するとちょうどメアリーもその場に現れて…
博麗神社
霊夢「ふぅ…今日も退屈な一日が始まったわねー…」
そんな独り言を言っていると、フリッカがやってきた
フリッカ「霊夢おはよー」
霊夢「あらフリッカじゃない。おはよう。何か用かしら?」
フリッカ「用って言うより、事実確認かな?」
霊夢「事実確認?」
フリッカ「…メアリーの記憶が戻ったって聞いたんだけど?」
霊夢「ええ、記憶が戻ってもあの殺人衝動は無くなったみたいだけどね」
フリッカ「それを鵜呑みにしたの?」
霊夢「まあ、あの時はさとりも居たし、その事についてはかなり信憑性が高いわね」
フリッカ「んー、まあ、さとりさんが居たなら信じざるを得ないか」
霊夢「で、どうするの?」
フリッカ「?どうするって何が?」
霊夢「記憶が無くなっていたちょっと前までならいざ知らず、今は記憶がある。つまり、あんたとの過去も思い出してるだろうから、復讐するのかって聞いてるのよ」
フリッカ「…正直、戸惑ってるわ」
霊夢「戸惑ってる?」
フリッカ「ええ、私の知ってるメアリーは残忍で、狡猾な人間だった。でも、行方不明になった後に見つけた時も妹紅に聞いた限りでの記憶が戻った後の様子も何処にでもいるような普通の少女なのよ」
霊夢「そうね。それに関しては私も驚いてるわ」
フリッカ「あれは本当に…メアリーなの?ただのそっくりな別人なんじゃないのか?って思うようになってきたのよ」
霊夢「つまり、復讐心が薄れてきていると?」
フリッカ「結果的には、そうなるわね」
そんな話をしていると、誰かが神社前の階段を上ってきた
メアリー「ふぅ…毎回この階段上るのはさすがに疲れるわねぇ…」
フリッカ「メアリー…」
メアリー「!?…フリッカちゃん」
フリッカ「記憶が…戻ったんですってね」
メアリー「ええ…今更自分のやった事の言い訳も弁明する気はないわ。八つ裂きにしたいなら好きにしなさいな」
そう言って両手を広げ無抵抗をアピールした
フリッカ「…いや、やめておくわ。今は人の役にたってるようだしね」
メアリー「そう…ありがとう」
フリッカ「…ただし、次何か変な行動をしたら容赦しないわよ」
メアリー「ええ、肝に銘じておくわ」
フリッカ「ああそうだ霊夢、前に言ってたマミの件はどうなったの?」
霊夢「ああ、あれなら私よりもメアリーの方が詳しいわよ」
フリッカ「え?なんで?」
霊夢「私が他の事で忙しかったから、その件をメアリーに頼んでおいたからよ」
メアリー「あー、あれなら多分解決したわよ。マミを虐めてた子供は叱っておいたし、人里の近くに住んでたマミ達を一切合切近くの森とか洞窟に身を隠して無闇に出てこないように言ったし、あれからマミゾウさんも言ってこないって事は、あれ以降問題が起きてないって事でしょ?」
霊夢「ええそうね」
フリッカ「そう言えば、さっき退屈って言ってたけど、最近は前みたいに依頼が来てないって事なの?」
霊夢「そうね、前までは忙しいことこの上なかったけど、良くも悪くもメアリーは顔が知れてるから妖怪も人間も近くにメアリーがいるだけで抑止力になってるのよ」
フリッカ「元悪人だからこそ悪事が起きやすい所は熟知してるって事ね。なんだか皮肉だわ…」
メアリー「まったくね。でも、こんな私が恐れられることで抑止力や人柱になって役に立てる。それだけで今までの悪事の償いになるんならなんでもいいわ」
フリッカ「(本当に…何でこんな考えができる奴があんな殺人鬼なんかになっちゃったのかしら?)」
フリッカは戸惑っていた
過去にあれほどの事をしたこの狂人の本質的な性格がこんなにも綺麗なものだったのかと、罪滅ぼしとはいえここまで自己犠牲を厭わぬ人間になれるのかと
霊夢「そう言えば、前から少し引っかかってたことがあるのよね」
メアリー「引っかかってる事?」
霊夢「ええ、あんたが前に起こした事件の時の一回目の似顔絵とあんたじゃ少し違うところがあるのよね」
