幸せになるために   作:MYA

4 / 4
3話

次の日……。

 

朝になると目が覚めた柚希だがまだ眠いのか黒子に抱きつきながら眠り始めた。

 

柚希を真ん中に右が黒子で左が赤司だった。

 

赤司も柚希を後ろから抱きしめながら寝ていた。

 

ぐっすり寝ていると……。

 

「赤司 いるか?」

 

青峰と黄瀬が起こしにきた。

 

「いつもなら起きてそうっすよね?」

 

部屋に入ると奥に入り和室をみた。

 

「ズルいっす! 俺も柚希っちと寝たいっす!」

 

「ズリぃぞ 赤司!テツ!」

 

その声で起きたのは赤司と黒子だ。

 

「うるさいよ 2人とも 柚希が起きるだろう?」

 

「うるさいですよ 青峰くん 黄瀬くん 赤司くんの言う通りです」

 

柚希は黒子に抱きついたままぐっすり寝ていた。

 

黒子は優しく頭をなでた。

 

「んんっ……テツ兄?」

 

「目が覚めましたか?おはようございます 柚希くん」

 

「……おはよう テツ兄 まだ眠いよ?」

 

「寝てはダメですよ もうすぐ朝食です」

 

「ん……わかった いつものして?」

 

「いいですよ」

 

黒子は額にキスをしては柚希は黒子から離れ起き上がった。

 

「次は僕だね」

 

柚希は赤司のところにいき赤司は額にキスをした。

 

「次は俺っす」

 

黄瀬は柚希を手招きしては柚希は行くと額にキスをした。

 

「次は俺だ」

 

青峰は柚希を抱きしめては唇にキスをした。

 

「んっ……」

 

口を開かせては舌を入れ絡ませた。

 

「んんっ……」

 

それを見た赤司 黒子 黄瀬は一瞬呆然としたが赤司は黒子にアイコンタクトを送りわかったのかミスディレをして近づき横腹にイグナイトをし黄瀬は喚いていたが赤司に黙らせられた。

 

青峰はイグナイトされ柚希から離れた。

 

「んはっ……大兄の変態 征兄 テツ兄っ」

 

柚希は2人の後ろに隠れた。

 

「大輝 覚悟はできているかい?」

 

「青峰くん 覚悟はいいですか?柚希くん 黄瀬くんと一緒に先に食堂に行ってくれますか?」

 

「うん わかった」

 

「行くっすよ 柚希っち」

 

「うん」

 

柚希と黄瀬は先に食堂に行った。

 

「ちょっ……」

 

「「問答無用だ(です)」」

 

赤司はハサミをちらつかせ黒子はイグナイト廻を青峰のお腹に向けてやった。

 

合宿所は青峰の声が響いた。

 

食堂では……。

 

「大ちゃんの声だ」

 

「何かやったんかいな?」

 

「さぁ?あっ…柚くん おはよ〜」

 

「おはよ〜 さつき姉 今吉さん」

 

「おはようさん 桜庭クン」

 

「大ちゃんの声が聞こえたけどどうかした?」

 

「いつものやってもらったんだけど大兄がアレをやったから征兄とテツ兄が制裁するって……」

 

「へぇ……大ちゃんがねぇ 私も行ってくるねっ」

 

桃井は柚希の額にキスをしてから3人がいる部屋に向かった。

 

その事を知っている紫原と緑間はため息をついた。

 

「毎度よくやるね〜 峰ちん」

 

「懲りないのだよ あいつは」

 

「真ちゃん アレって?」

 

「気にしなくていいのだよ ただの習慣なのだよ」

 

「えぇ〜 教えてくれよ 真ちゃん」

 

「さっき桃井もしていたのだよ」

 

「柚ちゃんの額にキス?」

 

「そうなのだよ それが習慣なのだよ」

 

「へぇ〜」

 

柚希は緑間と紫原に気づいてはパタパタと駆け寄った。

 

「おはよ〜 敦兄 真兄」

 

