絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

3 / 51
「題名から馬鹿丸出しでスタートデース!」
「金●の真似しないでいいから早く書いちゃいなさいよ」
「エリーチカが応援してくれるなら頑張れる!」
「そんなこと言うとでも思ってるの?燃えるゴミにするわよ?」
「燃えるゴミに捨てるじゃなくてする!?」




公道よ!私は帰ってきたーー!

大学生活が始まり一ヶ月が過ぎ、とうとうこの日がやってきた。

 

俺のアパートにあるものを乗せたトラックがやってきた。それは大学が始まる前からずっと待っていたものだ。乗せてあるのは黒い鉄の塊。いや、人間の手によって変わった鉄の乗り物である。なにを隠そうそれは!!

 

 

「お届けに参りました」

「来たアアアアアア!」

 

HONDAが出したバイクのホーネット250である。高校時代から頑張ってバイトをし、コツコツをお金を貯めて買った代物である。実は俺氏、バイクの免許を持っていましてね。高校時代から乗っていたのです。乗り立ての頃は親父から貰ったバイクを乗っていたんだがただいまバイク屋で入院中だ。代わりでもあり、元から欲しかったバイクがこのホーネットである。特にバイクの事に詳しいという事ではないが、親父の後ろに乗った時に俺もこんな風にバイクを運転してみたいと思っていた。それで俺は高校時代部活に通いながらも教習所に通い免許を取得したのだ。(その高校は免許取得したら退学なんだがバレなきゃいいんだよ)

 

業者さんから色々と話を聞き書類を受け取り軽く店の宣伝をした後業者さんは帰っていった。いや~かっこいいねこのバイク。大きさも丁度いいし排気量も丁度いい。これでゴールデンウィークは色んな場所にいける!絢瀬の手の届かないところにな!フハハハハハ!少し落ち着こう・・・。

 

軽く馴らすために俺はバイクに乗る準備をした。服は長袖長ズボン。フルフェイスヘルメットを被りプロテクターの付いたグローブを装着しバイクに跨る。

 

「おぉ・・・試乗したときと変わってない・・・。乗り心地抜群だ」

 

鍵を差し込み、右に捻りエンジンが動き出す音が鳴り始めた。セルを押すと・・・。

 

キュキュキュキュブルゥ~ン!

 

この音、たまらない。これは血筋なのか親父も高校の時からバイクに乗っていた。その時にも俺と同じ台詞を言ったらしい。

 

「バイク・・・。乗らずにはいられない!」

 

ギアを変えクラッチを繋ぎバイクが動き出し俺は公道に出た。軽くハンドルを捻った後ギアをセカンドに入れスピードを上げていく。今の時間帯では車も中々通って居ない。これはチャンスだと思いどんどんスピードを上げていく。アクセルを捻るたびにマフラーからでる排気音。俺はこの音が好きだ。ずっとこの音を聞いていたいとも思った。そして更にスピードを上げていく。景色が飛んでいく。今俺は、風と一つになっている!

 

 

「公道よ!私は帰ってきたーー!」

 

ブゥゥゥン!

 

 

 

 

 

 

それから数分後、速度超過によってお巡りさんのお世話になりました。お巡りさんにサインと判子とお金をあげました。ウレジグナイ!

 

 

 

 

 

そして翌日。俺は学校までバイクに乗って通う事になった。ウチの学校はバイク通学を認めており登校してもよいことになっている。ただし条件もある。学校では各自のバイク駐車スペースが設けられている。その駐車料金一ヶ月2千円払う事になっている。バイクで学校に通えるなら安い安い!しかもだ!今日は絢瀬に言われた時間に余裕を持って着く事ができた。バイクで校門をくぐり自分の駐車スペースにバイクを駐車させる。少し熱いがどうってことない。バイクと一緒に走れるのならな。

 

と、そんな事を思っているとまた校門からバイクが走ってき俺の横にある駐車スペースに止まった。俺の横に並んだのはYAMAHAのYBR250である。最近でたバイクで確か燃費が良いとか悪いとか?そこはよく知らない。だがここからが重要だ。そのバイク乗りのライダーは女性!女性ライダーだったのだ!これはいい!ここで話かけて楽しいバイクライフを一緒に楽しもう!