メアリー「そうなの?」
霊夢「赤い髪、紫の目って言うのは同じなんだけど、それ以外の特徴が合わないのよね」
紫「それは私が彼女の年齢の境界を曖昧にしたからよ」
霊夢「あら、生きてたのね紫」
フリッカ「(ビ、ビックリした…)」
紫「そうそう簡単に私はくたばらないわよ」
霊夢「そうね、あんたはゴキブリ並にしぶといものね」
紫「あら酷い」
フリッカ「それより、年齢の境界を曖昧にしたってどういう事?」
紫「論より証拠よ。これを見なさいな」
紫がメアリーに手をかざすと、メアリーの姿がどんどん成長し、女性になった
霊夢「なるほど、確かに一回目の似顔絵に合致して昔のルーミアにそっくりね」
メアリー「ゆ、紫、さっきの姿に早く戻して欲しいんだけど」
紫「え?なんでかしら?」
メアリー「さっきまでずっと小さい頃の姿だったから、そっちに慣れちゃったし、その、服が…キツイ」
少し顔を赤らめながらメアリーがそう言った
紫「あら、分かったわ」
紫がもう一度メアリーに手をかざすと、再び子供の姿に戻った
フリッカ「何で十年以上姿が変わってなかったのか、ようやく理解出来たわ」
メアリー「ところで、あれから新しい依頼は来てないのかしら?」
霊夢「そうね…あんたが一日に5件も6件も仕事を片付けていくから、今はからっきし依頼は来てないわね」
メアリー「そう、じゃあ暇潰しに見回りして帰るわ」
そういってメアリーは去っていった
フリッカ「…一日5,6件って多過ぎない?内容によるだろうけど」
霊夢「ええ多すぎるわ。私達みたいに空を飛べるならまだわかるけど、メアリーは普通の人間だからいつも現場まで走っていってるわ。しかも本人曰く、ほとんど戦闘ありっぽいし」
フリッカ「キ、キチガイじみた体力ね…」
紫「あの体力には私も驚かされるわ」
霊夢「で?何の用?あんたから来るなんて珍しいじゃない」
紫「ちょっとまずい事が起こってね」
フリッカ「まずい事?」
紫「なんでだか知らないけど、幻想郷で銃器の弾が見つかったのよ」
霊夢「?…別に不思議でもないんじゃないの?火縄銃とかあるんだし」
紫「見つかったのは火縄銃の弾じゃなくて、多分…拳銃の弾よ」
霊夢「ケンジュウ?何それ?」
フリッカ「拳銃!?」
紫「まあ簡単に言えば片手サイズの銃って感じね。もちろんそんなもの幻想郷に持ってきた記憶も迷い込んだ記憶もないわ」
霊夢「じゃあ河童達が作ったって事?」
紫「おそらくね。でも、河童の技術が発展してるからと言って、あんな物作れる程ではなかったはず。何かモデルとなる物が無いと作れない筈なのよ。霊夢、心当たりあるでしょ?」
霊夢「…菫子のモデルガンとかいうやつね」
紫「ええ、それしか思い当たる節がないわ。あの時、河童のにとりもあの場にいたから、辻褄があうわ」
フリッカ「内容がさっぱり分かんないんだけど、銃が量産されてるのって、結構やばいんじゃないの?」
霊夢「かなりやばいわ」
紫「ええ、妖怪と人間のパワーバランスが崩れかねないわ。いくら妖怪が死ににくいとは言っても、弱小妖怪はそこまで頑丈じゃないしね。とりあえず、行くわよ霊夢」
そう言って2人は妖怪の山にある河童の里まで飛んでいった
フリッカ「…ここに居てもしょうがないし、私も帰ろっと」
そんな独り言を言いながら、フリッカは階段を降りていった
人里 とある民家
男1「二人共、銃は手に入ったか?」
男2「ああ、手に入ったぜ」
男3「久しぶりの妖怪狩りだねぇ」
男1「決行は3日後、あのクソ生意気なガキは絶対殺すぞ!」
男達「オー!」
To Be Continued
菫子のせいで幻想郷の中に拳銃が量産されているようですね
次回はメアリーが紅魔館に行く話を書こうと思います
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