絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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「この話も夏休みに入りましたね~。自分の夏休みはバイトなどもせず家出ゴロゴロしてるだけですが・・・・・」
「何しているの引きこもりニート」
「誰がニートだ!今はちゃんと働いている!」
「じゃあクズに昇格ね」
「ニートってクズより下なの・・・・・?」


エリーチカは可愛い

『本日の星座占いコーナー!第1位はいて座のあなた!今日は貴方の元に幸運が訪れることでしょう!この一日を大切に!』

 

 

「1位・・・・・・・・・俺だ・・・・・・」

 

朝の目覚めのコーヒーを飲みながら俺はテレビの占いコーナーを見ていた。特に俺は占いを信じてはいない。そんなに占いがよく当たるならこの地球上の人類全員に幸運がおとずれても良いのではないか。

 

「幸運ね・・・・・・。なら俺に可愛い彼女でも欲しいもんだぜ」

 

あ・・・・・・彼女(仮)はいるけど・・・。

 

「さてと、今日は食材の買い物にでも行こうか・・・・・・・・」

 

冷蔵庫の中身がすっからかんだからな。

 

 

 

 

ピロリンッ

 

「ん?」

 

携帯の着信音が鳴ったので画面を見てみると、

 

 

『絢瀬絵里』

 

「また嫌な予感が的中しそうだな・・・・・・」

 

その通りである。

 

『今から神田明神に来て』

 

まさか幸運ってこれの事?

 

「俺からしたら不運だけどな・・・・・・」

 

 

***

 

 

「んで?俺を呼んだ理由は?」

 

神田明神に到着すると、巫女服に身を包んだ絢瀬と東條が神社の掃き掃除をしていた。

 

「隆也君には一日神社でバイトしてくれへん?」

「バイト?」

「人手が今日少ないのよ。男手が必要な時があるかもしれないからお願いできるかしら?」

「まあちゃんと働いた分くれるなら良いけど」

「ありがとうな隆也君。さっそくやけどこっちに来てくれへん?」

「おう!」

「エリチはここらへんよろしく~」

「はいはい。分かってるわよ」

 

 

***

 

 

「東條、これはどこに置いたら良いんだ?」

「それはこの棚の上置いてくれへん?」

「ラジャー」

 

俺は神社の置くにある物置部屋に連れて行かれその中にあった大量のダンボールをみて驚愕した。なんじゃこの数・・・。俺は引越し屋じゃねえぞ。腰がぁああああ!!

 

「隆也君。この頃エリチとどうなん?」

「どう・・・とは?」

「何か進展はあった?」

「進展っていうか何もないぞ?まず俺たちは恋人じゃないし」

「ちゃうよ。友達としての進展」

「友達として・・・。何も無いな!」

「これっぽっちも?」

「おう。何時もどおりにこき使われてる・・・。そろそろ俺の体が持ちそうに無い・・・・・・」

「あらあら。あとでマッサージしてあげよか?」

「嫌、別にいい。あいつの誤解で面倒なことになりたくないからな・・・・・・」

「大丈夫や思うけどな~」

「俺は体丈夫だからちょっとやそっとじゃ壊れねえよ」

「男の子やな~。そんなところも・・・・・・・・・羨ましいなぁ・・・・・・」ボソッ

「ん?何か言ったか?」

「何でもあらへんよ~。ほら次はそれ持ってきて」

「あいよ」

 

「希ーー!ちょっと来てーー!」

「エリチが呼んでる。隆也君、ウチちょっと行って来るからここにあるダンボール棚に置いといて」

「了解」

 

東條は絢瀬の下に走っていった。

 

東條にどうと言われたが本当に何も無い。何時もどおりに会って、何時もどおりに言い合って何時もどおりに過ごす。この『何時もどおり』の空間で・・・何か他の事が起こるのか?何かが変わるのか?このニセモノの間に何かの進展なんかありはしない。これからどうなるのだろう・・・。ん?『どうなる?』俺はどうにかなりたいのか?この絢瀬との間にあるニセモノの恋人の関係から、どうにかなりたいと俺は思っているのか?

