殺人鬼メアリー   作:フリッカ・ウィスタリア

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遂に紅魔館へたどり着いたメアリー、主に会わせてくれと頼むと、とある部屋に案内され、中へ入るとそこに居たのは…


11話 永遠に幼き紅い月

紅魔館

メアリー「今更だけど、用件も聞かずに私を館にあげてよかったの?もしかしたらテロリストかもしれないのに」

咲夜「そんなもの、時を止めれる私にかかれば問題ではないわ」

何そのチート能力…DIOみたい

咲夜「ところで、紅魔館になんの用なのかしら?」

メアリー「霊夢からここに住んでる吸血鬼のお嬢が『人間を喰ったら魂をも取り込めると話してた』って言ってたから、詳しい話をと思って来たのよ。まあ、大半私がただ単に吸血鬼に会いたかっただけなんだけどね」

咲夜「あの脇巫女は、また適当な事を言ってるのね…」

メアリー「え?じゃあ、嘘なの?」

咲夜「いや、そうも言いきれないわね。あのお嬢様だもの、出来るかどうかは別として仰る可能性もあるわ。まあ、実際に会って聞いてみたらどうかしら?」

そう言って咲夜はとある部屋の前で立ち止まった

咲夜「お嬢様、御客人が来てますのでお通しして構いませんか?」

???「え!?ちょ、ちょっと待って!一分だけ待って!」

そう言って部屋の中からドタバタと音がして、ちょうど一分後に咲夜が部屋のドアを開けた

???「も、もうちょっと待ってよぅ…」

咲夜「一分だけ待てと言ったのは貴女でしょう?レミリアお嬢様?」

メアリーは意外だった

先程までの話に聞いている通りなら、お嬢様はとても威厳があって、凛々しい人物なのだと思っていた

しかし、今しがた咲夜にお嬢様と呼ばれた者は幼く、部屋に色んなものが散乱しているような、可愛らしい少女であった

メアリー「…この人が、貴女の主?」

咲夜「ええ、可愛いでしょ?」

メアリー「ええ、とっても可愛らしいわ」

レミリア「ちょっと咲夜!主に向かって『可愛い』とはなによ!」

咲夜「良いじゃありませんか。大変麗しゅうございますよ」

レミリア「うぅ…ところで、御客人っていうのは、この子かしら?」

咲夜「はい、以前お嬢様が宴会の時に『食した者の魂を取り込める』と言っていた事について聞きたいのだそうで」

レミリア「そうは言っても、これでも私は忙しいのだけど?」

咲夜「ほう、例えば何が忙しいのでしょうか?」

レミリア「スーファ…いろんな世界の運命を操って囚われた者を救ったり「ゲームをしたいだけですね」最後まで言わせてよ!」

どうやら幻想郷にはスーファミは入ってきてるらしい

咲夜「とにかく、日中お外に出れないお嬢様はただでさえ外交関係がないんですから、偶には外の者とも対話をしていただかないと、紅魔館の主が廃れますよ?」

レミリア「うっ…分かったわよぉ」

咲夜「それでは、私は失礼します」

そういった直後、咲夜が一瞬で消えた

その代わりにレミリアとメアリーの前に紅茶が置かれていた

レミリア「それで?何で私が人間の魂を取り込む事に興味があるのかしら?」

咲夜がいなくなった途端、レミリアが急にカリスマ全開になった

メアリー「貴女が…と言うより、妖怪が食べた人間の知力や技術を自分のものにできるって言うのを詳しく教えてもらいたいって感じですね」

気づけばメアリーはレミリアに対して敬語になっていた

レミリア「細かい事を言うと、食べた人間の全ては自分の物に出来ないんだけどね」

メアリー「そうなんですか?」

レミリア「最初の頃は食べた人間の知識の大部分を取り入れられるんだけど、ずっと食べていくうちに一人あたりから得られる知識が少なくなってしまったり、低能で得るものが無くなかったりするから、ただの食糧としか扱わなくなってしまうのよ」

メアリー「ゲームの経験値みたいですね」

レミリア「まあ、簡単に言ったらそうかもしれないわね」

メアリー「一応聞いておきたいんですが、貴女が以前言っていたという「喰い尽くした者の魂を取り込める」と言うのは本当なんですか?」

レミリア「ええ、本当よ?なんなら貴女で試してあげましょうか?」

レミリアが不敵な笑みを見せた

メアリー「いえ、遠慮しておきます。ただ、一つお願いしたい事が」

レミリア「あら、何かしら?」

メアリー「お手合わせ…していただけませんか?」

レミリア「…フッ……ハハハ!面白い事を言うんだねぇ!私と手合わせ?相手になるわけがない!」

レミリアはケラケラと見た目相応、だがとても綺麗な笑みを浮かべた

メアリー「ええそうでしょうね。でも、知りたいんです。本当の吸血鬼と言うものを、この肌で」

レミリア「本当に面白いやつだ!いいわ、受けて立とうじゃないの!」

そう言ってレミリアに、とある部屋へと案内された

 