 

「すいません。綺麗なYBRですね」

「ありがとうございます。昨日納車したばっかりなんです」

「そうなんですか!よかったら俺とツーリング行きませ・・・・・・ん・・・・・・か?」

「良いですね。私もこれでどこか遠くへ行ってみた・・・・・・いと思って・・・・・・」

 

女性がヘルメットを脱ぎこちらに視線を送る。その女性は綺麗な金髪で綺麗な青い瞳。そう俺が一番良く知っている入学式初っ端から俺がセクハラをかましてしまった女性、絢瀬絵里だったのだ。

 

「あ・・・・・・絢瀬!?お前バイクに乗ってて・・・・・・」

「ふん!」

 

ズブリ!

 

「ぎゃああああ!目がああああああああ!!?」

 

ヘルメットの隙間から見えている俺の目に向かって絢瀬は目潰しをしてくる。効果は抜群だった。見事に俺の目玉にクリーンヒットし、俺は一時的に視力が失った。

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

「まさか貴方もバイクに乗っていたとはね。隆也?」

「だからって目潰ししなくてもいいじゃねえか!」

 

 

何時もの服装になり俺達二人は食堂で話しをしていた。回りに誰も居ないので大きな声で喋っても問題ない。

 

 

「もしかして前に言ってたやりたいことってバイク関連の事?」

「まぁ・・・そんな感じだ・・・・・・」

 

やっと視力が戻ってきた。

 

「もしかして絢瀬もか?」

「まあね。こんなクソ虫と一緒なんて悲しくなりそうだわ」

「よし、ならば戦争だ」

 

言葉ではなんやかんや言っているが一見嫌そうに見えない。俺は知っている。バイク好きに悪い奴はいない。

 

「ってかお前が免許持ってることにびっくりだわ」

「私もよ。今まで通り徒歩でも良かったんだけれど、『ある人に助けられて以来バイクに乗りたくなったのよ』」

「ある人?」

「貴方には関係ないから教えない」

「ヘーヘーソーデスカ」

 

気になる・・・。非ッ常に気になる!なぜか知らないがバイク関連の事になると非ッ常に気になる!いつかこいつから聞き出してやる!

 

「ほら、今日は行くところがあるんだから早く講義終わらしていくわよ」

「ちょっと待て。それって俺も行くの?」

「当たり前よ。なんのための恋人なのよ」

「あんたに利用されている恋人です」

「マフラーに穴でもあけてあげましょうか?」

「申し訳ありません。それだけは勘弁してください」

 

やはり俺ではこの女王を倒す事は出来ないのかッ・・・・・・。神よぉ!!

 

その後の講義ではバイクに乗って楽しみすぎて疲れたのでゆっくり寝る事にしたのです・・・・・・が!!!絢瀬の足が俺の足を思いっきり踏みつけてきたので寝る事はできませんでした。この野郎・・・・・・。

 

 

 

 

***

 

 

全ての講義が終了し、よし家に帰ろう!と思っていたのに絢瀬の首根っこを掴まれ駐輪所に連行されている。

 

「ぐびね"っごづがむ"な"あ”!」

「貴方が逃げそうになっていたからでしょ。大人しく着いてきなさい」

「俺は犬じゃねえんだぞ!」

「ほら着いたから準備しなさい」

「話を聞けぇ!!」

 

意外にも強引なところがある絢瀬絵里。こんな奴がホントにスクールアイドルなのか・・・。他のメンバーの子達はよく頑張ってきたもんだなぁ・・・。

 

「で、どこに行く気なんだ?」

「神田明神って処よ。私の親友がバイトしててね。久しぶりに会いに行こうと思って」

「なら尚更俺はいらないだろ」

「一応貴方の事も紹介しとくのよ。もし何も言わないで二人でいる処を見られたら嫌だもの」

「何で?見られたところでなんかいやな事でもあるのか?」

「だ、だから!わ、私たちが本当の恋人って思われるかも知れないって事!!それぐらい察しなさいよ!」

「なんで俺が怒られてるんだ・・・・・・」

「分かったわね。ちゃんと着いてきなさいよ、見られて誤解がうまれるまえにね」

「はいはい。どんだけ俺のこと嫌いなんだまったく・・・・・・」

 

