RE:世界一可愛い美少女錬金術師☆   作:月兎耳のべる

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第十一話 召使と食客

「話は終わったようだぁーね」

 

「うん☆ お待たせしてごめんねみんなっ☆」

 

 一同が会する食堂に、遅れてやってきたスバルとカリオストロが入場した。

 案内役のレムもラムと同じくロズワールの後ろに移動し、模範的なメイドよろしく背筋をぴんと立てて佇んだ。

 

「……? あー。あー……えーっと……メイド二人に、失礼ロリに、エミリアたん一人。俺が知らない後の一人はどう見てもお付きの道化師。カリオストロ。お前の言う領主ってどこに居るんだ?」

 

 スバルは初めて見るロズワールの姿に困惑し、小声で問い質してきた。カリオストロもそれも無理はないと思いながら自身の目で誘導して領主を示唆した。誘導されたスバルとロズワールは目が合い、ロズワールは嬉しそうに手を振ってその視線を受け止めた。

 

「……笑えねえ冗談だぜカリオストロ。あれが領主だったら俺の国はホームレスでさえ総理大臣だ」

 

「あはぁ、その例えの意味はよぉーく分からなぃけーどもぉ。私は領主でまぁーちがいなーいよぉ」

 

「その口調でますますありえないという信憑性が高まったぞ!? どこの世界にピエロの格好する領主が居るんだよ!?」

 

 はっはっはっと高らかに笑うロズワールは「まぁまずは席に座りたまーぇよ」と二人を席へと促し、スバル達はそれに従い席へと座った。

 

「カリオストロ君には既に自己紹介しーたけど、君にはしてないからねぇ。それでは改めまして。メイザース領の領主、ロズワール・L・メイザースと申しまぁす。此度はエミリア様の命を助けて頂き、まーことに感謝します」

 

「まじで……まじで領主なのかよお前……あっ、あぁ俺の名、っつか私の名はナツキ・スバルって言いま……申します。此度は倒れた俺、じ、自分、いや私を拾ってくれて感謝感激の雨あられ、恐悦至極でありがたき幸せと……」

 

「堅苦しい挨拶は苦手みたいだぁーね。それなら気ぃにせず、普通に喋って貰ってもいーぃよぉ」

 

「……それすっごく助かるわ。それじゃお言葉に甘えるぜロズっち」

 

「ロズっち? 面白い子だねぇ、きぃ~みは。是非ともそう呼んでくれたまえ」

 

 いきなりの馴れ馴れしさに傍らに控えたラムの眉がぴくりと動き、カリオストロも頭を抱えたくなったが、当の本人は全く気にした様子を見せずに好奇心の目でスバルを見ていた。

 

「しぃーかしその様子だとスバル君の体は大丈夫そーぅだねぇ、良かった良かった」

 

「あぁ、腹がっつり切り裂かれたけど、お陰様で何とかな。いやー助けてくれた上に寝る場所も飯も提供もしてくれて、マジで感謝しかねえぜロズっち」

 

「お礼なんてとぉーんでも。治療はカリオストロ君、移送はエミリア様が行ってますかーらねぇ。当家としては寝食の場、それぐらいしか提供出来ていませんよ」

 

「……まあその後でまた死んだかと思ったけどよ」

 

 スバルの視線が、対面に座る金髪ロールの少女に移る。その少女は何故かパックを胸に抱えて嬉しそうにもふもふしていたが、スバルの視線に感づくと途端に不機嫌そうに睨んだ。

 

「……何かしらその目は。ベティーは不審者かつ侵入者が失礼な事を言ったから、ちょーっとお灸を据えてやっただけなのよ」

 

「この失礼ロリめ、病み上がりの俺を気絶させるには灸の火力強すぎだろ! ベアトリス……いや、ベア子め!」

 

「……ふん。お前が病み上がりかなんて知ったこっちゃないのよ。あと変なあだ名で呼ぶんじゃないかしら。その単語の意味は分からないけど、不快な意味だというのは分かるのよ」

 

