結論から言ってあれから特に変わった事は無かった。
青山から絵里に対する接触も無い。こちらからしたら何もない事に越した事はないのだが、俺はどうにも何かが引っかかって仕方が無かった。あんなに絵里に執着していたのにも関わらずふと次の日になったらまるで別人になったかのように大学での日常を過ごしている。長い時間待ちに待った獲物が来たのにもかかわらず殺さず退散するスナイパーみたいだ。
ついでに絵里はあの次の日には色々なものが吐き出されたか顔色がかなり良くなっていた。少し目の下の隈が目立っていたがその日は化粧で隠したが、またその次の日には隈も綺麗に消えていていつもの絢瀬絵里になっていた。
「絵里、もう大丈夫か?」
「えぇ。凄く心配掛けたわよね隆也……ごめんなさい」
「俺は大丈夫だ。そんな弱々しくしないでもっと気合いれろ」
「むっ…彼女にそれはひどいくない?」
「俺は強きな絵里も好きなものでね」
「っ!」
絵里の顔が耳まで真っ赤になる。
「ほら、行こうぜ」
「隆也のバカあああ!!」
何日ぶりかに絵里に襲われた(物理的)俺は全速力で逃げたのを覚えている。
ロシアにケンカ売ると殺されかけるんだな……。何時もの事だけど。
***
青山がこの大学に来て1週間程が過ぎた。後数日すれば青山は自分の大学に帰る。それはそれでいいのだが、あいつがあの接触だけで満足しているとは俺は思っていない。出来る事ならあいつを警察送りにしてやりたいが元カレでそこまで付きまとってないけど近付いてくることだけでは犯罪にはならない。絵里をあそこまで追い詰めた事は俺は許さない。
どうにかして合法的にあいつを一発でもいいからぶん殴ってやりたい。
だけどこの時の俺は完全に考えが甘かったのかもしれない。
『あいつがあんな事をするとは一切考えていなかったのだから』
・
・
・
「青山を見た?」
「はい。音ノ木坂の校門の近くで何かを探しているみたいにキョロキョロしていました」
大学が終わった頃、メールで穂乃果から『伝えたい事があります』との連絡を貰い急いで向かった。アイドル研究部の部室に入ると穂乃果とことりが椅子に座って俺の事を待っていた。
穂乃果の伝えたい事をまとめると、ダンスの練習を終え全員で帰ろうとしていた時校門の近くで青山らしき人物が居たとの事。キョロキョロした後穂乃果達と一瞬目が合うと踵返してその場を離れたとの事。たまたまそこには翔輝の姿もあったからか目が合ったのが不味かったのかどちらかは分からないが姿を消した。それ以降青山を見ることはなかったが一応俺に直接伝えた方がいいと判断したとのこと。
「お前ら何も声を掛けられたりはしなかったか?」
「それは大丈夫なんですけどなんだか不気味で」
「何かを探している感じでした」
「何かを……探す……?」
もしそうだとしたら一体何を探していたんだあいつは。絵里の友達であるこいつらをか。だけど目が合って帰ったんならその可能性は薄い。じゃあ他には?音ノ木坂の場所を知るため?絵里がここを通るかもしれないと見越したからか。だけど残念な事に絵里は家に帰るときにそこは通らない。あいつの予想はハズレだ。
「隆也さん。絵里ちゃんは今大丈夫なんですか?」
「大学では特に何も無い。あいつが近付く事も一切ない」
「よかったぁ~…。霧生って人の時みたいに絵里ちゃんが危ない目に合ってないか心配で心配で……」
「けど隆也さんが居てくれて安心です!」
「ははっ……」
(正直、俺も気が気でならないんだよな。霧生の時とは訳が違う)
「あの…隆也さん」
「ん?」
「やっぱり……私達ではお役に立てないでしょうか?」
