あんハピ♪ 目指すは7組脱出!   作:トフリ

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今回は少しオリジナル多めです。
オリジナル展開って難しい・・そのオリジナル部分をかなり加筆修正したのでちょっとわかりにくくなっているかもしれないです。
次回は今月中には上げる予定です。



3話 二者面談と身体測定

第3話

 

二者面談と身体測定

 

今日は担任の小平先生と生徒の一対一の二者面談の日。

順番は男子と女子が交互に行われ、俺が男子の最後だ。

 

「失礼します」

 

教室に入り、小平先生との二者面談が始まった。

念のため、椅子を引いて先生からは距離を取って座る。

先生が何も言わないことから調査でとっくに『体質』のことを知られているんだろう。

 

聞かれる内容は中学時代のこと、得意な科目、趣味、特技などで思っていたほど変わったことなどで聞かれない。

 

「中学時代は男子校で、シニアリーグに入っていました、得意な科目は、そうですね・・国語です」

 

一応国語は平均点超えてる・・他はともかく。

 

「趣味は野球です、特技は制球力・・ボールのコントロールです」

 

「・・・野球以外の趣味や特技はありますか?」

 

「・・え?」

 

野球以外で・・ええと・・・・・・

 

「・・・・あ、筋トレとかよくしますし、本を読むのも好きです」

 

「はい、分かりました」

 

「あの、先生、聞きたいことがあるんですが?」

 

「何ですか?」

 

意を決して聴きたかった『あの事』を尋ねる。

先生は特に反応することなく手持ちの紙に書き込んでいく。

 

「俺、やっぱりスポーツクラスに行きたいんです」

 

先生は俺の言葉に反応することなく黙って耳を傾けている。

 

「もし、不幸じゃないと認められれば、スポーツクラスへの異動って出来ますか?」

 

「ええ、可能です・・ですが・・今まで幸福クラスの生徒が別のクラスに異動したケースはありませんよ」

 

先生は淡々と事実を言い放つ。

すでに知っていた事でもあるがはっきり真正面から言われると結構こたえる。

 

「はい、分かりました、ありがとうございます」

 

それでも、先生の口からはっきりとクラスを変えてもらうことができることを確認できて安堵した。

そのまま、二者面談は終わり、教室を出る。

結局、野球に関係ない趣味や特技をあげることができなかった。

次は体力テストと身体測定があるが、更衣室だけは間違えないように気をつけないといけない。

 

「あおいくん、終わった?」

 

教室の外で自分の番を待っているはなこさんとひばりさんと牡丹さんがいる。

ヒバリさん達はすでに体操着に着替えていた。

二者面談が始まる前に4人で身体測定に行こうと約束している。

 

「終わったよ、はなこさん」

 

「うん、じゃあ行ってくね、ヒバリちゃん、ぼたんちゃん、あおいくん、待っててね」

 

そのままはなこさんは教室の中へ入っていった。

 

「あおいさんはどんなことを聞かれましたか?」

 

「中学時代のこととか、得意な科目とか、特技や趣味とか聞かれたよ」

 

「男子でも聞かれることは同じみたいね」

 

「じゃあ、俺も着替えてくるよ、男子の更衣室って向こうだよね?」

 

記憶では間違いなく向こうだったが、聞いておかないと不安で仕方なかった。

小学校時代、間違えて女子が着替えている所に入ってしまい、しばらく笑い話となっていた。

当時はまだ低学年だったから良かったもののそれが高学年の時だったら笑い話では済まなかったかもしれない。

 

「向こうであってるわよ」

 

「分かった、ありがとう着替えてくる」

 

更衣室の前までくると窓からこっそりと覗き、脱いで置かれている制服から男子の更衣室だと分かり、やっと安心して部屋に入り、手早く体操着に着替え更衣室を出ると、ほぼ同時にはなこさんが教室から出てくるのが見えた。

これでクラス全員の二者面談が終わったようだ。

はなこさんも俺と同じことを聞かれたようで、やはり全員男女関係なく聞かれることは同じらしい。

 

「・・ねえ、ヒバリちゃん、ワニってほんとうに美味しい?」

 

「なんの話?」

 

