最近・・・・・・凄く絵里に避けられている気がする。
ある時は・・・・・・。
「絵里、この問題教えてくれないか?」
「それくらい教科書見れば分かるでしょ?少しは自分の力でやりなさいよ」
「お・・・おう」
そしてある時は・・・・・・。
「よう絵里。一緒に昼飯食べないか?」
「今日は女友達と食べるからまた今度ね」
「わかったよ」
そしてまたある時は・・・・・。
「絵里、今日泊まりに来るか?」
「今日は家に希が泊まりに来るから遠慮するわ」
「そ、そっか・・・・・・」
ことある事に誘いを断られている状態である。海未の家に泊まってから2週間経ったが、つい1週間前から俺に対する態度が冷たくなった。まるで初めて会った時に戻ったみたいだ・・・・・・。
「なんでだ・・・・・・」
「俺の家に来てまで嘆くなよ」
「翔輝・・・俺とお前の仲だろ?そんな冷たい事言うなよ・・・」
「いや、困ってたらそりゃ助けるけどよ。絵里さんとお前の仲の事だと何とも言えないぞ」
「一体何をしたんや隆也君?」
「何かしてたらとっくに謝ってるよ・・・・」
「隆也の事だから絵里に何か失礼な事したんじゃない?」
「失礼な事ってなんだよ!?」
「隆也君は鈍感やから無意識にやらかしたんちゃう?」
「「可能性大だな(ね)」」
「お前ら俺のことバカにしすぎだろ!?」
翔輝、希、にこは『別に~』と言わんばかりニヤニヤしながら首を振る。絶対これ自覚あってやってる奴だ・・・・・・。
「貴方ここ最近絵里と何かあった訳じゃないの?」
「全く身に覚えが無いんだが・・・・・・・」
「いいから海未の家に泊まってから起こった出来事全部言っちまえよ」
「いい加減吐けよ見たいな拷問の言い方やめろ」
「けど言わないとウチらも相談に乗れへんからなぁ」
「分かったよ・・・・・・まずは海未の家に泊まってから次の日だけど・・・・・・」
***
私・・・絢瀬絵里は隆也にたいして怒っている。いや・・・『嫉妬』していると言った方がまだ分かりやすいかもしれない。海未の家に泊まって以来、私は隆也に冷たく接している。理由は簡単。隆也に少しでも私が居ない寂しい思いをしてもらうためである。
隆也は私の恋人。だけど隆也は私が恋人だという自覚が足りていないのかもしれない。
以前、希と遊んでいる時だって・・・・・・。
「希、それ重そうだから持ってやるよ」
「え!?いいよ大丈夫やから」
「大丈夫そうに見えないからだよ。いいから貸せ」
「もう・・・なら半分ずつ持と?そしたら隆也君だけが持ったって事じゃないから」
「別にいいけどよ・・」
私から見たらこの2人の方が恋人同士に見えてしまう・・・・・。
音ノ木坂に一緒に顔を出した時だって・・・・・・。
「隆也先輩!柔道の技教えて欲しいにゃ!」
「教えろって言われても・・・凛素人だろ?柔道は見かけどうり危ないんだぞ?」
「素人だけど出来るもん!こうやれば!」
「おわぁ!?バカやめろ!」
凛に不意を突かれ、胸倉と腕を掴みふらついた足を引っ掛けられ、そのまま凛に地面に押し倒される形になってしまった。
「ふにゃ!?///」
「いてて・・・・・・だから危ないって言ったんだ」
「ご、ごめんなさい・・・・・・」
「ま、お前に怪我無くてよかったよ」
「うぅ・・・・・・///」
(あ、頭撫でられちゃったにゃ・・・・・・///)
「・・・・・・・・・・・隆也・・・」
真姫のピアノの演奏を聞いていた時も・・・・・・。
「心が落ち着くような音色だな」
「そ、そりゃこの私が弾いたピアノなんだから当たり前でしょ?」
「俺、楽器と言ったらトランペットしか吹けないからな」
「え?トランペット吹けるの?」
「まあ高校時代の話だけどな。今は全然わからん」
「えっと・・・・よかったら・・私がその音色聞いてあげても構わないわよ?///」
「なんで顔真っ赤にして上から目線で言われなきゃいけないんだ俺は・・・・・・」
「約束よ!ちゃんと聞かせなさいよね!」
「はいはい。約束だ」
音楽室で真姫と指切りを交わした。
皆での食べたお弁当の時も・・・・・・。
「隆也さん!どうぞおにぎりです!」
「え?俺にか?」
「はい!男の人なんで一杯食べてもらわないと!」
「ありがとな。・・・・・・んむ・・・・あれ?このおかず・・・」
「明太子です!嫌い・・・・・・でしたか?」
「いや、俺の大好物だ。ありがとな花陽」
「っ///い、いえ・・・また作って来ますので!」
「期待して待ってるよ」
