魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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現実にもこういう事ってあるからな~…。気の強い女性には特に気をつけないと!!

美月は違うけど。


美月の意外な一面を知り…

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ミ、ミツさん!! こ、これはその…!!」

 

 

 長い沈黙が続く中、真っ先に口を開いたのは幹比古だった。

 

 このままでは何か誤解を生むような事態になりそうだと判断しての行動だ。…いや既に誤解というか、言い訳というか…。とにかく聞かれてしまったのは確実なのだから、正直に話そうと結論付けたのであった。しかしいざ話すとなると、何からどう話せばいいか分からず、言葉を濁すばかりだ。

 

 

 「あ~…、大丈夫だぜ。幹比古は悪い奴でもないし。ただ少しばかり照れ屋なだけだからよ。

 

  ………じゃ、俺はお邪魔者だから、もう帰るわ。団子と茶、ごちそうさまでした~!」

 

 

 空気を呼んだのか、レオが間に入って口を開いたと思ったら、この場への離脱を図った。レオにはこの空気の雰囲気が耐え難かった。重苦しいこの場から去りたかった。

 出されたおもてなしに礼をし、踵を返して、泊めてもらっている奉行所へと帰ろうとする。そんなレオの肩を後ろからがっちりと掴んで、引き留めるのは、当然幹比古だ。

 

 

 「ちょっと待って!!レオ、正気か!? この状況で僕と彼女を二人きりにさせる気なのか?」

 

 

 ミツに聞かれないように、しかしレオにはがっつりと訴えるくらいの声量で助けを求めてくる。必死にしがみついてくる様子は、この後訪れるであろう修羅場に恐怖している事が嫌でも分かるくらいだった。

 

 

 「いや、俺は正直言って何にもできないぜ。辛うじてお前の株を低下させないように口添えしたじゃないか。」

 

 

 「あのたった一言で、僕の信頼が回復するとでも思っているのなら、レオ…、君との絶交も視野に入れないといけなくなるよ。」

 

 

 「お前っ! 怖え~事言ってんじゃねぇ~よ!これは仕方ない事だろ!?それにこれはお前とミツって子の問題だぜ! 俺が入っても『部外者は黙っていてください!!』って言われるのがオチだ!!」

 

 

 「ミツさんがそんな事言うはずないじゃないか!」

 

 

 「だってミツってあの子…、外見だけでなく、性格までも美月とそっくりなんだろ?だったら、興奮したら思い切った行動に出るなんて事も考えられるぜ!」

 

 

 「あのおとなしい柴田さんが?まさか。」

 

 

 「あ、そうか。あの時まだ幹比古は俺達とつるんでいなかったもんな~。」

 

 

 「え?」

 

 

 「なんていえばいいか…、去年の入学して早々、授業見学があったその放課後に、深雪さんを巡って一科生と俺達、口論になった事があってよ~。」

 

 

 その時の事は話に聞いている。幹比古も一科生に正面からケンカ売る二科生もいるんだなと思った些細なもめ事だ。

 

 

 「一科生の連中、深雪さんと帰ろうと迫って来てさ、もちろん深雪さんは達也と一緒に帰ると言っているけど、それを認めない一科生の連中が大勢で寄りたがって来て一緒に帰ろうとしつこかったんだよ。その自分勝手で俺達には早速見下すあいつらに腹立ってよ!あの女と一緒に一科生の連中と向かい合って、喧嘩になったんだよ。その時、美月も俺達と一緒に一科生に啖呵切ってたぜ。

 

  『いい加減にしてください! 深雪さんはお兄さんと一緒に帰るって言っているではないですかっ!!』

 

  ってよ。」

 

 

 「…………」

 

 

 あの美月がそんな思いきった行動をしていたとは知らなかった幹比古は、新たな美月の意外な一面を知る。そして…

 

 

 (柴田さん……、なんて勇気ある人なんだ! 時には胸を張って意見する君のその一面を知れて僕は嬉しいよ!)

 

 

 …等というちょっとこの場で思うのは止めておいた方がいいのではないかとおもう妄想を浮かべていたのであった。

 

 

 そして心の中で思っていた”胸を張って”というキーワードから、なぜか美月の豊満な胸を思い出し、顔を真っ赤にする。

 

 それを見たレオはなぜ幹比古が真っ赤になったのか、首を傾げたが、この場を離脱するには今しかないという直観が働き、意識が覚束ない幹比古を残して、去っていったのであった。

 

 

 




友人でもこういう場は、逃げの一手に限る!

…うちも友人達の恋沙汰が激しすぎて何かと逃げたもんな~。(巻き込まれたら厄介だから)

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