嫌な気分だ。
翔輝や芝多といる絵里を見てると男らしくないかもしれないがヤキモチをやいていた。他の男と居るのはできるかぎり避けてほしいと思っている。勿論、多少は我慢する。
だけど、今の状況なら話は別だ。
「青山、まず絵里を離してもらっていいか?」
「離さないって言ったらどうするの?」
「できれば俺を怒らせないで欲しいんだが」
無意識にドスの効いた声が出てしまった。回りの男たちは多少ビビっていたが青山は全然堪えていない。むしろニヤリと笑い俺をあざ笑ってくる。
「悪いけど絵里を離すことはできない。絵里は俺のモノだから」
「いやっ…離して!」
「隆也くん!エリチを!」
青山はさっきより絵里を強く抱きしめる。そんな事をされた絵里は涙目になりながらその腕を解こうと必死に踠がそれも敵わず。希も絵里の方へ向かうが男に捕まる。
「っ!」
さすがに我慢が出来なくなり早足で近付く。だけどそれを阻止しようと1人の男が俺の前に立ちふさがる。
「おい、それ以上青山さんに近付くんじゃねえよ」
俺の頭1つ分体が大きい男が俺の胸倉を掴んできた。左手で俺の胸倉を掴み右手で俺の顔面に目掛けて殴りかかろうとしてくる。
「ふっ!」
俺はすぐさま左腕の袖を右手で掴み、男の襟を左手で掴む。そして右手で男の左腕を外側から内側に押し込み左手で掴んでいる襟を使い逆に外側に崩す。そうすると男は俺から見て右側に体の上半身が傾く。
その一瞬の不安定になったバランスを利用し、右足で男の前に出ている左足を払った。
柔道技【出足払い】
「ぐわっ!?」
柔道の素人には受身が出来ないのは当たり前である。そのまま男は鈍い音を立てながら地面に倒れた。
「ヒュー。さすがだね隆也くん」
「やめろ。気分が悪くなる」
「やれやれ…相当嫌われてるようだね俺は」
「最初から分かりきってたことだろうが」
(とっさだったから仕方ないがやらかした。右足を使ったおかげで凄くイテェ…)
技を使ったから俺の右足がズキズキと痛む。出来る限り青山に気付かれないように痛む足を庇いながらゆっくりと近付く。
「横山隆也。柔道で2段。関西の兵庫県出身。大会で幾度となく勝っており実力は本物。素早い動きによる技のキレに注目が寄せられている」
「……よく知ってるやんけ。もう随分前から柔道の大会には出てないけどな」
「出てないじゃなくて【出れない】の間違いじゃないの?」
「……なんの事か俺にはわからんなあ」
「まあいいよ。どうでも良い話しだし」
腕の中にいた絵里を別の男に渡し少し前に出た。
「なんでここが分かった?」
「お前がご丁寧に絵里に渡した漢字をみたんだよ。その全ての漢字の関連する事がここだと分かったんだよ。おそらく絵里もだ」
「じゃあ問題です。なんで絵里のほかに東條希がいるのでしょうか?」
「最初は穂乃果たちを目的として音ノ木坂に近付いんやと考えたけど全然ちゃうかった。それは希がどこかにいるのかを知るため。そして神田明神に1番出入りしているのも希。あの子らの中で絵里に1番近い存在は誰でもない希や。これらの答えを出してお前の目的が希だという事が分かった。」
「へぇ?頭は悪くはないんだな?」
「大学の試験では頭悪いがこういった事は得意なんよな俺は」
「褒めてやるよヒーローさん」
「反吐がでるわ」
くだらない話に俺は軽く溜息を吐いた。
「めんどくさいわ。さっさと絵里離さんかい」
「それはできない。今から僕の家に連れて行くから。ずっと絵里と一緒にいるんだ俺たちは。ロシアの時のように」
「そんなもん絵里は望んどらんわ。あんな泣き顔見てもわからんのか己は」
「好きなものを手に入れるためにどんな手も使う。それが絵里にとって不快な事でもな」
「お前、頭イカれとんのか?病気ちゃうんか?」
「なんとでも言えばいい。ちなみに東條希も連れて行く。2人まとめてな」
「あ?」
「この2人は俺のモノだ……俺の『オモチャ』だ」
その言葉を聞いた瞬間、プッツンと何かが切れた。
俺は青山の腕を掴みこちら側に引き寄せ手を青山の腰に巻かれてあるベルトに手を伸ばした。
伸ばしたはずだった。
だけど次の瞬間、俺の視界は一回転し気付いたら仰向けに地べたに寝転がっていた。
「………は?」
「隆也!」
「隆也くん!」
訳が分からなくなった。確かに俺は青山の腕を掴んだ。そのまま技に持ち込もうとしたはずだった。なのになんでだ?なんで俺が仰向けになっていたんだ?
