魔法科高校の愛溺事録   作:薔薇大書館の管理人

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原作キャラも高校生ですからね。青春させて見たかったんですよ!!
ひとまず、色々な話を書いていこうと思うので、その第一作目を投稿していきます!!



プロローグ 芽生える感情

 

 

 

 

 

 ワタシハ…、サガシテイル…。

 

 

 

 肌寒い季節の中、器を持たないそれは、自我を持ちながらずっと彷徨っていた。

 

 それの仲間達もいた。

 

 だが、仲間達はこの国の魔法師達によって、消滅した。

 

 それは、仲間と合流するために、宿主となる可能性を認めた人体(レシピエント)を探し、レシピエントに浸透しようとした。

 しかし、それは、元々他の仲間よりも情報体としては未熟で、人間で言うと半人前の状態だった。そのため、国境の内側にいる仲間達と交信しようにも、こちらからは発信する事が出来なくて、仲間からの交信だけは接続できた。一方通行の交信だけでなく、仲間の位置情報を得るのも困難であった。そして未熟なため、レシピエントに我を浸透させることができずにいた。

 

 それでも、我々が個にして全。個別の思考能力を持ちながらも意識を共有していた。だから仲間の元へむかうという欲求がそれを動かしていた。

 

 

 

 しかし、それの欲求が叶う前に、散ってしまった。

 

 

 仲間の存在が感知できなくなり、とうとう行き場を失くしてしまったそれは、途方に暮れた。

 

 

 やっと合流できると思った矢先の出来事…。

 

 人間たちの間では、仲間は『吸血鬼』『パラサイト』と呼ばれている事は、交信で知っていた。その人間に仲間が排除され、目的を見失った。

 

 これからどうするかと、残された未熟なパラサイトは、同じ情報体の仲間がいる事に気が付いた。

 そしてそのパラサイトがなぜか少しずつ感情を持つようになったのを知った。それが人間に近づいて行っているようで、驚いた。しかし、その仲間のパラサイトはとても嬉しそうで、楽しそうに思念を飛ばしてくる。

 

 このパラサイトの無意識に送られてくる思念にいつしか未熟なパラサイトも心惹かれ始めた。そして、そのパラサイトに会ってみたいとも思うようになった。

 

 

 更に、もっと会ってみたいと思った相手が感情豊かなパラサイトの主である”シバタツヤ”…。

 

 

 どんな人物なのか、知りたくなった。

 

 消えた仲間達も会話していた人間…。

 

 

 我々、パラサイトを引き付ける人間に興味を持った。

 

 

 

 ”シバタツヤ”という人間を主というパラサイトは、未熟なパラサイトの存在を感知していない。弱すぎるためもあるが、”シバタツヤ”=マスターにご執心で、気付いていないのもあった。

 

 

 未熟なパラサイトは、それを把握して、”シバタツヤ”に逢うため、情報体のまま、街並みを漂って、目的地へと進みだした。

 

 

 

 

 ワタシハ…、サガシテイル…。

 

 

 

 前は、仲間を。しかし今は、ある人間に…。

 

 

 

 ワタシハ…、アイタイ…。

 

 

 自我を持つ未熟なパラサイトは、初めに抱いた同胞との再会よりも、”シバタツヤ”に逢うという目的意識を強く持っていた。その目的意識が人間で言うところの、『恋』なのかは分からない。

 

 

 

 ただこのパラサイトの想いが後々に奇想天外な出来事をもたらす事になる…。

 

 

 




はい…、今回は、生き残りがいたパラサイトを話の冒頭に出してみました。

いまは、ただのパラサイトですが、いずれは名前がつくと思います。

時系列は、師族会議を狙ったテロが終焉を迎え、達也たちが進級前に団欒している頃です。

では、次からは、達也たち原作キャラが登場します。キャラ崩壊があるかもしれないので、ご了承くださいね。

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