絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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寂しくなった彼女に甘えられたい人生だった・・・。


あ、今回の話の設定です。

隆也(22):会社員
絵里(22):専業主婦

まだ結婚をしてはいません。

ではどうぞ。


寂しがり屋

隆也と結婚を前提とした同棲を始めて早3ヶ月。毎日が幸せに感じる。一緒のベットで寝て、一緒に起きて、一緒に朝ごはんを食べて、仕事に行く隆也を見送って、帰ってきた隆也に「お帰りなさい」と言って、一緒に晩御飯を食べて、また一緒に寝る。

こんな当たり前と証された毎日が私は・・・とても好き。

 

大学時代に私は隆也に出会って、そして恋をした。大学に入る前は【私に恋なんて訪れない】と思っていたが、まさか1年生の時に好きになる男性と出会うとは。

世の中何が起こるかはわからないものね。

 

でも、私は今、とても寂しい。

 

付き合ってもう4年は過ぎているのにも関わらずこんなに寂しくなるのは過去で5本の指に入るのじゃないかと言うくらい寂しい。

 

別に隆也が私に冷たくしてくるとかはまったく無い。いつも私に優しくしてくれている。笑顔の私の頭を撫でてくれたり、作った料理を毎回おいしいと言ってくれる。かなり満足している。

 

ではどうして寂しいのか?

最近隆也の残業が長引く日が続いてしまって帰りが遅い。ある日は日にちを跨いで帰ってくるときもあり、またある日は会社に寝泊りしている日もある。

仕事をしてない私からしたら何も言えないが、もっと早く帰ってきて欲しい。

日にちを跨がない時に帰って来ても疲れがピークに達してるので着替えてすぐ寝てしまう。

 

単刀直入に伝えましょう。

隆也に甘える時間があまりにも無い。

 

私だって、いくら賢い可愛いエリーチカと呼ばれていても、どれだけクールな生徒会長だと呼ばれていても、私だって甘えたいと思う時ぐらいある。同じ人間。食欲、睡眠欲もあれば性欲もある。

私だって女の子なのだから隆也に抱きついたり、頭をもっと撫でてもらったり、もっとキスだってして欲しい。

欲求不満なの?と言われたらぐうの音も出ないかもしれない。

 

 

 

そう。

 

 

 

 

隆也成分が不足しているのだ。

 

 

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

 

時間と場所が変わってここは私と隆也の同棲所。

 

家賃もそこそこの1LDKのマンション。

時間は午後の10時半。

 

いつも通りに隆也と食べる晩御飯を用意していたのだが、この時間になっても隆也は帰ってこない。恐らく今日も残業。

 

 

「・・・・・・まだかな」

 

私の口から出た言葉は静かな居間の空間に消えていった。

この言葉を何回発したか10回のところから覚えていない。同棲を始めてこういうのも何度も体験してるから慣れてはいるが、私はこの時間が好きじゃない。1人でいるという孤独感が強く感じる。

 

 

「早く帰ってきてよ・・・」

 

 

そんな事をまた呟いてると願いが届いたのか家の玄関が開かれた。

 

 

 

 

「ふぅ・・・ただいま」

「あ!お帰りなさい隆也!」

 

スーツ姿で帰ってきた最愛の彼氏の横山隆也がフラフラしながら家に入ってきた。

 

「久しぶりじゃないこんな時間に帰ってくるの」

「今日はなんとか早く終わらせる事ができたんだ。先に寝てくれて良かったのに・・・」

「そ、そんな事できるわけ無いじゃない!い、いつか貴方の・・・つ、つつつ・・・妻になるんだから!!」

「ふっ、そうだな奥さん」

 

これはいつもしてくれる事。帰ってきた隆也に頭を撫でてもらう。隆也の私より大きくてゴツゴツした手が私は好き。虜になってしまっている・・。

 

「えへへっ・・・。あ、お風呂にする?ご飯にする?」

「んー、作ってもらってるからご飯からかな?」

「分かったわ。鞄とスーツなおしてくるから先に座ってて!」

 

隆也の脱いだスーツと渡された鞄を持って寝室に持っていく。なんだかこれって・・・本当の奥さんみたい・・・。

 

 

「はっ!ま、まだ気が早いわよ絵里!もっと色々勉強しなきゃいけないのよ!」

「何独り言いってんだ絵里?」

「きゃあああああ!!」

「ぬぎゃあ!?」

 

寝室に顔を覗き込ませた隆也の目に渾身の目潰し。

 

 

 

こういう処は変わっておりません・・・。

 

 

 

 

 

 

 

「いてて・・・日に日に目潰しの威力が強くなってる気が・・・」

「ご、ごめんなさい・・・」

「慣れたからいいけど・・・目潰しに慣れたらダメか」

 