「なにが……?」
「君は柔道が得意。そして?俺は何が得意でしょうか?」
「・・・合気道か」
今の一瞬の時間で俺は自分の動きを返され投げ飛ばされていた。
そして立ち上がろうとした瞬間、
「そして……」
「あ……………?」
頬に衝撃が走った。
「ごはっ!」
「喧嘩が得意なんだなこれが」
殴り飛ばされた俺は地面をゴロゴロと転がる羽目になる。殴られた直後に口の中が切れて口の端から血を流していた。
「いやあ!隆也ぁ!」
「おら動くんじゃねえ!」
「離して!隆也くんが!」
「じっとしてろ!」
「あーららお嬢さん方が暴れてますねぇ。どうする隆也くん?続ける?それともやめる?」
「…………ぺっ」
口の中の血を吐き出す。後でちゃんと拭いとかなとな…。
「舐めんなボケが!」
「こいよ」
せめて一発。一発だけ当たればいい。そうしたら奴のバランスが崩れて俺の技を使えることができる。
だが、そう簡単にはいかなかった。動きが読まれているのか俺の殴りや蹴りは当たるどころか触れる事すら出来なかった。更には俺の攻撃を軽くあしらわれ地面に何度もひれ伏してしまう。合気道は相手の呼吸を合わせて相手の動きを逆に利用する武術。今の俺は完全に奴のペースに乗ってしまっている。このまま続けば俺は格好の餌食だ。
「ぶっ!」
「ほら、さっさと地べたで寝てろ!」
「がっ!?」
それからと言うもの、俺はあいつのサンドバックになっていた。顔面を殴られ腹を殴られ、気がついたらまた合気道で投げ飛ばされる。殴り飛ばされたら顔面を踏みつけられ蹴り飛ばされる。完全なリンチだ
「もうやめて!!匠!!」
絵里の叫びが神社に響く。だがその言葉は青山には届かない。
「おらっ!」
「がふっ!?」
「ふんっ!」
「ごほっ……!」
「だあ!」
「げはっ!!」
何発殴られたのか分からない。10を数えた辺りから意識が朦朧としてきた。痛みが蓄積されたからかはたまた殴られている時に頭をやられたか。
「ごふっ…絵里……大丈夫…だ」
「隆也!もういいの!私のためにここまでしないで!このままじゃ貴方が壊れちゃう!」
頬は腫れ上がり、処どころから血が流れている。足はガクガクと震え力が入らない。その上膝が笑っている。目も虚ろになってきた。
「じゃあどうする絵里。ここで誓ってもらおうか。こいつとは別れて、俺についてくるという誓いを!」
「っ!?」
「やめろ絵里!」
「エリチ!」
「そうしないと、隆也くんがこれ以上にボコボコにされてどこかの骨が折れることになるけど…?」
「そ…それは……」
「決めるのは君だ」
「絵里……冷静になれ…」
「エリチ!そんなことしたらあかんよ!」
「絵~里?」
「絵里!」
「エリチ!」
絵里は目元に浮んでいる涙を袖で拭い、両手を握り締める。
「匠」
「ん?」
「分かった」
『!?』
「隆也と別れる。ずっと貴方についていく…。だからもう隆也には手を出さないで」
「ほう…」
「お前……何言って……」
「聞いたかい隆也くん!絵里が自分の口から言ったよ。俺についてくるって!」
「もう…やめて…お願い…」
「絵里………」
「そうだね。これ以上していたら後味の悪いものが俺の中に残る。これくらいにしておこう」
青山が俺から少し距離を取る。
「絵里…お前…」
「ごめんなさい……けど、こうするしかないのよ。貴方がこれ以上傷つくのを見てられない…」
「なんで…俺が勝つって信じてくれないんだ…」
「無理よ。素人の私でも分かる。このままだと隆也は勝てない……匠より弱い貴方は・・・」
「弱い……だと」
「その通りだよ。俺には勝てない。君は完全な敗北者だ」
「くっ………」
「それじゃあ、さようなら隆也」
「ダメだ…行くな…」
「もうだめだよ隆也くん」
「がっ!」
髪の毛を鷲づかみされ青山と同じ目線にまで持ち上げられる。その青山の顔は今までに見たことが無いくらい生気に満ちており、ゲスにお似合いの笑みを浮かべていた。
「じゃあな。横山隆也」
青山の渾身の右ストレートが顔面に直撃し、俺はそのまま意識を失った。