練習風景を見ているときも。
「隆也さん!私達のダンスどうですか?」
「ん?あぁ、いいと思うぞ」
「むー・・・なんだか曖昧な答えですね・・」
「とは言われてもな・・・俺ド素人だからな」
「だったら!ことりちゃんと私とやりましょう!」
「はい!?」
「そうだね!穂乃果ちゃんと私がダンス教えますよ!」
「いや、俺ライブに出る訳じゃないんだが・・・・・・」
「出なかったとしても!踊ったら楽しいですよ!」
「隆也さんの躍り見てみたいです!」
「それじゃこちらへ!」
「へ!?」
穂乃果とことりに手を握られ満更でもない表情で連れて行かれた。
こんな感じで他の女の子と一緒にいる事が日に日に増えていってる気がする。別に女の子と喋るなとは言わない。けど度が過ぎると想っている。この頃私に構ってすらくれない・・・・・・私の事を全然見てくれない・・・・・・。
この頃よく考えてしまう・・・・・・。
隆也は・・・・・・私を愛してくれているのだろうか・・・・・・・・・。
***
「・・・・・・ということで・・・これがこの頃起きた出来事かな」
「「「隆也(くん)が悪いじゃん!」」」
「うぐ・・・・・・」
お、俺が悪いのか・・・・・・。
「絵里に全然構う時間ないでしょ!」
「エリチがこの頃元気が無い理由がやっとわかったで!」
「お前絵里さんを大切にって言ってたけど全然じゃねえか!」
「いや・・・ちゃんと絵里とは会ったりとかはしてるぞ?」
「絵里を家に泊めたのはいつ!?」
「2、2週間前・・・・・・」
「全然じゃない!」
「エリチと遊んだのは!?」
「1週間前・・・・・・」
「バカ野郎!おもっくそ避けられてるじゃねえか!」
「まじでか・・・・・・」
「「「バカーーー!」」」
3人におもいっきりやられてる俺・・・。確かにこの頃絵里から避けられてるという自覚はあったけどそんなに事が重大になってるとは・・・・・・。
「とにかく!あんたは反省して今すぐ家にかえりなさい!!絵里のことは私達でなんとかするから!」
「え」
「今の隆也君がエリチと会ったら逆効果やから少し時間をおかなあかんよ!」
「へ」
「今度覚えてろよ隆也・・・・・・地獄をみせてやる・・・・・・」
「え”」
ということで家に帰りました。
***
それから3日が過ぎた。特に日常で変わったことは無いが、絵里とはまたぎこちない感じになってきていた。学校で俺が喋りかけても普通には返してくれるが少し冷たいのは変わってない。寧ろ少しキツめになって来たかもしれない。
「はぁ・・・・・・ダメだな俺は。絵里のこと全然考えてない」
もしかしたら絵里に嫌われたのかもしれない。覚悟はしていたけどまさか今その時がくるとは思わなかった。彼女を構ってあげず無意識に他の女の子と一緒にいて何が彼氏だ・・・・・・。
「・・・・・・バカ野郎だ俺は」
ピンポーン
「ん?」
インターホンが鳴ったので扉を開けると・・・・・・。
「希に・・・・・・絵里・・・?」
「ごめんな急に来て」
「いや、別にいいんだけど・・・・・・・・・絵里どうした?」
「うぅ~・・・・・・」
絵里が希の肩にしがみ付いた状態で顔が真っ赤だ。
「何があった?」
「すこーしだけお酒飲んでたんよエリチと。まあ、ウチはジュースやけど」
「おい」
「エリチイライラしてたんかグビグビお酒飲んでしもうて結果がこんな姿になった訳なんよ」
「把握」
「ということで介抱よろしくね!」
「・・・・・・・・・はぁ!?」
「これからウチにこっちの家に泊まりに行くからエリチの事介抱できないんよ」
「いやいやいや俺に押し付けんなよ!」
「彼氏なのに彼女をほっておくの?」
「うぐ・・・・・・・・・」
「じゃ、よろしく!」
「っておい!?」
絵里を俺に突き飛ばしそのまま疾きこと風の如く姿を消した。
「マジかよ・・・・・・絵里大丈夫か?」
「うぅ~・・・・・・体がふわふわするぅ~・・・・・・」
「体はふわふわしたりしません。今布団あるからこっちこい」
「おふとん~」
絵里をなんとか連れて行くと。
「・・・・・・・・・」
「絵里さん・・・・・・?なんでそんなに顔ムスッとしてんの?」
布団に寝かしたのはいいが一向に寝る気配が無い。というか目を開いて凄いこっちを見てくる。
「もしかして・・・・・・怒ってるよな?」
「・・・・・・・・・」
あ、頷いた。
「・・・・・・・・・えい!」
「どわ!?」
久しぶりと言わんばかりに絵里に布団に押し倒され馬乗りにされた。
