絢瀬絵里に出会った   作:優しい傭兵

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『横山隆也』
黒い髪に少し鋭い眼つきの青年。
身長178センチ
体重70キロ
趣味、バイクドライブ
特技、トランペット
家事全体が出来る家庭的な青年。困っている人を放っておけない性格。大学に通っているが絵里にこき使われていてそろそろストレスで頭がハゲるかもと心配している。けど絵里の事は嫌いでは無い。


「こんなもんかな隆也の説明は」
「今更って感じだけどね」
「作者さんってやろう思ってること忘れること多いもんな。ドジやね」
「希?それは今になって始まった事じゃないわ」」
「てめえら失礼極まりないな・・・・・・」


心霊スポットには行かないほうがいい

「隆也君はお化けとか信じる?」

「はい?」

 

 

日曜日の昼時。さあ昼飯を作ろうと思っていたときに俺の家に東條がやってきた。どうやら買い物の帰りらしくお裾分けでイチゴを渡しに来たのだそうだ。あざます!

 

「よくあるやろ?学校の階段とか心霊スポットとか?」

「あー・・・確かにあるな。別に信じないという訳じゃないけど気になるかな」

「お?意外と興味津々?」

「まああるのかもな。よくあるだろ?高校の時の同級生が心霊スポットに行って幽霊を見たっていう話。そういう話は良く聞いててな。自分の目で確かめたいって気持ちはあるかな」

「おぉ~。これは丁度よかったかもしれへんわ」

「丁度いい?」

「実はな?今度エリチと一緒に心霊スポット行こうって約束してんよ」

「また凄いこと考えたな・・・・・・」

「やろ?これはおもしろくなるで?」ニヤリ

 

その笑みをやめなさい。

 

「・・・・・・・・・ん?おい東條・・・・まさか・・・」

「そのまさかやで。じゃ二日後に神田明神にまで来てな?」

「聞きたくないけど拒否権は?」

「ある思う?」

「デスヨネー」

「じゃまたね」

 

そう言い残し東條は家をでた。

別に怖いってわけじゃないぞ?ただ少しビビってるだけで・・・・・・。これを怖いって言うんだな・・・。まぁ、いい経験かもな。未来永劫心霊スポットに行かないって心に誓えるだろうし・・・。

 

 

「絵里ってもしかして怖いの大丈夫なやつなのかな?

 

 

 

 

 

***

 

 

 

二日後。午後10時。

東條に言われたとおり俺は神田明神にやってきた。今夜は新月のお陰で辺りが何時もより暗く見える。怖いよママ・・・。

鳥居を抜けると東條と絵里が神社の階段に座っていた。あれ?絵里いつもより顔青ざめてるような・・・・・・。

 

「お待たせ」

「時間丁度やね。ちゃんと道具用意してきた?」

「清め塩と懐中電灯。あとお前の言ったとおりに黒い服できたぞ」

「オッケーやね。なんかワクワクしてくるなエリチ」

「そっ!そうね・・・。確かにワクワクしてくるわね・・・・・・」

「絵里大丈夫か?お前汗やばいぞ?」

「な、何を言っているのよ!私は今まで心霊スポットに何回も言ってるんだから!こんなのへっちゃらよ!」

「そ・・・そうか・・・・・・」

 

これは知ってる・・・。仮説だが俺と一緒に心霊スポットに行く事になって暗いところやお化けが苦手だという事を知られたくないために無理矢理強気になって後には戻れなくなったわけか・・・。

 

 

ピンポーン!

