絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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大変長らくお待たせいたしました


絵里は依存系

「ふわぁ~…眠い…」

 

BO4面白すぎるだろ、やめる区切りが全然分からないくらい没頭してしまっていた。マルチ楽しいしゾンビ楽しいしブラックアウト楽しいし。

 

遅くまでゲームしてたら絵里に怒られそうなんだが。

 

「ゲーム!やらずにはいられない!!」

 

学校があるというのに夜遅くまでゲームをしてしまうこの気持ち。分かる奴もきっと居るだろう。仕方ないよな?こういうのは。

 

冬に入ってので黒のダウンを着こんで、マフラーを首に巻く。

昨日の残り物で軽く作った朝飯を口にぶち込んで、一人暮らしをしているアパートの玄関を開けると。

 

 

「あ!おはよう隆也!」

「おはよ絵里。今日も迎え来てくれたのか」

「えぇ!早く隆也に会いたくて朝の6時から待ってたの!」

「はぁ!?6時!?合鍵あるんだから入ってくればよかったのに…」

 

最愛の彼女、絢瀬絵里が待ってくれていた。因みに現在の時間は午前8時前。今の季節は外で待つという行為は苦痛でしかない。だがそんな難行苦行なんのその。雨の日だろうと雪の日だろうと、彼女はいつも俺の事を待ってくれる。

 

 

「これ以上じっとしたままだと風邪ひくぞ。学校行こうぜ」

「わっ!?ちょっと隆也!?」

 

手が冷たい。そんな長い時間俺の事を待ってくれていたのか。

 

(……もう少しだけでも、早寝早起きを心がけるか)

 

一層強く絵里の手を握った。

 

 

 

(隆也の手…暖かい…)

 

 

 

***

 

 

 

 

 

冬に決めていること。外に出て道路の具合を見て俺は学校までバイクで行くか電車で行くかを見極めている。今日は路面凍結の日。ゆっくり行けば運転できるだろうが無理はしないのが吉だと思った俺は電車での通学を選択。

だが流石朝の電車。人混みが凄い。関西にいた時はこれほどの込み具合を体験することは無いから、最初に関東での電車乗った時少し酔った。

 

 

「うぅ……」

「狭いか?」

「うん…」

「だけど、痴漢に遭わないためにはこれが一番だと思うんだよな」

 

いくら絵里が高校生ではなく、大学生なんだとしても有名人には変わりはない。μ'sはもう存在していない…にも関わらず、街中では絵里に声をかける奴は少なくない。現に今も絵里に集まる視線が複数感じる。

だから絵里には電車の扉に背を向けてもらい俺が絵里を覆うように立つ事で視線をシャットアウトし壁と化す。身長178舐めんなよ。絵里は誰にも触れさせん。

触れた瞬間そいつは一本背負いだけどな。

 

だが、隆也がこんな事を考えているとき、絵里の心中はとんでもないことになっていた。

 

(ひゃー!ひゃー!隆也がが近すぎる!今まで何度も触れあってきたけど周りに人がいるから凄く恥ずかしくなっちゃう!ベットの上だと凄くワイルドな隆也だけど、今の隆也は紳士に見えちゃうからすごく顔が熱い!あー…隆也に引っ付いてるから服の匂がダイレクトに来ちゃう…。ん…隆也の匂い好きぃ…)

 

俺の服に顔を埋めて凄いって言うくらい匂い嗅いでんだけど…、そんなに俺匂うのかな?

しかもさりげなく俺の服に腕を入れて抱き着いてくるんだけど…。セーター来てるけど絵里の胸の膨らみがダイレクトに感じるんだよ。やめろおい。柔らかいから色々炸裂(?)するぞ。

 

 

「何?そんなにひっつきたいのか?」

「……隆也が匂うせい」

「え。そんなに臭い?」

「うん匂う。すごく匂う…」

「い、一応風呂はしっかり入ってるんだが…」

「酷い匂いよ…。ふん、ひどい位にね…すんすん」

「う…今日から10回ぐらい体洗います…」

「いいわよ別に。ボディーソープが勿体ないから……ふんふん…」

「スプレーもしまくります…」

「だめよ。お金が勿体ないからやめなさい」

「どうしたらいいんだ……」

 

 

 