「おいおい、それを考慮しておかないと大変な事になってたぜ? さもなくば無防備に気絶する俺、ふとした拍子でしめやかに失禁なんて展開になってお前の部屋は瞬く間に――」

 

「食事の場でいきなり何を言い出すのかしら!? メイド、ちょっとこいつを追い出すのよ!」

 

 がるるるとにらみ会う二人。カリオストロは初めて会うベアトリスをきょとんとした目で見ているとロズワールが補足するように説明をしだした。

 

「名前だーけは聞いてるようだけど、あーらためて。彼女の名はベアトリス。当屋敷の書庫を管理して貰っているよ。いつもは書庫に閉じこもっていーるけれど、今日はめーずらしく食卓に来てくれてねぇ。久々に私と食卓を囲いたくなーったのかなぁ?」

 

「お前が幸せな思考回路を持ってるのは分かったから黙るかしらロズワール。ベティーはただにーちゃと食事しに顔を出しただけなのよ」

 

 仮にも領主のロズワールに辛らつな彼女はスバルとロズワールをなじる間も、もふもふと言う音が聞こえそうなほど愛おしそうに精霊パックを撫でるのに夢中だった。そして肝心のベアトリスに撫でられ続けているパックはくすぐったそうにしてそれを享受していた。

 

「はふ、にゃはは、くすぐったいよベティー。あ、それはともかくスバルは元気そうで何よりだね。カリオストロ共々。リアを助けてくれてありがとう。ボクが居ない間に……ん~、ふふふ。どうなることやらとハラハラだったけど、リアも傷ひとつなくて本当によかっ…あー尻尾は気持ちいいってば~」

 

「……ねぇベアトリス。せめてパックが話してる間くらい撫でるのやめてあげたら?」

 

 エミリアの指摘にむっとして睨みつけるベアトリスだが、渋々と責める手を緩めた。また個性的な奴だなと内心で思うカリオストロは初対面の彼女、そしてメイド達に自己紹介をした。

 

「始めましてベアトリス☆ 私の名前はカリオストロって言うの☆ 今回エミリアとは偶然縁があってお邪魔させてもらってます☆」

 

 よろしく~☆と手を可愛らしく手を振ったカリオストロ。だがレム、ラムはともかくベアトリスはカリオストロをじっと目を細めて見つめるだけ。あれだけ撫で続けていた手も止まっていた。しばらくして一言ぼそりと「……よろしくなのよ」と返事をしたベアトリスは再びパックを撫で始めた。恐らく、ラインハルトやパックと同じく自分の力量を測ってるのだろうなとカリオストロは推測した。

 

(……スバルのマナを吸い取ったのはこいつか。見た目少女だが、ロズワールと違ってマナの巡りがおかしい。人間じゃあねえな。一体何者だ? 更に言えばこいつの立ち位置だ。屋敷の書庫を管理しているならその屋敷の持ち主になるだろうロズワールのほうが立場が上の筈だが、馴れ馴れしすぎるし無礼すぎる。どういう関係だ? まあこのピエロがため口上等で、礼儀の有無を気にしてないせいかもしれねえが。何であれ、それとなく探りは入れる必要はあるだろうな)

 

「よーし、じゃあ次は俺の自己紹介だな!俺の名前はナツキ・スバル! 偶然出会ったエミリアたんに運命を感じ、カリオストロと協力して此度の盗難劇を八面六臂の活躍で解決した、世紀の凡人だ! ぶっちゃけここじゃ一文無しで、身よりも誰もいなくて、右も左も分からない状態!だけど、それを補う有り余る主人公力とトラブル誘発力を持ってるぜ! 以後よ・ろ・し・く!」

 

 カリオストロの自己紹介が終わった直後椅子から立ち上がり、陳腐な舞台劇よろしく仰々しく決めポーズを取るスバル。その自己紹介ならぬ自己アピールに、空気が凍りついた。沈黙の数瞬の後、凍りついた空気を解凍したのはラムの可愛らしいくしゃみだった。

 

「……失礼しました。つい耐えられず」

 

「花粉症かな? そう言えばここのお庭は色とりどりの花が咲いててすっごくきれいだったね☆」

 

