絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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あけおめことよろです!
これからもよろしくお願いしまあああああす!


大学祭・・・そして

○○月○○日

 

今日の大学はいつもの雰囲気では無い。今日は1年に一回だけある行事の日。大学にある学部は各々の決まった品で大学にやってきた人達をお出迎えする。

校門に入り、大学の敷地の中にある2号館と名前が付いている建物の中にある、1つの部屋に入るとそこには・・・・・・・・・。

 

 

 

『お帰りなさいませ!ご主人様!』

 

 

 

 

 

俺と絵里が所属している学部の出し物、メイド&執事喫茶であった。

 

 

***

 

 

 

「それでは注文の品をお持ち致しますのでしばらくお待ちください。ご主人様!」

「「「は、はい!!」」」

 

さすが絵里と言うべきか・・・。この店を出してからというもの、先ほどから絵里を指名してくる人が後を絶えない状態になっている。まあそれは分からなくも無い。なんたって金髪の美人がメイド服を着て100点と言えるほどの満面な笑みで接客してるんだぞ?俺でも多分指名するな。

 

 

「まさか絢瀬絵里がメイド服着てるなんてな!」

「スクールアイドル辞めてから見なくなったけどもう一度見れてよかったな~」

「エリーチカエリーチカエリーチカ・・・」

 

 

多分だと思うが絵里に会いに来た奴らの殆どはスクールアイドル時代から見てきた大学の学生だろうな・・・。1人やばい奴がいたけど・・・・・・。

 

「本当に絢瀬さんって有名だよね~。7割は絢瀬さん目当てで来た人達だよ?」

「だろうな。殆どの男の目はアイツに向いてるからな」

「横山君?持ってるお盆にヒビがいってるよ?」

「ハハハナニヲイッテイルノカナ?キノセイダヨ?」

「まあ横山君の気持ちは分からなくはないけど・・・・・・」

 

偽の恋人だが俺は絵里が好きだ。自分の好きな女が他の男共に変態の目で見られてるのだけは我慢ならない。今日でお盆3つくらい割ったくらいだ。怒りを抑えるのがやっとだ。

 

 

「恋人の横山君にとっちゃ辛い事だね」

「目から血が出るくらい辛いな・・・」

「涙じゃなくて?」

「細かい事は気にするな」

 

 

ついでに俺はと言うとなぜか指名率が中々のものであった。絵里までとはいかないが女の人達によく呼ばれている。執事役達の中では俺がダントツでトップになっている。モテるような事は特にしていないんだがな・・・。しかも大学生になるまで殆ど信也(特別ストーリー参照)の方に取られてきたからな。ガッテム・・・・・・。

 

 

「ねえねえ!隆也君、この喫茶店のおすすめってなに?」

「お・・・おすすめは・・・お客様に料理を食べさせる品が・・・・・・ございます・・・」

「本当に!?それ1つお願い!」

(マジかよ・・・・・・)

「因みに・・・・・・食べさせる執事はどなたに?」

「隆也君!!」

「・・・・・・ハラショー・・・承知いたしました・・・・・・」

 

一度厨房に戻り、皿の上に数多の茶菓子を乗せてさきほど注文してきた人の下に戻った。

 

 

「こちら、お客様専用の茶菓子でございます・・・」

「じゃ!さっそく食べさせて!」

「・・・かしこまりましたでございます・・・・・」

 

緊張が頂点に達して上手く日本語が喋れない俺である・・・・・・。

 

 

「では・・・あーん・・・」

「あーん・・・んむ・・・」

 

フォークに突き刺したカステラを口まで運び食べさせる。なんだろうこの気持ち・・・・・・。女の人に食べさせるのってこう心にグッと来るのがあるなぁ・・・。餌付けしてるみたいであれだけど・・・・・・。

 

 

「ん~!隆也君に食べさせてもらってるから余計においしく感じちゃうよ~!」

「さいですか・・・」

「もっと食べさせて!」

「承知いたしまいした・・・」

 

また茶菓子を口に運ぼうとすると・・・。

 

 

「隆也!今から休憩時間貰ったから一緒に行くわよ!!」

 

猪の如く走ってきた絵里にシャツの襟を掴まれ、文字通り拉致されてしまったのだ。

 

「うげぇえあ!?」

(く、首絞まるぅぅぅううう!!)