「え、絵里!お前酔いすぎだ!」
「酔ってないもん・・・・・全部隆也のせいだもん・・・・・・」
「酔ってるのは俺のせいじゃない!」
「隆也が悪いもん!!」
俺の顔に一粒の涙が零れた。
「音ノ木坂に行ったときだってそう・・・・・・私なんかよりμ'sの皆と楽しくしてるし・・・仲良くしてるし・・・・・・触れ合ってるし・・・。隆也は鈍感だからそんな気持ちがあってやってるとは思ってない・・・・・・けどそれを見るたびに私の心が凄く痛いの!ズキズキして押しつぶされそうで・・・・・凄く苦しい・・・。それを見るたびについ考えちゃう。隆也は私の事本当に愛してくれてるのかって・・・・・・」
「っ・・・・・・」
「私は隆也の事を愛してる・・・・・・けど今の隆也は嫌・・・・・・凄く嫌なの。けど1番嫌いなのはこんな事を考えてる私が1番嫌いなのよ!」
「おい絵里・・・もうそれくらいで」
「独占欲なのかもしれない!隆也が他の女の子と話してるだけで嫉妬しちゃう・・・・・・けど私はこんな自分が嫌い・・・こんな醜いことを考えてる私が1ばnっ・・・・・・」
「絵里!!」
「んっ!」
絵里の言葉を遮るように絵里の唇を俺の唇で塞いだ。
「んん・・・・・んむっ・・・・・・ぷはぁ・・・」
「ぷはぁ・・・・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「絵里・・・」
「・・・・・・・・・なに?」
「ずっと構ってやれなくてごめんな」
「・・・・・・」
「悪気は無かったと言っても説得力ないけど・・・・・俺はあの子たちに好意がある訳じゃない。俺が好きなのは絵里だけだ!」
「っ・・・・・・・・・」
絵里の目からどんどん涙が零れていく。
「今回は俺の落ち度が招いた事だ。許してくれとは言わない!お前の気が済むようにしてくれ!」
「気の済むまでしていいの・・・・・・?」
「おう・・・」
「本当に・・・?」
「おう」
「なら・・・・・目を瞑って・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
恐らくはたかれるか殴られるかどうかだ。覚悟はできている・・・・・・いつでもこい・・・・・・。
だが、いつまでたっても打撃は来ない。少し目を開けようとした瞬間、
「っ」
「え・・・?」
絵里に抱きつかれていた。
「絵里・・・・・・?」
「今日は・・・このままにさせて・・・」
「分かった・・・・・・」
絵里に背中にまで手を回し優しく、少し強めに抱きしめる。
「隆也・・・・・・」
「なんだ?」
「私の事好き・・・・・?」
「・・・・・・大好きだな」
「本当に?」
「本当だ」
「誓える?」
「もっと前に誓ってるよ」
「キスも出来る?」
「当たり前だ」
「なら・・・・・・して?」
「おう・・・・・・失礼・・・・・・」
「んむっ・・・・・・」
絵里の頬に手を添えて口付けをする。だが次の瞬間・・・・・・。
「あむっ・・・ぬちゅ・・・ちゅるっ・・・ちゅぐっ・・・・・・」
「っ!?」
絵里が俺の口内に舌を侵入させ、俺の舌に絡め合わせてき、口内を蹂躙してきた。
微量だが酒の匂いがする。やばい・・・・・・絵里の匂いと酒の匂いが合わさって・・・・・変な感じだ・・・・・・頭がボーッとしてきた・・・・・・。
「んむっ・・・・・・ぷはぁ・・・・・・ふふっ・・・」
「ぷはっ・・・・・・え、絵里?」
絵里の眼光が鋭くなり、俺の目を見据えてくきた。
「隆也・・・・・・愛してる」
翌日・・・俺は色々と搾り取られ、絵里は二日酔いとなった。
どうもお久しぶりです。やっとテストも終わり投稿することが出来ました。単位大丈夫かな・・・・・・まあ気にせず穏やかな日々を過ごしていこうと思います!
今回のストーリーは『東雲 アキ』さんのリクエストの『隆也と仲良くしている希に嫉妬して空回りからの、デレーチカ』を描きました。
希に嫉妬というかμ'sの皆に対する嫉妬でしたね。希も入ってるのでお許しを・・・。
まずこれが嫉妬でいいのかな・・・・・・嫉妬だと思います・・・うん!嫉妬だ!(分からなくてすみません)
今回新しく評価してくださった!
Lankasさん!赤いアイツさん!Rausさん!
ありがとうございます!
リクエストに頑張って応えていけるように頑張りますので!よろしくお願いします!
それでは今回はここまで!感想・評価お願いします!
では・・・・・・またな!