 

「・・・・・・也。隆也!!」

「え!?」

「さっきから話しかけてるのになんで返事しないのよ」

「あ、すまん・・・。考え事していた・・・・・・」

「それは希をどうやって手籠にしようかってこと?」

「んな分け無いでしょうが!」

「本当かしら・・・・・・。希のおっぱいばっか見てたような・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」

「図星ね」

「仕方ないだろ!俺と同い年であんなに胸がでかかったらそりゃ見るだろ!もうあれメロンだぞ!」

「私は?」

「イチゴ」

「殺してあげるわ!」

「すいません冗談です!!」

「まったく。そういえば此処で希と何話していたの?」

「ん?お前と何か進展はあったか?って聞いてきた」

「進展って・・・・・・。私達ニセモノの恋人なのに」

「だよな。俺たちの間にはなんの関係もない。あるとしたら友達ってことくらいだな」

「友達・・・ねぇ・・・」

「今思ったら俺とお前ってどういう関係なんだろうな?」

「さあ?貴方は私の下僕には変わらないわ」

「このポンコツ野郎め・・・」

「誰がポンコツですって!」

「うるせえ!お前だよお前!亜里沙の前だったらポンコツのくせに!あと東條の前でも・・・・・・」

「希の前でもポンコツじゃないわよ!ここで貴方を殺してあげるわ!」

「ぎゃあああああ!どっからそんな脇差出してきたー!」

 

やっぱり占いなんか信じちゃダメだーー!

 

 

バタンッ!

 

「「え?!」」

 

凄い勢いで物置の扉が閉じられた。

 

「って!これ開かないぞ!?」

「嘘!?もっと力入れなさいよ!」

「入れてるよ!んぎぎぎぎぎぎ!!!」

 

ダメだ。びくともしない。扉の取っ手を持っておもいっきり引っ張るが扉が動く事は無い。いや、これは開かないというより開かなくなった?おそらく反対側で何かがあったはず・・・。

 

 

 

 

「ふふっ。その中でラブラブしとき♪」

 

犯人は東條希。物置にいる隆也たちの反対側の扉に少し太めの棒をかませていた。

 

 

 

 

***

 

「駄目だ。こりゃ東條を待つしかないか」

「そ・・・・・・そうね・・・・・・」

 

見渡した限り出口はこの扉だけ。後は全て壁で覆われている。殴ったら壊れそうだが弁償などしたくないので却下。あるとしたら上にある小さな小窓。梯子が無いので無理。結論・・・。

 

「東條を待つか」

 

その場に腰を下ろし携帯で連絡しようと思ったが、

 

「あ、携帯カバンの中だ・・・・・・」

 

いかん・・・。非常にやばいぞ・・・。切羽詰ってきた。こんな暗いところで絢瀬と二人きり・・・・・・?そんなの俺に取っちゃ大問題だ!視界が悪すぎるからもし絢瀬の体に触ったら俺の存在はこの世から消される!

 

 

 

 

 

「悪いな絢瀬。まあ時間経てば東條が迎えに来てくれるはずだからそれまで我慢しようぜ・・・・・・っていうかお前随分静か・・・・・・・・・・」

「っ!」ガバッ

「え!?」

 

(は、はい!?)

 

後ろに居る絢瀬に声を掛けても中々返事が返ってこないから何事かと思って振り向こうとした瞬間、絢瀬がいきなり俺の背中に体を密着させて抱きついてきた。

 

(んんんんんんんんんんんんん!!??)

 

「え、えええ、ええっと、あ・・・・・・あ・・・絢瀬さん!?」

「う、うるさいわよ!静かにしなさいよ!」

「へ?!」

「少しだけ・・・・・・このままで居させて・・・・・・」

「は・・・はい・・・」

 

少しだけ頸を動かして絢瀬の顔を見てみれば目じりに涙を浮ばせ、息を整えているのか泣きじゃくりながら肩で大きく呼吸していた。

 

「ぅ・・・ひっく・・・・・・ぐす・・・・・・」

「お前・・・もしかして暗いところ無理なのか・・・・・・?」

「えぇ・・・。昔からこういう暗くて・・・・・・狭いところが苦手で・・・・・・・・・」

「ほ・・・・・・ほう。じゃあこの抱きついているのはどうして・・・・・・?」

「す・・・好きで抱きついてる訳じゃないわよ!でも・・・・・・こうでもしないと・・・私駄目なのよ・・・・・・うぅぅ・・・・・・」

「絢瀬・・・・・・」

「分かったら・・・・・・黙ってじっとしてて・・・・・・」

「お・・・・・・おう・・・・・・」

 

 

な、なんだよ・・・。普段とは別人じゃねえか・・・。こいつにこんな一面があったなんて・・・。

 

ドクンッ

 

やべぇ・・・。鼓動が直に伝わってくる・・・。しかも、こうして見ると・・・やっぱりこいつも女の子っつうか・・・今までこいつをそういう目で見たことが無い・・・。顔がすぐそこにあるし・・・呼吸の音が凄く近いし、綺麗な目が涙で光ってて・・・・・・まつげが凄く長いし・・・・・・シャンプーのいい匂いが漂ってくる・・・。それに胸が背中に当たってて・・・・・・凄い暖かい・・・・・・。こいつの唇・・・・・・ツヤツヤしてて・・・柔らかそうで・・・・・・。なんだが・・・・・・凄く・・・可愛い・・・・・・。