「………は?」
「ほ、穂乃果ちゃん…」
穂乃果の問いには流石に度肝を抜かれた。一言も役に立つ立たないの話はしていないのにだ。
「雰囲気で分かります。隆也先輩が1人でどうにかしようとしているのが」
「……その通りだって言ったら何かが変わるのか?」
「いえ、変わりません…。けど私達も少しは何か役に立ちたいんです」
「その言葉はお前自身の独断での言葉か?それともお前達全員の言葉か?」
「私達、全員の言葉です」
「ことり・・・そうなのか?」
「…はい、そうです。穂乃果ちゃんや私、海未ちゃん、凛ちゃん、真姫ちゃん、花陽ちゃん、後、穂乃果ちゃんの妹の雪穂ちゃん、絵里ちゃんの妹の亜里沙ちゃん全員の言葉です」
「君たちの気持ちは分かる。大事な仲間であり先輩である絵里の事を心の底から心配している事が」
「だったら!」
「だが」
穂乃果の言葉を遮る。
「無理な事をすれば足元を掬われる。ただでさえ君たちは高校生な上にか弱い女の子だ。俺や翔輝のように柔道をしているわけでもなく男1人投げ飛ばせる事が出来る怪力を持っているわけでもない。あいつの目的は絵里をどうにかして付き合っていた頃のように絵里を自分の身近に置くことなはずだ。俺は手を出されたら戦う事が出来る。けど君たちはどうだ?もしこの件に関わったとして危ない目に合うのは目に見えてわかるはずだ」
「分かってます…分かっています!けど私達にとっての大事な人が危険な目に合ってるのにあたし達我慢できません!」
「そうです!絵里ちゃんは私達μ'sの一員であり私達のおねえさんでもあり!なにより大好きな人なんです!絵里ちゃんが苦しい目にあってるのを見るのは耐えられません!少しでも良いから絵里ちゃんを助けてあげたいんです!」
2人のこの言葉は強い力が籠もってある。大事だから、大切だから、大好きだから。あれだけ長い時間を過ごした仲でもある絵里が傷ついたり苦しんだりしたらキツいのは俺だけではない。この女神たちも自分の心に深い、とても深い傷を負う。ならどうする?答えはシンプル…『助ける』になる。だが俺はそれを許さない。この女神達をこの件に首を突っ込むとどうなった結末になるかは俺にも予想は出来ない。
そう、予想出来ないから俺は怖いのだ。
もし穂乃果達が危ない目にあったらどうなる?それで誰かが傷ついたらどうなる?またまた女神たちの心が傷つく。以下無限ループになる可能性も低くない。ちょっとしたことがどんな事への鍵になるかも分からない。
そしてなにより……。
「もしこの件に関わって危ない目にあって、全てが解決したとして絵里はどうなる?あいつは自分が傷つくより大事なダチが危ない目にあって欲しくないと願う奴だ。そしたら1番責任を感じるのは誰だ?危ない目にあいながら君たちが絵里を救っても絵里がそれを素直に喜ぶと思うのか?」
「「っ……」」
2人が口ごもる。痛いところを突かれたからか次の反論の言葉が出ない。
「なら・・・」
だが、すぐさま穂乃果が口を開いた。
「隆也さんが傷つくことを絵里ちゃんが許すんですか?」
「…………」
「大事な人が傷つくのを見たくない。なら隆也さんも同じはずです。なにより隆也さんは絵里ちゃんの恋人さんです。一度絵里ちゃんは隆也さんが傷ついたところを間近に見ています。もう二度とあんな目にあって欲しくないって言ってました。なら、せめてその重荷を私達にも分けてください!隆也さんが絵里ちゃんを助けるために貴方が1人で傷ついたり重荷を全て背負う必要なんて無いじゃないですか!!」
