忍たま乱太郎〜食満留三郎の弟〜   作:誰かの影

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新たに忍たまの小説を書こうと思い投稿しました。自分忍たま大好きですので。この年になるとギャグ漫画が安心してみれます。死なないから。

ちなみにオリ主を食満先輩の弟にしたのは完全な趣味と食満先輩が大好きだからです。


留三郎の弟の段

「忍術学園に入学したい。」

 

兄に打ち明けた夜が明け朝日が昇り、父と母と兄の四人での朝食。しかしこの慣れた光景も今日でしばらくお別れ。父と母は新しい服をくれた。どうやらまえから行きたがっていた事が分かっていたらしく用意していたらしい。

 

「辛かったらいつでも帰っておいで。」

「私達は家族なんだから…。」

 

「父さん、母さん……。」

 

しんみりしてしまい思わず涙が零れそう………だった。

 

「それはそうと、はいお弁当!それからこれは学園長先生へのお土産!ほかにもほかにもほかにも……。」

 

「「えっ………。」」

 

思わず兄共々涙が吹っ飛んでしまった。あれやこれや持たされて結局持ちきれず父が用意した荷馬車に乗り学園に向かう事になった。

 

 

 

 

 

 

 

「まったく!お袋はいつの間にこんなに用意していたんだ?」

「あはは……涙も流せなかった。」

 

兄弟水入らずな会話をしながら荷馬車は野を越え山を越え川を越え……そして、小三郎の目に背の高い半鐘台が映る。

 

「あれが、忍術学園だ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

荷馬車は立派な門の前で止まった。小三郎は飛び降り門を見る。

 

「ついに来たんだ。忍術学園…!よしっ!兄者の恥にならない様に、雨にも負けず!風にも負けず!めげない悄げない泣かない!僕頑張る!父さん、母さん!そして斜向かいのおじさんおばさん!近所のじいちゃん、ばあちゃん!見ていてください!!!」

 

「す、すげぇ意気込みだ!良し頑張れ!槍が降っても大砲が飛んでも!」

「いや、それは死ぬ。」

「ツッコミ冷たっ!」

 

留三郎とワイワイやっていたら突如門の小さい戸が開き、中から黒い忍者装束の人が顔を出した。

 

「山田先生!」

「食満留三郎、な〜に漫才じみた事言ってんだ…また沢山の荷物だな!」

「いや〜、お恥ずかしながら母があれもこれも持って行けと言われて…っとそうだ。小三郎!」

 

兄に呼ばれて小三郎は歩み寄る。

 

「山田先生。紹介します。弟の小三郎です。」

「ありゃ〜。君が学園長の言っていた編入生!」

 

「ご紹介に上がりました。食満留三郎の弟。食満小三郎です。この度は忍術学園に編入生となりました。至らぬところ多々ありますがご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします!」

 

凄まじく綺麗でお上品で丁寧な挨拶に山田先生はぽかーんと口を開けた。

 

(ち、ちょっと留三郎!この子は本当にお前の弟なのか⁉︎小さい頃にそっくりだがまったく言葉遣いがお上品だぞ!)

(弟ですよ!間違いなく!正真正銘!しかも俺が口が悪いみたいじゃないですか!)

 

何やら小声で留三郎と話す先生の姿に小三郎は頭に?マークを浮かべた。

 

「ウオッホン!ご丁寧な挨拶ありがとう。私は一年は組の実技担当山田伝蔵だ。よろしく。小三郎!」

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

留三郎とは門の中で別れるとこになり、小三郎は山田先生に連れられ学園長先生の庵に向かった。

 

「学園長先生!山田伝蔵です。編入生の食満小三郎くんが参りました。」

「うむ。入るが良い!」

 

障子がガラッと開くとそこには……誰もいなかった。

 

「あら?学園長!学園長先生〜!」

 

山田先生が身を乗り出し見回す。突如目の前に導火線がついた何かが転がった。

 

 

 

ボン!

 

 

「ヌォッ!」

 

「グホッホ!」

 

山田先生が身を引くと同時に煙の中から咳き込みながら一人の白髪の老人と犬が立っていた。

 

「学園長先生!普通に出てきてくださいよ〜!」

「普通などつまらんわ!」

「ヘムヘムヘム!」

 

小三郎がぽかーんと口を開いていると学園長と目があった。

 

「君が食満留三郎の……。」

 

はっとして慌てて畳に座り。

 

「は、はい。食満留三郎の弟、食満小三郎と申します。この度は忍術学園入学のご許可ありがとうございます。」

「うむ。丁寧な挨拶ありがとう。まぁ、硬い姿勢は崩して結構。」

 

硬い姿勢は不要と言われふぅ〜っと一息つく。

 

「さて改めと、此度より君を忍術学園に入学の許可を出す。これが一年生の装束じゃ。それと…。」

 

学園長は装束の入った箱の上にハガキの様な物を置いた。

 

「これは?」

「わしのプロマイドじゃ!」

「ダァァァ!」(ドテ〜ン!)

 

山田先生は派手にこけた。

 

「ありがとうございます!大切に保管します!」

「も、貰って嬉しいものじゃないぞ?」

「あぁ!こちら、母から学園長先生にと持たされたものです。つまらないものかもしれませんがどうぞ!」

 

山田先生をよそに小三郎は風呂敷に包まれた箱を差し出す。

 

「おぉ!これは嬉しい!何かな?」

 

学園長が風呂敷を解き、箱の蓋を開けると、そこには何とも美味しそうなきな粉餅が入っていた。

 

「これは美味そうじゃ!ヘムヘム早速お茶の用意だ!」

「ヘムヘム!」

 

そんなやり取りを障子の穴から複数の人物が見ていた。食満留三郎を始め6年生の先輩。

 

(うわー。小さい頃の留三郎そっくりだ!)

(その前に本当に弟なのか?言葉遣いと言い物腰と言い留三郎とまったく違うぞ!)

(是非とも我が作法委員会に欲しいものだ。)

(いや体育委員会だろ!留三郎の弟なら体力が有り余っているはずだからな!)

(ボソボソ………図書委員会が貰う。)

(((長次が珍しく喋った!)))

 

(全員却下だ!我が弟は断然用具委員会だ!)

(そっちこそ却下だ!前に守一郎が入っただろうが!)

(ちょっ…留三郎!文二郎押さないで!障子が!あっ!)

 

バラバリバリ!ドンガラガッシャァァン!!!

 

「「「「ドアァァァァァ!!!」」」」

 

障子にもたれ掛かった為、骨組みにヒビが入り6年生全員が部屋の中に雪崩れ込んできた。

 

「あ、兄者。」

「や、やぁ。小三郎。入学おめでとう。」

「何やってんだ!6年生が揃いに揃って!!!」

 

 

 

 

 

 

 

山田先生に怒られている先輩方を見て小三郎は少し可笑しく笑った。

 

(面白いとこだな。忍術学園って!あっははは!」


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