忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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小三郎をブチ切れます。


お手伝いでプッツンの段

とある放課後、中庭で生物委員会委員長代理の竹谷八左ヱ門と小三郎が何かを作っていた。

 

トンテンカンテン、トンテンカンテン。

 

八左ヱ門「ふぅ。小三郎。少し休憩にしよう。」

小三郎「はい。」

 

 

 

乱太郎「竹谷先輩〜。小三郎〜。」

八左ヱ門「ん?乱太郎、きり丸、しんべえ。」

小三郎「やぁ。」

 

休憩に入ろうとした時、お馴染み乱太郎達が近寄って来た。

 

きり丸「何作ってんすか?」

八左ヱ門「これか?これはな、生物委員会で使う小屋だ。」

 

八左ヱ門が説明するとしんべえがなんとも言えない表情を浮かべる。

 

しんべえ「生物委員会で使う小屋…?」

 

しんべえは三治郎達が小屋にぎゅうぎゅう詰めになった生物委員会メンバーを想像した。

 

しんべえ「三治郎も虎若もかわいそう。こんな狭い小屋で会議だなんて…。」

 

小三郎「だぁぁぁぁ!」(ドテン!)

きり丸「おっ!小三郎が珍しくひっくり返った!」

小三郎「じょ、常識的に考えなよ!しんべえ!生物委員会で使う小屋なら飼う生き物の小屋でしょ!」

しんべえ「冗談だよぉ。おふざけおふざけ♪」

乱太郎「ところでなんで火薬委員会の小三郎が生物委員会の仕事を?」

 

小三郎「それがぁ……。」

 

 

 

 

火薬委員会はあまり仕事がないので小三郎は余った時間で他の委員会を手伝うことにした。そして偶然に生物委員会が小屋の製作をしていたので一緒に手伝うことにした。最初は全員で作業をやっていたのだが途中で伊賀崎孫兵のペットが逃げ出し、次に一平がトンカチで謝って指を打ち、それから孫次郎が角材に躓きノミをぶちまけ、三治郎に刺さりかけ、さらに虎若が釘に袴を引っ掛け、お尻から破けてえらいことになり、最終的に八左ヱ門先輩と自分だけになってしまったと説明する。

 

 

 

乱太郎「うわ〜。大変ですね?でも!小三郎は大丈夫です!」

きり丸「保証します!」

しんべえ「は組一できる子!一年生中最強ですから!」

小三郎「そ、そんなに僕は凄くないよ!」

乱太郎「またまたぁ。謙遜しちゃって〜。」

 

小三郎のやりとりに八左ヱ門はふっ笑う。

 

八左ヱ門「兵助が羨ましいよ。生物委員会はほとんどのメンバーが一年生だから。孫兵は自分のペットで忙しいし。」

小三郎「自分で良ければいつでも手伝いますよ!」

八左ヱ門「ハハッ!頼もしいな!兵助がお前をかなり頼りにしている理由がわかるよ。」

 

乱太郎「そっかぁ。生物委員会も火薬委員会も六年生がいないもんね?」

小三郎「タカ丸先輩は四年生だしね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トンテンカンテン、トンテンカンテン。

 

八左ヱ門「小三郎。そっち支えてくれ。」

小三郎「はい。」

 

乱太郎達と別れてから再び作業開始。しかし乱太郎達は気がついていた。いくら小三郎が手伝っているとは言え八左ヱ門はかなり疲れている様子。

 

乱太郎「竹谷先輩…やっぱり疲れているみたい。」

きり丸「一度三治郎あたりに言った方がいいんじゃないか?」

 

乱太郎達は足早には組の教室に急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三治郎「竹谷先輩が疲れている?」

乱太郎「うん。」

三治郎「…そっかぁ。僕ももしかしたら疲れているんじゃないかな?って思っていたんだ。」

きり丸「なんだよそれ?分かっているなら考えてやれよぉ。」

三治郎「そうだけど…。」

 

そう言うと三治郎は手を組み目をキラキラさせる。

 

三治郎「責任感の強い竹谷先輩は僕達、生物委員には甘いし、小三郎はよく気をきかせてくれるしぃ。」

 

乱太郎「だからってこのままだと竹谷先輩いつか絶対倒れちゃうよ?」

しんべえ「小三郎だって火薬委員会なんだからいつでも手伝えるわけじゃないんだよ?」

 

乱太郎としんべえに言われ流石にまずいと思い三治郎は真剣に考える。

 

三治郎「ん〜。僕達が小三郎見たいになんでもテキパキ出来ればいんだけどぉ。」

 

乱太郎「とりあえず。生物委員会顧問の木下鉄丸先生にそうだんしたらどう?」

三治郎「木下鉄丸先生に?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木下鉄丸先生。普段は青筋を立てた怖い顔の先生だが本当はとても生徒思いの優しい先生。三治郎と乱太郎達がことを告げる。