***
どれくらい俺は気を失っていたのだろうか。神田明神にいたはずなのに、俺は自分の家にいた。布団の上で寝ていたのか天井に受かって仰向けで眠っていた。あれからの記憶が全くない。あるのは殴られた痛みと絵里との決別の言葉によって心がズキズキとした痛みだった。どこかで俺は自惚れていたのだろう。自分が絵里を守る。大層な口を叩いていたのに結果がこのザマだ。調子にのって絵里を助けるだの守るだの、手の届く人を助けたいとかを口にしていたが現実は甘くなかった。青山は強かった。あの性格などを別にしたら尊敬できるほどに。敬意を払えるほどに。
俺は弱い。どんな事をしても簡単に投げられ、殴られ蹴られだ。絵里を守る……?はっ…くだらねえ。
「俺は…なにも守れてねえじゃねえか…絵里も…希も…」
「よっ、起きたか」
「翔輝……?」
「私もいます」
「海未も……?」
俺が寝ているベットの横に地べたに胡坐をかいて座っている翔輝とその隣に綺麗に正座している翔輝の彼女の海未がいた。
「穂乃果たちに言われてな。神田明神に隆也を見いってくれって。嫌な予感したから急いで着いて見れば案の定でお前がボコボコにされてぶっ倒れてたんだよ」
「私も翔輝がボロボロになった隆也さんを見たときは焦りました。幸いどこかが折れてるってことはありませんでした」
「…………そうか」
「青山匠にやられたんだろ」
「…そうだよ。完膚なきまでにな」
「何があったか説明しろ。包み隠さず全部だ…」
「おう…」
俺は翔輝と海未に全てを話した。音ノ木坂で穂乃果とことりと話したことを。漢字での暗号、そしてその答えが希と神田明神だという事。絵里と希を助けるために右足に負担を掛けながら青山とやりあった事を。そして絵里は俺を庇うために青山に付いて行ったこと。その全てを。2人は俺の話をちゃんと聞いてくれた。俺の話に言葉を挟むことなく、全ての言葉に頷きを返してくれた。
「……これが全部だ」
「なるほど」
「最低ですねその青山っていう人は」
「全部……俺が弱いせいだ」
「「……………」」
握り拳から血が出そうだ。それほど俺の中では悔しいという感情がぐるぐると嵐のように吹き荒れていた。どれだけ綺麗事を並べたら結果がこれだ。俺にはなんの強さも無い。絵里を守るなんて…口にできない。
「………これが倒れていたお前の体の上においてあった」
「…手紙?」
翔輝が一枚の紙を俺に渡した。
「俺はもう読んだ。お前も読んでおけ」
「おう・・・」
二つ折りにされてある紙を開いた。
そこにはこう書かれていた。
『横山隆也くん。傷の方はどうかな?まあ軽くしたつもりだから君なら大丈夫かな?さて、ここから本題だ。君にチャンスを上げたい。あの後絵里の悲しそうな顔を見ていたら俺が完全な悪者みたいな気分になってね。ま、これは俺の愛故にの行動なんだけどね。こんどは真っ直ぐと正面きってやりあおうじゃないか。なに、武器なんかない。素手だ。合気道も柔道をあり。『ケリ』をつけようってことさ。強い方が立ってる。全開のは別で今回のでどちらが強いか『白黒』つけよう。君の『右足』の事情もあるからね。あ、君の父親は警察だったね。警察にいうなよ?そうしたら絵里がどうなるか……。予想は大体つくよな?ということだ。来るか来ないかはお前次第だ。負け犬のクズのまま来ないか、それとも俺という強者に立ち向かうか。楽しみだ。日時は……そうだね。明日の夜中の0時。○○っていうデカイ公園の人気の居ない場所で絵里と東條希と一緒に待っている。時間に間に合わなかったらそれで終了だ。ふふふ…ワクワクするね。これで正真正銘で絵里を俺のモノにできる。待ってるよ……敗北者』
「文で分かるようにそれは青山からだ」
「だな……」
「お前の右足のことも知ってる。その中のこの決闘じみたことだ。かなりなゲス野郎だな」
「……あぁ」
「…………隆也さん」
手紙を読んでから怒りなんて感情が湧き出てこない。完全に脱力した感じだ。なんでだ…?なんで怒りがこみ上げてこないんだ?俺は……どうなっちまったんだ……。
「勿論行くよな隆也」
「……え?」
「お前あれだけコケにされてだんまりのままか?あの野郎をぶちのめすんだろ?だったら今からでも気合いれろ!絵里を助けるためによ!」
絵里を助ける………?