「はい、姉様と二人で毎日お手入れをさせて頂いています」

 

「人工的な環境だけど、此処の庭はすごく手入れが行き届いてるよ。だってリアの呼びかけに微精霊も沢山応えてくれるんだもの」

 

「わかってた、わかってたさこうなることぐらい……! でも無視して別の会話はやめてくれ、その対処法は俺に効く……ッ!」

 

 スバルは机の上に泣き崩れる。林檎が木から落ちるのと同じように、それは必然の結果であった。しかし生真面目を地でいく天使、エミリアはあたふたしながらスバルをフォローしてくれた。

 

「えっと、大丈夫よスバル!言いたいことはその、ちゃんと伝わったと思うわ。でも一応ロズワールは領主だから、猪口才な発言は程ほどにね」

 

「猪口才ってきょうび聞かねえな……」

 

 

 

 自己紹介が一区切りつくと、ロズワールの鶴の一声でようやく昼食が始まった。彩りの良い様々な料理は、どれもこれもがスバルはもとよりカリオストロでさえも唸らせる味で、あの騒がしい一日で失ったエネルギーが一気に補充されていくのを二人は実感した。

 頬を綻ばせながら食事に舌鼓を打ち、自然とエミリアやロズワールとの会話がとても盛り上がった。そして話はあの件、つまり騒動の中心になった徽章の話になった。

 

「……そうか。エミリアたんって」

 

「えぇ、王様候補なの。黙っていてごめんねスバル」

 

 今の王国が王が不在であること。そしてエミリアが5人の巫女候補の一人であること。スバルが倒れている間にカリオストロが聞いたさまざまな事実を聞いて、スバルはうんうんと唸った。そして自然と自分達が非常に怪しい立場であるということを始めて自覚したようで、冷や汗をだらだらと流し始めた。

 

「いやいやいやいや!エミリアたんが謝る必要はないぜ。関係ないことに首を突っ込んだのは俺達だし、むしろ怪しまれてしょっぴかれなかっただけでこっちが感謝したいくらいだ! 正直、まさか民を引っ張って行く王様をこんなバッジで決めるとは思ってなかったけどな」

 

「その徽章に選ばれる、そぉーれは龍に選ばれるという意味だぁーからね。古くから龍との縁がある我が国では、重要な意味があーるからね」

 

「そんな大事なもの盗まれたってのかエミリアたん……」

 

 予想以上に重要な物を盗まれたという事実に流石のスバルも閉口する。スバルにまでそんな顔をされてエミリアも顔を真っ赤に染めて俯く他なかった。如何に盗むのが悪いとは言え、盗まれた隙を見せるエミリアもエミリア。理由はともあれ候補の証をなくすのは候補者にとって非常に大きなスキャンダルだ。

 

(ま、だからこそ他候補者にとっては有用な妨害手口でもあるけどな。だけど、色々と解せない点も多い。盗むなら盗むで何であんなガキを使う? 確実に失脚を狙うならプロに狙わせるべきだろ。オレ様ならそうする)

 

 カリオストロは料理に舌鼓を打ちながら考察を続ける。

 

(というかエミリアを失脚させるならそんな手を使うまでもねえ。風聞とちょっとの出来事だけで十分の筈だ。何せ件のサテラとかいうのとそっくりなら、そこを突いてやればいいだけだからな。それこそ噂を助長するような、小さな事件をまことしやかに――)

 

「――ねぇカリオストロ、カリオストロったら! スバルがいじめるの!」

 

「ふぇ? え? あ、そうなんだ☆ うーん、スバルぅ……めっ☆」

 

「そうだよスバル、うちの娘を虐めたら容赦しないんだからねー」

 

「何この王様候補マジで可愛い。あとカリオストロもパックも笑顔で手をこっちに向けないでくれねえか!? 冗談でもこええよ!」

 

