魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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はい、タイトルからして、察しの通り。この先は大人の一線を上がる可能性があります。…タイトルからばらしてしまってどうするよ!
…だって、思い浮かばなかったんだもん!


共通ルート エロゲー世界を攻略せよ!?

 

 

 

 

 

 「く、口説き落とすって…!どう、どういう事だよ!?」

 

 

 いきなりの注文で女子からの熱烈な支持を得て、好印象を持たれている将輝でも言葉が詰まるほど慌てている。幹比古は、あまりの精神的ダメージを喰らい逆上せてしまう。幹比古の身体を支えるレオもまた、どうすればいいのか分からず、動揺している。…その顔は照れていたが。

 そして達也はというと、ポーカーフェイスは何とか保っていたが、さすがの常識的にはあり得ないお願いで内心は驚いていた。しかし、将輝達のように激しく動揺したり、照れたりといった少年らしい反応や思考はなかった。そのため冷静に少女を観察し、少女が自分達のように感覚をまだ持っていない疑似体だという事が視て分かった。

 

 

 (この少女は実体がない…? 精神だけの存在なのか…。なかなか興味深いサンプルでもあるが、まだ情報が掴めない段階で動くのは得策ではないか。)

 

 

 精神だけで人の夢に干渉する少女の存在に興味を持った達也。マッドサイエンティストのような危ない思考に入りそうになった達也は、深く深呼吸して、浮き上がった疑問や研究心を横に置き、未だに動揺し続ける将輝や幹比古に檄を入れるのだった。

 

 

 「二人とも、しっかりしろ。いつまでも先に進まないだろ。」

 

 

 「こ、これが落ち着いていられるとでも…!……いや、悪い。少々取り乱した。話を続けてくれ。」

 

 

 将輝はとっさに達也に反論しようとした。しかし、達也の言っている事は正しいと言う事はすぐに理解できた。そして自分ではなかなか話を聞き出す事は出来ないとも思ったため、達也に任せて、冷静さを志す。幹比古もレオの肩を借りつつも、気を失ってはいられないと全身に力を入れる。(すでにここは夢の中だから気を失うこと自体はないのだが)

 

 

 「それで、君は何で俺達にそんな事をさせたいんだ?」

 

 

 「え?だって、まず仲良くなるためにはスキンシップが必要だと知ったからですよ?それに、男性とのコミュニケーションを最大限に高めるには身も心も互いに与え合うのが一番だという事も情報収集済みです!」

 

 

 ドヤ顔でそう言い切った少女に、達也は「誰がそんなでたらめな情報を仕入れさせたんだ?」と嫌悪感を抱かずにはいられなかった。レオ達も少女の言葉を聞き、顔を赤らめながら、目を逸らす。余程少女の言い分が恥ずかしかったのだろう。

 

 

 「悪いが、そんなコミュニケーションの方法はやらない。もっとあっさりとしていると思うぞ?」

 

 

 「ええ~~!! …何で? どうするの?友達作るのとか?」

 

 

 「………普通に話しかければいいんじゃないか?」

 

 

 少女の問いかけに達也自身も頭を捻らせて答える。達也は自分から友達を作りに言った事もないし、話しかけた事もない。いつの間にか親しい間柄にはなっているという印象が強いのだ。だから、少女の問いかけにはどうしても当たり触りな口調になってしまう。

 

 

 「その”普通”の仕方が分からないんだもん!私…、この夢の中でしかいられないんだもん!だから…、人の体温とかもっと知りたい!!だから、私の言う事は絶対なの!だってここは私の作りだした世界なんだから!!」

 

 

 いきなり口調が荒々しくなり、ぽろぽろと涙の粒を落としながら、拗ねる少女に、達也たちはビクッと身体が跳ねる。

 

 

 「おい!司波~! 何をしてるんだ!少女を泣かせるとは見損なったぞ!」

 

 

 「俺に任せたお前にとやかく言われる覚えはない。それにこれは不可抗力だ。」

 

 

 「もう形振り構っていられなくなったって感じじゃないよね?」

 

 

 「いや~…、幹比古の言っている事は当たっているかもしれないぜ? …当たってほしくはないけどよ。」

 

 

 レオの嫌な予感は儚くも的中し、少女から発せられた突風が達也たちに降り注がれる。

 

 

 「良い? 皆にはこれから夢の世界で遊んでもらうから~! でも私自身どうなっているか分からないけど? 大丈夫、みんなも知っている世界を舞台にしておいたから、安心してね?」

 

 

 少女が笑い声を交えながら、上空に何かのPOPを表示する。それは…、

 

 

 

 「「「”花街恋うつつ”…だと~~!!!」」」

 

 

 「…………はぁ~。」

 

 

 江戸時代の花街を舞台にしたエロゲーだ。しかも、このゲームは達也たちがゲームセンターでゲーマーから逃げる際にレオが興味を示していたあのエロゲーだった。

 

 

 「西城~~!! お前の仕業か~!!」

 

 

 「俺は何もしていねぇ~よ! あれはかなりの流行ゲームだって!…俺はしてねぇ~からな。」

 

 

 「そ、そんな~! ぼ、僕はこんなところでどう……」

 

 

 「きっかけはレオにあるとして、やる事は既に決定したみたいだな。」

 

 

 達也は遠い目をする。

 

 

 達也たちが何をしなければいけないのか、理解した顔を見て、少女は満足げな笑みを浮かべて、突風を強固にする。強風レベルが暴風レベルに変わった。達也たちも踏ん張っていたが、魔法を使う事は出来ないため、自力で踏ん張っていくしかない。しかし、周りに掴める物もない。徐々に後ろへと押されていく。その先には空間が歪んでいた。

 

 

 「ふふふ♥ 楽しみですね!

  では、皆さんには色々と準備もあるでしょうし、お試しも兼て遊んでください!私もどこかで会いに行きますから!」

 

 

 「「「うわぁぁぁぁ~~~~~~~~~!!!!」」」

 

 

 「くっ!!」

 

 

 遂に突風に身体を掬い上げられ、宙に浮いた達也たちは歪んだ空間の中へと吸い込まれていった。

 

 

 

 こうして、達也たちは少女の間違った解釈での願いから、なんとエロゲーの世界へと吸い込まれていき、あらゆる女性を攻略しないと夢から覚めない事態へとなってしまった。

 

 

 果たして、達也たちは無事に夢から覚める事は出来るのか~~!!

 

 

 




はい…、達也たちを何とかエロゲーの世界へとぶち込みました!

これからは、キャラごとに章を分けてやっていこうと思います!まずは…、幹比古かレオからいくか。

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