ーユーキー
デュエルが終了しブルーブレイズの攻撃を喰らい博麗霊夢は後ろへと飛ばされてた。
「ほっと」
しかし博麗霊夢は両手で受け身を取り体制を立て直した。
あの体制から立て直したか。
「取りあえずこれ以上動き回れると厄介だから拘束しておくか。」
俺は博麗霊夢に近づき拘束しようとした。
「舐めんじゃないわよ」
そう言って博麗霊夢は立ち上がると突然ジャンプをした。そしてそのまま空中を移動し始めた。
「なっ!?空を飛んでいるだと!?」
ありえない!?人が何の力もなく空を飛ぶなんて!やはりこいつらはただ物ではない!
「あら、私たちの次元には空を飛べないとできないデュエルもあるのよ」
やはりこいつらは危険だ!敵かどうかはまだ分からんが敵だった時厄介になるのは間違いない。なら!
「だったらこっちも手加減をしてられないな。」
俺はデュエルディスクを操作し、ソリッドビジョンのリミッターを解除した。
これでこのデュエルディスクを使って出したモンスターや魔法は実体化しその力を発揮できる。
もちろんその力を使って人を殺す事も・・・
もっとも今は殺す気は無いがな
「ブルーブレイズ!奴を捉えろ!」
『グアアアアアアア!!』
俺の命令に反応してデュエル終了後もフィールドにいたブルーブレイズが空中にいる博麗霊夢の後ろへと回り込むとその大きい翼で博麗霊夢の逃げ道を無くし捉えよおうとした。
「よし!そのまま下へ追い込め!」
俺がブルーブレイズに命令した次の瞬間
「レクイエム!」
『グルアアアア!』
突如とどこからか声がして、何者かがブルーブレイズへと突撃してきた。
『グアアアアアア!!』
「ブルーブレイズ!!」
突如の攻撃を喰らいブルーブレイズは飛ばされ壁に激突した。
俺はぶつかってきた者の正体を確認した。
「あのモンスターは確かユートの・・・」
そのモンスターはユートの持つダーク・リベリオンのランクアップ体であるダーク・レクイレム・エクシーズ・ドラゴンだった。
「なぜユートのドラゴンを?」
それ以前に何故俺のブルーブレイズ同様に実体化できている?
まさか!?こいつらの世界でも俺の世界と同じ技術力を持っているのか?
だとしたらますますこいつらは危険だ!
「ちょっと煌」
「マスター! 霊夢さん!」
『グルル!』
よく見るとダーク・レクイレムにはユートと戦っていた男の姿があった。
俺はユートの方を向くとそこには倒れたユートとそれを看護する黒咲と赤馬零児がいた。
あの様子だとユートは負けたようだな。
それともう一体天使型のモンスターがいるがさっき何か喋った気がするが今は気にしている場合じゃない!あの2人を捉える事が優先だ!
「ブルーブレイズ!」
『グアアアアアアアアア!!!』
俺は壁にぶつかっていたブルーブレイズが俺の元へ戻すとダーク・レクイレムと天使型モンスターの前に立ちふさがった。
「改めて聞く。お前らは何者だ!」
もしこれで答えないようなら強硬手段に出るしかない!
「それは・・・っ!」
「マスター!」
何かを言おうとした瞬間突然力が抜けたのか膝をついた
「・・・ダーク・レクイエム、戻れ」
『クルル』
男はそう言うとフィールドに出ていたダーク・レクイレムは姿を消していた。
「はぁ、はぁ」
「マスター・・・やはりダーク・レクイエムさんの実体化は負担が大きかったんじゃ……」
「大丈夫だ、エアトスっ!」
どういう事だ?それにさっきもそうだったがあの天使型モンスターとまるで会話をするかのようにだ。まさかあのモンスターは人工知能を搭載したAIなのか!?