穂乃果とことりの瞳に涙が浮んでいる。決死での言葉だったんだろう。それに穂乃果の言葉は正論だ。大事な人を巻きこみたくないならその中には勿論俺も入っている。それを絵里が許すか。否、許すわけない。だったらどうする?いっその事全員でその重荷を背負おうじゃないか。穂乃果は優しいから手助けしたいのだ。他人が傷つくのが嫌いなのだ。ことりもそうだ。μ'sの一員で、音ノ木坂の先輩で、大事で大好きな人だから。助けたい、救いたいのだ。この2人に関わらずμ's全員も同じ気持ちだ。
「「隆也さん……」」
2人が俺を見つめる。俺の答えを求めている。俺の答えなんて……とっくに決まっている。
「俺はヒーローなんかじゃない」
「「え……?」」
「俺は全部を救えるわけじゃない。手の届く場所しか救うことが出来ない。救うとなったら地を這ってでもやってやる。俺にはスーパーマンのような力は無い。一撃で敵を倒せるような能力も無い。全てをハッピーエンドに終わらせる事も出来ない。俺の体は人を助けるためにある。それも大事な奴なら尚更だ。誰かを助けるのには誰かが汚れ役を買わなきゃいけないんだよ。今まで何度も何度もあったんだ。他人を助ける時も、後輩を救うときも、絵里を救うときも。結局は汚れ役を誰かがなるしかないんだ。誰も傷つかずに全てが綺麗に収まって欲しいなんて傲慢なんだ。ならその役を誰が担う?そう…俺だ」
「汚れ役は俺がうってつけなんだ」
「けど、それだと隆也さんが可哀想ですよ…」
「誰かを救うことが隆也さんが傷ついて良い理由にはならないですよ……」
「俺を犠牲にする事で救えるモノがあるんだ。安いもんじゃねえか」
誰かを犠牲にしなければならないのなら俺がその犠牲になろう。
「なら…約束してください隆也さん」
「ん?」
穂乃果とことりが零れる涙を袖で拭い俺の手を握ってくる。
『絶対に……絵里ちゃんを助けてくださいね』
それが少女達の願いなのであれば……。
「まかせろ」
こう答えるしかないだろ。
どれだけ倒れても立ち上がろう。どれだけ転がろうとも這い上がろう。どれだけ傷ついても舞い戻ろう。それが俺が出来る唯一できることだ。
絵里は俺が守る。絶対に。
そう心に決めた時――――。
ピリリリリ
俺のスマホの着信音が鳴った。
『絢瀬亜里沙』
絵里の妹からだった。
・
・
・
俺はスマホを手に取り着信にタッチする。ついでに穂乃果とことりに聞こえるように音量を上げスピーカーに切り替えた。
『あ、隆也さん!今大丈夫ですか?』
「よう亜里沙。大丈夫だどうした?」
『今どこにいますか?』
「今、穂乃果とことりと一緒に音ノ木坂にいるぞ」
『本当ですか!だったら都合がいいです!』
「都合が良い?」
「亜里沙ちゃんどうしたの?」
『あ!ことりさん!お疲れ様です!少し皆さんに聞きたい事があるんですが…』
俺たち3人は首をかしげる。
『お姉ちゃんどこにいるか知りませんか?』
・
・
・
「え?」
「絵里ちゃん今家に居ないの?」
『はい。1時間前に家を出たっきり帰ってこないんです』
「買い物じゃないのか?」
『いつも買い物なら私と一緒に行きますし、1人で出かけてたとしてもいつも1時間は絶対にかからないんです』
「んー…大学では一緒に出て別れたから俺は分からないな」
「私もことりちゃんも分からないです」
「うん…」
『電話掛けてるんですが全然出なくて、私心配で』
「そうか…。じゃあ俺も今から学校を出て探すわ」
『ありがとうございます!』
「じゃ、電話切るなー」
そうしてスマホをタップしようとした瞬間、亜里沙の口から意味深な言葉が出た。
『お姉ちゃん……なんで家出る時、『神』だの『上』だの言ってたんだろ……』
え?
