魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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そろそろ恋愛もありだけど、魔法科らしい展開にしていかないとだね。


やはり最強剣士は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 休憩が終わり、再び稽古になった道場内で感嘆の声が響き渡る。

 

 稽古開始する五分前に道場に戻ってきた十門親方は、先程の稽古で乱れてしまっていた道場着と袴を新しい物へ着直しており、大量の汗もなかった。風呂に入って汗を流したのかもしれない。身嗜みを整えて再登場した十門親方に幹比古もレオもすっかりカッコいいと思ってしまった。

 

 そんな十文字先輩と変わらない親方を見て、二人が十門の胸を借りる気持ちで、挑むのは仕方ない事だった。結果は言わずもがな…、だったがいい経験にもなったし、全力を出したから悔いはなかった。それに自分達と同じく、十門親方に挑んで敗れた服部、桐原、沢木も休めの状態で道場の壁際に立ち、見届けてくれた。三人とも幹比古達と同じ満足げな顔をしていた。十門親方の事を心から慕っている事が窺える表情だった。

 

 

 充実した稽古もあっという間に終わり、幹比古は彼らの厚意を有難くいただき、汗を掻いた身体を水浴びで綺麗にするのであった。そこにはレオも一緒で、幹比古はがっちりとした体形をしているレオの身体とそれなりに鍛えてはいるがまだ筋肉が引き締まっていない自分の身体を見比べて『まだ僕は鍛え方が足りない…。』と更なる目標を更新するのであった。

 

 

 「それにしても、十文字先輩とこんな形で戦う事になるとは思わなかったぜ。でもいい機会だったな!」

 

 

 「いや、レオ。ここは夢の中だから、現実通りの強さだったとは言えないよ。魔法でじゃなくて、刀だったし。それに、十文字先輩じゃなくて、十門親方だから。」

 

 

 「あ、そうだった。たまに俺忘れてしまうんだよな。」

 

 

 「居候させてもらっているんだろ?そろそろ覚えておかないとまずいんじゃ…。」

 

 

 「大丈夫だって、全員とは打ち解けているからよ!ただつい滑ってしまうだけだから心配ねぇ~って。」

 

 

 (それを大丈夫って言って大丈夫なのかな?)

 

 

 不安があるものの、幹比古も経験しているだけに強くは言えない。しかし、レオなら誰とも仲良くできそうだと思ってもいるので、この話はここで御終いにする事にした。

 

 

 「…ところで、十門親方が堂々とした佇まいで俺達が仕掛けてくるのを待っている時…、なんだか懐かしさを感じたよ。」

 

 

 「ああ、それ、俺もだぜ。確か十文字先輩が一高を卒業するっていう事で、その激励の送別会も兼ねた三高とのバトルロイヤルした時のだろ?」

 

 

 「うん、あの時も服部先輩達が挑んだ後、僕たちも十文字先輩と最後闘おうとしたっけ。」

 

 

 「だけど、俺達はその前に結局達也と闘って、負けちまったから十文字先輩とは闘わなかったけどな。」

 

 

 「そう言えば、今、達也は何処にいるんだろう?」

 

 

 「そうだよな~、達也がいれば今この夢の中でどうなっているのか、分かるかもしれねぇ~のによ。」

 

 

 「早く合流できるといいね。」

 

 

 「それなら何とかなるかも…しれねぇ~…」

 

 

 「え、なんて言ったか聞こえなかった。もう一度言ってくれるかい?」

 

 

 「うほっ、あ…、悪い。俺からは言えないんだよ。まぁすぐに分かるからその後な。」

 

 

 言葉を濁し、ささっと服を着替えるレオの様子に引っ掛かりを覚えたが、もったいぶって面白がるレオではないので、幹比古もレオにならって服を着替え始めた。

 

 

 そしてそろそろ夕刻に近くなってきたので、ミツを連れて帰ろうとした幹比古を十門親方が呼び止めた。

 

 

 「悪いが、吉田。俺に付いて来てくれ。ここからが本題だ。」

 

 

 稽古の時以上に真剣な表情で語る十門親方に、幹比古は事前と首を縦に振って頷いていた…。

 

 

 




今のところ、十門親方だったね。

あ、ちょっとバトルロイヤルが出たけど、これは画集にあったプチ小説から引き出してきました。相変わらず美しい達也様のドアップ姿が拝めて感動しましたよ~。

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