今回は『武御雷参型さん』の隆也と絵里の喧嘩と、『ミロカロスとその少年さん』の浮気未遂を合わせたお話になります。
お二人のリクエストは似たり寄ったりのリクエストだったので私事ながら合わせて投稿させていただきます。
名付けて『浮気未遂で起こった喧嘩』という題材で行こうと思います。
では、どうぞ。
「何よ!!なんで私には言ってくれないのよ!」
「仕方ないだろ!俺にだって言いたくないことだってあるんだよ!!」
現在の季節は10月の後半。現大学生である横山隆也が住んでいるアパートにてそれは起こった。
事の発端は、先日の出来事。絵里が食材の買い物に出ていた時だった。
少し大きめのデパートにて買い物を済ませた絵里が帰ろうとしたとき、遠くに愛しの彼氏、隆也の姿が見えた。声をかけようとした瞬間にその言葉が口から出ることは無かった。
それはなぜか?
隆也の隣に綺麗な女性の姿が見えたからだ。背は私より少し大きいくらいの茶髪の人物だった。顔は見れなかったがかなり美人の女性だということが分かった。
そんな女性と仲良くしている人物といる隆也が浮かべている笑顔がとてもまぶしく映った。
『浮気』
という言葉がすぐさま私の頭に浮かんできた。
いやでも彼がそんなことする訳がない。
彼は私を愛してくれると約束してくれた。そんなことは無い。あるわけがないという否定の気持ちが湧き出てくる。
けど、目の前で実際に見える現実から目を背けることはできなかった。
だから聞いた。あれは何か。彼女は一体何者なのか。
そして冒頭に戻る。
けど彼は頑として真実を話してくれない。私が好きならばすぐに言ってくれるはずなのに。どうして?なんで答えてくれないの?
「教えてよ!私が何か悪いことでもしたの?私が気に障ることを言ったの!?何かあるならハッキリ言ってよ!」
「人には少なくとも言いたくないことがあるんだよ!そこまで聞く内容でもないんだから放っておけばいいじゃねえか!」
「そういう言い方がやましく聞こえるんじゃない!」
「お前がそう聞こえるんじゃねえか!!知らなくていいつってんだろ!!」
「っ!!」
何よ…なんでそんな事言うのよ。もう私はいらないの?あなたの横にはいれないの?もう私は必要じゃないの……?」
「……ない…」
「は?」
パァンッ!
「もう知らないわよ!」
「あ、おい絵里!?」
私は頭に血が上っていたのか、冷静じゃなかったのかわからなった。その場の勢いで隆也をはたいて家を飛び出してしまった。
後ろから隆也の私を呼ぶ声が聞こえるが振り向かなかった。
今はこの空間から逃げたいという気持ちが強かったのだ。
(なんでよ…隆也)
***
そして数日が立ち。俺の前には親友の中上翔輝が立っていた。
「……で?」
「おう」
「絵里のプレゼントを頑張って作っていて?」
「おう」
「頑張って教室にも秘密裏に通っていて?」
「おう」
「その教室の人とプレゼントに必要なものを買いに行ってるところを絵里に見つかって?」
「おう」
「聞かれたけどどうにかしてばれないようにしようとしてるウチに喧嘩勃発して?」
「おう」
「頭に血が上って絵里に酷いことを言ってしまいはたかれて逃げられたと?」
「おう」
「連絡しても返信無し。学校でもあっても無視されて?」
「おう…」
「正直今心が折れそうだと?」
「………」
「馬鹿野郎」
「ぐぅ…」
「なんでそこで臨機応変対応できない?後々分かってしまうのになぜ言わなかった?そんな事言ったら泣くのはどう見てもわかるだろ」
「いやその…なんというか…」
「お前昔から頭に血が上ると周り見えなくなるのは知ってるけどまさかそんな時に発足してしまうとはな」
「どうしよう…」
「どうするもこうするもなー、謝るしかないだろ。ぜーんぶ説明してな」
「だよなぁ…」
「まあ手伝いはしてやるよ。海未にもな」
「悪い本当に…」
「俺には飯おごり、海未には服一着」
「お、おう…」
「本当に馬鹿野郎。馬鹿野郎。馬鹿。バーカ」
「バカバカ言いすぎだろ」
「バカだろ?おぉん?馬鹿?あぁん?」
「い、言い返せねぇ……」
「絵里に悪いことしちまったなぁ…。もし別れようって言われたら…」
「そういう事言うんじゃねえ。なるようになるんだからよ」
「そうだな……」
「ちなみに俺の説教まだ続くからな」
「まじかよ…」