バイクに跨り絢瀬の後ろに付いていく。後ろから見てると意外にも運転が上手い。どうやら大学に入る前に運転していたのかもな。だが俺とは経験が違うのだよ。しっかし後ろから見てると中々のスタイルだな。本当に日本人なのか?聞いた話ではクォーターらしいけど・・・。あのモブ男達が絢瀬に近付く理由も分かった気がする。アイドルとしてでもだし綺麗な美人という事だからというのもある。ま、学校では女友達も増えてきてるし大丈夫だろう。男友達はほんの数名だが・・・・・・。

 

 

 

 

しばらくして長い階段の前に到着した。そこでバイクを駐車させ長い階段を登っていく。ってかここ階段長いし急すぎんだろ・・・。絢瀬なんか淡々と登っていってるし。あれか、服を脱いだら凄いんですってやつか。あ、やめとこ・・・。絢瀬が凄い目で見てくるから・・・。

 

 

登りきったその先には綺麗な神社が建っていた。俺は神社に詳しい訳じゃない。だがなぜか分かる。とても丁寧に手入れをされているのが分かる。

 

そしてその神社へ通じる石畳のに巫女服に身を包んだ女性が立っていた。

 

 

 

「久しぶりね。希」

 

絢瀬が声をかけるとその女性はこっちを振り向き優しく微笑みかける。

 

 

「久しぶりやね。エリチ」

「元気そうでよかったわ。まだここでバイトを?」

「そうなんよ。ウチ以外人でが少ないからね。処でそちらの男性は?もしかして彼氏!?」

「ち、違うわよ!この人が前に教えた私の恋人役よ!」

「もう思いきって付き合っちゃえばいいのに~」

「イヤよ!入学式早々セクハラしてくる奴なのよ!」

(無茶苦茶言いやがる・・・・・・)

「でもワザとじゃないんやろ?お似合いや思うけど・・・・・・」

「絶対嫌!こんなゴミ虫!」

「ゴミ虫!?」

「もう素直やないんやから」

「もう希!」

 

すげえ光景だ・・・。あの絢瀬がいじられてる。いつも俺を罵倒してこき使ってひっかい回してるあの絢瀬が・・・。あの人、中々の手練だ。メモしておこう・・・・・・。そしてここだ!絢瀬に負けないスタイル!お姉さん属性発動だ!絢瀬が対等に喋っている時点で俺とも同い年かな。ってか関西人かよ。(この後東條はエセ関西人だと言う事が分かった)

 

 

 

「よろしゅうな。エリチの恋人さん」

「恋人じゃないんだが・・・・・」

「もうそれでええやん?満更嫌でもないんやろ?」

「まあ、乗りかかった船だしな。嫌ではない」

「こっちは素直やのにエリチときたら・・・・・・」

「余計な事言わなくていいわよ!」

「やれやれやね。あ、名前教えてくれへん?」

「ん?あぁ・・。俺は横山隆也だ」

「ウチは東條希。よろしゅうな」

「お、おう。もしかしてあんたも元μ'sか?」

「そうやで。もうμ'sは解散してるけどな」

「ほう。見た感じは絢瀬とは大違いだな」

「というと?」

「絢瀬みたいにがさつで凶暴じゃないってこと」

「隆也、後で覚えときなさいよ・・・・・・」

「あ・・・・」

 

俺死んだな・・・。

 

「あ、そうやエリチ。新しいチョコ買ったんやけど食べる?」

「食べる!」

 

反応はや!

