紹介します



GAT-X111 キャリバーガンダム

分類 高機動換装機

胴体・両腕はゲイルストライク
下半身はSガンダム
頭部はアスタロト

他のXナンバーより、別格感を出したかったので

特殊機能
ストライカーパック共有する程度の機能

連合製武器の使用可能できる程度の機能

武装

対空バルカン砲塔システム イーゲルシュテルン×2

両腕部 ガトリング砲×2

ハルファス 腰部ビームカノン×2

高エネルギービームライフル
(デザインはセンチネルに登場した量産機ネロ)

ビームサーベル×2
(左右の大腿部に装備)


専用パック
スペリオルパック

レオニス ビームキャノン兼用大型ビームサーベル×2

有線式小型ビームガンバレル×2

8連装径ミサイルポッド×2

専用手持ち武器
フォルストリーム ビームスマートガン


大まかにこんな感じですね、それと登場させたいオリキャラが居るのであれば、後で活動投稿を見てくださいね

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