 

 

「じゃ早速行くで~」

「で?場所はどこなんだ?」

「徒歩で30分のとこかな。すぐ着くよ」

「あいよ。おい絵里」

「な・・・なによ・・・」

「ん・・・・・・」

 

カタカタと震えている絵里に手を差し伸べる。

 

「え・・・・・・?」

「手、掴めよ・・・。俺の側を離れるなよ」

「・・・う・・・うん・・・」

 

絵里と手を繋ぎ東條の後についていった。

 

 

 

 

 

 

 

約30分が過ぎ、東條の言う心霊スポットにやってきた。

 

「もしかしてここ・・・・・・廃病院?」

「そう。ずっと前に潰れて病院はそのまま残ったんよ」

「いやいや・・・迫力ありすぎて奮えが止まらねえよ・・・」

 

だって見た感じいやなオーラが漂ってるんだもん。なんだろう・・・負のオーラ的な?中二病かよ・・・。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ガタガタ

「おいおい絵里大丈夫かよ!?携帯のバイブ機能みたいになってるぞ!?」

 

顔が残像で残るくらい・・・。

 

「じゃさっそくレッツゴー!」

「無駄にテンション高いな!?」

「もう希は止められないわ・・・・・・」

「手遅れかよ!!」

 

 

ではさっそく入ろうと思っていたが、病院の入り口にある鉄格子は硬く閉じられており開けれる状態ではなかった。

 

「希?ここ開かないわよ?」

「大丈夫やで。ほら」

「え!?」

「マジかよ・・・・・・」

 

何をしたかって?鉄格子の扉のしたに葉っぱで隠れてあった人が通れる位の穴を発見したのだ。ここに入った奴らどんだけの執念だよ・・・。それよりも東條がここを知っている事にびっくりだよ。

 

病院の扉を開いて薄暗いロビーを三人固まって移動する。勿論懐中電灯は忘れて無いぞ。

 

「あの・・・なんでお二人さんは俺の腕にしがみついているのですか?」

「りゅっ・・・隆也が俺の側にいろって言ったんじゃない!」

「ウチはそうじゃないけど、女の子にこういうことされたら嬉しいやろ?」

「もちのろんだぜ」

「隆也!!」

「馬鹿絵里!声がでかい!」

「あっ!・・・・・・ごめん・・・」

「そうやでエリチ。大きな声で叫んだらお化けが出てくるで?」

「そ・・・そんな冗談言わないでよ・・・・・・のぞm・・・・・・」

 

 

 

 

ピキピキパリンッ!

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

どこからかは分からないが何かにヒビが入った音と何かが割れた音がなった。

 

 

「なんだ今の音・・・」

「もうここ絶対駄目なところよ希ぃ・・・」

「今の音がなんなのか凄いきになるんやけど・・・」

(いやいやもうこれ駄目なやつだろ。お化け屋敷より怖いぞ絶対)

 

「と・・・処で希・・・・・・。ここってどんなお化けが出てくるのよ」

「あ、それ俺も気になった」

「そっか。教えてなかったんやったな。この病院である手術が行われてたらしいんよ。その患者は小さな女の子で、遊んでた時に交通事故にあってもう意識不明の状態やってんよ。手術を行ったけどもう手遅れで死んじゃったんよ・・・。で、その子は死んでも恨みが晴れないのか夜な夜な病院にある備品を壊したりここに立ち寄った人間に近付くらしいって噂があるんよ」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

 

 

マジデ?確かにそれは気の毒かもしれないが話の内容を聞いた感じ本当にあった話に聞こえる・・・。

 

「じゃあ今の割れた音って・・・・・・」

「ま・・・まさか・・・・・・・・・」

「その女の子が今になっても病院にある物を壊している音なのかもしれないってこと・・・・・・」

 

 

サー・・・

 

東條はともかく俺と絵里の血の気が引いた。噂は噂に過ぎない・・・。けどあの割れた音、東條から聞いた話を合わせたら本当に起こった話に聞こえる・・・・・・。絵里の顔を見たら真っ青になっている。

 

 

「ねえ希。悪い事は言わないからもう帰りましょ?」

「確かにな。これで本当に呪われたら洒落にならねえぞ?」

「んー・・・。確かにこれはマズいかもやね。けど最後だけ!その女の子が亡くなった手術室だけ見に行こ?」

「わ、私はもう嫌よ・・・。本当に呪われたくないもの・・・・・・」

「絵里だけ残すのも無理だし東條も1人で行かせるのも駄目だ・・・。絵里、すまないがこれだけ付き合ってくれないか?」

「で・・・でも・・・・・・」

「なにかあったらちゃんと塩まいて清めるんだ。お前が1人でここに居る方が危険だ。それに東條を1人にすることもできない」

 