(今度……隆也にワイシャツ貰おうかしら…)

 

 

 

 

 

 

講義中は大体絵里と一緒。勿論、大学は取りたい講義を取る学校だから別々の講義を取る事はあるが、大抵絵里と一緒。

 

 

なのだが……。

 

 

 

「ねえ横山君。さっきの問題についてなんだけど…」

「よう横山。今度飲みに行かねえか?」

「隆也。今日の夜BOしようぜ」

「横山君。今度のグループディスカッションの日程なんだけど」

「絢瀬絵里の写真くれ」

 

「……………」

 

 

俺と別の講義では知らないが、講義中とか、休み時間の間だとすんごい見てくるんだよな。男と話すときはいいんだけど女性だと終始真顔なんだよな。

更に、更にだぞ?俺の服の裾ずっと摘まんでるんだよ。頬ぷくーっって膨らまして。

 

どうしたんだ?

 

(隆也の馬鹿。私って彼女がありながらなんで他の女と喋ってるのよ。男はいいわよ、特に盗られるわけではないわけだし。けど、私にしか向けてはいけない笑顔を他の女にばら撒いてるのが腹立つ。あんたたちも慣れ慣れしく隆也に近づくんじゃないわよ)

 

 

内心穏やかではなさそうだな。

 

 

仕方ない…。

「悪い。今日は別の用事あるからまた今度な」

 

 

 

 

言った瞬間、絵里の顔がパーッと明るくなってニコニコしてんだよな。

お前俺といない時の講義どうなってんだよ。正気を保って居られてるのかすら疑わしいんだが。

 

 

「お前も大変だよな隆也。まあそれだけ絢瀬さんに愛されてるんだったら良いんじゃないか?」

「まあ…な。けどたまに思っちゃうんだよな。愛が重いような…」

「逆に考えてみろよ。お前一筋なんだぜ?しかも美人」

「嬉しいに決まってるだろ。けどなぁ…」

「なーんかわけわからないモンがあるんだな」

「うん、よくわからんが…」

「ま、贅沢な悩みだって思え若者よ」

「お前タメだよな?」

 

 

 

後、最後の奴なんつった?脇固めすんぞ。

 

***

 

 

 

「ねえ隆也」

「ん~?」

「私って重い女かしら?」

「ブッ!?」

 

いつも通りの日課。学校が終わって行くのは俺の下宿先。俺と絵里のバイトがある時は学校終わりに会わないんだけど今日はお互いバイトがないから夜までまったりするのが俺達の日課。

 

瞬間、ベットの上でまったりしてるときに絵里の口から爆弾が飛び出す。

 

 

 

「ど、どうした急に…」

「今日…隆也が愛が重いって言っていたから…私は重い女なのかしらって…」

「あ、あれはなんというか…言葉の綾というか…本心ではないっていうか…」

「……もっとおとなしくなった方が…いい?」

 

首をコテンッと傾げて俺を見めてくる。

確かに愛が重いな~っとは思うけど、絶対嫌!って訳でもないからなんとも言えない。

 

 

「じゃあ聞くが、絵里はなんで俺にそんなにひっつく?というか、べったりなんだ?別に嫌って訳じゃねえぞ?そこまでしてお前大丈夫なのか?」

「ねえ隆也。私は隆也の事が大好き。朝からずっと隆也と一緒に居たいってくらい隆也の事が大好き。私をずっと見て欲しいし私とずっと傍に居て欲しいし私以外の女とも喋ってほしくないって思ってる」

「お、おう」

「だから、隆也には私から離れて欲しくない。朝の起きるときも、お昼のお弁当を食べるときも、夜の寝るときも。物理的に…いえ、精神的にってぐらいひっついていたい。隆也の視界には私しか映っていて欲しいし、食事の時も私の血が入ったごはんを食べて欲しいってずっと思ってたりする」

「う、うむ…」

「けど…こんな事考えてるけど、隆也が嫌だって思うことはしたくないの…。所詮はこれも私の願望なの。また、隆也が離れてしまいそうで…」

「離れる?」

「私の為に体を張って…死にかけたときだってあった。ここまで私の事を想ってくれてる人と…一緒に添い遂げたいって思ってるくらいに…。けど、それで隆也の迷惑にかかるのは、ダメだと思う…」