 

 

「りゅ・・・隆也君?・・・・・・」

 

 

その女性は途中から他の執事に嫌々食べさせられていたのだった。

 

 

 

***

 

 

絵里視点―

 

「いきなりなんだよ絵里!」

「私が休憩なんだから彼氏の貴方が付き合うのが筋ってものでしょ?」

「そんな恋人のルール聞いたことがねえよ!」

「いいから行くわよ。お腹すいたんだから」

「人の話を聞けぇ!」

 

(私という彼女がいるくせに・・・・・・隆也のバカ・・・)

 

 

けど・・・この偽の恋人の縛りがあるお陰で隆也と本当の恋人になれない・・・。その前に隆也の私に対する気持ちがどうゆう物なのかが未だによく分からない。早くこの気持ちに気付いて欲しい・・・・・・。私を本当の彼女にして欲しい・・・。最近そう思う気持ちが強くなった気がする。いつからは分からないけど・・・・・・いつも頭に隆也の顔が頭に浮かび上がってくる。

 

 

(隆也は・・・私の事どう思ってるのかな・・・・・・)

 

 

「・・・り・・・里っ。絵里!」

「ふぇ!・な・・・なに?」

「さっきから声掛けてるのになんで上の空なんだよ」

「べ・・・別になんでもないわよ!ちょっと考え事してただけで・・・・・・」

「悩み事か?相談なら乗るぞ?」

(貴方に対する悩みなのよ!このバカ!)

「なんで俺をそんなに睨んでいらっしゃるのでしょうか・・・・・・?」

「そのミクロ単位になった脳みそで考えなさい」

「俺が人間と見られているのか心配になってきたぞ・・・」

「・・・・・・バカ隆也・・・」ボソッ

 

 

(隆也は鈍感そうだとは思ってたけど・・・・・・まさかここまでだったとはね・・・)

 

「おっ。絵里!あそこの屋台のたこ焼き食べようぜ」

「え?あー・・・確かにおいしそうね」

「俺の奢りだから一杯食べて腹いっぱいになろうぜ。飯食ったら少しは楽になれるかも知れないぞ?」

「隆也にしては中々いいチョイスね。じゃ一緒に食べましょうか」

「おうよ」

 

隆也の奢りでたこ焼きを購入して大学にあるベンチに座って少し早めの昼食を取る。

 

 

「美味しいわねこのたこ焼き」

「だな。祭りのたこ焼きみたいだな」

「隆也。たこ焼きとコーラ買ってきなさい」

「おいコラ。お前は暴走族のリーダーか。パシリに使うんじゃない」

「冗談よ。本気にしちゃだめよ」

「この野郎め・・・モグモグ・・・」

 

 

楽しい・・・。隆也と居ると退屈しないって言うか・・・凄く楽しい。隣に居ると凄く胸が熱くなって心地いい。これが恋心だっていうのは流石に気付いてる。けどそれを意識すると顔が凄く熱くなってくる。ドキドキしすぎて胸が張り裂けそう・・・・・・。

 

「さてと、そろそろ昼休憩も終わりだし戻るか」

「そ・・・そうね・・・」

 

いや・・・。まだこの時間を終わらしたくない・・・。もっと、隆也と一緒に居たい。

 

 

「ねぇ・・・隆也」

「ん?どうした?」

「そ・・・その・・・今日の大学祭が終わったら・・・時間ある?」

「まぁ・・・あるけど・・・」

「なら・・・・・・終わったら・・・大学の中庭に・・・・・・」

 

来て欲しいと言うとした瞬間。

 

 

 

 

「絢瀬さーん!」

「へ!?」

 

遠くから学部の私と仲がいい、店で隆也の横で一緒に喋っていた同じメイド役のしている友達の『藍菜さん』が手を振りながら近付いてきた。

 

