殺人鬼メアリー   作:フリッカ・ウィスタリア

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最近、迷いの竹林では幼い女の子が行方不明になる事件が頻発しているそうだ
その原因を見つけるためにメアリーは迷いの竹林に行ってみた。するとそこには妖怪と少女がいて…


8話 同業者

迷いの竹林

妹紅「ハァ…また輝夜との殺し合いはうやむやにされてちまったな」

いつもの如く永遠亭に行って輝夜と死闘をしかけてきた妹紅であったが、最近は向こうが気乗りしないのか酒の大飲みや座戦がほとんどである

かくいう妹紅自身も、もう千年以上経った今では昔ほど輝夜を恨んではいないのだが、昔の習慣は未だに抜けぬようで、気まぐれでも輝夜と戦っていないと落ち着かないのだ

妹紅「またフリッカに怒られちまうかもな…」

そんな事を考えながら自宅への帰路についていた時、ふと少し離れたところで声がした

???「…さい!…なら…わよ!」

妹紅「ん?こんな時間に物好きな奴が誰か喧嘩でもしてるのか?」

見事なまでのブーメランを受けそうな発言をしながら声のする方へと歩いて行った

すると、そこには二人の少女と小さな鵺がいた

小さいとは言っても2mを超すような化け物ではあるのだが

鵺「何故だ!お主に我を止める権利はないはずだぞ!」

メアリー「この子供が本当に偶然ここに迷い込んだのならそうでしょうね。でも、貴方は自分の能力で人間に化けて、この子を誑かしてここまで連れてきたのはお見通しなのよ!」

鵺「くっ!だが、お主が我にかなうとは到底思えん!その娘を諦めて立ち去れ!」

メアリー「あら、それはどうかしらね!」

メアリーは一足で鵺との距離を詰め、鵺の足を蹴りはらった

そのせいで鵺は盛大に転び、膝をつくことになった

鵺「ぬぅ…人間にしてはやるではないか。我も本気を出すとしよう」

そう言うと、鵺の形態が猿から虎になった

メアリー「(この子をかばいながらは流石に危ないわね…)お嬢ちゃん、早く人里まで走って逃げなさい!助けは呼ばなくていいから!」

少女「う、うん!分かった。ありがとうお姉ちゃん!」

そう言って少女は人里まで必死に走っていった

メアリー「さあ、お目当ての女の子はもういないわよ!」

鵺「チッ!もうお主でも良い!我は腹が減っているのだ!」

そう言いながらメアリーに突進してきた

メアリー「フッ…単純な動きね」

メアリーは余裕綽綽に鵺の突進を避け、すれ違いざまに鵺の目にナイフを刺し、視界を奪った

鵺「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!」

メアリー「そんな単純な突進じゃいつまで経っても私には当たらないわよ」

鵺「この鵺を愚弄するか!」

鵺が潰れた目を開くと、みるみる傷が塞がっていった

メアリー「やっぱり、ただの武器じゃ一時的な傷にしかならないか…」

鵺「許せん!八つ裂きにして喰ってやる!」

今度は周りの竹を駆使して不規則な軌道で攻撃してきた

本来、竹は頑丈だとよく言われているが流石に数百kgにもなる者の体重を支えれるわけがない。しかし、迷いの竹林の竹は魔法の森の木同様妖気に晒され続け、そうそう折れなくなっている

むしろ、強度が増している事で反発力も強くなり大きなパワーを生み、鵺の攻撃は速くなってきた

メアリー「だからそんな動きじゃ当たらないって…!?」

まだ多少不規則でも目で追えないまでではないため、さっきと同じ結果になるだろうと思っていたメアリーだったが、すれ違う時に尻尾の蛇でも攻撃してきたことで攻撃の隙が無くなっていた

しかも、鵺のスピードはまだまだ速くなっていき、少しずつ目で追えなくなってきた

メアリー「くっ、攻撃の間隔が小さくなってきたわね…痛っ!」

遂に防ぎきれなくなった攻撃がメアリーに当たる

鵺「ほれほれ!さっきまでの威勢はどうした!」

メアリー「(流石に虚勢張り過ぎたわね…私もここでおしまいかしら?)」

そんな事を考えていた矢先

妹紅「呪札『無差別発火の符』」

鵺「なぬ!?がぁぁぁぁ!熱い!体が焼ける!」

数秒悶えた後に鵺は焼け死んだ

妹紅「お前さん大丈夫かい?」

メアリー「ええ、助かったわ」

妹紅「あれ?お前は…メアリーだっけ?」

メアリー「ええ。そう言う貴女は、フリッカちゃんと一緒に居た妹紅で合ってたっけ?」

妹紅「ああ、でも本当に別人みたいになってるんだな」

メアリー「殺人鬼も更生したらまともになるのよ」

妹紅「え?それを覚えてるって事は、記憶が戻ってるのか?」

メアリー「そうね。その後で霊夢にこの役割を任されたのよ」

妹紅「この役割って…妖怪退治か?」

メアリー「んー、どっちかと言うと人妖問わず助ける自警団みたいな立場ね」

妹紅「(という事は、私と大まか同じ事をしてるってわけか)そう、それならこっちとしても助かるわ」

メアリー「そう言えば、妹紅も自警団をしてるのよね?なら同業者になるのかしら?」

妹紅「まあ、そうなるかもな。じゃあ私はもう行くから、あんたも気を付けて帰るんだよ」

メアリー「ええ、分かったわ」

そう言って二人はその場を立ち去った

 

妹紅の家

妹紅「ただいまー」

フリッカ「おかえり妹紅、もしかしてまた輝夜さんと喧嘩してきたの?」

妹紅「ま、まあ、そんな感じだな」

フリッカ「もう…どうせお酒飲みまくったりするだけなんだから、楽しく飲めばいいのに…」

妹紅「そうは言ってもなぁ…もう数百年やってる事だから今更仲良くなんて…」

フリッカ「でも輝夜さんも妹紅も一緒に飲んでる時、楽しそうよ?昔にいろいろあったのは知ってるけど、1300年も前の事でしょう?そろそろ時効にしてあげてもいいんじゃない?」

妹紅「(なんだか口調が慧音に似てきたな…そう言えば何年か前に慧音も同じ事言ってたな)」

そんなことを思いながら、ふとあることを思い出した

妹紅「あっ、そうだ。今帰ってくるときに大ニュースを手に入れたよ」

フリッカ「大ニュース?」

妹紅「ああ、メアリーと竹林の途中で会ったんだけどね。妖怪に襲われてた女の子を助けてたよ」

フリッカ「女の子を助けた?やっぱり別人みたいになってるのね」

妹紅「しかも、記憶が戻ったみたいなんだけど、更生して霊夢の手伝いをしてるそうだよ」

フリッカ「え!?メアリーの記憶が戻ったの!?また何か企んでるんじゃ…」

妹紅「いや、それは多分ないな。人里の人間にはメアリーは極悪人って事になってる。何か企んでるなら、今は良くも悪くも目立ちたくないはずだよ」

フリッカ「それはそうかもしれないけど…」

妹紅「まあ、心配なら、明日にでも霊夢の所に行って直談判してきなよ」

フリッカ「うん、そうするわ。それじゃお休み」

そう言ってフリッカは布団に入り、すぐに寝息を立て始めた

 

To Be Continued




フリッカと妹紅にメアリーの今の状況が知られてしまいましたね
次回は今回の続きで博麗神社での話を書こうと思います
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ

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