「おい、亜里沙。今なんていった?」
『え?『神』だの『上』だのって言ったんですが…』
「なんだそりゃ」
『えっと、順を追って説明しますと、お姉ちゃんが家に帰ってきて台所で晩御飯作ってる時に誰かからメールが来たんですよ。それ見たお姉ちゃん凄い怖い顔してて、机にペンと紙を広げて……なんだろう…?タンゴ?いや…カンジを一杯書いてたんですよ』
「タンゴ…?あぁ単語か。んでカンジは漢字な」
「亜里沙ちゃん。紙に絵里ちゃんは何て書いてあったの?」
『えっと…私が分からない漢字があて読めないんです。だから写真送りますね!』
「おう」
そして数秒後、亜里沙から1枚の写真が送られてきた。その写真には大きな紙に7個の漢字が書かれていた。
そこには。
『神』『上』『石』『段』『枝垂桜』『総鎮守』『大己貴命』
「えっと…かみ、うえ、いし、だん、…なんとかさくら!」
「穂乃果ちゃん。これはしだれざくらって読むんだよ」
「え!そうなの!?」
「まあ中々見ない感じだな。あとはそうちんじゅ、これは…なんだっけ…?見たことある漢字なんだけど・・」
「これは私も分からないです」
「穂乃果も分からないよ~!」
「大…読み方あだいでいいのか?いや最後に命がついてるから多分誰かの名前だ。ヤマトタケルノミコトも確か最後に命が着いてたはずだ…」
3人全員腕を組みうんうん唸るとことりがポンッと手を叩いた。
「あ!思い出した!確か海未ちゃんが読んでた本にこれが書いてた!たしか『おおなむちのみこと』って言います!」
「その名前って確か縁結びの神の名前じゃねえの?」
「おお!ことりちゃん天才!」
『凄いですことりさん!』
読み方が分かったから良いが、けどこの漢字はなんだ?どれもこれも関係性が無さ過ぎる。これは連想ゲームかなにかか?連想するにもどれもこれも当てはまる何かがないぞ。
「さっきスマホで調べたんだけどこの『大己貴命』?って言う人神社で良く見たことあるよ?」
穂乃果の言葉に俺の頭に電流が走った。
「穂乃果!?どこでこの神様を見た!」
「ぅえ!?えっと…家族で出かけたときに通りかかった神社でよくこの仏像見たことあります…」
「あとは!!」
「後は、あ!家にその仏像の置物があります!」
「置物……」
頭の中で1つ1つ整理していく。まず『大己貴命』は神社に祀られる神様の名前。んで『総鎮守』は歴史か何かで出たことがある。確か『江戸総鎮守』なはずだ。そしてこの簡単な漢字達、『神』『上』『石』『段』。『神』はまだ分からないから後まわし。石…段…いし…だん…?あれ?
「いし…?段の読み方がだん、だよな…。いし…だん…。だん…いし…。石段…石段石段……上に?…石段…登る?んだよな…登る石段………はっ!!!」
「そうだ石階段だ!」
『石階段?』
「少しずつ分かってきた…。これは石階段の事を指してる。んで『上』多分これは上に上れってこと!石階段で上に上がれ…。んで『神』が上に待っている…。神…神…っ!!」
瞬間、俺、穂乃果、ことり、亜里沙が全員声をそろえて叫んだ。
『神田明神!!!』
「亜里沙ちゃん!多分絵里ちゃんは神田明神に居るよ!」
『かもしれないです!けど…この『枝垂桜』と『大己貴命』はなんなんでしょう?』
「多分神田明神にあるモノだ。『枝垂桜』と『大己貴命』は二つとも神田明神にある!」
「4月に神田明神で綺麗な桜が咲いてました!」
「恐らくそれが枝垂桜です!」
「穂乃果が言ってた神社で見たことあるっていうのは神田明神の事も入ってるはずだ。今、江戸総鎮守を検索したら1番上の項目に出てきた」
「おぉ~!なんだか穂乃果たち探偵みたい!」
「凄い今頭のモヤモヤがすっきりしたよ~!」
(モヤモヤはすっきりしたっちゃしたんだが何かが頭に引っかかってる…。そもそもなんで絵里はこの漢字を見て家を出たんだ?この漢字の関係しての到達点が神田明神なのは分かった。けど神田明神だったからって家を出るのはなんでだ……。行く理由は見た感じ皆無なのに)
もう一度写真を見て、見落としが無いか確認する。
案の定、見落としている部分が1つだけあった。その紙の一番端にロシア語で一文書かれてあった。
『Знаете ли вы смысл этого?』
「なあ亜里沙。このロシア語…か?日本語で何て言うんだ?」
『え?あ…これ見てませんでした!ちょっと待ってくださいね』
数秒後、亜里沙がこのロシア語の意味を教えてくれた。
『これの意味が分かるか?』ですね。』
その言葉で俺の頭の中にあるパズルのピースが全て揃った。
「穂乃果、ことり。お前ら今すぐに家に帰るんだ」
「え?急にどうしたんですか?」
「いいから早く帰るんだ。念のために翔輝を迎えに来させる。絶対に寄り道せずに帰るんだ!良いな!!」
『翔輝さん!?』
俺はそのまま部室を飛び出し、音ノ木坂を飛び出しバイクに跨った。
「なんで俺はこの事に気が回らなかったんだ…なんでこの事を考えなかったんだ!!」
全てが繋がった。あの漢字の意味も、絵里が飛び出したのも、あのロシア語の意味も。そして青山が言っていた『どんな手を使っても』の言葉の意味も。音ノ木坂に近付いて何かを探していたのかと思わせたことも!