「おはよ〜 柚ちん」

 

「おはようなのだよ 柚希」

 

「おいで〜 柚ちん」

 

「うん」

 

紫原は手を広げると柚希は近づきギュッと抱きつくと紫原は抱き上げ膝の上に座らせた。

 

「柚ちん 可愛い〜」

 

「可愛くないよ? ご飯食べた?」

 

「火神や室ちんたちが作ったご飯は食べたよ? 柚ちんのミルクレープ一緒に食べよ?」

 

「うん いいよ」

 

柚希はニコッと微笑んだ。

 

「その前にご飯を食べるのだよ」

 

「お腹空いて……「ないとは言わせないよ」…征兄」

 

後ろには赤司と黒子がいた。

 

「赤ちん 峰ちんは?」

 

「桃井に任せたよ ご飯でも食べようか 真太郎 手伝ってくれるかい?」

 

「あぁ」

 

赤司は緑間と一緒にブュッフェ形式なため柚希と黒子のご飯を取りに行った。

 

「柚ちんはここで食べてね〜」

 

「いいよ 大兄 大丈夫?」

 

「大丈夫ですよ 頑丈ですから」

 

「だよね」

 

赤司と緑間はご飯を持ってきた。

 

「これくらいは食べろ 柚希 テツヤ」

 

一杯のご飯に5種類のおかずが乗った皿を前に置いた。

 

「いただきまーす」

 

「いただきます」

 

柚希と黒子は多いなぁと思いながら食べ始めた。

 

「今日 バレーとテニスの人が来るんだよね? 迎えに行っていい?」

 

「何で行くんだ?」

 

「昨日ここのオーナーっていう人から連絡がきて迎えに行くように言われたんだ びっくりだよね」

 

「わかったよ」

 

「ありがとう 征兄」

 

食堂にはテレビがありニュースが流れていた。

 

『速報です アメリカコロラド州 ミシシッピ州 カルフォルニア州 ワシントン州 ジョージア州でTウイルスが蔓延しました ジョージア州とフロリダ州の境に加藤アナがいます 加藤アナ現在の状況をお願いします』

 

『はい こちら加藤です 特別にジョージア州とフロリダ州の境に出来た柵にいます 見てください この人たちをゾンビになっています 何故なったのかは不明です 分かり次第お伝えします』

 

『わかりました 加藤アナ 引き続きお願いします では次のニュースです……』

 

それを見た柚希たちはというと……。

 

「Tウイルスね 柚希 知ってるか?」

 

「知らないよ 征兄」

 

「そっか ならいい 箸止まってるぞ?」

 

「もう無理」

 

「半分食べたからいいか」

 

「ありがと 征兄 敦兄いる?」

 

「いる〜 食べさせて〜」

 

「いいよ はい あーん」

 

「あーん」

 

柚希は紫原に食べさせていた。

 

ほのぼのとした雰囲気に赤司と黒子 黄瀬はパシャリと携帯で撮った。

 

「9時から練習を始めるからすぐ近くの体育館に集合だよ 遅れないように」

 

「はーい 敦兄 ミルクレープ取ってくるね」

 

「うん 待ってる〜」

 

柚希はキッチンにいきミルクレープを冷凍庫から出しバニラシェイクを出してはコップに入れた。

 

「お待たせ はい テツ兄」

 

「ありがとうございます 柚希くん」

 

黒子はさっそくバニラシェイクを飲んだ。

 

1ホールのミルクレープを6当分しては1つを取り食べた。

 

「おいしー さすが柚ちん」

 

「ありがとう 敦兄」

 

時間を見ると8時過ぎでまだ時間があるためゆっくりミルクレープを食べていた。

 

それから時間が過ぎていき9時になると徒歩1分にある体育館に集合していた。

 

「みんな 集まったわね 今からウォーミングアップとしてドロケイをするわ 勝ったチームは桜庭くんを1日好きに出来る権利をあげるわ 負けたチームは今日の夕飯の食材を買いに行ってもらうわ」

