忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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編入。一年は組の段

6年生が雪崩れ込んできた後、壊れた障子は6年生が直すことになり小三郎装束に着替え、山田先生に連れられ校舎に向かう。

 

「ここが校舎だ。」

「大きいですね!」

「全学年は三組、い組、ろ組、は組だ。君は一年は組に編入と学園長は言われた。ちなみに私は一年は組の実技担当だ。よろしくな。小三郎!」

「はい!よしなに末長くお願いいたします!」

 

「っ…それは結婚相手に言う言葉だと思うが…まぁいい。」

 

転けかけた山田先生に続き校舎に入り、階段を登り3階の一年は組と書かれた戸の前に止まった。中からワイワイと楽しげな声が聞こえる。その戸の前でもう一人の先生らしき人が立っていた。

 

「山田先生!」

「お待たせしました、土井先生。」

 

山田先生はすっと小三郎に手を向ける。

 

「編入生の食満小三郎くんです。」

「君が…!本当だ。あの頃の留三郎そのものですね!私が一年は組の教科担当の土井半助だ。よろしくな、小三郎。」

「食満小三郎です。分からないこと沢山で、ご迷惑おかけするかも知れませんが精一杯頑張りますので、ご指導、よろしくお願いします!」

 

ペコッと綺麗な挨拶をすると土井先生はかなり驚いた表情をした。

 

(や、山田先生。顔はそっくりですが中身がまるで違いますね?)

(だろ?学園長には菓子包み持って来たしな。)

(マジですか⁉︎)

 

ヒソヒソ話に小三郎はキョトンとした顔をする。

 

「て、丁寧な挨拶をありがとう。」

「では準備が出来たら声をかけるから、それまで待っていなさい。」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイワイと楽しげな声の中、山田先生と土井先生が教室に入る。

 

「一年は組の諸君!春休みが終わり、今日からまた忍術学園の生活が始まる!気持ちを切り替えて取り組むよう願う!」

 

「「「は〜い!」」」

 

「そして、今期から、新しい仲間が増えることになった!みんな仲良くする様に!」

 

「「「は〜……えっ……エェェェェ⁉︎編入生⁉︎」」」

 

土井先生の言葉に一年は組一同がどっと騒いだ。

 

「一年は組に編入生が⁉︎」

「どんな子?」

「趣味が合うといいなぁ!」

 

「静かに!……それでは、入って来なさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小三郎は戸を開けて一年は組の教室に入る。目に映るは自分と同い年の子ばかり。少し緊張する。しかし。緊張は一瞬で砕けた。

 

「「食満先輩⁉︎」」

「えっ?」

 

小三郎を見るや否やぽっちゃりした男の子とトロンとした目が特徴的な男の子が飛び出してきた。

 

「縮んじゃったんですか⁉︎」

「分かった!善法寺伊作先輩が作った変な薬飲んで小さくなったんだ!」

「えっ…あの…僕は食満留三郎の…。」

「分かった!隠し子だ!」

「エェッ⁉︎」

 

「な訳あるか!お前ら!」

 

騒ぎ出す教室に食満留三郎が入ってきた。

 

「どっ…ドッペルゲンガー⁉︎」

「違うわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「エェッ⁉︎食満先輩の弟⁉︎」」」

 

食満留三郎と山田先生と土井先生の説明で何とか一年は組は落ち着きを取り戻した。

 

「えっと…初めまして。食満留三郎の弟。食満小三郎です。よろしく。」

 

挨拶を終えると一気に全員が小三郎を取り囲む。

 

「よろしく!私は乱太郎。」

「僕しんべえ。」

「俺はきり丸。」

 

一番前に座っていた三人組を始め、学級委員の庄左ヱ門、伊助、三治郎、団蔵、虎若、兵太夫、金吾、喜三太が自己紹介を始めた。

 

「よろしくね。よろしく。」

 

直ぐに仲良くなれそうだと思い、顔が綻ぶ。その様子に土井先生と山田先生。留三郎は頷いた。

 

「大丈夫そうですね?」

「は組は仲良しが取り柄ですから…。」

「土井先生、山田先生。小三郎をよろしくお願いします。」

 

留三郎は再度頭を下げた。


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