そのあと、翔輝からの説教が2時間ほど続いた。
・
・
・
「それで…?」
「うぅ…」
「隆也さんが浮気してるかもと思い?」
「はい」
「家に上がって問い詰めたら答えなくて」
「はい」
「冷静じゃなくなり言い合いという名の喧嘩になり?」
「はい」
「そして挙句の果てにははたいてしまい?」
「はい…」
「今更になって罪悪感が込みあげてしまい?」
「はい」
「学校でも無視してしまい、どうにかして謝る機会を作ろうかしているがすべて空回り?」
「はい」
「どうしたらいいかわからないという現状ですか?」
「その通りです…」
「確かに隆也さんも隆也さんです。自分の彼女が知りたいと思っているのに言わないのは確かに酷いです。そうしたら彼女が不安になるというのに」
「そ、そうよ!大体隆也が!」
「絵里も絵里です」
「うっ…」
「確かに落ち着きがなくて聞いてしまったのかもしれません。けどどんな理由でも手を出してはいけません。もしかしたら隆也さんが本当に言いたくない事なのかもしれなかったのですから」
「ごもっともです…」
「二人とも冷静になれなかったのですか?もっと落ち着いてください」
「うっ……ぐすっ…」
「…涙拭いてください」
「ありがと……。私、これで嫌われたらどうしよう…。もう隆也にいらないって言われたら…」
「そんな事言ってはいけません。そうしたら悪いほう悪いほうに考えが行ってしまいます」
「だ、だって…私…隆也に…どうしたらっ…えぐっ…うぅっ…」
すると、海未が私のことを優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫ですよ。隆也さんも絵里も落ち着いて話せばきっと大丈夫ですよ。私が保証します」
「うぅ…海未ぃ…」
「ほら、元気出してください。私も手伝いますから」
「ごめんねぇ…ひぐっ…」
「ほら、鼻水かんでください」
「ぐすっ……うんっ…」
「やれやれ、このカップルには困ってばかりですね」
その後、二人でおいしいごはんを食べました。
***
「で?ブツはできたのか?」
「ブツっていうなブツって」
「できてるんだろ?」
「まあ…気合入れてやったからできてるけど…怖いなぁ」
「ビビるんじゃねえよ。誠心誠意謝れ」
「おう…」
謝る場所は翔輝が設けてくれたのは俺の家の近くにある公園。時間も夜になっているから遊ぶ者もいなければ溜まっている者もいないから都合がよい。
公園の出入り口に立つと海未と絵里がベンチに座っており、俺と翔輝が公園に入ったことを感じ取りこちらに視線を移す。
絵里は俺と目を合わせるとすぐに視線をそらし、海未は俺に軽くお辞儀をし出入り口に歩いて翔輝と合流した。
すれ違い様に「任せましたよ」と言い残してくれた。そのまま翔輝と一緒に公園を後にした。
「………」
「………」
「…よう」
「ん…」
「隣いいか?」
「好きにすればいいじゃない…」
「そうさせてもらおうか」
持っていた紙袋を袖に置き絵里の横に腰を下ろす。
「……流石に10月だから寒いな」
「…そうね」
「大丈夫か?」
「別に……」
だめだ。完全に他人行儀になってしまっている。しかも絵里一回も俺に視線を合わせてくれない。更にはというと少しずつ距離離してくるしで。
だめだなこれでは。正面から堂々と真っ直ぐに。
「絵里」
「な、なによ」
「悪かった」
「へ?」
「俺が悪かった。どんな理由があっても彼女を不安にさせたことは事実だ。絵里も俺が浮気してるかもしれないと考えて俺に聞いてきたはずだ。俺もあの時にしっかり言っていれば…こんな事にはならなかったんだ。ちゃんとアレには理由があるんだ」
「理由?」
「それは、絵里にこれを渡すためだ」
絵里に袖に置いておいた紙袋を手渡す。
「これは?」
「中身みてみろ」
中身を取り出すと、水色をしたマフラーであった。
「わぁ…」
「そろそろ冬だろ?絵里にプレゼントしたくて自分で作ったんだ」
「え?でもそれとあの女の人は…」
「順に説明するよ。俺編み物なんて全く分からないからさ。自分でするのは難しいから編み物教室っていうのに通っていたんだ。そこの先生が女性の方で教え方うまくてどんどんできるようになってきたんだよ。んでもうそろそろマフラーが完成するっていうときに毛糸が無くなったから先生と一緒にデパートに買いに行ってたんだよ。多分絵里はその時を見ちゃったんだろうな」