 

「「「「よっしゃ〜!!」」」」

 

「じゃあチームっと言っても警察とドロボウだけなんだけどね 桃井さん よろしくね」

 

「はーい 発表しまーす まずは警察チームは桐皇 海常 秀徳 日向さん 小金井さん 伊月さん 木吉さん 水戸部さんです ドロボウチームは洛山 陽泉 テツくん 火神くん 降旗くん 柚くん 灰崎くん 霧崎第一です」

 

「制限時間は2時間 逃げれる場所は宿泊所 スポーツジム プール 街 山以外の施設や周辺のみ ドロボウチームが逃げて5分後警察チームが行ってね 準備はいいかしら?」

 

「「「「「おうっ!!」」」」

 

「捕まえるっすよ 柚希っち」

 

「それはどうかな?」

 

「「用意 スタート!!」」

 

そう言われるとドロボウチームは逃げて行った。

 

5分後……警察チームが動き出した。

 

柚希は1人で逃げていた。

 

「結構広いなぁ〜 迷いそう 木の上にいたら大丈夫かな」

 

木を見つけては軽々と登り木の影に隠れた。

 

1人の青年が柚希の隠れている木の下にやってきた。

 

「あっ……祥兄だ 祥兄〜!!」

 

柚希はピョンと飛び灰崎に目掛けて降りた。

 

「うおっ……てめぇ…柚希 あぶねぇだろうが!」

 

「祥兄なら受け止めてくれるから大丈夫だと思って」

 

降りては灰崎が見事にキャッチしていた。

 

「……ったく」

 

「髪 戻したんだね〜」

 

「赤司の野郎が戻せって言ってな」

 

「祥兄はその方が似合ってるよ コーンロウよりも」

 

「そうか?」

 

「うん 祥兄の髪好きだもん」

 

柚希はギュッと抱きついた。

 

「へぇ……」

 

灰崎は柚希の頭を撫でた。

 

「ショーゴっち 柚希っち みつけたっすよ!」

 

「げっ……リョータ」

 

灰崎は柚希を降ろした。

 

「柚希 先に行け」

 

「でもっ……」

 

「いいから行け」

 

「うん またあとでね 祥兄」

 

柚希はその場から離れた。

 

「大丈夫かなぁ 祥兄」

 

その時放送が流れた……。

 

『30分経ちました まだ誰も捕まってません 柚くん テツくん頑張ってね!』

 

「まだ1時間半あるんだ 長いなぁ〜」

 

軽く走りながらどこに隠れようか考えていた。

 

それから1時間が経ち……。

 

『後30分だよ 捕まってないのは柚くん テツくん 赤司くんの3人 頑張ってね〜』

 

柚希は最初にいた体育館の屋根の上にいた。

 

「後30分かぁ 長いなぁ」

 

物陰に隠れていて眠り始めた。

 

『テツくんが捕まったよ 後は赤司くんと柚くん』

 

柚希はぐっすり寝ていて時間は過ぎ30分が経過した。

 

体育館では5分前に捕まった赤司もいて後は柚希だけだった。

 

「ドロボウチームの勝ちね 桜庭くんは戻ってきたかしら?」

 

「まだ戻っていません カントク」

 

「えっ!?この辺りにはいると思うけど……」

 

「大輝 上を見てこい いると思うよ」

 

「あぁ」

 

青峰は体育館の上に向かった。

 

「赤司くん 何で上にいると思ったの?」

 

「合宿の時に一度だげウォーミングアップとして鬼ごっこをしました その時も柚希は逃げる側だったのでもしかしたらと思いまして」

 

体育館の上では……。

 

「柚希 いるかー?」

 

柚希は気づいておらずぐっすり寝ていた。

 

「……やっぱりいたな よっと……」

 

青峰は柚希を抱き上げ体育館に戻っていった。

 

「いたね 柚希」

 

「おう 柚希 起きろ」

 

「んっ……終わっちゃった?」

 