本当は俺が1番早く帰りたいんだけどな・・・。女の子を残しておくってことは出来ないし・・・・・・。

 

「わ・・・わかったわよ・・・・・・。けどそこだけ見たら帰るわよ?」

「分かった。ウチも流石にこれはやばいって思ってきたから」

「いや遅ぇよ・・・・・・」

 

と言うわけで俺の右腕を絵里が、左腕を希がしがみついた状態で手術室へ向かう事に。お前ら・・・・・・俺の腕千切る気か・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

現在地。病院の3階。暗い廊下を進んでいくと『手術室』と書いてある場所に着いた。霊感があるわけではないがここは先ほどの場所と比べると段違いの冷気を感じる。

 

「なあ東條。お前巫女ならこの先にあるなにかを感じとったりは出来ないのか?」

「いくらバイトの巫女でもそれはできひんよ。お祓いも見よう見まねのことが少しぐらいやし・・・」

「なんだか嫌な感じがするわ。体の震えがとまらない・・・・・・」

「これはヤバイな。中をチラっと見てすぐに帰るぞ」

「「うん・・・・・・」」

 

手術室の扉をゆっくり開ける。

 

ガチャ

 

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

中を覗くと普通にテレビで見るような手術室があった。計器もさびていて中央にある手術台はボロボロで横に傾いていた。

 

「この病院が潰れて結構な年月が経っているようだな・・・・・・」

「見た感じ、30年以上かな?」

「計器も錆びてる・・・・・・。もう何十年前のものかしらね・・・・・・」

 

懐中電灯で辺りを照らすが特に目立ったものは無し。

 

 

「よし、帰るか」

「そうね!早く帰るわよ!」

「エリチ・・・。目の色変わったで・・・・・・」

 

確かにこれは早く帰るのに越した事は無い。いつ聞いた話か忘れたけど心霊スポットに居すぎると本当にとり憑かれるらしい・・。それは意外と軽いものでもあるが、最悪の場合死ぬとか・・・・・・。

 

 

というわけで急いで1階の出口に着いた訳だが・・・・・・。俺はとんでもないことをしてしまった・・・・・。

 

「げっ・・・」

「ん?どうしたん?隆也君」

「バイクの鍵落とした・・・・・・」

「え!?どこでよ!」

「多分・・・・・・手術室・・・・・・」

「なんで落とすのよ!馬鹿じゃないの!?」

「どうしよう・・・・・・」

「取りにいくしかないやろな」

「私は嫌よ!もうここに入るのは!」

「ウチももう入るのは止めとこうかな・・・。もう清め塩振ったし」

「まさかおれ1人でいけと?」

「「それ以外何か?」」

「何でもございません・・・・・・。行ってきます・・・・・・」

「何かあったら連絡してな。助けになるかわからへんけど・・・・・・」

「意味ねえじゃねえか・・・・・・」

 

 

デハイッテキマス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1人でまた病院に入ったのはいいけど怖すぎだろ・・・・・・。なんかいそうな気がしてならないんだけど・・・・・・。その置物の陰にこっそりと何かが・・・・・・わーーー!考えるのはやめよう!嫌な予感がする!!

 

そして無事に手術室に入ったのかいいけどバイクの鍵がどこにも落ちて居ない・・・・。どこだ?

 

懐中電灯で照らすが何も無くもしかしたら別の場所にあるのではないかと思い引き返そうとすると・・・・・・。

 

「隆也」

「うぼあああ!?」

 

振り返るとさっき東條と一緒に別れた絵里が後ろに立っていた。

 

「うるさいわね!少しは静かに出来ないの!?」

「は!?いやお前・・・さっき東條と・・・・・・」

「貴方が心配で来たのよ!本当はここには来たくなかったわよ!」

「いや別に来なくてよかったのに・・・・・・。それで東條は?」

「下で待っててくれてるわよ」

「そうか・・・・・・だが鍵が見つからなくて・・・・・・」

「これのこと?」

 