 エミリアを王様候補から引きずり落とす方法を考えていると、隣に座っていた本人が肩を揺すぶり縋ってきた。何故かエミリアはあの助けた日以降、自身への距離をぐいぐいと縮めてきているとカリオストロは感じていた。そこまで親密になったつもりはカリオストロにとって全くないし、他に思い当たる理由は自分の美貌ぐらいしかないが。

 

「つーか王様候補のスキャンダル回避って考えると俺達って結構凄い功績残したんじゃね?」

 

「そーうだねぇ、加えてエミリア様の命も救って頂いた。こーれに勝る功績はなーかなかなーいねぇ。故に、キミ達への恩はそぉーれこそ表現できないほど大きなものになってるよ。もしキミ達が望むなら……報酬はお望みのまま、どーんな願いでも叶えてあげよう」

 

「お、お望みの、まま――!」

 

「……ねえエミリア☆ あの子の視線が極めて不快かつ怖気が走るのは分かるけどぉ、こっちを見られても何も出来ないんだよ?」

 

「姉様姉様、お客様の目が既に筆舌に尽くしがたいくらいに気持ち悪いです」

「レムレム、バルスの目が最早言葉に表すのを憚るくらいに気持ち悪いわ」

 

 ロズワールの言葉に興奮したスバルの目は真っ先にエミリアへ。そしてエミリアはその視線から逃れようと必死にカリオストロへと視線で何かを訴え続けていた。

 

 その話に至った段階でちらりとスバルを見るカリオストロ、するとスバルもまた同じことを考えていたのだろう。二人の目が合う。そして互いにアイコンタクトで確認し合うと、ロズワールへと望みを話しはじめるのだった。

 

 

「それじゃ言わせて貰うぜ――」

「カリオストロもこの機会に言わせて貰おうかな☆」

 

 

「そう、俺の望みは――!」

「カリオストロの望みはぁ――☆」

 

 

 

 

「俺をここで働かせてくれ!」

「カリオストロを食客にして欲しいな☆」

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 少しの間のあと、スバルは唖然とした顔でカリオストロを見やる他なかった。

 

 

 

 § § §

 

 

 

 そこは一緒に働くべきだろー!?と抗議するスバルに、素知らぬ顔でスルーするカリオストロ。結局スバルはあれだけ盛大に言い切った自らの発言を撤回する事も出来ず、レムとラムの二人に屋敷案内という名の職場紹介に連れて行かれた。

 

 カリオストロがスバルを働かせ、自身を食客とした理由。それはこの屋敷での情報収集を分散して行うためであり、また屋敷の人物の監視の目を強制的に緩くするためでもあった。目下グレーゾーンをキープして疑いが解けていない現状、自分達に監視がつくのは必然となる。

 

 しかし、聞く限りで言えばこの広い屋敷で活動する存在はレム、ラム、ロズワール、エミリア、ベアトリスと、驚くほど少ない。主に引きこもっているベアトリスはともかくとして、エミリアも屋敷では王としての勉学に努める日々。レムとラムはこの屋敷全般の生活面担当。ロズワールが唯一何をしているかカリオストロは把握していないが、仮にも領主なら執務にいそしむ必要があり、暇ではないと見ていた。

 

 となれば監視として動くのはレムかラムの他いない。だがそのレムとラムには良くも悪くも目が離せない、怪しさ抜群のスバルを教育する必要が出てきて、対する自分は屋敷内をある程度自由に動くことが出来る状態になっている。そうなれば自分とスバル、両方を四六時中見張るのはかなり困難になる筈だ。

 

(ただそれも、人知れず見張る影の存在や監視魔法があると考えると途端に崩壊する雑なプランだけどな。今のところそれらしいものはなさそうだが……。ちょっと調べてみる必要はあるか。ま、目下怪しまれてる現状だが、口封じに殺される事なんてまずないし。()()()()美少女に囲まれて働くんだなスバル。ご褒美だろ?)