「終わった?じゃねぇよ いつも言ってんだろ 体育館の上に行くなって あぶねぇだろうが」

 

「うーん そうだっけ?」

 

「あぁ 赤司も知っているからな」

 

青峰に抱き上げられていたが降ろされ振り向くと微笑んでる赤司が柚希を見ている。

 

「柚希 練習が終わったら部屋に戻るように」

 

「……うん リコさん 昼休憩だよね!」

 

「えぇ お昼休憩よ」

 

「じゃあ昼休憩してくる!」

 

柚希は赤司に逃げるように体育館を出てはもう直ぐ来る船を迎えに船場に走って向かった。

 

「さてと……船に乗ってなければいいんだけど」

 

船場に着くと丁度船が付いているが騒がしかった。

 

「どうかしましたか?」

 

近くにいた島民に話しかけた。

 

「船に変なものがいるらしい」

 

「変なもの?」

 

柚希は集まっている島民を掻き分け前に出るとそこには高校生であろうジャージ姿の人たちは船から降りて避難していてはTウイルスに感染しているであろう2人が高校生の2人を襲おうとしていた。

 

「「「「日向!!」」」」

 

「「「「越前!!」」」」

 

「日向?越前?」

 

柚希はチラリと見えたオレンジ色の髪と黒髪に見覚えがあった。

 

「もうすぐ日本も終わりかな」

 

ボソッと呟いてはもう2人見覚えがある人がいて近づいた。

 

「研兄 クロ兄 大丈夫?」

 

「「柚希!?」」

 

「なんで…いるの?」

 

「バスケの合宿だよ ここから動かないでね」

 

柚希は船に乗り込み甲板に逃げ込んだ日向と越前 それを追いかけるTウイルスに感染した2人を見ては気配を消しては近づき回し蹴りをした。

 

「大丈夫?翔兄?リョーマ兄?」

 

「「柚希!?」」

 

「今のうちに船から降りて」

 

「でも柚希が」

 

「大丈夫だから 起き上がる前に早く」

 

「わかった!」

 

日向と越前は走って船から降りた。

 

「この人らはもう無理だね」

 

そう言うとTウイルスに感染した人は起き上がり柚希に襲いかかろうとしたが柚希は避けては肩車のように感染している人に乗れば首を折りナイフを出し頭に刺した。

 

すぐに抜けば感染した人は海に落とし船から降りた。

 

すぐに日向 黒尾 孤爪が駆け寄った。

 

「あいつは!?」

 

「海に落ちたよ 翔兄は大丈夫?噛まれてない?」

 

「大丈夫だ! 逃げてたから噛まれてないぞ! ありがとな!」

 

「ううん 良かった」

 

ホッとしてはニコッと微笑んだ。

 

「あれ?なんで柚希がいるんだー?」

 

「バスケの合宿だよ〜 翔兄たちも合宿でしょ?」

 

「そうだよ!」

 

「あっ……15時から練習試合があるから観においでよ 練習ある?」

 

「……ないよ…明日からだから」

 

「じゃあみんなで観にきて? 場所は第1体育館 バレーの合宿所から徒歩2分にあるから」

 

「おうっ」

 

柚希は近くにいたテニス部であろう人たちのところにいった。

 

「リョーマ兄 大丈夫?」

 

「大丈夫だよ」

 

「よかった 今日はこれからどうするの?」

 

「練習はないけど自主練はするよ 来る?」

 

「バスケの練習終わったら行くよ ラケット貸してね?」

 

「いいよ」

 

「じゃあ僕戻らないと行けないから戻るね」

 

すでに集まっていた島民はいなくて走って戻っていった。

 

「おい 日向 誰だ?」

 

日向 黒尾 孤爪 夜久以外は知らないため影山が真っ先に聞いた。

 

「桜庭柚希っていうんだっ 帝光中のバスケ部に入ってて主将なんだって!すげーよなぁ バレーとテニスも出来るんだって!」

 

日向は嬉しそうに柚希の紹介をした。

 