 

木下先生「ぬぁにぃ⁉︎竹谷八左ヱ門が疲れているぅ⁉︎しかも火薬委員会の小三郎が手伝っているぅ⁉︎」

三治郎「はい。」

木下先生「なんとかしなくちゃ…よし!この木下に任せなさい!」

三治郎「お願いします。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トンテンカンテン、トンテンカンテン。

 

一方で八左ヱ門と小三郎はあと少しで完成までこぎ着けていた。

 

八左ヱ門「よし、小三郎。釘をあと数本残して、あとの道具を用具倉庫に返して来てくれ。」

小三郎「分かりました。」

 

小三郎はもう使わないであろう道具を集めて用具倉庫へ向かった。それと入れ違いに木下先生と三治郎と乱太郎達がやって来た。

 

木下先生「竹谷!」

八左ヱ門「あっ。木下先生。」

木下先生「ん?食満小三郎も一緒なのでは?」

八左ヱ門「小三郎なら今さっき、もう使わない道具を用具倉庫に返しに行かせました。」

木下先生「そうか!ここからの作業は、私に任せろ!」

八左ヱ門「えっ。でもあと少しで完成なんですよ?」

 

八左ヱ門が断るが木下先生はトンカチを奪うように取る。

 

木下先生「いいからいいから!生物委員会顧問として協力させてもらう!」

八左ヱ門「き、木下先生….!!」

 

八左ヱ門はありがたさで涙を浮かべた。木下先生は優しく肩に手を置いた。

 

木下先生「お前にはいつもいつも苦労をかけていた。少し休んでいろ。小三郎が戻って来たらもう手伝わなくていいと伝えてくれ。」

八左ヱ門「ありがとうごさいますぅ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八左ヱ門は近くの石に腰を下ろす。三治郎が歩み寄る。

 

八左ヱ門「三治郎!」

三治郎「ごめんなさい。竹谷先輩。いつもいつも頼ってばかりで……後で他の一年生にも行っておきます。」

八左ヱ門「いいっていいって!おかげで先生も手伝って下さることになったんだから……。」

 

八左ヱ門と三治郎は木下先生を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木下先生「よぉぉおし!作るぞぉぉ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシィィィイン!!!バキッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木下先生「ぬわぁぁぁぁ⁉︎」

三治郎「ああっ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲劇は起きてしまった。木下先生が張り切りすぎて思いっきりトンカチで釘を打った途端、板に大きな亀裂が入り、そのまま崩れてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八左ヱ門「あっ…あっ……アァァァァァッ⁉︎⁉︎」

木下先生「………すまん竹谷。気合いを入れ過ぎた。」

らんきりしん&三治郎&八左ヱ門「だぁぁぁぁ!」

木下先生「ぬわははははは………は?」

乱太郎「……ん?」

乱太郎達がすっ転び木下先生が誤魔化す様に笑う中、全員は何かを感じた。そして感じる方へ顔を向けた瞬間。その場にいた全員が凍りついた。

 

小三郎「あと少し……あと少しだったのに!!竹谷先輩と一緒に作った飼育小屋を一発で壊しちゃうなんて!!!」

 

そこには般若も鬼も凌駕する形相になった小三郎がわなわなと震えながらたっていた。

 

乱太郎「げ!」

きり丸「や、やべぇ!小三郎がプッツンしちゃった!」

三治郎「木下鉄丸先生!逃げてくださいぃぃ!!」

 

小三郎「逃がすかァァァァぁぁぁぁぁ!」

 

小三郎は懐から手裏剣を取り出すと辺り構わず投げまくる。

 

しんべえ「ヒェェェェエ⁉︎」

八左ヱ門「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

木下先生「ま、待て待て食満小三郎!決してわざとじゃな「勝負だぁぁぁぁぁ!」って問答無用⁉︎うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

そのまま木下先生は逃げていき、プッツンしちゃった小三郎は猛スピードで追いかけて行った。

 

乱太郎「はぁはぁ。竹谷先輩?大丈夫ですか?」

八左ヱ門「待て待て!なんて殺気放ってんだ⁉︎小三郎の奴!さっきまでの人懐こいのはどうした⁉︎」

しんべえ「小三郎は普段は優しくて真面目なんですけど、一度プッツンしちゃうと物凄く怖いんですよ!普段は正座でお説教ですけど……今回はやばいですよ…。」

きり丸「怒らせるとマズイタイプなんすよ!」

 

八左ヱ門「な、なるほど…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小三郎「まてぇぇぇ!腰抜けぇぇ!!!」

 

木下先生「こ、こんなに怖いやつだなんて、思いもしなかった!!!助けてくれぇぇ!!!」

 

木下鉄丸先生は途中で留三郎と山田先生、土井先生が小三郎を抑え込むまで追いかけ回された。


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