ヒバリさんが何か突飛なことを聞かれている。

父親がまだメジャーリーグにいた父親に会いに行った時アメリカで食べたことがあるが牛や豚とも違う食感で美味しかった記憶がある。

そのことを伝えると、はなこさんはなんとも言えない表情を浮かべた。

言わなきゃ良かったかもしれない。

 

 

 

 

 

体育館へ向かっている最中、ヒバリさんと牡丹さんは身長や体重が気になっていることや、あの工事現場の看板に好意を持つようになったきっかけの話を話している。

後半は突っ込みどころがあったが、女子の体重の話や恋話は男子にとっては関わりにくい話題なので口を挟むことなく進んでいく。

 

ん?

 

何か変な音が聞こえて立ち止まる。

その音は進行方向の廊下から聞こえてきて、ヒバリさんもすぐに気づいたようでその方向に目を向けると、その先には『何か』がいた。

その『何か』が近づいてきて、その変な音もますます大きくなり不気味さを増す。

 

「反対側の道から行くわよ! あんなのに関わると碌なことにならないわ」

 

ヒバリさんの提案を受け入れ、走り出そうとしたその瞬間何かが走り出し俺たちの頭上を飛び越えて着地した。

やっとそこでその何かの正体を掴む。

 

「ごめんごめん、盛り上げようと思ったけど、驚かせたみたいだね」

 

それは・・・・兎だった。

だが、それは1番近いものに当てはめればの話であり、兎と言ってもぬいぐるみみたいなデフォルメされた姿で二足歩行をしており、タキシード?を着て、しかも日本語を流暢に話している。

どう見ても、生き物ではない。

UFOキャッチャーの景品の中に紛れていても違和感はなさそうだ。

 

「何なんだあれ?」

 

「僕はチモシーこの学園で作られたロボットさ、幸福クラスの案内役さ」

 

はなこさんが「チモシー!」と叫んで抱きつこうとするがさらりと避けてしまう。

どうやらはなこさんチモシーのことを気に入ってしまったらしく何回もは抱きつこうとしていたが、ことごとく避けられてしまい、涙目になっていた。

 

「僕の頭はデリケートなんだ、撫でようなんて10億年早いね、君たちが遅いから迎えに来たんだ、さあ体育館へレッツゴー!」

 

 

 

 

 

 

 

体育館に着いて早速体力測定に取り掛かる。

測定の順番はなく全部終わった時点で終了するようだ。

まずは比較的人数の少ない立位体前屈の測定を始める。

2回測って良い方を記録とするらしい。

最初ははなこさんが測る。

 

「よーし、行きまーすっえいっ」

 

記録は8.75123cm

 

「・・やけに細かいな」

 

「ここにある機械はみんな最新の測定器なんだ、ピコmまで測定できるよ」

 

チモシーがやたら得意げに説明する。

ピコmって誤差レベルだろ・・身長だって1日で数ミリ位は増減するんだし、無駄な技術を使ってるな。

はなこさんの測定が終わり、次は牡丹さんの番だった。

 

「・・いきます」

 

牡丹さんは体を曲げてゆっくりと前に倒して・・いかなかった。

 

「え?」

 

記録は-41.02814cm

測定器に届いてすらいないし・・体硬すぎだろいくら何でも・・

 

「がんばって、ぼたんちゃん!」

 

「一度体を元に戻して、もう一回やってみたら?」

 

牡丹さんは体を元に戻しもう一度測ったが記録は変わらなかった。

 

「万が一測定器に届かなくてもちゃんと図れるのさ!」

 

「どういう原理だよ、超音波でも出してそれで測ってるのか?」

 

立位対前屈を終えて、他の項目もどんどん進めていく。

俺は殆どの項目でトップの記録を出し、特に握力測定とハンドボール投げでは2位から大きく差が開いていた。

担当していた先生はとても驚いていて、どうやらスポーツクラス基準でもトップクラスの記録を出したみたいで、何故幸福クラスにいるのかを不思議に思われた。

ちなみに、牡丹さんはハンドボール投げでは脱臼し、立ち幅跳びで捻挫するなど体力テストでボロボロになっていた。

ともかく、体力テストを終えて次に身体測定に移る。

聴力検査や視力検査があり自分は特に問題なく終えたが、聴力検査の際はまだ音を出してないのにもかかわらずはなこさんがつけていたスピーカーから何故か女性の声がが聞こえるという怪奇現象が起こり、視力検査の際は牡丹さんはメガネがなければでは1番上も見えないらしく相当視力が低いようだった。