「柚希は…すごいよ…アタックも…」

 

「本当!?研磨!?」

 

「うん…明日…頼んでみる?」

 

「うん!」

 

「行くぞ〜 日向」

 

「はーい!」

 

日向たちもスポーツエリアに向かった。

 

「越前 あいつは誰なんだ?」

 

越前以外は知らないため知りたいことを桃城が聞いた。

 

「桜庭柚希っす 親父の唯一の生徒で俺の練習相手っす」

 

「「「「ええええ!?」」」」

 

「俺より弱いっすけどね でも強いっすよ?」

 

「マジ?」

 

「はいっす」

 

テニス組はスポーツエリアに歩きながら越前は柚希のことを話した。

 

柚希はというと体育館に戻っていては赤司におにぎりを3つ渡されおにぎりを食べていた。

 

「征兄 僕はどこに入ればいい?」

 

「1週間あるからね 入るのは誠凛からにしようか」

 

「わかった」

 

15時になると誠凛VS海常と反対コートに桐皇VS陽泉の試合が始まった。

 

他のメンバーは第2体育館で練習したり試合を見たりしていた。

 

「桜庭くんのポジションは?」

 

「今はPGですがSFが長ったのでSFでもいいですよ?」

 

「じゃあSFでよろしくね」

 

「はい」

 

「最初は日向くん 伊月くん 鉄平 火神くん 黒子くんで!」

 

「「「「「おう!(はい)」」」」」

 

「テツ兄 頑張ってね 涼兄を倒しちゃえっ」

 

ニコッと微笑むと周りが顔を赤くした。

 

((((可愛い!!)))

 

「もちろんです 勝ったらご褒美くださいね?」

 

「うん 勝ったらバニラスイーツたくさん作ってあげる」

 

「楽しみにしてます」

 

「うん」

 

2つのコートで試合が始まった。

 

2つのコートとも接戦な試合だ。

 

その時入り口に柚希以外は知らない人たちがバスケを見ていた。

 

「スゲーっ!」

 

日向たちが見にきていて日向はキラキラと目が輝いていた。

 

「桜庭くん あの子達は?」

 

「今日から合宿する バレー部の人たちです リコさんが好きそうな人たちですよ」

 

「本当なの?」

 

「はい」

 

1Qが終わると黒子たちがベンチに戻ってきた。

 

「はい テツ兄 特製ドリンクだよ」

 

「ありがとうございます……これは!」

 

一口飲むとバニラが口の中に広がった。

 

「うん いつものだよ〜 今日のは少しバニラ強めにしたから美味しいでしょ?」

 

「はい 次も頑張れます」

 

「よかった」

 

「桜庭くんは3Qからいける?」

 

「もちろんです」

 

第2Qが始まり柚希は黄瀬を見ていた。

 

第2Qも接戦な試合で終わると柚希は軽くアップをした。

 

「桜庭くん 黒子くんと交代ね 4Qは火神くんと」

 

「わかりました テツ兄 使ってもいい?」

 

「いいですよ 試合で初めてですね」

 

「うん 出来るか不安だけど」

 

第3Qが始まり柚希はコートに入った。

 

「何するんだ?」

 

「テツ兄と同じことだよ 大我兄 テツ兄直伝だから見失わないように気をつけて」

 

「黒子と同じって……」

 

「さすがにイグナイトとかは出来ないけどパスは出来るよ」

 

「すげぇな!?」

 

「そんなことないよ」

 

第3Qが始まりボールは誠凛が持っていた。

 

「負けないっスよ 柚希っち」

 

「それはどうかな?」

 

柚希のマークは黄瀬がしていた。

 

伊月はふと柚希を見ては気づいたのかコクリと頷いた。

 

「涼兄 テツ兄直伝のやつやるから」

 

ニコッと微笑むと黄瀬の前には柚希が居たのだが黒子直伝のミスディレクションにより見失った。

 

