忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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予算会議の準備の段

忍術学園、火薬委員会の拠点、火薬庫詰所。そこにはいつもの様な穏やかな雰囲気ではなく物々しい雰囲気に包まれたメンバーがいた。

 

久々知「ついに、予算会議の時期が来た。」

タカ丸「そうだね。三郎次、準備は出来てる?」

三郎次「はい。焙烙火矢に万人敵、いつでも使えます!」

伊助「いざとなったら全て焼き払います!」

小三郎「ま、待ってください!皆さん!」

 

次々恐ろしい事を言う火薬委員会のメンバーに「火薬庫の守護童子」こと小三郎が制止をかけた。

 

小三郎「予算会議ですよね!?そんな戦に行くみたいな…。」

久々知「そうか。小三郎は初めてだったな。」

タカ丸「予算会議とは戦そのもの。」

三郎次「全ての委員会が予算を多く取ろうとあれこれ戦い合う。」

伊助「それに火薬委員会は毎年大した予算が来ない。しかも度重なる火器組の襲撃で火薬はなくなる始末!でも!久々知先輩!タカ丸さん!三郎次先輩!今期の火薬委員会には超戦力がいます!」

 

伊助が立ち上がり、小三郎を前に押した。

 

伊助「一年生中最強!は組一出来る子にして火薬庫の守護童子!食満小三郎!」

 

 

パパ〜ン!!

 

小三郎「恥ずかしいからやめてよ!ってがなんか二つ名が増えてるし!」

 

恥ずかしがる小三郎に委員長である久々知兵助は笑う。

 

久々知「アッハハ。だけどこの前虎若を殺ったじゃないか?」

小三郎「人聞きの悪い事言わないで下さい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは一週間前の事。偶然火薬庫に忍び込んでいる虎若を見つけた時。

 

小三郎「こらー!この泥棒銃火器オタクがぁ!!」

虎若「げっ!?こ、小三郎!ちちち違う!つい出来心で!ってかそんなに口悪かったけ!?」

小三郎「問答無用!」

 

有無も言わせず小三郎は謎の構えを取る。そしてゆらゆらと揺れる。

 

小三郎「食満流体術・参の構え!柳桜!」

虎若「ちょっ…な、何それ!?何する気!?ねぇ!」

 

小三郎は答えない。そしてピタッと動きが止まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばしの沈黙。そして虎若が瞬きをした瞬間。

 

 

 

 

 

虎若「え……。」

 

 

 

 

小三郎は虎若の背後にいた。

 

 

 

 

 

小三郎「食満流体術。散り桜。」

 

 

 

 

ゴスっ!

 

 

虎若「がっ………ガクっ…。」

 

小三郎の手刀を首の両側にもろに受け、虎若の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三郎次「こ、こえぇぇ….。」

 

三郎次は詰所隅まで後ずさり震える。

 

伊助「まぁあの後虎若は気絶したから、目覚めた時には何も覚えてなかったらしいですけどね?」

小三郎「あれでも加減したんだけど。」

 

すまなそうに頭を掻く。

 

久々知「だけど少なくとも怪我人は出る。」

小三郎「あぁあ……だから乱太郎達嫌そうにしていたのか…でも僕の体術では精々三年生までが限界です。流石に上級生相手は…。」

久々知「それは心配ないさ。それは俺たち上級生に任せればいい。なぁ。タカ丸。」

タカ丸「そうだねー。僕も頑張ってみるよ。」

伊助「それにサブちゃん。なんだかんだで色々用意しているんでしょ?」

 

にっと笑う伊助に小三郎立ち上がる。

 

小三郎「まぁ。色々とね?」

 

小三郎がすっと袖の中に手を入れると小刀が出て来た。さらに袴に手を入れると苦無や手裏剣が出て、さらに頭巾を外すとコシコロが出て、袴の裾をたくし上げると鋼鉄の長い針が出て来た。

 

久々知「こ、小三郎。」

三郎次「お前は歩く武器庫か!」

 


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