「あ、邪魔だったかな?」

「だ、大丈夫よ。ところでどうしたの?」

「えっとね。さっき店に絢瀬さんに会いたいって人が来てさ。居ないこと伝えたらこれを渡してきたの」

「手紙?」

「もしかしたらラブレターかもしれないよ!」

「ら、ラブレター!?///」

「マジかよ・・・」

 

隆也の顔が暗くなっていたけど今はそれを見て見ぬフリして話を続けた。

 

「とにかく、確認しましょう」

 

手紙の封を破り、中に入っている一枚の紙に書かれている文を読み上げた。

 

「『絢瀬絵里さんにお話ししたいことがあります。12時に2号館の裏で待ってます。霧生(きりゅう)より。』誰かしら?」

「霧生って○○学部の1年生じゃない!しかも今凄くモテてるって聞いたことあるよ!」

「面識は無いのだけれど・・・」

「これっておもいっきりラブレターよ!さすが絢瀬さんね~」

「で、でも私には隆也がいるのに・・・・・・」

「じゃあ丁重にお断りしないとね」

「そ、そうよね。12時・・・って!もう後5分しかないじゃない!」

「早く行って来いよ。多分そいつも相当な勇気を出して告白してきてるだろうからよ」

「う、うん!じゃ行ってくる!」

 

私は手紙をメイド服のポケットに入れ、2号館の方向へと走っていった。

 

 

 

 

「絵里はいつまで経ってもモテるんだな」

「あれれ~?横山君嫉妬?」

「うるせ。あいつの恋人なんだから嫉妬するに決まってるだろ」

「可愛いところあるんだね~」

「この前お前が絵里の学食のおかずを絵里が居ない間に盗った事あいつにチクってやる」

「わーわーわー!ごめんなんさーい!調子にのってごめんなさーい!」

「よろしい」

 

 

(だが一体なんなんだ・・・。あの手紙を見てから収まらないこの嫌な予感は・・・・・・)

 

 

 

 

***

 

 

 

 

私は急いで2号館に待っている霧生という人物に会うために出せる全速力で走った。

 

「もう・・・。私は隆也っていう好きな人がいるのに・・・・・・」

 

多少の愚痴を零しながら2号館の裏に到着する。そこには髪の毛を金髪に染め上げている人物がいた。

 

 

「あ、絢瀬さん!来てくれたんですね」

「えぇ。手紙を読ませてもらったわ。話って何かしら?予定が詰まっているから急いで欲しいのだけれど」

「す、すいません。実は絢瀬さんを呼んだのは・・・・・・その・・・」

 

大体予想はつく。この人は大学が始まってから私に告白をしてきた人達と一緒だと思う。けど今回も彼ら同様告白は丁重にお断りさせてもらう。私には心から好きだと思う人がいるから。

 

「どうか・・・・・・」

「はい・・・」

 

 

霧生さんの口がゆっくりと開いた。早くこれを終わらせて2人の元に戻らないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでくれませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え・・・・・・・・・?」

 

 

霧生さんの手には銀色に輝くナイフが握られていた。

そして霧生さんはナイフの持っていない手で私の肩を掴み地面に押し倒してきた。

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

ブチンッ!

 

「どわっと・・・」

「どうしたの横山君?」

「いや、靴紐が切れただけだ。大丈夫だ」

「え?その靴ってこの前届いた新品の靴じゃ・・・・・・」

「あぁ・・・。そうなんだけどな・・・」

 

 

 

冷たい風が俺の頬を撫でて流れ去っていった。

 

 

(絵里・・・・・・?)




はい。お久しぶりのあとがきです。色々とばたばたしていたお陰でやっと執筆する事ができました。誰かぁあああ!執筆できる時間をオラに分けてくれえええ!
バカはこれぐらいにしておきましょう。(゜-゜)

そして新しく評価してくださった!
ラジストさん!鈴木集さん!メシさん!tatumiさん!ありがとうございました!

なんとかして時間を作り書いていきたいと思います!

次回は一体どうなるのか・・・・・・。そして隆也は・・・・・・。



評価、感想お待ちしております!



では今回はこの辺で!では・・・・・・またな!!

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