提督は存在するはずのない天龍型の三番艦!?   作:戦闘狂の道化師

2 / 3
海龍のプリンと姉と鎮守府の母達

「あ~‼また食べられちゃった....」

本日も執務が無事に終わった真夜中の執務室の隣の仮眠室から、海龍の悲しげな声が聞こえてくる。原因は海龍の手元にある空のプリンが入っていた入れ物にあった。

 

新夜が海龍となった後、提督になるために学校で学んでいた頃から変わったことがある。身体能力の上昇に体が丈夫になりそして....

 

妙に甘いものを食べたくなる事だった。女の子なったからなのか海龍は甘いものをよく食べる様になり、その中でもプリンが大好きになった。それでも毎日食べるのはいけないと三日に一回、執務終わりに食べるのが海龍の自分へご褒美となった。一応言っておくが海龍は朝から執務して昼には天龍や龍田そしてこの鎮守府で建造したり海域を攻略中に発見した艦娘と海域攻略もしくは訓練を一緒にしたりし、夜にはまた執務とかなり忙しく働いているため毎日食べても問題ないぐらい働いてはいるので、一部の艦娘に心配されているのだが海龍はその事を知らない。

 

「プリン♪プリン♪」

その中でも海龍が一番の楽しみにしている日は各月の終わりに食べる、プリンの上に生クリームや果物が乗っているプリン・ア・ラ・モードの様になっているプリンであった。そんなウキウキ気分の海龍が仮眠室に置いている冷蔵庫に行ったのであったそこに置いておいたプリンは無くゴミ箱にカップだけが残っていた。どうやら龍田に食べられてしまったようだ。天龍達は海龍をとても可愛がって居るのだがたまに龍田は海龍の泣き顔が見たいのか、たまに海龍のプリンを食べて....

 

「海龍ちゃん可愛い....♪」

この様にドアの隙間から覗いたりしている。もし天龍が食べてしまった場合は『プリン食べちまった。すまない』と書き置きを残すと言う可愛らしい行動をしたりしている。

 

「プリン食べたかったな~....」

 

「提督?起きているんですか?」

そう本当に泣きそうな顔で呟く海龍の元に来たのは軽空母の鳳翔に間宮に伊良湖の三人だった。この鎮守府では海龍が提督と知っているのはこの三人と天龍、龍田だけであり他の艦娘は海龍が秘書艦で提督は執務室の隣の仮眠室に籠っていると考えている。

 

「鳳翔さん、伊良湖さん....間宮さん....」

 

「どうしたのですか?あぁまた食べられちゃったのですね。間宮ちゃん?悪いのだけどプリン・ア・ラ・モードをつくって持ってきてもらえます?」

 

「はい‼鳳翔さん。伊良湖ちゃん手伝ってもらえる?」

 

「はい‼」

海龍の右手に持たれている空のカップを見た鳳翔は全てを悟り間宮達にプリン・ア・ラ・モードを作る事を頼むと自分は海龍の側に行き頭を撫でだした。

 

「何で撫でるんですか~///」

「撫でたいからです♪」

鳳翔はそれから海龍の頭を撫でたり抱き締めたりしていると仮眠室のドアが叩かれる。

 

「出来ましたよ~」

 

「わぁ~美味しそう‼」

少しドアの隙間から覗いている艦娘を呆れた顔見た後すぐに笑顔になって中に入ってきた間宮達が持っていたのは何時もは大人しい海龍すらテンションが上がるほど美味しそうにプリンを大量のフルーツと生クリームで盛り付けたプリン・ア・ラ・モードだった。

 

「いただきま~す♪」

海龍は間宮達からプリン・ア・ラ・モードを受けとると眩しいほどの笑顔でパクパクと食べだした。

 

((((可愛い....)))可愛いわね~)

鳳翔達とドアの隙間から覗く天龍型の次女が微笑んだり顔を赤らめたりしながら眺めている中、海龍はニコニコと上機嫌で食べていき10分ほどで食べ終わったすると。

 

「ふぁ~....眠くなってきちゃった....」

甘いものを食べて満足したのか海龍は可愛らしく欠伸をするとそのまま眠ってしまった。鳳翔は可愛らしい寝息を漏らす海龍を優しく受け止めると伊良湖達に布団を敷いてもらい布団に優しく海龍を寝かし海龍が風邪を引かないように毛布を優しくかけると三人はこっそりと起こさないように部屋から出ていく時にはドアの隙間から覗いていた龍田はもういなかった。

 

 

 

真っ暗になった部屋の天上裏には怪しく光る赤い目を持つ狂犬と夜戦忍者がいた。

 

「海龍に誰か男が手を出そうものなら殺してやる」

 

「海龍さんは私達が守るっぽ~い....。私達を助けてくれた見たいに....」

他の鎮守府で捨て駒にされて海龍に助けられた過去を持つ二人は何処までも濁った目で天上から海龍の寝顔を見ながらそう呟いていた....。

 

そうして二人はゆらりと闇夜に消えていった。今日もラバウル鎮守府は平和である。

 

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。