他の項目を終えて最後に身長と体重を測って終了となる。

 

「この機械は自動で体重と身長を同時に測れるんだ、一石二鳥でしょ!」

 

「それ結構前からあるぞ」

 

とにかく、自分1人が先に測ると中学時代と比べて身長は少し伸び、その分体重も増えていた。

次にヒバリさんとはなこさんと牡丹さんの3人が順番で測り、ヒバリさんは問題なく終える。

しかし、はなこさんが測ろうとすると何故か身長測るために降りてきたバーの部分が暴走し頭にベシベシと連続で叩き始める。

 

「うわー縮んじゃう、チモシーになっちゃうー!」

 

「うーんさすがにそれじゃ測れないね」

 

「いやいや、余計なこと言ってる暇あるなら機械止めろ!」

 

はなこさんが測り終わると最後に牡丹さんが測ろうとするが、さっきように計測器が暴走したら骨折しても不思議はない、他の人ならいざ知らず握手で骨折する人なら否定はできない。

だからと言って計測しないわけにもいかないので、見守っておく。

計測器が動き出しし、バーがゆっくりと降りていく・・

頭にバーが当たった瞬間、牡丹さんは貧血でも起こしたかのように倒れかけ、真正面から抱き合う形で支えて転倒だけは避けられた。

 

ムニュ

 

「・・おおっ!」

 

胸の辺りに柔らかい感触が押し付けられつい声にならない声が出る。

それが何なのかはすぐに理解できた。

この前の入学式での帰り道の時も同じようなことはあったが、今回はあの時とは違い真正面から抱きしめており、しかもお互いが体操着なので感触がダイレクトに伝わってくる。

今までの経験でも最大級のボリュームで、その上柔らかくものすごく柔らかい。

体を密着させたままが動かなくなってしまい、数秒後にはっとなって体を離した。

 

「すみません、私みたいな役立たずの足手まといの為にお手を煩わせてしまうなんて」

 

牡丹さんは申し訳なさからかいつものようにネガティブオーラを出しているが逆にこっちが申し訳ない気持ちになってしまう。

 

「い、いやそのき、気にしてないから大丈夫だよ、あははハハ、そ、それにしてもどうして倒れそうになってたの?」

 

「それが、今年もまた体重が増えてました・・」

 

「ああ・・そうなんだ」

 

つまり体重が増えていたショックで倒れてしまったらしい。

 

「そうなの? 全然太ってるように見えな」

 

はなこさんが急に固まった、まるで彫刻のように動かなくなり、牡丹さんのある1点を見続けている。

視線の先には体操着が伸びてしまいそうなほどその部分を押し上げている豊かな胸があった。

そう、先ほど自分がしっかり感触を味わってしまった所だ。

しかも、本人は無自覚だろうが牡丹さんがうつむいている為に余計に強調されてしまっていて、ついジッと見つめてしまいそうになり慌てて目をそらす。

今度ははなこさんはヒバリさんの方に視線を向けていて、どこを見ているかは確認するまでもなかった。

自分の胸に手を持って行き、ポンポンと触ると目に涙を浮かべる。

 

「どっ、どうしたのよ!?」

 

ヒバリさんは涙の意味がわからず困惑している。

涙の理由は分かっていたが女の子相手にそんなこと言えるわけもなく、聞いてないふりをしてやり過ごす。

はなこさんの視線を思い出したのかヒバリさんは牡丹さんの胸に視線を向け涙の理由を理解したように見えた。

 

「・・ぼたんあなたが年々体重だけ増えて行ってる理由わかったような気がするわ」

 

 

最後の項目を終え、身体測定は終わり昼休みになる。

 

「大丈夫、牡丹?」

 

