殺人鬼メアリー   作:フリッカ・ウィスタリア

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メアリーに戦闘のアドバイスをされたルーミアであったが、いまいちコツを掴めずにいた
そんなある日、ルーミアの所に男がやってきて…


7話 食人鬼ルーミア

魔法の森

ルーミア「うーん、気配を消すなんてどうやったらできるのだー?」

ルーミアは悩んでいた

ルーミア「と言うより、この森はメアリーくらいしか人が入ってこないし、そのメアリーは一向に食糧になりそうな気配がないから、どんどんお腹が減っていくのだー…」

ルーミアは久しく人肉を食べておらず、腹を空かせていた

一応、他の肉や野菜でも腹は膨れるのだが、どうしても人肉より早く腹が減ってしまうようだ

その結果、宴会などではその体躯に見合わぬ大喰らいになってしまうのだ

ルーミア「うーん、森の中に入ってきた人間は食べてもいいって霊夢に言われたけど、そもそも入ってこないから全然お腹が満たされないのだー…人里を襲えばすぐお腹はいっぱいになるだろうけど、霊夢に退治されちゃうのだー…」

ルーミアは霊夢と一つ約束をしていた

それは人里の人間を無闇に襲わない代わりに、森に迷い込んできた人間を食べるのは黙認するというものだ

この約束は妖怪と人間のテリトリーを明確にするという点において紫も認可している

無闇に人里を襲えば霊夢に退治され、逆に森などに迷い込んだら人間は命の危険がある。こうすれば両者が互いのテリトリーを犯す可能性が減り、ただの行き来は自由な為、互いに友好的な者はお互いの土地に赴いて不自由なく交易をする事が出来る

ルーミア「うー…お腹減ったのだー…」

さっきから同じことしか言っていない気がするなと自分でも思い始めていたその時

???「見つけたぞ!こんな所に居やがったのか!」

ルーミア「?…誰か来たのかー?」

ルーミアが声のした方を見てみると、ひとりの男がそこに立っていた

ルーミア「(!…久しぶりの人間なのだー!見た感じそんなに強そうでもないし、殺れそうなのだー!)」

モブ雄「てめぇ…昨日はよくも邪魔してくれたな!」

ルーミアはその言葉の意味が分からなかった

ルーミア「邪魔?何の話なのだー?まずお前なんて私は知らないのだー」

モブ雄「へっ!やった方は忘れてても、やられた方は覚えているもんだぜ!」

そう言いながら男が取り出したのは拳銃だった

おそらく、河童が作ったものなのだろう

ルーミア「一応言っておくが、そんなものでは私は倒せないのだー」

モブ雄「それはどうかな!」

そう言って男は銃の引き金を引く

弾はルーミアの腹のど真ん中に直撃した

しかし、最初こそ血が流れていたが、すぐに血は止まり、傷もふさがった

モブ雄「なっ!?お前人間じゃなかったのか!?」

ルーミア「見た目は人間でも、私はれっきとした妖怪なのだー!さあ、今度はこっちの番なのだー!」

そう言って男に襲いかかろうとした時、ルーミアは後ろから呼び止められた

???「ルーミア、ちょっと待つのぜ!」

ルーミア「!…何の用なのだー?」

ルーミアを呼び止めたのは魔理沙であった

ルーミア「今ご馳走にありつけそうなのだー!邪魔しないでほしいのだー!」

魔理沙「だから、それをやめろって言ってるのぜ」

モブ雄「あ、あんた!そいつは人間じゃねぇ!妖怪だ!」

魔理沙「そんなこと言われなくても知ってるのぜ。それに、何で妖怪を攻撃してるのぜ?」

モブ雄「今まさに喰われそうになってるからに決まっているだろ!見て分からねえのか!?」

魔理沙「違う違う、私は『今からの話』なんてしてないのぜ『今までの話』をしてるのぜ」

モブ雄「ど、どういうことだ?」

魔理沙「お前、多田野モブ男だろ?結構有名だぜ?弱小妖怪を虐めてばかりいる弱虫だって」

ルーミア「とにかく、なんで私を止めるのだー?私が何を食べようが魔理沙には関係ないのだー!」

魔理沙「いや、関係あるのぜ。だってここ、私の家の前だぜ?こんな所で食事されたら私の家まで臭いが来るのぜ」

ルーミア「で、でも、せっかくのご馳走なのだー!」

魔理沙「別に喰うなとは言ってないのぜ。もっと向こうで、そうだな…森の奥で喰ってくれないか?」

その言葉を聞いた瞬間、男は耳を疑った

今の会話を聞いている限り、彼女は人間のはずだ

その彼女があろうことか、食人を否定せず、臭いの届かぬ所で喰うのなら構わないと言ってのけたのだ

男は命の危険を感じ、必死になって走った

ルーミア「…これでいいのかー?」

魔理沙「ああ、ありがとな」

ルーミア「あぁもう!今の人間は脂がのってて美味そうだったのだー!」

魔理沙「スマンスマン、家でキノコ料理をご馳走してやるから機嫌直せって!」

ルーミア「魔理沙の作るキノコ料理は耐性がないと食当たりするから嫌なのだー!」

魔理沙「大丈夫だって!今日の茸はちゃんと一般的な食用茸なのぜ」

ルーミア「例えばどんなのがあるのだー?」

魔理沙「ベニテングダケだろ、ヒトヨタケだろ、ボルチーニだろ、それに今日は奇跡的に松茸も手に入ったのぜ」

ルーミア「…ベニテングダケは毒キノコだった気がするのだー」

魔理沙「生で食ったらそうだけど、ちゃんと毒抜きすれば普通に食えるのぜ。ヒトヨタケの方は酒と一緒に食ったら大変な事になるがな!」

ルーミア「…分かったのだー…過ぎた事を延々と言ってもしょうがないから許してやるのだー!そのかわり、食糧が無くなるまで食ってやるから覚悟するのだー!」

魔理沙「うわっ…それは勘弁して欲しいのぜ…」

そんな会話をしながら魔理沙宅へ二人は消えて行った

結論だけを述べるなら、ちゃんと調理されていたのか、今回は毒に当たらなかった

そして、宣言通り魔理沙宅にある全食料をたいらげた

 

To Be Continued




可愛らしい顔をしていますがルーミアはれっきとした人食い妖怪です
あぁ、でもルーミアに食べられるならほんm…ゴホンゴホン!ま、まあ、とにかく、次回は迷いの竹林の事件を解決する話をしようと思います
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ

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