椅子に深く腰を下ろした隆也の前にゆっくり煮込んで作った豚汁とご飯と鯖の塩焼き、あと少々の野菜の詰め合わせを出す。

 

 

「「いただきます」」

 

 

ちょっと遅い晩御飯だけどこういうのも良いわよね。

 

 

 

「んっ・・・美味い」

「ふふっ、ありがとう」

「絵里のご飯は本当に美味いな。幸せだ」

「褒めすぎよ。今の女ならこういうの簡単に作るわよ」

「俺も頑張らないとな」

「隆也が頑張ったら私のご飯が弱く見えるから絶対ダメ」

「よ、弱く・・・?」

「分かった!?」

「はい!!」

「おかわり居る人!」

「はい!!」

 

隆也のお茶碗を持って炊飯器の前に。大学時代から変わらず沢山白米をおかわりしてくれている。まるで花陽ね。

 

 

「はぁ・・・」

「どうしたの?今日も疲れた?」

「いやぁ・・・幸せだなって」

 

 

ご飯を入れてる手が止まった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?」

「絵里のお迎えがあって、絵里のご飯を食べれるっていうこの当たり前の生活がとても幸せだっていうことだ」

「っ・・・・・・!」

 

 

もうなんでこの男はこう恥ずかしい事をサラリと言うのかしら。あれかしら天然なのかしら?大学時代から一切変わってないのよねこういう処!いや、嫌と言うわけじゃないのだけれど心にはちょっと厳しいというか、ドキドキが止まらないというか。

 

 

「おーい絵里。白米どれだけ乗せる気だ?」

「へっ!?」

 

手元を見ると山のように積みあがった白米が。

 

 

 

 

 

「俺にこれを喰えと?大食い選手か俺は」

「・・・・・・・・・私も一緒に食べます・・・」

 

 

 

2人で美味しくいただきました・・・。

 

 

 

 

 

 

 

+++

 

 

 

 

 

お互いお風呂にも入って今の時間は新しい日付の午前1時。こんな時間に寝るのは肌に悪いが仕方ない。隆也の事を待つのも未来の嫁の勤めなんだもの!

 

 

「ね、ねぇ隆也。明日も・・・早いの?」

「ああ。明日も早出なんだ」

「そう・・・大変ね」

 

パジャマに着替えてベットに座り込みながら交わす少しの会話。私達は2人で1つのベットを使っている。2人でも使えるために幅がデカイベット。あの・・・いい難いけど・・・あんな感じのホテル並のベットの大きさ。

 

 

「じゃ、おやすみ」

「おやすみなさい・・・」

 

 

やっぱり今日も隆也に甘える事は出来なかった。向こうの方に隆也が顔を向けて眠ってしまったので、首を

傾けると隆也の大きな背中が見える。女性はなぜ男の人の背中が好きになるんだろうか。男の人の包容力から来るものなのかは分からないが、私は隆也の背中が大好き。

けど甘えたい時に甘えられなくて、このすぐ近くに隆也がいるのになんだか遠くにいる感じがする。手を伸ばせばすぐに触れれるのに、感覚では遠く感じる。

 

 

「っ・・・」

 

そんな事を考えてると涙が出てしまった。

寂しくなんかないのに。ただ甘えれないだけなのに、それだけなのに・・・。

 

 

(ダメ・・・隆也が起きちゃう・・・)

 

私も大学時代からなんにも変わっていない。こういう弱いところも変わっていない。音ノ木坂の時はみんなに頼られる立場だったから強い存在で居るために強くいることができたが、大学に隆也と出会ってから弱い絢瀬絵里になってしまった。

 

 

(だめ・・・なのに、涙がでちゃう・・・)

 

 

隆也にばれないように手で涙を拭っていると。

 

 

 

 

「ふぇ・・・・・・?」

「どうした?絵里」

 

 

隆也が私の頭を撫でてくれていた。

 

 

 

「あ、ご・・・ごめんなさい。起こしちゃって・・・」

「いいんだよそれぐらい。それで・・・なんで泣いてたんだ?」

「な、なんでもないわよっ。なんでも・・・」

「・・・・・・」

 

私の馬鹿。隆也がここまで心配してくれているのに私はどうしてこの人の前だとこういう態度を取ってしまうのだ。

 

 

 

「絵里」

「なに・・・きゃっ」

 

 

次の瞬間、私は隆也の胸の中で抱きしめられていた。

 

 

 

「その、ごめんな絵里。仕事が忙しいから絵里に割ける時間を作れなくて」

「そ、そんなこと・・・」

「俺は・・・将来は絵里の旦那になるからさ。奥さんが泣いてたら俺も悲しくなっちゃうからさ。できれば、話してくれないか?お前の力になりたいんだよ俺は」

「隆也・・・」

「それとも、俺はそんなに頼りないか?」

「そっ!そんな事ない!隆也は私に優しくしてくれているのにそんな事思ってないわよ!ずっと前から・・・頼りにしてるわよ」

「うん・・・そっか」

 