柚希は伊月にパスをもらいドリブルしては火神に絶妙なパスをして火神はダンクしてゴールに入った。

 

黒子はそれを見て軽くガッツポーズをした。

 

「ナイスシュート! 大我兄!」

 

「ナイスパス! 柚希!」

 

柚希と火神はハイタッチし日向や伊月たちもきた。

 

「凄いな 桜庭」

 

「そんなことないです 伊月さん テツ兄に教えてもらったおかげです」

 

ニコッと微笑むと伊月や日向 木吉の順に頭を撫でた。

 

「負けられないっス」

 

「僕が勝つもん 涼兄」

 

そして時間は過ぎ……。

 

誠凛が勝ち反対側のコートは桐皇が勝った。

 

「良し! 勝った!」

 

「次は負けないっスよ!火神っち!」

 

「俺も負けねぇ!」

 

柚希はミスディレクションをしては体育館を出てテニスコートに向かった。

 

テニスコートに着くと全員が自主練していた。

 

「リョーマ兄 どこだろう」

 

キョロキョロとコートを見ていけば越前を見つけてはそこに向かった。

 

「リョーマ兄 お待たせ!」

 

「終わった?」

 

「うん 一戦しようよ?」

 

「いいよ でも勝つから」

 

「僕も負けないよ 後1勝で100勝だし」

 

「120敗はしてるよね」

 

「それは言わないで! 絶対勝つ! 100勝したらご褒美くれるんでしょ?」

 

「いいよ」

 

「本気出してよ?」

 

「もちろんだよ」

 

柚希はリョーマからラケットを借りてはリョーマがいる向かい側のコートに入る。

 

「リョーマ兄からサーブでいいよ〜」

 

リョーマからサーブになりコート雰囲気がガラリと変わった。

 

リョーマは最初から左で行き柚希も基本は右利きだがテニスで本気を出す時は左なため左でラケットを持った。

 

コートの外には全員が2人を見ていた。

 

リョーマは初っ端からツイストサーブを打ったが柚希は軽々と返した。

 

それを見たコートの外にいる全員は驚いた。

 

接戦する試合が繰り広げられ1時間が経ち……。

 

「3-1 ウォンバイ 越前」

 

「はぁ…はぁ…リョーマ兄に負けた〜」

 

「はぁ…はぁ…まだまだだね 柚希」

 

「次は勝つもんっ」

 

頬を膨らませた柚希の姿にここにいる全員が頬を赤くした。

 

するとベンチに置いてあった携帯が鳴り響いた。

 

「僕のだ……やばっ! リョーマ兄 僕行くね!」

 

メールだったが送り主は……赤司だ。

 

『件名 なし

本文 柚希 今どこにいるのかな?今すぐ部屋に戻れ』

 

「こわっ」

 

宿泊所に着けばエントランスに赤司 緑間 黒子 花宮がいてこっそり入ったが見つかり4人にこっぴどく説教をされた。

 

バレー部の人たちやテニス部の人たちも隣とその隣の宿泊所に帰っていた。

 

日が傾き夜になり砂浜では……。

 

男性が打ち上げられ倒れていた。

 

そこに地元の青年が気づき近づいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

何の反応もない男性…。 青年は男性を揺さぶり反応があるか見た。 男性はピクリと指を動かした。

 

安堵した青年は他の人を呼ぼうと携帯を出し診療所へ電話をしようとした。

 

その時…男性は起き上がるがそれを知らず診療所の先生と話す青年。

 

男性はそのまま近づき青年の首元を噛んだ。

 

「ぎゃぁぁぁっ!!」

 

砂浜には誰もおらず青年は近くにあった太めの木の棒を見つけるとそれを取り男性を殴ると男性は離れ倒れた。

 

青年は立ち上がるとタオルで噛まれた首元を抑えては自宅に帰り自宅では両親や妹がいたが気づかれないように自分の部屋に戻り出来る限りの手当てをした。

 

これがはじまりだと言うことは誰も知らない。

 

こうして夜は更けていった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。