紅魔館 魔導室

レミリア「ここならある程度暴れても大丈夫よ」

メアリー「そうですか(さて、私は何秒持ち堪えられるかな…)」

レミリア「そうだ、ただ遊ぶだけではつまらない。何かを賭けようじゃないか」

メアリー「分かりました。なら…私が賭けに勝ったら貴女を抱きしめさせてください」

レミリア「なるほど、なかなかに屈辱的な罰ゲームだねぇ。じゃあ、私が勝ったらお前の血を少しばかり頂こうかな。もちろん直吸いで。ああ、別に私が吸血したからって吸血鬼にはならないから安心しな」

メアリー「それは安心ですね」

勝敗の判定はお前が戦闘不能になるか降参する前に私に目に見える傷を付けれたら、でどうだ?」

メアリー「なるほど、それなら私にもまだ勝機がありそうですね」

レミリア「私から行っても興が削がれる。お前の方から来るといいわ」

メアリー「分かりました。行きますよ!」

そう言ってレミリアに一直線に突進しナイフで切りつける…と見せかけて足をはらった

レミリア「あらあら、なかなか技巧派じゃないの。危うく転んで顔を擦りむいてしまう所だったわ」

しかし、レミリアは逆にその足払いを利用して横一回転をして悠々と立っていた

メアリー「まだです!」

次はナイフをレミリアの顔と体に投げてそれを追うようにレミリアに突進した

レミリア「甘いわね。その程度じゃ私は…え!?」

レミリアは飛んできたナイフを両方空中で掴み軽く反撃しようとしたが、そこにはメアリーの姿はなかった

レミリア「…!?上か!」

そう思い上を向くと、メアリーがナイフを振りかざして落下してきた

レミリア「場所を悟られちゃおしまいよ!」

そう言ってさっきメアリーから奪った二本のナイフで鍔迫り合いをしようとした。だが…

レミリア「なに!?」

メアリーのナイフと刃が振れた瞬間、レミリアの持っていた方のナイフの刃が欠け、折れてしまった

しかし、流石吸血鬼、人外の反射速度でナイフを白羽取りし、そのままメアリーを投げ飛ばした

レミリア「お前…わざと脆いナイフを私の方に投げたのか?」

メアリー「ええ、貴女にその戦術が通じてよかったですよ。まあ通じた上でもナイフを防がれちゃいましたけどね」

レミリアは驚愕した。目の前にいる娘は咲夜の様な能力はない。美鈴の様な腕力もない。なのに、この気高き吸血鬼レミリア・スカーレットに人間如き攻撃で欺き、負けを意識させるという事をしてのけたのだ

レミリア「…どうやら、私はお前を侮っていたようだ。こちらも少し本気を出そうかねぇ」

レミリアがそう言うと、人間であるメアリーにも分かるほどレミリアの覇気が大きくなった

その後の展開は言わずもがな、一瞬で負けた

メアリー「やっぱり、ただの人間じゃ吸血鬼には勝てませんね」

レミリア「分かりきっていたことだ。だが、なかなかに楽しませてもらったぞ?お前ならそこいらの妖怪には負けないくらいには強かったしな」

メアリー「お褒めに預かり光栄です」

レミリア「まあ、約束は約束だ。少しばかり血をもらうぞ」

メアリー「ええ、どうぞ」

そう言って首を晒した

レミリア「?…ああいや、私は首からじゃなくて、指から吸いたいんだが」

メアリー「え?指から…ですか?」

レミリア「首からじゃ血が出すぎて飲みきれんからな」

そう言ってメアリーの人差し指を少し噛み切って血を吸い始めた

メアリー「(ヤッバイ!この構図めっちゃ萌える!)」

レミリア「…ふぅ、もうお腹いっぱいだ」

さっき吸い始めてからまだ数分なのに、もう十分だそうだ

メアリー「凄く小食なんですね」

レミリア「ああ、魂を取り込めると言ったものの、私の場合血肉どころか血も飲み干すのもかなり時間がかかるわね」

その苦笑いをしている吸血鬼にはさっきまでの覇気は見受けられなかった

レミリア「ところで、まだ何か用はあるのかい?」

メアリー「いえ、もう充分楽しませてもらいました。そろそろお暇させてもらいます」

レミリア「そうかい。またいつでもおいで。また相手になってあげるわ」

メアリー「ありがとうございます。それでは」

そう言って、メアリーは紅魔館から帰っていった

 

To Be Continued




やはり500年を生きてきたレミリア嬢にはメアリーは勝てなかったようです
しかし、あのレミリア嬢に少しとはいえ本気を出させるとは…本当に人間なんですかね?
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ

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