 

「ウチのカバンが置いてあるいつもの場所にあるからとってきてええよ」

「それってパシリなんじゃ・・・・・・」

「ええからええから。ほら早く」

「もう、仕方ないわね」

 

絢瀬は俺に荷物を持たせ神社の裏へと歩いていく。

 

「隆也君はエリチとどうなん?」

「どうなんとは?ってか名前・・・」

「隆也て呼ばせてもらうよ。親しみを込めてね」

「別に良いけど、どうとはなぁ・・・。いつも俺は振り回されてばっかりだよ」

「あらあら。それはそれで安心した」

「なんで?」

「隆也君には素の自分を出せているから」

「素の自分?」

 

意味が分からない。あれが素の自分?どうみても俺に対してだけキツイような気がするのに。

 

「エリチな、μ'sに入る前はあんなんちゃうかったんよ。偽りの自分やった。けど色んな出来事があって経験して、そして気付いたら皆の前でも素の自分を出せるようになった。けど話で聞いた感じやと大学の最初は偽った自分しかだせんかったんよ。回りはμ'sの絢瀬絵里としてしか見てなかったから。エリチはもっと普通に接してほしいと願っていた。μ'sの絢瀬絵里じゃなく大学生の絢瀬絵里として」

「あ・・・・・・」

 

あの時の言葉はそういう意味だったのか・・・。

 

「そこでエリチに前に現れたんが君なんよ」

「俺?」

「μ'sどころかスクールアイドルさえしらない隆也君に出会ってエリチは感謝してるんよ」

「感謝?あいつが!?」

 

信じらんねぇ・・・。

 

「大学で初めて普通の絢瀬絵里として接してくれた隆也君。他の人達とは違って普通の人物として接してくれた。自分との差をつけることなくごく普通に。ああやって言い合えるんはエリチが君の事を信用してるって意味なんよ」

「あいつが俺を信用してる・・・・・・」

「信用できる人じゃないと恋人役なんて頼まんやろ?」

「そりゃあな・・」

「この人なら私をちゃんと対等の人物として見てくれてる。差をつけず、距離をおかず、そんな隆也君やからこそ恋人役をお願いしたんよ」

「・・・・・・・・・・・・」

 

俺は最初はセクハラをした償いとして恋人役を頼んできたのかと思っていた。けど東條の話を聞いて考えがかわったかもしれない。自分は普通の女の子。けどスクールアイドルをしていた事に後悔はない。けどそのスクールアイドルっていう枷があるお陰で他の人との距離が開いてしまったのだ。大学では普通の絢瀬絵里としてみてほしい。けどその願いは叶わないと思っていた。

 

「対等の人物として始めて見てくれたんが、君なんよ」

「!」

「セクハラされての償いとして恋人役になってと言ってきたのはただの口実。他の人との接し方が違うのは信用してくれている証拠。素の自分が隆也君の前でしか出せているのは信頼している証拠。エリチは君に感謝してるんよ」

「感謝・・・」

「これからもエリチとは仲良くしてあげて。ウチが一緒におれればいいんやけどなぁ」

「そうか・・・・・・。ま、乗りかかった船だ。対等とかどうかは知らないがあいつよ一緒にいてやるか・・・」

「ありがとな隆也君・・・」

「希ー!取ってきたわよーー!」

 

話が終えようとした時に紙袋を持った絢瀬が戻ってきた。その後俺達は神社の縁側に腰を下ろし高級感あふれるチョコをおいしく頂いた。

そして俺は食べている時に一つ疑問が浮んだ。東條が言ったように、本当に俺を信用しているのか・・・・・・。

 

 

 

 

 

「なあ絢瀬」

「何?」

「お前って俺のこと信用してるのか?」

「・・・・・・・・・・・・」

口に含んだチョコをゆっくり飲み込み、そして俺へと視線を移す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ?どうかしらね」

 

その笑顔は俺と出会って、初めて見せた笑顔だった。




3話でした。とうとう登場してきましたのんたんこと東條希。やっぱり登場させるなら神田明神かと思いまして!これからもこの話にはちょくちょく入れていこうかと思います。他のμ'sのメンバーはどうしよっかなと悩んでいる最中です。もしかしたら気が向いたらって事になるかもです。


そして!評価してくださった

なこHlMさんとシンラテンセイさん。ありがとうございます!

これからも投稿頑張っていきます!
本日もご視聴、ありがとうございました。ジャンケンタ~iって違う違う笑

ではまた4話でお会いしましょう!またな!



感想・評価!お待ちしております!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。