 

「……スバルは欲が無いのね。私のすごく、すごーく大事な徽章まで取り戻してくれただけじゃなくて、私の命まで助けて貰ったのに。ここで働きたい!だなんて」

 

「スバルは一文無しの身寄りなし、力もなければ自信もなしのなしなし尽くしだから、どうしても拠点が欲しかったんだろうね☆ あとあわよくば屋敷で一緒に生活するのを通して、エミリアともーっと親密になりたかったんじゃないかなぁ☆」

 

「私とねんごろになりたいの? 私、ハーフエルフで銀髪なのに。……すごく、すごーく変なのね」

 

「ねんごろってきょうび聞かない言い方だね……☆」

 

 スバルと打って変わって見事食客の身分を勝ち取ったカリオストロは、エミリアに屋敷を案内してもらっていた。最初はレムやラムが案内すると言っていたが、エミリアは自分がやりたいと強く主張し、今も楽しそうに屋敷内をカリオストロへと案内していた。ちなみにパックはベアトリスに拉致……確保されて以降姿を現していないようだ。

 

「えーっと……ここがスバルの部屋で、その隣がカリオストロの部屋になるわ。浴場はさっき説明したわよね? 屋敷の突き当たりにあって、事前に言えばレムかラムが用意してくれるわ。これで屋敷の中はあらかた説明したけど――」

 

「ねぇねぇエミリア、ひとついいかな。書庫って一体どこにあるの?」

 

「あ。……うーんと、その、書庫なんだけど……実は書庫はとても特殊な場所にあるのよね。一応屋敷の中にはあるのよ。でも、見つけるのは困難なの」

 

「……?」

 

「ベアトリスの力で書庫だけ屋敷から隔絶されてるのよ。"扉渡り"って言うんだけど……」

 

 エミリアの説明曰く、ベアトリスは屋敷内の扉と書庫を至るところに繋ぐ力を持っているようだ。そのような力で書庫を隔離する理由は、それが禁制の品や貴重な本をしまう禁書庫でもあるから、らしい。

 

「……」

 

「屋敷を紹介するって言った手前、実際に紹介できなくてごめんねカリオストロ。でも私も普段どこに居るのか把握できないし、呼んでも開けても出会えた試しがないの。だから一発で出会えたスバルって本当すごいと思うわ。……あ、でもでも! 今度時間あったら絶対に紹介するから!」

 

 慌てふためくエミリア。だがその時カリオストロの脳裏を占めるのは三文字の単語、「禁書庫」だけだった。

 

 「禁書庫」。あぁなんとすばらしい響きであろうか。この世界特有の知識。しかも禁制の知識と聞くと、古今東西、ありとあらゆる知識を求める真理の探求者にとって、そこは垂涎の場所だ。是非とも入りたいし、読みふけりたい。そうだ、こんな大変な目にあってるんだ、少しは自分だって良い目を見てもいいはず。そんな欲求に駆られたカリオストロだが、すぐさまその場で欲望を振り払い、エミリアへ笑いかけた。

 

「その時を楽しみにしてるねエミリア☆」

 

「うん! それじゃ案内は終わりよ。それでカリオストロはこの後はどうするつもりかしら」

 

「うーん。そうだね、正直今日は何もすることないし~……正直早い時間だけど、長旅直後だし部屋で休んだ後は少し湯浴みさせていただこうかなっ☆ レムか、ラムにお願いすればいいんだっけ?」

 

「! えぇそうすればいいわ。そうすればいいんだけど……えーっと。えーっと……」

 

「……? エミリア、どうかしたの?」

 

 何度か思考の渦に嵌ったカリオストロのように、エミリアもその場で悩み始める。やがて、よし、と一つ力強く頷くとカリオストロへと詰め寄った。

 

 

 

「ねぇカリオストロ……い、一緒にお風呂入らないかしら!」

 

 

 




次回、お風呂回。
アニメじゃ子安の裸しか見れなかったから、せめてもの二次創作で出すんじゃ。


《ベアトリス》
かれこれ数百年は屋敷の禁書庫を管理する精霊。
金髪ロリドリルツインテ。かしらかしらご存知かしら。
扉渡りという、禁書庫と屋敷内のどこかの扉をつなげたり隔離したりする力を持つ。
それ以外には陰魔法が得意。パックが大好きで、にーちゃと呼んで慕っている。

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