「じゃ、じゃあ私に話さなかったのは?」
「できる限り内緒にしたかったんだよ。サプライズとして渡したかったからさ。まぁ…頭に血が上って喧嘩になっちまったけど…」
「そ、そういう…ことだったのね…」
瞬間、絵里の目から涙が零れる。
「え、絵里…?」
「な、なによ…それならそうと言ってくれれば…ぐすっ…心配しなくて…すんだのに…」
絵里が俺の方に抱き着いてきた。しかも首に腕を回してぐりぐりと頭を押し付けてくる。
「悪かった…絵里」
「ばかぁ…隆也のばかぁ…私…嫌われたと思って…泣いてたのにぃ…」
「本当にごめんな…」
「なのに…本当に…馬鹿ぁ…」
「あぁ」
絵里の頭を優しくなでると、絵里が俺の頬に手を添えてきた。
「ごめんなさい…はたいてしまって…」
「気にするな」
「だって…おもいっきりやったし…」
「痛かったけど、大した事じゃない」
「本当にごめんなさい」
そのはたかれた頬に絵里は触れるぐらいのキスを落とす。
「んっ…んっ…」
「お、おい絵里」
「馬鹿…馬鹿…好きぃ…大好き」
横から抱き着いてくる形になっていたが気づいたら絵里は俺の膝の上に跨って馬乗りの状態になる。
絵里と俺との顔の距離が近い。
「お願い…私を大事にしてるのはわかるわ。けど…もうこんな気持ちになるのは嫌。私のことをもっと見て?私のこともっと抱きしめて。私のこと愛して」
「わかってるよ。愛してるよ絵里」
「大好き…隆也」
絵里は渡したマフラーを俺と自分の首に巻き付けそのまま唇を押し当ててきた。舌は絡ませない、至って普通のフレンチキス。けど俺たちにとっちゃ幸せな感触。
「んっ…隆也」
「なんだ?」
「マフラーありがとう。大事にするわ」
俺の目に映った少女は、マフラーを大事に握りしめ、俺に向かって満面の笑みを浮かべていた。
「あぁ。ありがとな」
***
「お、おい絵里さん?」
「なぁに?」
「いつまで俺に引っ付いてるんだよ…動きづらいぞ…」
そして仲直りした後、俺と絵里は俺の家に来たのだが…。さっきから絵里が俺に抱き着いて離れてくれない。
風呂も済んだから寝る準備はできてるんだがな。
ちなみに言うと、今は布団の上で絵里が俺に跨っている状態なんだがな…。
「ねえ隆也」
「ん?」
「私…少しの間だけど寂しかった…。隆也に触れたいって考えてた…」
「お…おう」
「だから今だったら貴方に一杯甘えてもいいわよね?」
「お…おい」
すると絵里は俺を布団に押し倒し、体をどんどん密着させてくる。特に胸を。
絵里のたわわに実った果実が俺の胸の上で形を変えて密着してくる。
「当たってるぞ…」
「当ててるのよ。好きでしょ?こういうの…」
「んぐっ…」
「んんっ…」
すると絵里は俺の唇に唇を押し付けてきた。自分の舌を俺の口内に侵入させ蹂躙してくる。俺の舌を舐め上げ、吸い上げ、唾液を交換しようとしてくる。
「ふふっ…隆也のその顔大好き…」
「お前はサキュバスか何かかよ…」
「そうね。私はあなたのサキュバスかもね…。だってあなたの色々な事をしっている。こんな風に…」
「ひょわぁ!?」
すると絵里は俺の頬に手を添えたまま俺の右耳に舌を這わせてきた。
「隆也の弱いところも…全部しってる」
「絵里…?」
「私が貴方のことが好きってことを…今から存分に教えてあげる」
おまけ
翌朝、俺の体、特に胸や首に大量のキスマークができていた。
はい。急ピッチで作り上げました。
今回リクエストしてくださった『武御雷参型さん』と『ミロカロスとその少年さん』ありがとうございました。
いかがだったでしょうか?イチャイチャはほんの少しで喧嘩全般となりました。
皆さん浮気はよくありません。ダメ絶対。
次回もリクエスト回をやっていきたいと思います。多分…。もしかしたら自分の書きたいストーリーが出てくるかもしれません。ご了承ください。
誰か隆也と絵里の絵を書いてくれないかな~(チラッ)自分の絵だと碌なもの出来ないから誰かに書いてもらいたいな~(チラッ)
お願いします誰か書いてください←土下座
自分のオリキャラと推しキャラが一緒にいる姿を見てみたいんです。もし書いていただける方よろしくお願いします。←願望
では、今回はここまで!
感想・評価お待ちしております。
では……またな!