魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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少しキャラ崩壊があるかも?


共通ルート 理解不能の行動

 

 

 

 

 まさかのゲームセンターの従業員がコンプライアンズを逸脱し、情報漏えいしていた事実に憤りを感じるレオと幹比古、将輝。

 

 

 「そうか! 従業員ならそんな事は朝飯前だろうからな!」

 

 

 「職務の責任も負えない者に、信用もないな。早速調べて、相応の処遇を受けさせてやるっ!」

 

 

 「僕もそれがいいと思うよ。僕たちがどんな目に遭ったか…。同じように味わってほしい所だよ。」

 

 

 「心配ないと思うぞ?もう既に味わっているはずだからな。」

 

 

 「は?」 「え?」 「何だと?」

 

 

 レオ、幹比古、将輝は達也の台詞に疑問を覚え、同時に反応する。三人の視線を受ける達也は顔色を変えずにちらりと視線を斜め後ろへと向ける。その達也の視線に沿ってレオたちも方向転換すると、店内のモニターがあり、ニュース番組を放送していた。

 そしてそれを見た途端、レオ達は驚愕する。

 

 

 『では、次のニュースです。

  東京都でも有名なゲームセンターとしても若者に人気のこちらで、経営者による不正が先程発覚し、ゲームセンターを運営する社長と幹部らが逮捕されました。

  社長たちはゲームセンターに訪れた利用客の個人データを不正に漏えいし、更なる利用客の呼び込みに繋げて利益を得る事で、およそ10億円相当の金額を隠し持っていた事が警察の調べで明らかになったそうです。……………』

 

 

 モニターから流れてくるキャスターの言葉に愕然とする。

 

 

 「もしかして、達也が、やったのか?」

 

 

 「俺一人でできる訳がないだろ? ちょうど知り合いがいたから、頼んだ。」

 

 

 レオの問いに達也は微笑を浮かべて答える。達也の脳裏には久々の休日にショッピングでたまたま近くで買い物していた響子を発見し、お願いをした時の頬を膨らませて子供のように拗ねた響子の顔が思い浮かんだ。

 

 

 「頼んだって、もしかして…。」

 

 

 幹比古が何を思ったのかは指摘しなくても顔に書いていたので、達也は言葉になる前に封じにかかった。

 

 

 「今回は家の力は使ってない。偶然にも仕事仲間に会ったから、データを渡して、頼んだだけだ。こういう事に長けたセンスを持っているからな。」

 

 

 響子としては褒められていると受け取ってもいいだろうが、残りの休日を返上する結果になったのは不運だったと言える。だから、響子が自分の愛車に戻る際、達也に「今度埋め合わせでケーキバイキングに付き合うように!」と、ビシッという効果音が聞こえそうなほど指をさし、急ぎで達也と別れたのだった。

 

 響子が早速動いてくれたおかげで、自分が手を下す手間もかけずに終わり、深雪の作る夕食にも間に合いそうでよかったと他人事のように、達也は思っていたがそれは置いといて…。

 

 

  「いつの間に…?」

 

 

 いつの間にそんな事をしたんだ?、と将輝が顔で語ったと同時に達也の無線に連絡が入る。

 達也は誰から連絡が来たとは確認せずそのまま連絡を取った。

 

 

 「相変わらずの腕前ですね。さすがです。」

 

 

 「………最初の一言がそれって、達也君どうなの?」

 

 

 「どうとは?」

 

 

 「……はぁ~、いいわ。そのために連絡をした訳じゃないしね。」

 

 

 「何が情報収集できたから、ですよね? 」

 

 

 「あら、わかってたのね。」

 

 

 「ただの処理報告ならニュースでも見れば分かりますから。」

 

 

 「それもそうね。……本題に入るけどいいかしら?」

 

 

 「今は無理です。」

 

 

 連絡してきた理由を話そうとした響子はきっぱりと断られる。しかし、響子は不快に思う事はなく、寧ろ感心したように笑いを漏らす。達也も響子が本当にこの場で話を切りだすとは思っていないが、万が一のために言っておいた。聞こえてくる響子の声がいつもより少しトーンが高いからだ。

 達也が響子の少しの変化に気づいた通り、響子はいつもと違っていた。

 

 

 「もう…。つれないんだからぁ~~ん。 年上の女性にはもっと気遣いしなさ~~い♥」

 

 

 「はぁ~…、飲み過ぎですよ。なぜそんなに酔ってるんですか?」

 

 

 「良いじゃない~~!! 私だって飲んですっきりしたい時だってあるんだから~~!!せっかくの休みだったのに……。」

 

 

 休日返上させられた些細なお返しを一言で打ち返され、同僚としてはよくても、女性としては不満を感じる返し方だったため、響子は酔った自分に気づかれないようにして話す事を放棄した。

 

 

 「では、そのお詫びに今度、とことん付き合ってあげますから。機嫌直してください。」

 

 

 「え~~!?いいの~~!? じゃあたくっさんどこかへ連れて行ってもらおうかしら~~!!」

 

 

 「……程々にお願いします。」

 

 

 頭痛がしそうな感覚が達也を襲い、一刻も早く電話を切る方がお互いのためになると判断し、要点だけを告げる。

 

 

 「それでは詳しくは後で。 今日はありがとうございました。また埋め合わせしますので。

  ………くれぐれも飲酒運転はしないように。」

 

 

 「ぱぁ~~い♥」

 

 

 呂律が完全に逝っていた響子の返事を聞いたか聞いていないかの速さで電話を切った達也。あのまま電話すれば自分の身が危ない予感がしたからだ。

 

 

 ため息を吐いた達也はいつもと違う響子だった事に不審に思った。

 

 響子が休日返上させられたことでヤケ酒するような女性ではない事は知っている。軍に所属している以上、休日がなくなって出動や訓練に赴かなければいけなくなるのは日常茶飯事だ。それは独立魔装大隊も同じ。だから、響子がヤケ酒する別の理由がある事には分かっていたが、自分の口から聞けば、悩み相談のような展開になると思って、話を打ちきりにした。だが、やはり同僚としてでも、友人としてでも頼りになる響子であるため、達也は珍しく響子の身を心配するのだった。

 

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 

 

 

 達也のとの電話が終わり、糸が切れた操り人形のようにぐったりとハンドルに顔を埋める響子。

 

 

 「何で私…、達也君に電話したのかしら…。」

 

 

 達也に話す事があるのは事実。しかし、達也が一人じゃない事はばったりと出くわした時に知っている。無暗に連絡を取ろうとする必要もなかった。後でメールで転送すればいいだけなのだから。しかしそうしなかったのには、響子自身も驚いていた。

 

 

 響子は今回のテロ事件が終わってから、必要以上に接触はしないでいた。それは身体が条件反射のように達也を避けていると言えば適切かもしれない。

 達也を視界に入れると、声を掛けられる前にはその場を離れていた。

 

 そんな感じでいたのに、まさか街中で会うとは思わなかった。

 

 

 (私…、本当にどうしちゃったんだろう? 前みたいに達也君と話せなくなっているわ…。

  それになぜか胸が痛みだす…。)

 

 

 動悸が激しくなるのを感じ、胸に手を当てる響子は涙を流していた。

 

 

 そして酔いが回ってきた響子は、そのまま暖房が効いた愛車の中でふて寝するのだった。

 

 

 

 




響子を少し崩壊させました。しかしなぜ響子は落ち込んで…、達也を避けているのか…?


そう言えば今日はクリスマスイブですた~~!!

メリークリスマス!!

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