「絵里…」

 

絵里に出会ってから今までの人生の中でとても濃ゆく、とても混沌としたものだった。離れ引かれ、体を張って死にかけて。けど俺はそのくらい彼女を、守ってあげたいと思った。彼女の事を放したくないだって思った。

けど、それが今の絵里を作ったのかもしれない…。目の前で大切に思ってる人が傷つくのを黙っていられる人は居ない。だからか。俺の傍から離れないのは。

 

好きだから離れたくない。傷ついてほしくないから大切にしている。傍にいないと不安になるから。

 

 

 

俺のせい…じゃねえか。

 

 

 

俺がこうさせたんじゃないか。

 

 

 

 

 

「だ、だから…ね?こんなにべったりで、邪魔だって思ったら言ってね…?わ、私…できる限り、我慢するから…。隆也から…離れるから…」

「………」

 

俺の馬鹿野郎がっ…。

 

 

 

俺はそのまま絵里を力強く抱きしめた。

 

 

 

「り、隆也?」

「絵里、俺はお前が好きだ」

「へっ!?」

「ずっと護ってあげたいくらい大好きだ」

「あ、ありが…と…」

「だから、お前は今のままでいいんだよ」

「今の…?」

「お前が俺にしてるのは自分の心にある不安を取り除くためだろ?離れて欲しくないから、消えて欲しくないから…だから、こんな愛の表現しかできないんだろ?」

「………」

「俺は嫌だって思ったことはない。逆にお前をもっと愛してやりたいと思った!」

「にゃっ!?」

「いいんだよお前はこれで!絶対俺から離れるな!絶対俺の前から消えるな!俺はもっとお前の事を大事にしてするから!」

「隆也……」

 

 

 

「だから……、不安にさせてごめんな」

「っ……」

 

絵里の綺麗な金髪を撫でる。頭のてっぺんから毛先までゆっくりと優しく。こうしないと、こいつの中の何かが壊れてしまいそうな気がしたから。

 

 

 

「好き…」

「俺もだ」

「好き…。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好きっ!」

「おう」

「いいの?もっと汚いって思うような事しちゃうかもしれないわよ?」

「気にすんな。へでもねえわ」

「愛してる…あなたの事…愛してる愛してる愛してる愛してる!!」

 

グリグリと頭を俺の胸に押し付けてくる。

 

 

「私の事…愛してる?」

「愛してるさ。これからもずっと」

「ふんっ……、私のこと愛しすぎてぺちゃんこになっちゃえ。重い愛に潰されちゃえ」

「潰せるもんなら潰してみろ。軟な体じゃねえんだよ」

「後悔させるくらい…愛してやるんだから」

「そりゃ楽しみだ」

 

ニッと口角を上げて笑ってやると絵里も似たように笑ってくる。その笑顔から思わせられるのは、ドS、小悪魔、ヤンデレ、などなど思わせるような笑顔に見える。

愛が重い?そんなもんどうってことねえよ。それだけ俺の事好きだと言ってくれるなら俺もそれくらい好きだって言ってやる。10回いうなら俺は20回言ってやる。100回いうなら200回言ってやる。

 

 

それくらい、絵里の事を愛してやるんだ…俺は。

 

 

 

 

 

 

「隆也…」

「お?」

 

 

 

 

 

 

「今夜は離さないから!!!」

 

 

 

 

 

 

やっぱり、俺の彼女は依存系だ。

 

 

 




(2回目)大変長らくお待たせいたしました。やっと時間ができたのでリクエスト回を執筆させていただきました。

今回はアイドルアニメおじさん様の依存系です。
一応、できる限りの力を尽くして書かせていただきましたが、これが依存系なのかどうかは自分も判りません。好き過ぎて仕方ないのが依存系だと認識しております。
あってるか心配でしかない…。
もし、違うな、これではないと思ってしまいましたら申し訳ありません。リクエストにお答えできるように努力していきたいと思っております。


さて、次回が最後のリクエスト回となります。
本当に申し訳ないです。就活に入るのでまた執筆する時間を作るのが難しくなると思いますので、また長い間待っていただくことになると思います。
できる限り頑張りますので、お待ちください。



では!今回はここまで!
感想・評価お待ちしております!


では……またな!

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