絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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「バイクバイクバイクバイクバイク……」
「まずいわね。作者がバイク症候群にかかっちゃったわ」
「俺にはバイクが必要なんだー!バイクほしいよー!」
「少し静かにしてくれないかしら。毎回ここで話してあげてる私の身にもなってほしいわ」
「そんなこと言いながら構ってくれるエリーチカ大好きだぞー!」
「いますぐ面に出なさい。バイクの車輪で頭踏んであげるから」
「われわれの業界ではご褒美にもなりませんけど!?」


風邪は馬鹿以外が引くのだ

今回の出来事は一つのメールから始まった。

 

『熱が出たから学校休むわ。講義で出たプリント私の分ももらっておいて』

 

 

あの絢瀬が熱をだしただと…。あの凶暴でいつも俺の事をい上から目線で罵ってくるあいつが熱?あいつも人間だったんだな…。俺失礼なこと言ってるな…。別にプリントとかを貰うのはいいけどお前いつ来るんだよ。俺がもってたらいつか燃えカスになるぞ?(燃えるゴミになるという意味)

 

「めんどくさいけどあいつの見舞いにでもいってやるか。そして熱を出したな馬鹿め!と罵ってやる!いつもの仕返しだ!!」

 

さあ、悪魔の時間の始まりだ………。

 

と、気合を入れていたのはいいが・・・・。

 

 

「あ、俺あいつの家知らねえ」

 

計画は一瞬にして消え去った。あいつが俺の家の場所を知ってたとしても俺はあいつの家を知らない。致命的ミスだこれは…。これではあいつのお見舞い(罵しり)にいけないじゃあないか・・。

 

「ま、それは置いといて講義を受けるか」

 

 

 

 

案の定講義では数枚ほどプリントを貰っておいた。俺のファイルがパンパンだ…。パンダじゃないぞ?よし、昼飯も喰ったしなにかお見舞いの品でも買ってこようか。

 

 

 

*学校の近くのスーパーマーケット*

 

熱の時はあっさりした物がいいはずということでリンゴを数個とプリンなどを購入。あと昔お婆ちゃんに教えてもらった飲み物を作るために黒砂糖も購入。なにやら熱の時に効果抜群だとかなんとか…。あとは飲み物としてポカリやゼリー飲料。あとは冷えピタハパイセン。

 

「合計で2480円です」

 

痛い出費だぜ畜生…。

 

前に聞いた時は学校から近くに家があると聞いたのでバイクでそこら走ってたらすぐに見つかるだろうと考え低速でそこらを走り回っていた…が、一向に見つかる気配はなし。

さてどうしようかと思ったとき、ある人物が目に入ってきた。

 

「あれ?絢瀬?」

 

バイクでゆっくり移動していると前に歩道を歩いている人物を確認。しかも金髪。手には買い物袋。なんだあいつ熱とか言いながら学校サボってただけかよ。心配して損したぜ。

 

「おーい絢瀬」

「はい?」

 

バイクを邪魔にならないところに止め声をかける。そしてと『絢瀬と思っていた人物』が振り返った。

 

「あ、あれ?なんか違う………」

 

目の前にいる少女はたしかに金髪だ。いや、でも少し髪の色がちがう。しかも絢瀬じゃなった。少し背丈が低いし顔がまだ少し幼い感じ。しかもだ!胸が小さい!あいつのはもう少し大きいはずだ!俺はとんでもないことをしてしまった。

 

It's KA★N★CHI★GA★I!!

 

「あの……どなたですか?」

「あ!いや…その…えっと………」

 

いかん!落ち着け俺!ただ普通に勘違いでしたと言えばいいだけだろ!だが口が動かない!どうみても年下。これは周りから見たら犯罪臭が超漂っている!俺はこの年で犯罪者になりたくない!

 

 

「はっ!もしかして……ストーカーってやつですか!?」

「あ!いや全然違うぞ!俺はストーカーじゃない!」

「犯人は全員そう言うんですよ!ど、どうしうよう…警察に……あ、携帯電話家に忘れてきちゃったんだ!ほ、ほかの人に助けを………」

 

まずーい!非常にまずい!ガタガタと震えだし涙目になってきている少女。これは非常にまずい!このままじゃ俺は刑務所行きになってしまう!

 

「あ、そうだ!雪穂が言ってた!ここは大きな声で助けを呼べばいいんだ!スゥーーーーー……」

 

わーーー!大きく息を吸うんじゃない!俺に危機が迫ってきている!このままじゃ俺は豚小屋行きになる!あれ?刑務所じゃなかったっけ?ってそれどころじゃない!どどどどどうしたら……そうだ!