牡丹さんは体力を使い果たしてしまったようで今はヒバリさんに支えられながら更衣室に4人で向かっている。

 

「お昼ご飯食べられそう?」

 

「ええ何とか、どんな事態になっても食事はしっかりとるべし、家訓なんです、もはや私など牛に近いのかもしれませんね・・ウフフ」

 

自覚はないのだろうが、嫌味にも捉えられそうな言い方だ。

 

「・・まあ、確かに疲れていてもご飯は食べといたほうがいいな」

 

「ともかく、私は牡丹を更衣室まで連れて行くから、悪いけどあおいくんは校舎裏の自動販売機で飲み物を買ってきてもらえない?」

 

「ああいいけど」

 

「ありがとう、私は紅茶何でもいいわ、この袋に4人分買える位は小銭が入ってるとおもうから、牡丹とはなこは何がいい?」

 

「わ、私は野菜ジュースをお願いします・・」

 

「分かった、はなこさんは何がいい?」

 

「・・じゃあ、私も一緒に行く、そこで決めるから」

 

「そう、じゃあ2人で買ってくる」

 

俺とはなこさんは校舎裏の自動販売機へ向かった。

 

 

 

 

 

「さて、どれにするかな?」

 

自動販売機の前で少し考えむ。

学校の自動販売機だけあって、良く見かけるようなポピュラーなものしか置いてない。

 

「じゃあ、これにするか」

 

結局、普段からよく飲んでいるスポーツドリンクのボタンを押す。

落ちてきたペットボトルを手に取ると心地よい冷たさが手のひらに伝わってくる。

これで自分とヒバリさんと牡丹さんの紅茶と野菜ジュースを購入を終えた。

 

「はなこさんは決まった?」

 

「・・」

 

まだ悩んでいるのか、珍しく真剣な眼差しで自動販売機を見つめている。

たかだかジュースを買うだけの行為なのにかなり緊張しているみたいだ。

「・・決まったよ」

 

そのままゆっくりと前に進みオレンジジュースのボタンに指先を載せる・・

 

「えい!」

 

ボタンを押し、落ちてきたペットボトルを取り出す。

 

「・・カレー牛乳?」

 

はなこさんが持っているのはどう見てもオレンジジュースではなかった。

 

「うう・・やっぱりダメだった」

 

はなこさんが押したのは間違いなくオレンジジュースではカレー牛乳ではなかった、それ以前にそんな変な商品は自動販売機の中にも置いてない。

 

「あおいくんは全部当たったから、今度はうまくいくかと思ったけどダメだった」

 

「え、今度は?」

 

「うん、自動販売機っていつも何が出てくるかわからないじゃない、だからここで買ってもいいのかなあって」

 

牛乳カレーを眺めながら落ち込んでいる

 

「いや、自動販売機って普通は・・」

 

普通は選んだ商品しか出てこないと言おうとしたが思いとどまる。

言ったら言ったではなこさんをより落ち込ませてしまいそうだったから

 

「うう、私お金持ってないしこれでいいや」

 

「待って、俺が代わりに買ってみるよ」

 

はなこさんは肩を落としてとぼとぼ帰ろうとしたがそれを止める。

 

自動販売機に小銭を入れてオレンジジュースのボタンを押す。

落ちてきたペットボトルを見てみるとオレンジジュースで間違いなかった。

それをはなこさんに渡す。

 

「わあ、オレンジジュースだ!」

 

はなこさんは嬉しそうにオレンジジュースを受け取る。

 

「あおいくんって自動販売機ジュースを買うのが得意なんだねっ!」

 

「え、まあ、あはは、得意かもね」

 

自動販売機でジュースを買うのが不得意な人っているのかと思ったが、目の前に該当する少女がいたので苦笑してしまう。

それにしても、なぜ牛乳カレーがオレンジジュースのところに入っていたのだろう、業者の人が間違えて入れたのだろうか?