絵里のあのメール、紙に書いてあった漢字を送ったのは紛れも無くあいつ、青山匠だ。
あの漢字の関連している事が神田明神だという事に今まで引っかかっていた事がやっと理解できた。更に裏があった。ロシア語の一文で決定づけれた。『その神田明神に関わる事だったんだ』。神田明神と絵里に関係するのは他でも無いμ'sだ。音ノ木坂に近付いたのは元μ'sメンバーである穂乃果たちを確認するため。それで穂乃果たちと目が合って退散したのはその場に翔輝がいたからじゃない。『目当て』がいなかったんだ。どおりでおかしいと思った。あの絵里との一件から何もしてなかったのは『これ』すべてを準備する為の時間だったんだ。あいつの言っていた言葉、『どんな手を使っても』はこの手段を使うからという予告や脅迫でもあった。なんで他の事に気を配れなかったんだ俺は……。もっと周りを見ていればこの状況にならずに済んだというのに!!
あいつの目的は、絵里を誘い出す事。そしてそれを俺に伝えたら俺が危ない目に合うと思って絵里は1人で家を出たんだ…。誰にも伝える事ができない、だから絵里は1人で向かったんだ神田明神に。あのロシア語の一文で絵里の中でも全てがつながったんだ。
「青山匠……あのクズ野郎がぁ!!」
俺はバイクのギアを次々にチェンジしていきスピードを上げていく。
「あいつの目的は…………人質を取るため………その人質が…」
くそったれが。
「東條希だ!」
***
嫌な予感が体を過ぎ通っていく。嫌な汗が体を伝って降りていく。怒りが収まらない。
バイクを止め、神社に続く階段を登る。一段一段足で踏みしめる度に体が重くなっていく。
緊張とかそんな類のもんじゃない。プレッシャーに近いものだ。更には心臓の鼓動がどんどん早くなっていく。
「くそっ!」
階段を登り終え鳥居をくぐった。
「よう、待ってたぜ絵里の彼氏さん」
そこには数人の男たちと一緒にいる青山。そして男たちの内の1人が巫女服姿の希の両腕を拘束して身動きが取れないようにしている。
そこに俺の怒りを逆撫でするかのように見せ付けているのがあった。
青山の腕の中で嫌々抱きしめられている絵里の姿があった。
「隆也……」
「隆也くん………」
「こんばんわ。絵里のヒーローさん」
青山のその言葉が耳に入った瞬間、俺の中で何かが『プッツン』と切れた。
「コンバンワ……随分舐めとることしてくとるなあ青山匠さんよぉ」
無意識に関西弁になるぐらいキレてるのがよく分かった。
なんだか後半部分へたくそな探偵じみた事になってしまった。どうも優しい傭兵です。
そろそろクライマックスになってきました。これからどうやって繋げようか悩んでおります。むむ…まあなんとかなるでしょう!(考えるのをやめた)
そして今回新しく評価してくださった!
咲夜@雪桜さん!ヴァナルガントさん!馬鹿野郎さん!腹黒めがねさん!絢瀬絵里推しサバゲーマーさん!ピポサルさん!賢い可愛いエリーチカさん!とーかさん!
ありがとうございました!
さてさてそろそろ隆也の堪忍袋にも限界がきました。次回にはあの方々に頑張っていただきましょう。誰かって?ご想像にお任せします!
それでは今回はここまで!
感想・評価お待ちしております!
では……またな!