 

 

「わー!待ってくれ!俺は絢瀬絵里の知り合いだ!熱を出したって聞いたから見舞いに行こうとしてただけなんだ!」

「………………え?」

 

そう……。俺は最初にこの子へ絢瀬と呼んでこの子はそれに反応した。ということは絢瀬関係の人物のはずだ。

 

 

 

 

「お姉ちゃんの知り合いなんですか?」

「お………お姉ちゃん?」

 

 

 

 

 

「貴方がお姉ちゃんの言っていた恋人さんだったんですね♪」

「あはは・・・・・・ソウダネ・・・・・・」

 

何とか誤解が解けてなによりだよお譲ちゃん・・・・・・。

 

この子の名前は絢瀬亜里沙。見ての通り絢瀬絵里の三つ離れた妹である。なんで歩いてたか聞くと絢瀬の看病のための買い物をしていたらしい。学校はあったが部活動を途中で抜けてきて、この時を使って看病をしようとの事。いい妹さんだ。姉があんなんだけど・・・・・・。

 

「でも隆也さん優しいですよね」

「え?」

「頼まれても無いのにお姉ちゃんの事を心配してくれてるなんて」

「それが普通だと思うんだが・・・・・」

 

ま、あいつを罵る為なんだけど・・・・・・。

 

「あと隆也さん!」

「ん?」

「私の事は亜里沙と呼んでください。お姉ちゃんも絢瀬、私も絢瀬だと混乱しそうなんで」

「まあ確かに・・・。ま、とにかくよろしくな亜里沙」

「はい!」

 

いい子や・・・。この子とってもいい子や。もう天使と言っても良いくらいだ。神は俺の目の前に天使を降臨してくださった・・・。感謝します。

 

 

「ここが私達の家です!」

「ここ?」

 

見ると少し家賃の高そうなアパート。よく生活できてるな・・・。そしてその家が絢瀬姉妹の家だと言うのがすぐ分かった。駐輪場に絢瀬のYBRが止まっていたのですぐに確信がもてた。

 

 

「お姉ちゃん!ただいま~」

「お邪魔します・・・・・・」

 

階段を登りある一室に足を踏み入れる。家の中は本当にごく普通。必要最低限の家具が複数。居間には少し大きめの机と椅子。扉が複数ありその一つの扉を開けるとベットに横になっていた絢瀬がいた。

 

「亜里沙・・・おかえ・・・・・・。なんで貴方がいるのかしら?」

「見舞いとプリントを届けに来たんだ。感謝しろ」

「そう・・・・・・ありがとう・・・・・・」

 

やべぇぇぇえええ!これ罵るとかの状況じゃない!顔が真っ赤でしんどそうなのが目に見えてる!汗も酷いし目が虚ろだ。俺はこんな状況なのになんと言う事を考えてこの家に来たんだー!最低だー!

 

 

「お姉ちゃん・・・熱どう?」

「まだ下がらないわね・・・・・・。大丈夫よ。明日には治ってるから・・・・・・」

「馬鹿いってねえで寝ろ。そんなのですぐに治るわけ無いだろ」

「気合で治すわよ・・・・・・」

「無理するな。いまはゆっくり休むことだけ考えろ」

「貴方に指図されるとはね・・・・・・。不覚だわ・・・・・・」

「熱でもその毒舌は健在でなによりだ。亜里沙、買ってきたものどうしたらいい?」

「あ!それなら貰います!冷蔵庫に入れときますね」

 

亜里沙は自分の買い物と俺の買い物袋を持ちパタパタと居間へ小走りしていった。

 

「なんで貴方が亜里沙って呼び捨てなのかしらね・・・・・・」

「お前のこと絢瀬って読んでるのに妹も絢瀬って読んでたら勘違いするだろうが。だからあの子は名前呼びなんだよ」

「ふん・・・・・・。私には名前で呼んでくれないくせに・・・・・・」ボソッ

「なんか言ったか?」

「なんでもないわよ。燃やすわよ」

「燃やす!?」

「ってうかいつまで居る気なの?」

「お前に俺特製のお粥を食わすまで」

「そんなの要らないわよ。早く帰って」

「へーへーそうですか。じゃ帰らせていただくわ」

 

立ち上がり玄関まで行こうとすると。

 

