忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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今回、くのいち初登場!


サラサラヘアーとモチモチ美肌の段

パシャパシャ。

 

小三郎「ガラガラ!ぺっ!ふぅ〜。」

 

小三郎は今日も朝早く起き、井戸で顔を洗い、ふさ楊枝で歯を磨いていた。早起きは何時もの日常。しかし、そんな小三郎を茂みの中から三人のくのいちが見ていた。ユキとトモミとオシゲである。何故小三郎を観察しているかと言うと、遡ること昨日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユキが忍術学園新聞を見ている時だった。

 

ユキ「……………!!!悔しィィ!!!」

トモミ「ど、どうしたの⁉︎ゆきちゃん?」

オシゲ「どうしたんですか?」

 

急に声を張り上げたゆきにともみとおしげが驚く。ゆきは大層悔しそうに新聞を二人の前に広げた。

 

ユキ「これよ!この忍術学園で綺麗なサラサラヘアーは誰だ?のアンケート!」

トモミ「またぁ?」

オシゲ「前もありましたね?またくのいち教室が誰も乗ってなくて悔しいんですか?」

ユキ「その後の記事が問題なのよ!」

 

新聞を裏返しある一面を指差した。

 

トモミ「なになに?髪も綺麗だが、一位の立花仙蔵に肌のきめ細かさなら負けない忍たまが見つかった?」

オシゲ「その名は…………。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トモミ&オシゲ「えぇぇぇぇ!!??食満留三郎の実弟、一年は組一出来る子。食満小三郎⁉︎」

 

 

小三郎「あっはははは!あははは!」

 

三人の脳内に傷一つないもちもちの肌の笑顔が素敵な小三郎のビジョンが見えた。

 

ユキ「髪ならず肌まで男子の方が綺麗なんて…。」

オシゲ「私たちの出番が少ないのもあるとおもいますけど……そう言えばこの前、しんべえ様が小三郎の頬を触っていましたですよ?」

 

三人がうなだれていると突如トモミが立ち上がった。

 

トモミ「こうなったら!食満小三郎を調査研究する必要があるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして冒頭に戻る。しかし、くのいちは気がついていないが、勘が鋭い小三郎は既に見られていることに気がついていた。

 

小三郎(ユキちゃん達…尾行バレバレなんだけどなぁ?)

 

しかしかと言って指摘したら面倒ななりそうだったので黙ることにした。

 

ユキ「それにしても小三郎って早起きよね〜?」

トモミ「きり丸から聞いたんだけど毎日鍛錬しているみたいよ?」

 

二人が話しているとオシゲが何かを見た。

 

オシゲ「あっ。何か顔に付けてますよ?」

 

二人がオシゲの言葉に小三郎を見る。小三郎は竹筒から何かを手に取り顔に塗っている。

 

トモミ「何か塗っているわ!きっとあれが肌のきめ細かさの秘密なのよ!」

 

 

三人があれこれ言っているうちに小三郎はいつも椿油を塗り終えて自室に戻って言った。三人が追いかけようとした時だった。

 

????「何をしているんだ?」

 

ユキ&トモミ&オシゲ「キャァァァ!……あぁ⁉︎食満留三郎先輩!」

 

くのいち三人の後ろには留三郎が立っていた。その時、トモミはハッとして立ち上がった。

 

トモミ「留三郎先輩!肌触ってもいいですか⁉︎」

留三郎「は⁉︎ま、まぁ構わんが?」

 

留三郎は少し屈む。トモミがそっと触れてみる。

 

トモミ「……もちもちじゃないわ。」

オシゲ「留三郎先輩はもち肌じゃないんですね?」

留三郎「もち肌?……はは〜ん。お前ら新聞のアレを見たんだな?」

ユキ「留三郎先輩!小三郎がよく塗るあれはなんなんですか?」

 

ユキの質問に留三郎はぽか〜んっとした。

 

留三郎「知らないのか?椿油だ。」

 

トモミ「椿油⁉︎」

オシゲ「灯りに使う?」

 

 

留三郎「なんだ?知らんのか?女子ならあれくらい常識だと伊作は言っていたんだがな?小三郎はあれを小さい頃からお袋にあかぎれたら大変!とか男子でも綺麗にしなさい!っと言われ塗られていてな?その内塗るのが当たり前になったんだ。でもまさか。今や仙蔵に負けぬ美肌になっていたとは!流石我が弟だ!」

 

留三郎は満足げにうなづきながら再び鍛錬に戻った。そしてくのいち三人組は図書館に赴き、椿油の効能を調べ驚く。そこには美容効果抜群っと書かれていた。そしてさらにがっかりした。

 

ユキ「まさか…女子より男子の方が綺麗なんじゃ…。」

トモミ「弱気になっちゃダメ!髪も肌も女の特権なのよ!」

オシゲ「でも私達…髪には気を使っていましたけど、肌まであまり気にしていませんでしたです…。」

トモミ「オシゲちゃんまで!よし!こうなったら!確かめましょ!」

ユキ&オシゲ「何を?」

トモミ「本当にスベスベもちもち肌なのか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、一年は組の教室では…。

 

きり丸「うおー!柔けぇ!」

乱太郎「スベスベもちもち〜!」

しんべえ「お餅みたい!」

伊助「流石僕の親友!肌も髪も綺麗!」

庄左ヱ門「流石。美肌小僧だね?」

喜三太「はにゃ〜ん♪ナメクジさんみたいにしっとり〜♬」

 

小三郎「ちょっ……そんなに気持ちい?」

 

小三郎のほっぺをみんなが触りまくっていた。その時、教室の戸が開かれくのいち三人組がやって来た。

 

ユキ「食満小三郎いる?」

乱太郎「ユキちゃん!トモミちゃん!オシゲちゃん!」

きり丸「いるけどぉ?」

 

みんなが退き、小三郎が三人をみる。目つき以外はまさに留三郎そのもの。やはり実の兄弟。よく似ている。

 

小三郎「何か用?」

 

ニコッと持ち前の人の良さで女の子だろうとみんなと変わらない分け隔てない笑顔を見せる。

 

ユキ「ちょっと悪いんだけどぉ?」

トモミ「少し肌を触らせてくれない?」

小三郎「へ?ユキちゃん達も?まぁ、いいけど?」

 

小三郎はどうぞ?っと言い座り直した。そしてユキ達は小三郎の肌に触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷるん。

ユキ「!!!」

 

 

つるん。

トモミ「!!!」

 

 

むにゅん。

オシゲ「!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それはまさにくのいちが触ったことの無い心地よい感触だった。

 

ユキ「何これ⁉︎」

トモミ「まるで絹を思わせる滑らかさ!そしてお餅みたいにぷるんぷるんでしっとり。」

オシゲ「すごいです。こんな気持ちのいい感覚は初めてですぅ。」

 

 

 

三人の心のビジョンはまさに柔らかい餅の中に練りこまれた感覚。そして。

 

くのいち三人組「私達…!気持ち良さと勝てぬ悔しさのあまり……失神!」(バタっ。)

 

小三郎「うわぁぁぁ⁉︎大丈夫⁉︎」

乱太郎「た、大変だ!すぐに保健室へ!」

くのいちがいきなり失神した為教室内は大慌て。しかし誰も気づいていない。

 

 

 

 

いつもは負けてばかりのくのいち教室に……初めて勝ったことに。

 

美肌な小三郎に四年生の滝夜叉丸と三木ヱ門が嫉妬したのはまた別の話。


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