殺人鬼メアリー   作:フリッカ・ウィスタリア

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長年の呪縛が解けてしまったルーミア
表面上は森から出ないと言い張っているものの、その殺気は常にあふれ出ているようで…


13話 殺人鬼VS食人鬼

魔法の森

EXルーミア「あら霊夢久しぶりね。最後に会った時はあんなに小さかったのに、えらく大きくなったじゃない」

霊夢「あんたを最後に見た時からもう10年はたってるからね。嫌でも成長するわよ」

EXルーミア「で、そっちは…ああ、貴女がメアリーね」

メアリー「ええ、貴女自体には初対面だけどね」

EXルーミア「ところで、私に何か用かしら?」

霊夢「あんたが久方ぶりに現れたから、また暴れるんじゃないかと思って来たのよ」

EXルーミア「まあ、それしかないわよねー。でも、先代とも人里を襲わないって約束をしてるから、安心して頂戴」

霊夢「そう…ならいいのよ。それじゃあ私たちは帰るわね」

そう言って二人は帰ろうとした

その次の瞬間、ルーミアが出した黒い手が二人に襲いかかり…

メアリー「やっぱり…か」

メアリーのナイフによって切り落とされた

EXルーミア「あら、バレちゃったみたいね」

霊夢「そりゃあんなに殺気だってたら誰だって気づくわよ」

EXルーミア「でも、ここは人里じゃない。だから約束には触れてない。そうよね?」

霊夢「はぁ…そうね。約束に触れた行動はしてないわね。でも、やっぱりあんたを再封印させてもらうわ!」

そう言って霊夢は森の上空に飛んで行った

EXルーミア「という事は、メアリー、貴女が私の相手をしてくれるのかしら?」

メアリー「ええ、私が貴女の足止め役よ」

EXルーミア「なかなかにナメられたものね。かつて紫に並ぶ大妖怪とまで言われた私の相手が何の能力もないただの小娘とは…笑わせる!」

メアリー「ええ、全力を出せる貴女なら、私なんか一瞬で消しとばせるでしょうね」

なぜかメアリーは含みのある笑みを浮かべた

メアリー「でも貴女は今、まだ本気は出せない。しかもそっちには霊夢の封印までの制限時間というハンデもある。それならまだ私にも勝機はあるんじゃないかしら?」

EXルーミア「フッ、そんなものハンデの内に入らないわ!」

ルーミアは余裕の表情をしていたが、メアリーにはわかった。ルーミアは今少なからず見栄を張っていると

メアリー「(それなりにはハンデになっているようね…でも、今のルーミアの妖気は人間である私でもわかるくらい強大な物だし、まったく油断できないわね)」

その後、少しのにらみ合いが続いたが、すぐに動きがあった

先に動いたのはルーミアの方だった

EXルーミア「召喚『闇に蠢く黒い手』」

ルーミアがスペカを唱えるとルーミアの影から2本の黒い手が出てきて、メアリーを襲った

メアリー「その程度、避けられないとでも思ってるの?」

そう言って襲ってきた二本の手を空中で切り落とし、着地した

EXルーミア「へぇ、なかなかいい動きするじゃない。でも、無尽蔵に湧いてくる闇に対して、いつまで耐えられるかしらね?」

メアリー「あら、それはどうかしらね?」

EXルーミア「?…どういう事かしら?…!?」

そこでルーミアはあることに気が付いた

EXルーミア「腕が…再生できない!?」

メアリー「やっぱり、貴女も妖怪なら、霊夢の霊力には敵わないのね」

EXルーミア「くっ…なら術を解除するしかないわね」

そういうと、ルーミアから伸びている二本の手が消えた

メアリー「さあ、これで振り出しに戻ったわね」

EXルーミア「(この子、あからさまに時間稼ぎをしてるわね…早くしないと霊夢の術式が完成しちゃうわね)」

そう考えたルーミアは次のスペカを取り出した

EXルーミア「蝕符『闇夜に潜む殺人鬼』」

すると、今度はルーミアを中心としてあたりが真っ暗になり、何も見えなくなった

メアリー「(流石に、前と同じで自分も見えてないっていうのは期待出来ないわよね)」

そんなことを考えながら、周りに現れた殺気を消していった

すると、しばらくしてメアリーを包んでいた暗闇が晴れた

EXルーミア「ほんと貴女には目潰しは全く聞かないわね」

メアリー「あら、分かりきってる事じゃないの」

EXルーミア「そうね…じゃあ、直接殺らせてもらうわ!」

そう言ってメアリーに一直線に突っ込んできた

だが、本気を出せないルーミアの突進などメアリーに見えない訳が無く、簡単に避けられてしまう

メアリー「そんな馬鹿正直な突進当たるわけ…!?」

そう言い切る前に、とあることに気が付きメアリーは咄嗟に回避行動をとった

なんと、ルーミアは突進している自分の体に隠して闇の手を背中から出していたのだ

そのことに気が付くのが一瞬遅れたメアリーに闇の手が掠った

だが、その掠っただけでも人間であるメアリーには大怪我を作るのには十分であった

メアリー「へぇ…なかなか考えた攻撃方法ね」

斬られた腹を押さえながらメアリーがそう言った

EXルーミア「ようやく貴女に攻撃を当てることができたわね。これでさっきまでみたいには動けないわよ」

メアリー「そうね…だから、こうさせてもらうわ!」

そう言ってメアリーがナイフを投げた

そのナイフはルーミアの左翼に刺さった

EXルーミア「あら、幾ら退魔の効果があるからって、その程度の物じゃ私はやられないわよ?」

メアリー「でしょうね。だってそれが目的じゃ無いもの」

EXルーミア「は?それってどういう…」

ルーミアはメアリーが何を言っているのかさっぱりわからなかったが、すぐに異変に気が付いた

メアリーの投げたナイフはルーミアの左翼を貫通し、後ろにあった木にルーミアを繋ぎ止めていたのだ

しかもこの魔法の森にある木のほとんどは森の中に充満している魔力が染みついていて、退魔の効果が木や土にも働くのだ

今のルーミアであればナイフを木ごと引き抜くことも、おそらくは可能であろうが、そんなことをしている間にほぼ間違いなくメアリーに次のナイフを刺され、拘束がきつくなることは目に見えていた

EXルーミア「(これは…詰んだかしらね…)」

メアリー「(ルーミアがおとなしくなった?…今なら、あれが出来るかしら?)」

ふとある事を思い出したメアリーはルーミアに近付いて行った

そしてあと数十センチで手が届くという所で…

EXルーミア「私に…触るなぁぁぁぁ!」

ルーミアの出した闇の手に腹を貫かれ、風穴を開けられてしまった

 

To Be Continued




メアリーの悪い癖で、勝ったと早とちりしてしまったせいで致命傷を負ってしまいましたね(汗)
次回は今作の最終話です!
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ

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