「あー!隆也さん!帰るんですか!?」

「ああ。あいつが帰れってよ」

「もう少し居てくれないですか?私今から出かけなきゃいけないんで」

「出かける?」

「部活の方で明日から始まる合宿の説明で行かなきゃ行けないんです・・・・・・」

「そしたらあいつの看病役がいなくなるな」

「ちょっと亜里沙!何を勝手な事を!」

「お姉ちゃん今一人で何も出来ないでしょ?なら隆也さんに頼めばいいじゃん」

「嫌よこんな芋虫になんか・・・」

「芋虫!?」

「お姉ちゃんには早く治って欲しいの!異論は認めないよ!」

「う・・・・・・分かったわよ・・・・・・ゴホッ!ゴホッ!」

「ほら言わんこっちゃ無い」

「と言う事で隆也さんお姉ちゃんを頼みます!」

「了解した天使」

「天使?」

「いいから行って来い。このポンコツ姉は任せとけ」

「誰がポンコツ姉よ・・・」

「分かりました!では行って来ます!」

 

亜里沙は学校のカバンを持ち家を飛び出していった。

けどすぐに戻ってきた。

 

 

「お姉ちゃん!私今日雪穂の家泊まるから!」

「え!?」

「行ってきまーす!」

 

 

「あ・・・・・・亜里沙・・・・・・?」

「あらら・・・。ま、今は妹の事心配せずに寝ろよ」

「分かってるわよ。けど・・・今はお腹が空いたわ」

「まあ見た感じ朝飯も昼飯も食べてなさそうだしな」

「悪いけど・・・・・・何か作ってくれないかしら?」

「あいよ。卵粥作ってやるよ。台所借りるぞ」

「えぇ・・・・・・」

 

ふむ。どうやら結構疲れが溜まっていたようだな・・・。咳が酷いし体がだるい。夏風邪にやられたかな?今は特に運動もしてないから免疫力が少なくなっているかもしれない・・・・・。

 

「食べやすいようにドロドロにしてやらないとな」

 

 

 

 

 

 

 

*それから数十分後*

 

 

 

「出来たぞ~。特性卵粥だ」

「あ・・・ありがとう・・・・・・」

「あー動くな動くな。起こしてやるから」

 

絢瀬の背中に腕を通し起き上がらせ、肩に毛布を被せた。

 

「貴方介護士向いてるんじゃない?」

「どこがだよ。ほらお粥食え。暑いから気をつけろよ」

「あちっ・・・。ありがとう・・・・・・」

 

絢瀬は震える手でスプーンを持ちお粥を掬い口に運ぶが、手に力が入らないのかスプーンを毛布の上に落としてしまった。

 

「あっ・・・・・・。ごめんなさい・・・・・・」

「あらら・・・。気にするな」

 

ティッシュで落ちたお粥を拭き取りゴミ箱に捨て、スプーンを新しいのに交換しお粥を掬って絢瀬の口元に持っていく。

 

 

「なんのつもり?」

「ほら口をあけろよ。食べさせるしかないからな・・・・・・」

「そんなの要らないわよ。一人で食べられる・・・・・・」

「それで落としたのは誰だ?」

「うぅ・・・・・・・・・」

「別にいじわるの為にやってるんじゃない。風邪や熱は体の調子を戻すのも大切だが何かを食べないと治るものも治らないぞ」

「わ・・・・・・分かったわよ・・・・・・・・」

「素直でよろしい・・・・・・。ほら、あーん・・・・・・」

「あ、あーん・・・・・・・・・」

 

口元にスプーンを持っていき絢瀬の薄い唇が印象的な口の中にお粥を食べさせた。

 

「んっ・・・・・・。おいしい・・・・・・・・・」

「そりゃ良かった。ほらまだ食べるだろ?」

「え・・・えぇ・・・。あーん・・・・・・もぐっ」

 

今考えたら俺恥ずかしい事してるな。いくらこいつが病人だとしても別にこんな事までしなくてよかったのではないだろうか?だけど俺の中に放っておけないと言っている自分がいる・・。なぜなのだろうか・・・・・・。こいつには色々とされてきたのに・・・。

 

 

「ご馳走様・・・・・・。おいしかったわ・・・・・・」

「お粗末様。じゃ次は水分補給だ。見たとき凄い汗だったからな」

「えぇ・・・。でも体が汗でベトベトしてて気持ち悪い・・・・・」

「まあアレだけ汗かいてたらな。ちょっと待ってろ。お湯とタオル持ってくるから」

 

ベットの近くから立ち上がった俺はまず風呂場に向かい桶を入手し、手探りで丁度いいタオルを発見。途中で絢瀬の下着を見つけたのは内緒・・・・・。

 

 