「そんな事できねえよ…」
ポツリと呟いた。
「あ?」
普段の翔輝から聞いたことのない返事が返ってきたが今はそんな事にすら耳を傾けない。
「見ての通りに俺はあいつにボコボコにされたんだ。勝てる見込みがない……。あいつは合気道も喧嘩も強い。霧生の時は素人が相手だから勝てたけど今は話が別だ。俺は弱い……あんなクズにすら勝てないくらいに弱いんだよ俺は。お前に分かるかよ…あいつには勝てない。絵里や希すら救えない。こんな弱い俺がまたあいつに立ち向かうのか?冗談はよしてくれよ…。俺はさ………」
「お前……」
「口だけのクソガキなんだよ」
直後、翔輝に胸倉をつかまれベットから引きずり出された。
そして……。
「らぁっ!」
「ぐふっ!」
翔樹に顔面をおもいっきりぶん殴られた。
ドガッンッ!
と大きな轟音とともに俺は壁に激突した。
「翔樹!貴方何を!」
「海未……黙ってろ」
「っ……」
さすがの海未も口をつぐんだ。今の翔樹には恐怖すら感じたのだ。
「いってぇ……何すんだよ」
「何すんだよじゃねえよ!んだこの根性無しが!」
「…なんだよ」
「その程度かよ!お前は!あれだけで!たった一回負けただけでお前はこんな弱くなるのか!あんなクズ野郎に負けるほどお前は弱いのかよ!」
「っ……」
「負けたのは悔しいかもしれない!けどそれすら踏み台にするのがお前じゃないのかよ!右足が自分の足じゃないっていうのにお前は一度絵里を助けた!それは俺たちからしたら普通出来ない事だ!お前はそれだけ強い人間なんだよ!大事な奴が危険な目に合ったら自分から助けに行くほどお前は強いんだよ!!」
「強くなんかねえんだよ俺は…現に俺はあいつにメンタルも体もやられてる…現実なんかこんなもんなんだよ」
「まだ言うんか!」
ガンッ!
また殴られる。
2回、3回、4回と。
「絵里が好きでお前の側から離れたと思っとんか!ちゃうやろ!絵里はお前を守るために自分を犠牲にしたんだ!お前の傷つく姿を見るのに耐えられなくなったから!お前と一緒だ!お前も自分が傷つくのなら自分を犠牲にするようにあいつも自分を犠牲にしたんだ!希も対象にされたならなおさらだ!μ'sの仲間であり親友でありダチでもある希を助けるために!お前という大好きな彼氏を助けるためにあいつは自ら青山についていったんだ!それをお前は無駄にすんのか!あいつの覚悟を無駄にすんのか!!」
「っ……」
絵里…俺の最愛の彼女。優しくて、厳しくて、寂しがり屋で、強がりで、そしてとても強くて弱い女の子。そんな女の子が俺や希を助けるために今度は自分が戦いに行った。
「俺は……俺は……」
なのに俺はこんな所で何してんだ?翔樹の言うとおりだ。立った一回あいつに負けただけだ。それだけでなんで俺はこんなに女々しく、弱くなってんだよ。
「お前が絵里に対する気持ちや覚悟はその程度なんか横山隆也!!!」
「っ!!」
『隆也!」
『ちょっと隆也待ってよ!』
『もういい加減にしなさい隆也!』
『隆也…もう少し一緒に居て……?』
『ありがとう…ぐすっ…隆也…私を助けてくれてぇ……』
『隆也!』
絵里……。
そんな時服のポケットから一枚の小さな紙が落ちた。
翔樹の腕から開放された俺はその紙を拾い上げる。
そこには綺麗な字で言葉が書かれてあった。
『貴方を信じれなくてごめんなさい。けど貴方が傷つくのはみたくない。けど…私の心の中でどこか期待している。貴方はあのライダーさんに似ている。何の得も無いのに私を助けてくれたあの人のように。ねえ隆也…貴方はまた私を助けてくれる?こんな私をまた助けてくれますか?私は貴方が大好きです。優しくて強くて逞しい貴方が大好きです。だからまた貴方にまた頼ってしまいます。そんな私を助けてくれますか?
