魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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何がなくては魔法科で在らず!!(うちの主観が入りまくってます)


見極めの評価

 

 

 

 

 

 

 十門親分に連れられて、武家屋敷の奥の敷地へと足を運ぶ幹比古。戦闘を歩く十門親方は何も言わず、ただ幹比古を招く。それを廊下ですれ違う人たちや庭で稽古をする役人たちが驚いた表情で視線を向けてくる。視界の端でそれを確認した幹比古は、これは物珍しい事なんだと感じたのであった。

 

いままでの歓迎とは違った雰囲気に包まれた空気を感じながら、幹比古が連れて行かれた場所は、十門親分の私的な和室部屋だった。ここに入れるのは、奉行所の中でも限られた人間だけで、側近くらいだ。その証拠として十門親方と幹比古だけでなく、この場には服部、桐原、沢木もいた。そして部屋の隅にはレオが邪魔にならないように座っていた。プライベート空間にまで連れてこられたからには、それだけ秘密に、重要な話だという事は理解した。

 だから、幹比古は十門親分が話を切り出すのを静かに待つ。自分から話してもいいと言うのは野暮だと思ったし、十門親分が緊迫した面持ちでいる中に水を差す気もなかった。

 それに幹比古に気を使わせるくらいの時間、沈黙は続かなかった。なぜなら、十門親分はこれからする話に真剣に捉えてほしいと考え、幹比古に陳長官を持たせるために敢えてすぐに話を切り出さなかったのだ。ベストなタイミングで十門親方が口を動かした時には既に幹比古は十門親方の思う通りになっていた。

 

 

 「まずは、引き留めてしまって申し訳ない。何分、今からする話は込み入った話なのでな。それなりに見込みがある者にしか話す事が出来ない。それ故に君の実力を見せてもらった。」

 

 

 「はい。」

 

 

 「俺はなかなか骨があると思っている。……お前たちはどうだ?」

 

 

 「問題ないっすね。即戦力に欲しいくらいですよ。」

 

 

 「俺も彼の実力は既に僕たちほどの強さです。」

 

 

 「彼の闘い方は私達と異なっています。しかし、その強さは私達と同等ともなれば、逆に切り札ともなれる可能性だってありますし、当初の予定よりかれえらの働きをもう少し見直して取り入れるべきだと思います。」

 

 

 「…なるほど。ならお前たちからの了承も得た事だ、これからの話は腹を割って話そうではないか。吉田、良く聞いてくれないか。」

 

 

 「はい、なんでしょう。十門親方。」

 

 

 「君の腕を見込んで、頼みたい事がある。しばらく俺達と行動を共にしてもらいたい。ぜひ君の力を貸してもらいたい案件があるのだ。」

 

 

 「案件…、何か事件でしょうか?」

 

 

 「まだ事件だと断定されていない。…表ではな。」

 

 

 意味深な言い回りをした十門親方の言葉に、幹比古は一つ分かった。

 

 

 (ああ…、事件化もされていないから、こっそり調べたいんだな。だから秘密裡って事かな?)

 

 

 十門親方が私室とも言える場所に自分を招き入れた事を悟った幹比古は、背筋を伸ばし、前を見据えて口を開く。

 

 

 「よければ詳しくお話を伺えますか?」

 

 

 幹比古の堂々とした振る舞いに、十門親方は強く頷き、最後の確認もできたため、本題へと切り出すのであった。

 

 

 




今日はいい事あったな~、そしてヤバい事に巻き込まれた日でもあったわ~。
このまま健やかに朝まで寝れるといいな~。

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