「ほら、これで汗拭いとけ」

「うん・・・・・・」

「じゃ俺外でとくから」

 

ガチャ・・・バタン

 

「ふー・・・。後は冷えピタの準備りんごと、俺用の晩御飯の準備だな」

 

今回俺の晩飯は卵掛けご飯である!お粥の残りを使ってるので。

 

「隆也ー・・・ちょっと来てくれない?」

「はい?」

 

ドアを開けて中に入ると毛布を体に巻きつけてまるで春巻きみたいな形になっている絢瀬さんがいた。

 

「なにしてんだお前」

「その・・・体を拭いてたのはいいんだけど背中に手が届かなくて・・・・・・」

「ほうほう。それで?」

 

 

 

 

 

「その・・・・・・背中を拭いてくれないかしら・・・・・・?」

 

 

 

 

 

 

「はい!?」

 

ナニイッテンノコイツ?え?背中を拭け!?

 

 

「し、仕方ないじゃない!私の手は背中には届かないんだから!」

「人間みんな背中全部に手は届かねえよ・・・・・・」

「だから・・・その・・・拭いてくれないかしら・・・・・・?」

「お・・・おう」

 

 

 

絢瀬は毛布を取り払い俺にそのスラリとした背中を見せてきた。ゴクリと唾を飲み込み絢瀬の背中の前で膝を付きお湯につけたタオルを掴む。

 

「優しくしなさいよ・・・?」

「言い方が生々しいんだよ・・・いくぞ・・・・・・」

「えぇ・・・・・・」

 

 

タオルを拭きやすい状態に畳それと手のひらに乗せ、絢瀬の背中に触れた。

 

「んっ・・・」

 

タオルで絢瀬の綺麗な背中にある汗を満遍なく綺麗に拭き取る。

 

「んぁ・・・・・・うぅ・・・・・・」

「変な声を出すんじゃない!」

「仕方ないじゃない!こそばゆいんだから・・・・・・んん・・・」

 

落ちつけ俺!こいつは病人!こいつは病人だ!俺の学校の知り合いで恋人役を頼まれてるだけで!今回はごく普通の看病をしに来ただけだ!俺は決してそのような行為を求めて来た訳じゃない!耐えろ俺の理性!絶えろ俺の理性!絶えちゃだめじゃん。

 

「お・・・終わったぞ・・・・・・」

「あ・・・ありがとう・・・・・・着替えるから外にいて・・・・・」

「了解」

 

よーし!良く耐えたぞ俺の理性!今回は二重丸をもらえるほど良くやったぞ!120点だ!普通の男達ならあの時どんな状況になるか予想できるが俺は決してそんな過ちは起こさない!だって美少女なのにあんな性格なんだもん!←これが本当の耐えた理由。もし手を出したらどのような目に遭うか分からないから。

 

 

「いいわよー・・・」

「あいさー」

 

入るとさっきとは違うパジャマを身に着けている絢瀬。みなさん?これは決して羨ましいと思うシーンじゃないですからね!!

 

「じゃ今はとにかく寝ろ。寝て体を休めるんだ」

「そうね・・・。貴方が来たお陰で熱が上がってそうだし」

「いつにもまして毒舌だな貴様・・・」

「亜里沙が居たらどんだけ楽か・・・」

「俺で悪かったな。これでも心配してたんだぞ」

「隆也が心配なんて珍しい」

「俺だって心配したりする」

「どうして・・・・・・?」

「え?」

「なんで心配してくれたの?」

 

 

 

 

どうして?そんなの決まってる。

 

 

 

「お前は俺の彼女なんだろ?彼女を心配しない彼氏なんているのか?」

 

 

 

間違っては無い。うん・・・。

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あれ?絢瀬さん?」

「な、なに!?///」

「何で黙ってるの?そしてなんでそんなに顔真っ赤なの?」

「う、うるさいわね!貴方には関係ないわよ!///」

「なんで怒るんだよ。イライラには牛乳でカルシウム摂取だぜ」

「なんで持ってるのよ・・・」

「これは俺用だ。病人である貴様にはこれだ!」

 

スポーツマンには必須!ポーカーリー!