そんな事を考えていると男は立ち上がり、口を開いた。
「・・・俺たちは“混合次元”と呼ばれる次元の住民だ。はぁ、はぁ。・・・俺たちの次元は様々な別次元の影響を受けるがゆえに、時空が歪む」
そこまで言うと男は倒れそうになったが近くにいた博麗霊夢により支えられ、男の続きを話し出した。
「・・・私たちはその歪みを整えようとした。けどそれがいきなり大きくなり、私たちは歪みに吸い込まれた。そして、ここに来た。私たちがデュエルした理由は、次元移動機能を使用するために、デュエルによって発生するデュエルエナジーを回収する必要があったから」
つまりこいつらは偶然ここにきてしまったって、デュエルも元の世界に変えるために行った訳か。
「お前らの事情は分かった。だがお前らの言っていることが事実だとしてそれを証明できる証拠はあるか?」
さすがにこれだけで信じるほど俺は甘くはない。もし怪しい動きを見せたらブルーブレイズで動きを攻撃するまでだ。
「いや、こいつらの話は本当かもしれない。」
そう言ったのは黒咲に肩を預かっているユートだった。
「ユートどういう事だ?」
「この男とのデュエルで俺しか持っていないはずの幻影騎士団やダーク・リベリオン関連のカードを持っていた。だが今の話で納得した。」
「それでコイツがダーク・レクイレムを持っていた訳か・・・」
「それともう一つ彼らの話を裏付けるものができた。」
俺達の話に割り込む形で赤馬零児が話に入ってきた。
「どういう意味だ?」
「先ほど連絡があったのだが旧次元転送装置の繋がった先を調べた結果我々の知る領域外へとつながっていることが判明した。」
「つまりどういう事だ?」
「彼らは次元をさらに超えた次元から来たことになる。」
次元を超えた次元・・・
「分かり安く言えば我々のいるスタンダード次元を原子と例えるとエクシーズ次元や融合次元などの我々の知る限りの次元をまとめたものが分子とする。
だが彼らは我々のいる分子とは別の分子の存在という訳だ。」
「ますます分からん。」
「なるほどなそう言う事か。」
「なぜ今の説明で分かる!?」
黒咲はどうやら分かっていないようで俺が理解できたことに疑問を思っているようだがこれ以上話ても時間の無駄なので話を進める事にした。
俺達が話している間博麗霊夢と男は何かしているようだが、怪しい事はしてないようなので問題はないだろう。
その後座り込んでいた男が立ち上がったので話の続きをする事にした。
「ひとまずお前らの言っている事は信じよう。それでこれからどうするんだ?」
「帰るべき場所へ帰るだけだ。エアトス、実体化を解いていいぞ」
「わかりました」
そう言ってエアトスと言われた天使型のモンスターは姿を消した。
やはりAIか。
「まて!そんな簡単に返していいのか?」
「問題ないだろう。彼らの世界と我々の世界がつながったのは偶然ともいえる奇跡だ。しかもそのつながりもしだいに消えかかっている。おそらくもう二度と会う事は無いだろう。」
「・・・・」
赤馬零児の言葉に黒咲も押し黙った。恐らく納得はしたんだろう。
「そう言う訳だ。特にお前らと話す事は無いからここでお別れだ。」
「そうか。なら帰らせて貰う、行くぞ霊夢」
「はいはい」
そう言って2人はデュエルディスクを操作した。
「「ディメンション・ムーバー起動」」
その瞬間2人の体が光りに包まれ始めた。
「じゃあな」
光が完全に包まれると光が四散して消えていった。
「行ってしまったな。」
「あぁ・・・(今回は敵ではなかったらかよかったがも指摘がもし相手がアカデミアだったら・・・やはりもっと強くならなくては!)」
「ユート?」
「っ!あっああ何でもない。」
「?そうか。」
黒咲は気づいていないだろうがあの顔、今回のデュエルの敗北は相当答えているようだな。
ここでアドバイスをやってもいいがこれから先更なる困難が待ち受けるはずだ。そのたびにアドバイスしていたらキリがない。こればかりは自分で成長してもらわなければな。
「さて、そろそろ戻るか。」
俺はそう言ってデュエルディスクをしまおそうとしたその時
『ウィーン!ウィーン!ウィーン!』
「「「「っ!?」」」」
再びアラームが鳴りだした。
「今度はいったい何が起きたんだ!」
「・・・何だっと!」
「どうした赤馬零児!?」
「旧次元転送装置が暴走している!」
「何だって!?」
「おそらくさっきのデュエルが原因だろう。今すぐこの場を離れ・・・」
赤馬零児が全てを言いきる前に旧次元転送装置のゲートから光が漏れ始めた。
「まずい!今の旧次元転送装置は我々の知らない未知の領域に繋がっている。このままだと我々もどこかに飛ばされてしまう!」
「とにかく部屋から出るぞ!」
そう言って俺達は部屋から出るため走り出した。
俺も黒咲たちに続いて走った。
だがそこで不幸にも地面に張り巡らされていたケーブルに足を取られてしまい。転んでしまった。
「ぐっ!」
「ユーキ!」
他の3人は部屋から出た後に俺の状況に気づいて再び俺の元へ向かおうとしたが
「来るな!」
俺はそれを止めた
俺の威圧に押されてか向かおうとしていたユートは足を止めた
そして光がさらに強くなり目が開けられずにいた。
ーーーー
ーユートー
「ぐっ!ユーキ!?」
光が納まり目を開けるとそこにはユーキの姿はなかった。
「ユーキはどうなった?」
「おそらくどこか別の次元に飛ばされただろう。」
「いったいどこに!?」
「分からない。これからユーキの捜索はするが今の転移でさらに次元が歪んでしまって見つけられるかどうかは・・・」
「そんな・・・」
「それでも我々も全力を尽くすつもりだ。」
そう言って赤馬零児は去っていった。
赤馬零児はああ言っているがもしかしたらユーキとはもう会えないかもしれない。なら今俺がやるべきことは・・・
「黒咲悪いが俺とデュエルしてくれ。」
「ユートこんな時に何を言っているだ!」
「俺達がどうこう言ってもユーキが戻ってくるわけではない。それに今回のデュエルで俺の力不足を改めて実感した。このままじゃダメだと。だから俺はもっと強くならなくちゃいけないんだ!」
「ユート・・・そう言う事ならお前が納得いくまで付き合ってやる!」
「助かる。」
こうして俺達はユーキが帰ってくると信じて待つのだった。