また頭を撫でてくれる。こうしてると凄く落ち着く。

 

 

 

 

 

 

「私・・・隆也に甘えたかったの・・・」

「甘えたい?」

「仕事だから仕方ないのよ。けど、私も女の子だから、隆也に甘えたくなる時もあるのよ。けど、最近・・・隆也と一緒にいれる時間がすくないから尚更・・・」

「・・・寂しい想いさせてごめんな」

「いいのよ。仕方ないんだから・・・・・・」

「ならっ・・・よっと」

「え?きゃあ!?」

 

 

隆也の手に引かれて気付いたら隆也の膝の上に対面座位で跨る私。

 

 

 

 

「いまから少しだけ甘えさせようか」

「け、けど隆也明日も仕事・・・」

「いいんだよ。奥さんのケアも旦那の仕事だから」

「でも・・・」

「でももへったくれも無い。良いからおいで」

「じゃ、じゃあ・・・」

 

隆也の首に手を回して抱きつく。近付いている分隆也の匂いが鼻につく。凄く良いにおい・・・。

 

 

 

「すんすん・・・」

「匂うか?」

「ううん・・・好き・・」

「そっか」

「隆也に匂いのマーキング・・・」

「そんな事しなくても俺は絵里一筋だぞ?」

「そうだけど・・・念には念を」

「はいはい・・・お好きなように」

 

 

少しずつ顔を動かして言って隆也の首筋、耳元、そして最後に顔の真正面。

 

 

 

「好き・・・」

「俺もだ」

「大好き」

「そうだな」

「隆也も言って・・・」

「俺も大好きだぞ」

「・・・・・・えへへっ」

「可愛いなこいつ」

「うふふ・・・・・・んっ」

「おっ?」

 

隆也の頬に軽くキス。右頬に数回。左頬に数回。

 

 

そして最後に口にキス。

 

「んっ・・・えへへ」

「嬉しそうだな」

「だって、久しぶりなんだもん」

「だな。キスもいつ振りかってぐらいだな」

「そうよ。愛を確かめるにはキスが1番。だから・・・もっとするの」

「おう。好きなだけやれ」

「はぁーい。ん・・・ちゅっ」

 

 

特に破廉恥な事はしていない。ただキスを交わす。隆也が仕事が休みの日は心も体も可愛がってもらうが今はそんな事はしない。

今はこれで充分・・・。

 

 

首に巻きつけている腕の力を強くすると隆也も強く私を抱きしめてくれる。密着すればするほど幸せを感じる。凄く気分がいい。

 

 

キスをすると隆也の唇を独り占めできる。柔らかい唇を味わってるとたまに隆也の体が震える。それを体で感じるとなんだかいけない気持ちになる。けど今はダメ。この先は隆也の仕事があるときまでお預け。

 

 

 

 

 

 

「ねえ隆也」

「んー・・・?」

 

 

 

 

これからも私はこの人と生きていく。

 

 

今回の話は私と隆也の日常の1部でしかない。

 

 

これから先どうなるかは、想像に任せるわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・愛してる」

「あぁ・・・俺もだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私、絢瀬絵里は、横山隆也が大好きです。

 

 

 

 

 

 

 

これは、寂しがり屋の女の子の日常の1ページのお話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【おまけ】

 

 

 

 

 

 

 

 

「隆也!お帰りなさい!」

「ただいま絵里。久しぶりに帰ってこれたぜ」

 

家に入ってきた隆也のスーツの上着と鞄を預かり、昼前に練習した言葉を発する。

 

 

 

 

 

 

「お風呂とご飯と私でいいですか?」

「えっ?全部?」

 

 

 

 

 

だって、明日はお仕事お休みだからね。

 

 

 

 

首を傾げながら問い掛けると隆也の顔が少しだけ真っ赤になる。そしてそこに間抜けな顔も含まれる。

 

 

 

 

 

 

(その顔が、私にとって最高のご褒美です♪)




なんでこのような話が出来てしまったのか?
妄想してたらこういう話ができてしまいました。後悔?するわけがない!!
アホな発言はこれぐらいにしますか。

え?この話を書く前に希の話を書け?

・・・・・・・・・(顔逸らし)

あーごめんなさい!許してくぁwせdrftgyふじこlp・・・。(ゆるキャン△いいですよね・・・。大塚さんのナレーションも特に)



実は自分の乗っているバイクが故障してしまいそちらの方に時間を回させております。
まーた面倒なところが壊れてしまいまして・・・分解に時間がかかる。その逆も然り。

また投稿しますのでよろしくお願いします!


では今回はここまで!
感想・評価お待ちしております!


では・・・・・・またな!!

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