 

ヤバイ・・・・・・こんな密室で二人きりなんか・・・色々と・・・・・・まずい・・・・・・・・・。

 

「隆也・・・・・・・・」

「な・・・・・・なんだ・・・・・・・・・」

 

 

 

ドクンッ

 

 

 

 

「離れないで・・・・・・よね?」

「っ!!」

「きゃっ!?」

 

さすがに我慢の限界が来てしまったのか、勢いよく絢瀬をその場に押し倒してしまった。

 

「隆・・・・・・也・・・?」

「絢瀬・・・・・・・・・」

 

床ドンである。絢瀬の顔の近くに俺の右手と左手があり、完全に覆いかぶさっている状態である。そして顔と顔との距離が近い。あと数センチで唇が届く・・・。

 

「ちょ・・・まってよ・・・・・・」

「もう・・・・・・待てねぇよ・・・・・・」

 

絢瀬の肩を押さえつけ身動きが取れないようにする。

 

「隆也・・・・・・///」

「絢瀬・・・・・・」

 

絢瀬の唇との距離・・・。あと一センチ・・・・・・。

 

ガラッ!

 

「隆也君!エリチ!次の仕事が・・・・・・ある・・・・・・で・・・・・・?」

「「・・・・・・・・・・・・・・・あ」」

 

東條から見た俺たち。

1俺が絢瀬を押し倒して身動きが取れないようにしている。

2絢瀬が俺に押し倒されて身動きがとれない状態。顔真っ赤。

3床ドン

 

 

「な・・・何しとんの?」

「ととととととと東條!?そのこれはえっと・・・・・・誤解だ!」

「何処が誤解なのよー!隆也の馬鹿ーーーーー!」

 

 

パッチィンン!!

 

絢瀬の右手が俺の頬に炸裂した。

 

 

***

 

 

「誠に申し訳ありませんでした!あの時は俺もどうかしてた!俺はなにも言い訳はしない!煮るなり焼くなり好きにしてくれ!」

 

賢者モード全開。絢瀬の前で全力土下座。

 

「本当に反省しているのかしら?」

 

怖い!殺気がだだもれだ!そして足で俺の頭を押さえるのはやめてください!

 

「反省してます・・・。人生で一番反省していると思われます・・・・・・」

「そう、なら一つ命令しましょうか・・・」

「なんなりと・・・」

 

さあ何がくる?バイクで俺を轢くか?それとも根性焼きか?それか俺の人生を終わらせるのか??

 

「私の事・・・絵里って呼びなさい・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?」

「こ、これはその!私達は恋人同士なのに名前で呼び合ってないのが不思議に思っただけよ!///ただそれだけなんだから!///」

「そんなのでいいのか?」

「他の事をしてほしいのかしら?」

「すいません呼ばせていただきます!!」

「なら試しに呼んでみなさい」

「はい・・・。えっと・・・・・・・・・絵里」

「うん・・・・・・隆也」

「っ///」

 

なんか名前で呼ばれると・・・恥ずかしいな・・・・・・。

 

「二人ともラブラブやね~♪」

「「全然違う!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、因みに扉閉めたのウチやから」

「はああああ!?」

「何をしているのよ希!」

「いいやん。仲良くなれたんやから」

「どこがだ!!!」

 

 

 

 

 

(でも・・・・・・隆也に押し倒された時・・・・・・ちょっとは嬉しかったかな・・・///)




どうもお久しぶりです。これで少しは二人の距離も縮まったのではないでしょうか?もうお前ら二人爆発しちまいな!!嘘です。

新しく評価してくださった。

紅蓮羅漢さん。ストライクノワールさん。海洋哺乳類さん。えれめんたる@世嗣さん。
ありがとうございました!

更にこの度お気に入り数が300を超えました!誠にありがとうございます。これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします!
いつも感想で更新頑張れと書いてくれる皆さん!いつもありがとうございます!いつでも感想お待ちしております!

そして次の話ですがお気に入り300記念として特別ストーリーを書きたいと思っております。自分でも色々と考えているのですがまだまとまっておりません。そこで皆様にお願いがあります。こんな風に書いて欲しいなどのリクエストがあればぜひ感想文でおくってください!送られてきたものを見て作者である自分がこれがいい!と思ったものを書かせていただきます!もし一つもなかったら此方で考えて書いていこうと想います!なんでも構いません!ちょいエロでも構いません!出来る限りエロく書いていきます!何を言っているんだ自分は・・・・・・。

ということでリクエストお待ちしております!期限は10月12日の23時59分までです。決まったシナリオについては活動報告でお伝えします!

それでは次の話でお会いしましょう!またな!!

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