殺人鬼メアリー   作:フリッカ・ウィスタリア

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とある事を聞くため、博麗神社を訪ねたメアリー
その内容は妖怪にとっての知識についての事で…


10話 紅魔館

博麗神社

メアリー「ねぇ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

霊夢「聞きたいこと?何かしら?」

メアリー「少し前に戦った妖怪が『もう少しでコイツの知恵を手に入れられたのに!』って怒鳴ってたんだけど、どういう事?」

霊夢「ああ、あんたは知らなくて当然か」

メアリー「?…どういう事?」

霊夢「まず、人間の記憶がどこに宿ってると思う?」

メアリー「え?そりゃ頭の脳じゃないの?」

霊夢「確かに脳にも記憶は残っているわ。でも、それ以外にも他の四肢や体にも宿っていると考えられているわ」

メアリー「え?そうなの?」

霊夢「聞いたことないかしら?『頭で考えてみても思い出せないけど、実際やってみると体が憶えてるもんだ』って」

メアリー「んー、なんか聞いたことはあるような気がするわ」

霊夢「言われてるだけで、何の根拠もないけどね。まあとりあえず、妖怪は元々人間の思想や思い込みから生まれてくる。だから、生まれたての妖怪は人間と同様、無知なのよ」

メアリー「…それってつまり、人間を食べてその人間の記憶を取り込むってこと?」

霊夢「ええ、ある程度成長したらただ単に食料として襲うみたいだけどね」

メアリー「(…ルーミアが執拗に私を食べることにこだわっているのは、これがあるからなのかしら?)」

霊夢「どっかの吸血鬼は『その者のすべてを喰らえばその者の魂をも取り込める』とか言ってるけど、どこまでが本当なのかわかったものじゃないわ」

メアリー「へぇ、その吸血鬼ってどこに住んでるの?」

霊夢「霧の湖にある館よ。でも、会いに行く気なの?」

メアリー「ええ、面白そうだし、何より本物の吸血鬼に会ってみたいわ」

霊夢「あんたも物好きねぇ…」

メアリー「褒め言葉と受け取っておくわ」

そんなことを言いながらメアリーは神社を去っていった

 

霧の湖

メアリー「この近くの館って聞いたけど、その名に違わず霧が濃いから、どこに館があるのかさっぱり分かんないわね」

???「あんた何してるの?」

そう後ろから話しかけられて、メアリーが振り返ってみると

メアリー「…妖精?」

???「そうだよ!アタイは最強の氷精チルノ!」

その妖精はチルノと言うらしい

メアリー「私はメアリーよ」

しかし、なんとまあ…子供特有の全能感丸出しである

メアリー「ところで最強のチルノちゃん、ちょっと教えて欲しい事があるんだけどいいかしら?」

チルノ「なになに?アタイなんでも知ってるから何でも聞いていいよ!」

そのドヤ顔を見て、可愛いなぁと思いながら、撫でたい気持ちをぐっと押さえ込んで話を切り出した

メアリー「この湖の近くに大きな館があるって聞いたんだけど、知ってる?」

チルノ「大きな館?紅魔館のこと?」

メアリー「んー、分かんないけど、吸血鬼がそこに居るなら多分そうね」

チルノ「うん、吸血鬼なら確かにいるよ。アタイも時々一緒に遊ぶし」

メアリー「じゃあ、そこまで案内してくれないかしら?」

チルノ「いいよ!なんたってアタイは最強だからね!」

メアリー「ありがとう」

そんなことを言いながら、気が付くとチルノの頭を撫でまわしていた

チルノ「えへへー、褒められたぁ(●´ω`●)ゞ」

チルノのその無垢な表情を見て抱きしめたくなったが、流石にこれ以上は引かれると思い踏みとどまった

 

紅魔館 門前

チルノ「ここが紅魔館だよ」

メアリー「意外と近かったわね。ありがとう」

チルノ「じゃあねメアリー」

メアリー「ええ、またね」

チルノが手を振りながら飛んで行った

メアリー「さてと、門は何処かしら?」

そんな事を呟きながら壁伝いに進んでいくと、門と思しき場所についた

そして、その門の前には誰かが立っていた

メアリー「(あれは…門番かしら?でも、ここから見た感じ、寝てるような…)」

そんな事を思いながら近づいて行き、メアリーは驚愕した

メアリー「ベルさん!?なんでこんなところに!?」

その声でその人物が起きてしまった

ベル?「はっ!?ち、違います!ちゃんと起きてましたよ咲夜さ…あれ?」

急に起きたかと思うと誰かに弁明の様な物をしていたが、その人物がいない事に気が付くと安堵の表情を浮かべた

ベル?「よかった、咲夜さんは来てないわね…ん?あなたは誰でしょう?」

メアリー「ベルさん…じゃないわね」

ベル?「へ?誰ですかその人、私は紅美鈴ですよ」

メアリー「(ルーミアといい、この人といい、こっちの世界には瓜二つな人が多いわね」

そんなことを思っていると、門の中から誰かが出てきた

???「美鈴、貴女今日も居眠り…今日は寝てないのね。異変かしら?」

美鈴「咲夜さんは失礼ですね…私だっていつも寝てる訳じゃ無いですよ」

咲夜「あら、1000日門番やって999日は寝てる人の言葉とは思えないわねー」

そんなことを言いながらメイド服の裾からナイフを取り出し、美鈴につきつけた

メアリー「!?そのナイフ、なんで貴女も持ってるの?」

咲夜「え?これは私のナイフだから私が持ってても不思議じゃないはずなんだけど?と言うより、貴女『も』ってどういう事かしら?」

メアリーはそう聞かれて、腰元からナイフを取り出した

咲夜「何で貴女が私のナイフを…いや、違うわね。それは私が現世で使ってたタイプのナイフね。貴女こそ何処でそれを手に入れたの?」

メアリー「師のベルさんにもらったのよ」

咲夜「ベル?それってもしかして、ベル・スミスのこと?」

メアリー「ええ、そうよ。知ってるの?」

咲夜「そりゃ、昔の弟子ですもの」

メアリー「え!?じゃあこのナイフって…」

咲夜「ええ、私がベルにあげた物よ。でも、幾ら素手專だからって、師に貰った物を他人にあげないで欲しいわ…」

咲夜は少し呆れたような表情を浮かべた

咲夜「まあいいわ。そのナイフ、大事にして頂戴」

メアリー「ええ、大事にするわ」

咲夜「そう言えば、紅魔館に用があるんでしょう?入りなさいな」

メアリー「ありがとう。お邪魔させてもらうわ」

咲夜「じゃあ、引き続き門番よろしく…って、やっぱり寝てるじゃないの!」

そう言って勢いよくナイフを美鈴の頭に突き刺した

美鈴「いっっったぁぁぁぁい!!!!」

いや、痛いでは到底すまないでしょっと思いながらメアリーは紅魔館の中に入った

 

To Be Continued




悪魔の館とも呼ばれている紅魔館に足を踏み入れたメアリーは果たして生きて帰って来れるのでしょうか?
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ

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