38話 前日談
旧次元転送装置による次元転移から帰ってきた俺だがひとまず確認しなければならない事がある。
「ユート俺がいなくなってからどれくらいたった。」
「5日はたった。」
俺が向こうで過ごした日数も4日。この世界に戻って寝ていたと考えると時間の誤差はほぼないと言う事か。
「と言う事は他の奴はもう」
「ああ、すでにシンクロ次元に向かった。」
本来なら次元転移しなければ3日後にシンクロ次元に向かうはずだった。さすがにいつ戻ってこれるかわ分からない俺一人のために出発を先延ばしにする訳にもいかないから納得は行くが
「ならなんでお前は他の奴と一緒にシンクロ次元に向かわなかったんだ?」
「それは・・・」
ユートが理由を話そうとした瞬間突如と扉が開く音がした。
俺達は扉の方を向くと
「ユーキ・・・」
「お前はミエル。」
「ユーキーーーーーーー!!」
ドン!(ミエルが俺に向かって飛び込んだ音)
バサ!(布団から起き上がり避ける音)
ゴーン!(勢いあまって壁にぶつかる音)
「いててて・・なんで避けるのよ!」
「いきなり飛び込まれれば誰だって避けるに決まっているだろ。前から思っていたけどお前はもう少し冷静になって行動すべきだ!」
「うっ!それはそうだけど・・・」
「と言うかお前も残ったんだな。」
「ええ、私はユーキの弟子みたいなものなんだから、あなたについて行くって決めていたのよ!」
最後にあった時は悩んでいたようだが、今は覚悟を決めたようにまっすぐ俺を見つめていた。
「そう堂々と宣言されてもな・・・覚悟はできているんだよな?」
「ええ、何もしないで後悔はしたくないから。」
「そうか・・・それでユート改めて状況を説明してくれるか。」
「分かった。」
その後ユートによって語られた話によると。
●俺がいなくなった後、赤馬零児は全スタッフを使い俺の捜索を行った。
●3日後、見つけることはできたが通信が繋がらずにいた。恐らくデュエルディスクを修理中だったのが原因の一つだろう。
●シンクロ次元に出発する日にちが来て、赤馬零児は俺を諦めて他のランサーズのメンバーで向かう事にした。
●しかしユートとミエルがも少し残ると言って、2人を残して先にシンクロ次元に向かった。
●その次の日に俺との通信が繋がり、俺はスタンダード次元に戻る事が出来た。
●そしてさらに1日が立ち今に至る。
要点をまとめるとこんな所だ。まさかそんなに早くに見つかっていたとは驚いた。
「そうか。色々苦労を掛けたな。」
「別に気にするな。それよりも体は大丈夫なのか?」
「問題ない。それよりも俺達もシンクロ次元への出発の準備をするぞ。」
「そんな!さっき目覚めたばかりなんだからもう少し休むべきよ!」
「俺もミエルの意見に賛成だ。もう少し休むべきだ。」
「分かった。なら今日1日はゆっくりと休むとして出発は明日でどうだ。」
「本当はもう少し休んだ方がいいと思うのだけど。」
「さすがにこれ以上隼達を待たせるわけにもいかない。」
2人は納得してくれたようで何よりだ。
「なら出発の準備をしなくてはな。」
そう言って俺はべってから起き上がった。
「ちょっと!さっき休むって言ったばかりでしょ!」
「安心しろ、少し用意をするだけだ。」
俺はそう言って部屋を出て行った。
ーーーー
「でお前らもついてきたわけか。」
「別にいいでしょ。」
「まあいいけど。」
そう言って俺達が向かったのは研究室へと向かった。
「ここは確かお前が赤馬零児に頼んで使わせていた研究室か。」
「そうだ。実は次元に飛ばされる前にカードの開発をしていたのだが、まあ知っての通り別次元に飛ばされて全部は出来なかった。だが自動操作を起動させておいたからある程度は出来てると思うのだが、ユート、ここの装置は止めたりしてないだろうな?」
「ああ、自動作業モードになっていたからそのままにしていたそうだ。」
「なら問題ない。さて出来はどうかな。」
俺は研究室に入りカード排出口に出ている完済されたカードを取りだし
「・・・・ひとまず必要な分は出来ているな。」
本当はここからさらにカードの修正に取り掛かりたいがさすがに時間がない。今回はあきらめる事にするか。
「ここでの様は済んだ。次行くぞ。」
次に向かったのは赤馬零児の近くによくいる黒服の人の元へと向かった。
そこで俺は数十枚のレアカードと3人分の携帯食料など必要なものを用意してくれるよう頼んだ。
黒服の人は軽く了承してくれて後は明日に向けて休むだけとなったわけだが
「ユート、ミエル」
最後にやっておかなければならない事がある。
「お前らに言っておくことがある。」
「ん?何?」
「明日シンクロ次元に向かうのだが、向こうではシンクロと儀式以外の召喚法は使わないようにしてもらいたい。」
「え!どうして!?」
「シンクロ次元では恐らく儀式は例外としてシンクロ意外の召喚法は存在しないと思う。もしそんな世界で未知の召喚法なんか使えば当然目立ってしまう。さらに言えば向こうにアカデミアがいないという保証もない。」
「なるほど。つまり目立たずに行動するために使うなと。」
本来ならこの事を他のランサーズにも言うべきだったが、今更考えても仕方がない事だ。
「そうだ。ミエルは儀式主体だから問題ないとして、問題はユートなのだが・・・」
「分かった。何とかしてみよう。」
「すまない。だが当然アカデミアが相手の時は遠慮なしで戦ってもいいからな。」
「分かってる。」
「あーあ、せっかく融合を取り込んだのにな。」
「悪いな。」
「別にいいよこれくらい。それじゃ私達はデッキの予備のデッキの組みなおしをしてくるからあんたはちゃんと寝てなさいよ!」
そう言って2人は俺と別れて、俺は再びベットのあった部屋に戻り明日へ向けて眠りについた。
ーーーーーー
そして翌日、俺達は黒服の人が要してくれた荷物を手に集まっていた。
「準備はいいな。」
「いつでも大丈夫よ!」
「俺もだ。」
「そうか。なら行くぞ!シンクロ次元へ!」
俺達は次元転送装置を起動させスタンダード次元からシンクロ次元へと向かうのだった。
次回からシンクロ次元ですが、前回募集しているアンケートはまだ募集中です。
中間発表を言いますと
1:2票
2:4票
となってます。
感想・コメントなどありましたらジャンジャンください。
ではまた次回で。