また私と笑ってくれますか?
また私を救ってくれますか……?
いえ、貴方ならこんな事言わなくても絶対に助けに来てくれる。私はそう信じています。
だって……。
だって………貴方は私の…。
だって貴方は私のヒーローだから』
その手紙を読み終えると紙の上に小さな雫がポタポタと零れた。
涙が止まらなかった。
「絵里………」
袖で目元を拭った。
そうだ…俺はあいつを助ける。救ってやる。俺はあいつのヒーローだから。
「翔樹…」
「ん?」
「手伝ってくれるか……?」
「………」
「おそらくあいつが1人で待ってるわけがない。数人は仲間がいるはずだ。俺1人じゃ対処できない。だから…お前の力を貸してくれないか?」
「はぁ……やっと俺様を頼る時が来たか」
「すまない」
「いいよ。俺ら高校からの付き合いだろ?お前のことは俺が1番良く知ってるよ」
「ははっ…お前をダチに持った事を誇りに思うよ」
「そんな褒めるなよ」
『はははっ!』
そうだ。ここで立ち止まるな…歩き続けるんだ。
「頼らせてもらうぜ」
「任せろ」
ピリリリ
LINE:父さん
『もう少しでアレが来るぞ』
・
・
・
『隆也さん!海未ちゃんから話は聞きました!翔樹さんも無理はしないでください!』
『2人が傷ついたら私たちも悲しいです!無理はしないでください!』
『翔樹…隆也さん…絶対に絵里と希を連れて帰ってきてください……』
『凛たち何もできないけどせめて応援だけさせてほしいにゃ!頑張ってにゃ!』
『どんな怪我しても私が診てあげるから…だから……頑張ってね2人とも…』
『絵里ちゃん…希ちゃん…無事でいて…』
『私達のかっこいいお兄さんたちが負けるわけありません!出来る限り怪我だけはしないで!』
『お願いです…隆也さん翔樹さん…お姉ちゃんと希さんを助けてください…』
『悲しみに閉ざされて泣くだけの君じゃない~!熱い胸きっと未来を切り開くはずさ~!』
STARt:DASHか……。
俺のスマホからμ'sの女神達、俺たちの無事を祈る天使たちの声が聞こえる。
そうだ。悲しむな。前を見ろ。諦めるな。父さんからよく言われた言葉だ。どんな時も屈するな。男ならどんな時でも強くあれ。その言葉を胸に俺はまた立ち上がる。
「さて…行くか」
「あぁ、途中で芝多とも合流するぞ」
「は?なんであいつがいるの?」
「有給とったんだってさ」
「ははっ…また良いときにあいつは…」
「ちゃんと俺たちに飯奢れよ?」
「わかってるよ…さてと…」
「関西人を舐めた事を後悔させてやる」
はい。ボコボコからの這い上がりです。まるでガンダムですね。もえあが~れもえあが~れ。なぜこんな事になったのかは自分が1番聞きたいものです。あれか、半分寝ている状態で書いていたらこうなるのか!眠気恐るべし(なんのこっちゃ)
次回、乱闘かもです!!!乞うご期待
そして新しく評価してくださった!
鮭とイクラの親子丼さん!4443カポネ・ベッジさん!ミカロスとその少年さん!磯部さん!
ありがとうございます!
さて、着々と最終話に近付いてきました。この絵里の物語が終われば次は誰にしよう…μ'sのみんなどれも個性的だから選べぬ!一応候補は2人ほど……(ゴニョゴニョ)
それでは今回はここまで!
感想・評価お待ちしております!
では……またな!