 

「ありがとう・・・。でもまた起きないと飲めないわね」

「大丈夫だ。良く見てみろ」

「え?」

 

ペットボトルを良く見ると中にストローが入っていた。

 

「その方が飲みやすいだろ?」

「・・・・・・色々気を使わせて悪いわね・・・」

「お前今日で何回謝るんだよ・・・。気にしないでいいから早く寝ろ」

「さっきまで寝てたから眠れないのよ・・・。何かお話しを聞かせなさい」

「なぜ上から・・・・・・。そしてなんでお話し?」

「貴方の話ならすぐに眠くなれそうだからよ。つまらなすぎて」

「よーし言ったな。俺の今までの武勇伝を聞かせてやる」

「しっかりと聞いてあげるわ。その武勇伝を」

「ま・・・特に無いんだが・・・・・・」

「・・・・・・・・・かっこ悪い・・・・・」

「やかましい!」

 

 

 

その後、俺の話せることを話した。なんであの学校に行ったのか、なんでバイクに興味をもったのかなど。俺の過去に関係する話をした。話しているとき絢瀬は特に興味がなさそうな表情は出さず色々と質問をしてきてくれた。今思ったら・・・こんな話学校では誰にも言って無いな・・・・・・。俺はこの時初めて思った。絢瀬と話すことがこんなにも楽しい事が・・・。

 

「でだ・・・。その時俺が・・・・・・・・・・・・・・ってあれ?」

「すぅ・・・・・・すぅ・・・・・」

「寝てやがる・・。俺の声が子守唄になったか?まあいいや。冷えピタこうかーん」

 

換えの冷えピタと交換。

 

「さてと。飯でも作る・・・・・・・・・・・・・・・・ん?」

 

立ち上がろうとするとなにやら重みを感じたので視線を移してみると、俺の服の裾を絢瀬が見事にガッチリと掴んでいた。

 

 

「あ・・・・・・絢瀬さん?」

「・・・・・・ゃ・・・」

「え?」

 

声が聞こえたけど聞こえなかったので耳を近づける。

 

 

 

 

 

 

「いや・・・・・・行かないで・・・・・・側にいて・・・・・・」

 

「絢瀬・・・・・・?」

 

 

特に詳しいわけじゃないが聞いたことがある。どうやら風邪や熱が出ている時は人が恋しくなるらしい。その原因は免疫力の回復が関係するらしい。人は誰かと触れ合ったり、笑いあったりすると風邪などの免疫力が高まる。逆に言うと風邪の時は身体的疲れ、精神的疲労、ストレスなどで免疫力が低くなるらしい。つまり、人間は風邪をひいたとき「人恋しく」なることによって、弱まった免疫力を回復させようとしているらしい。

 

 

「分かったよ。俺はここに居るから。一人じゃないぞ」

 

 

矢澤に言われたことを思い出す。

 

 

 

『絵里を一人にしないって約束して!』

 

 

「ここで俺が帰ったら約束を破る事になるしな・・・。だから泣くなよ」

 

絢瀬は寝ているため無意識のはずだが目元にうっすらと涙を浮かべていた。それを綺麗に拭って絢瀬の頭を優しく撫でた。

 

 

「お前は一人じゃないぞ・・・」

「んん・・・・・・んぅ・・・・・・えへへ・・・・・・」

 

 

 

 

寝ていながらも嬉しいのか笑みを浮かべる絢瀬。

 

 

「おやすみ。絢瀬」

 

 

 

 

 

俺はその日、裾の次に腕をガッチリホールドされてたので身動きが取れませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

 

 

絢瀬視点。

 

 

「ん・・・・・・・・・ふぁぁ~・・・・・・」

 

私は日の光で目が覚めた。熱を計ってみると昨日とは断然に熱が退いていた。しかも体が全然だるくない。どうやら昨日のお粥が効いたみたいね。思い出したら恥ずかしいんだけど・・・・・・///

 

 

「あ・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ウトウト

 

ベットのすぐ横で私の手を握って座ったまま寝ている隆也がいた。服装から見ると帰らずに私の側に居てくれていたらしい。

 

「大きな借りができたわね・・・隆也」

「んぁ・・・・・・・・・」

 

 

 

そして優しく隆也の頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとう・・・隆也」

 

 

 

 

 

 

その後。私は完全に風邪は完治したが今度は隆也が私の風邪が移って寝込む事になった。




どうもお久しぶりです。いやー自分は絵里が風邪だったらすぐに看病にしにいきますね。そしてさりげなく絵里のポイント稼ぎ!絵里は誰にもやらーん!意外と俺アホなのかも・・・・・・。

そして新しく評価してくださった!

インターセプトさん!TouAさん!V3Pさん!このよさん!ありがとうございます!

さあて自分もそろそろ教習所を卒業する日が近付いてきている!バイクをゲットして大空を空高く飛び上がるんだ!!なにを言っているのだろう・・・自分は。


ではまた次回お会いしましょう!またな!




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