そうだとしても、当たらないのが普通というレベルでそんな嫌な偶然を引き続けてるとしたら不運なんてもんじゃない。

はなこさんだけは何としてでも早く幸運を掴み取って欲しいと心から思った。

 

「まあ、全員分買えたしさっさと帰ろうか」

 

「うん、早く着替えないと」

 

教室に向かおうとしたその時、はなこさんが付けている緑色の髪飾りが突然プチンと外れて地面に落ちる。

 

「あれ? 外れちゃった」

 

はなこさんが髪飾りを拾おうとしたが、突然地面がガタガタと音を立てて揺れ始めた。

 

「うわっ、地震か!?」

 

対して強い揺れではないが、はなこさんはバランスを崩しかけていたので倒れないようにとっさに支える。

 

「うわわわっ、揺れてるよっ!」

 

やがて、すぐに揺れが小さくなっていき、

時間にしてみれば十秒も揺れてはいなかった。

 

「ふう止まった・・うわっ!」

 

はなこさんを突き飛ばして『倒れてきた自動販売機』を受け止める。

 

「うおおおおおおおっ!?」

 

重い重い! とにかく重い! ただひたすらに重い!

今までに感じたこともないような凄まじい圧力が全身にかかり、体が悲鳴をあげる。

少しでも反応が遅れていれば支えきれずに押しつぶされていただろうが、とてもそれを喜べるような状況ではない。

見たところ斜め45度ほどに傾いているようで押し返すどころではなく、現状維持がやっとだった。

 

「は、はなこさん・・だ、誰か呼んできて・・!」

 

一緒に押してもらい、押し返すことも考えたが無理そうだと考え付き、取り敢えず人を呼んできてもらうことにする。

 

「わ、分かった!」

 

すぐさまはなこさんは走り出っていく。

会話している間にも段々手の感覚がなくなっていき力が入らなくなっているような感覚を覚え、背筋が冷たくなってくる。

これを支えきれなくなったら・・潰されて・・

とにかく今は支え続けることしかできなかった。

 

 

 

 

 

その後は、はなこさんがすぐにスポーツクラスである4組の男子生徒達を連れてきてくれたのでことなきを得た。

ただ、そのとき助けてくれた4組の生徒は俺とはなこさんが幸福クラスだと気付くと「幸福クラス」はやっぱり不幸なんだなと大笑いされてしまった。

はなこさんは特に気にしなかったみたいだが、俺は

 

「そんな事があったんですか」

 

「それで、大丈夫だったの?」

 

昼休みの教室でひばりさんが尋ねてくる。

 

「ああ、なんとかね・・」

 

その後に教室に戻りヒバリさんと牡丹さんに簡単に事情を説明する。

自動販売機が倒れてきて危うく死にかけたこと、はなこさんが自動販売機から全く別の商品が出てきたこと。(はなこさんが自動販売機から飲み物を買うときは買うまで何が出てくるかわからないと勘違いしていることもひばりさんと牡丹さんだけに聞こえるようにこっそり伝えている)

あの出来事で肉体的にはかなりしんどいが死にそうになったのに特に怪我もしなかったので無事だと言えば無事だ。

しかし、精神的には決して小さくないダメージを受けていた。

自分が入りたかったスポーツクラスに入れず、よりにもよってそいつらから笑われるのはかなり堪えた。

 

・・だが、先生が言うには実例は無いものの不幸ではないと認められればスポーツクラスへの移動も可能だと断言していた。

なら、今の俺にはそれを目指して頑張るしか道は無い、この学園に入るのが小さい頃からの夢なのだからこんな事で諦めたくはない。

 

俺は不幸を返上して必ず幸福になってやる!

 

そう、心の中で叫ぶのだった。

 

 

 

 

しかし、その日の放課後の部活初日に行われる実力を測るテストでは倒れてきた自動販売機を支えていた疲労の影響で狙った場所に全くボールを投げられず、キャッチボールすらまともにできなかったため、その結果3軍行きが決まる事はまだ知らなかった。

 

 

 




主人公は野球部員ですが練習や試合の場面を書く予定は今の所ありませんし、はなこ達と野球することもありません。
あんハピの原作は熱血スポーツ物ではなく、日常系ギャグ漫画であり二次創作なのでそう決めています。まあ、アニメの2話では体験入部の描写はありましたがあれはアニオリ
ですし、今の予定では会話やダイジェストで少し触れる程度で行くつもりです。

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