絵里の手に俺のバイクの鍵があった。

 

「え!?どこで見つけたんだ?」

「その入り口の近くに落ちてたのよ。それすら見えなかったの?」

「いや・・・ちゃんと見てたんだけどよ・・・・・・」

 

見落としてたのかな・・・・・・。

 

 

「ほら、早く戻るわよ」

「当たり前だ。もうこんな所おさらばしたい!」

 

手術室を背にし俺たち二人は東條が待つ出口までノンストップで走っていった。

 

 

 

 

出口に着くと東條が近くに生えてあった木にもたれ掛かっていた。

 

「あ、おかえり隆也君。鍵あった?」

「あぁ。ちゃんと見つけたぞ。絵里が見つけてくれたんだ」

「え?エリチ?」

「そうだぞ?俺が心配で迎えに来たって・・・・・なあ絵里・・・・・・・あれ?」

 

後ろを振り向くがさっきまで絵里が居た場所には誰も居なかった。

 

「エリチならここにおるよ?」

「はい?」

 

東條の横では体育座りしている絵里が居た。

 

 

「エリチ、隆也君が言ったあとずっと此処におったよ?」

「え」

「本当よ。もうあんな怖いところになんか入りたくないわよ」

「・・・・・・どういうことだ・・・・・・?」

 

 

さっきまで一緒に走りながらここまで来たのに絵里はずっとここに居た?じゃあ俺と一緒に居た絵里は・・・・・・・・・。

 

一瞬で理解した・・・・・。俺と一緒に居たのは誰か・・・。東條が言っていた。その小さな女の子はここに立ち寄った人間に近付くって・・・・・・。ということは・・・。

 

 

「っ・・・・・・・・・」

「ちょっと隆也?顔色悪いけど」

「汗も尋常じゃないけど隆也君大丈夫?」

「あぁ・・・・・・大丈夫だ・・・。いいから早く帰ろう・・・・・」

「そ、そうね・・・。はやくかえって寝ましょう」

「清め塩ちゃんとからだにも振ってナ」

「おう・・・・・・」

 

清め塩の袋を開け、頭からおもいっきり被る。

 

 

 

「じゃ帰ろっか」

「おう・・・・・・」

「そうね」

 

 

その時・・・・・・。

 

 

病院の出入り口付近で・・・・・・。

 

 

ミシミシ・・・・・・。

 

 

 

「「「え?」」」

 

 

 

瞬間。

 

 

 

パリィィン!

 

上から蛍光灯が数本大きな音を立てて落ちてきた。

 

 

 

 

 

「うわあああああああああああ!!!」

「「きゃあああああああああああああ!!!」」

 

俺たちは一目散に走り出し、急いで神田明神に帰還した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隆也たちは気付かなかったが、手術室の奥に扉があった。そこは手術が終わった患者をしばらくの間そこで検査をするための部屋である。

隆也たちが去った後、その部屋から小さな明かりが漏れていた。そこにはあったのは・・・・・・1つだけのベット。検査用の計器。そしてそのベットの上には・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

『マタ・・・・・・キテネ・・・・・・・・・』




はい皆さんお久しぶりです。今回はホラー?らしきものを書かせていただきました。実の話・・・・・・。わたくし作者はこれを書いている時に部屋でいつもなら鳴らない音がそとから聞こえてる中書いていました・・・。これを作って読んだときも家の内部から変な音がして超怖かったです。ホラーはホラーを呼び寄せるのかな・・・・・・。考えるのはやめよう。作者・・・怖いのは大の苦手であります。じゃあ何で書いたのかって?書いてみたかったんだよ!!

そして今回評価してくださった!
ネバチョーさん。blank sさん。チュッパチャップスさん。Amesupiさん。十六夜@543さん。Jokerさん。ありがとうございます!


お気に入り600を超えました!たくさんの人に読んでいただき嬉しいです!ありがとうございます!感想で更新頑張れなど書いてくれている皆さん!ありがとうございます!これからも頑張ります!


ではまた次回お会いしましょう!またな!

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