不審者とデュエルをした後、突如と現れた赤眼鏡と黒服達が現れて、俺と不審者に同行を命じられた。
最初は抵抗しようかと思ったが下手に暴れてややこしくするのもあれだったので大人しく彼らについて行くことにした。
こうして俺が連れてこられた場所はLDSだった。
LDSとはレオ・コーポレーションが経営するデュエル塾だ。そこでは融合、シンクロ、エクシーズなど様々な書簡法を教えている。しかも多くのプロデュエリストを排出しておりかなり有名だそうだ。
俺は赤眼鏡の男、レオ・コーポレーション社長の赤馬零児と共に社長室と思われし場所に連れてこられた。ちなみに不審者の方は後でわかったことだが、俺とのデュエルでダメージが大きかったようで医療室で傷をいやいているそうだ。
「・・・っでこんなところに連れてきて何のするつもりだ?」
俺はここに連れてきた本人である赤馬零児に話しかけた。
「なら単刀直入に聞こう。君はどの次元の人間だ?」
その言葉に俺は驚いた。俺は自分の痕跡を残さないように行動をとっていたはずだ。
「何の事だ?」
「隠しても無駄だ。すでにわが社で調べて君の戸籍が無いことは分かっている。これ以上隠しても無駄だ。」
どうやら隠しても無駄のようだな。
「確かに俺はこの次元の人間ではない。」
「ずいぶん素直に認めるんだな。」
「そこまで分かっているなら下手にごまかしても無駄と判断しただけだ。だがどの次元の人間なのかと言う質問には答えられない。」
「それは何故だ?」
「あんたの言い方だといくつもの次元が存在するような言いぶりだ。だが俺はこの次元と俺のいた次元しか知らない。その状態で俺の次元があんたが言うどの次元を指すのか答えようがないからだ。」
「確かに君の言うとおりだな。ならまずはそこから話をしよう。」
そう言うと、赤馬零児は語りだした。
この世界は融合、シンクロ、エクシーズ、スタンダーの4つの次元に分かれており、それぞれがそれぞれの召喚法にわかれている事
その中の融合次元のアカデミアと言う存在がが他の次元を侵略戦争を起こしている事
そしてそのアカデミアの総帥が赤馬零児の父である零王である事
それを阻止するために優秀なデュエリストを集めている事
他にも色々説明があったが今重要なところはこのくらいかな
「さて、ここまでの事で質問はあるかい?」
「なら聞くが、何故世界は4つあると分かるんだ?」
「それは私の父である赤馬零王がそう言ったからだ。」
赤馬零児の話だと今から3年前にこの会社にあった次元転送装置で融合次元に向かい、そこで零王と出会い話を聞いたそうだ。
「なるほど。お前の質問の答えだが結論から言うと俺はどの次元にも当てはまらない。」
「それはどういう意味かな?」
赤馬零児はまるで予想していたかのように冷静に聞いてきた。
「まず俺の世界には融合、シンクロ、エクシーズが存在しない。この時点で3つの次元ではない。」
そう考えると俺の次元はスタンダード以下になるな。つくづく自分の世界の無能さが嫌になってくる
「次にスタンダードだがこの次元と俺の次元では決定的な違いがある。」
「その決定的な違いとは?」
「そうだな。それを説明すより俺の世界について説明した方が早いだろう。」
俺は赤馬零児に俺の次元に関して話した。
そのあまりにもひどい世界に赤馬零児も顔には出さないが心の中では動揺していた。
「・・・これが俺の世界についてだ。」
「すまなかった。こんな話をさせてしまって。」
「同情しなくていい。俺からしたらこれが普通の事だ。
話を戻すが、以上の事から俺はあんたの言うどの次元の人間でもないわけだ。あえて俺の次元に名前を付けるならそう・・・儀式次元と言ったところかな。」
「儀式次元・・・なるほど、そう考えればあのイレギュラーな召喚反応にも納得がいく・・・」
「召喚反応?」
俺の話に零児が何か一人で納得していたので質問してみた
「我々は常に特殊な召喚法から発せられる特殊な召喚反応を調査している。だが今まで儀式召喚に召喚反応は全く反応は無かった。だがここ最近になってから今まで反応がなかった強力な儀式召喚の召喚反応がキャッチされていた。」
「それが俺ってわけか?」
そこまで聞いて俺は1つの疑問を思った
何故儀式にだけ召喚反応がなかったんだ?確かに儀式は他の召喚法に比べたら弱いかもしれないが、それでも特殊な召喚法に変わりないはず?
儀式とそれ以外の召喚法とではいったい何が違うんだ。
「それでこの事を聞き出すためだけに俺をここに呼んだのか?」
「いや、むしろここからが本題だ。我々と一緒にアカデミアと戦ってくれないだろうか。」
やはりそう来たか。話の流れからしたら俺を仲間に入れて戦力の強化を図ろうとしているのは明白だ。恐らくあの不審者も仲間に入れようとしているのだろうが
「断る。お前に協力するメリットがない。」
俺は自分に得にならない事は基本したくないんでな
だがその答えも予想してた可能世に赤馬零児は俺に言い返してきた。
「やはりそう来たか。だが君にメリットがなくてもデメリットはある。」
「どういう意味だ?」
「今から約数週間前に港の倉庫でうちの生徒が謎の儀式使いに襲われた事件があった。」
あれ、それって・・・
「その生徒はこの街の市会議員の息子で、その親が息子を襲った犯人を血眼になって探しているんだ。我々も資金援助してもらっている身としてこちらも犯人捜査に協力しているのだが、その儀式使いとは君の事じゃないのかい?」
やはりあの時の奴か。
「脅しのつもりか?」
「私としては君には共に戦ってもらいたいが、断るならせめて向こうの機嫌を取るために君を捕まえる方が得策だとふんだだけだ。」
「けっ!どっちに転んでもそっちにメリットになるわけか。」
とんだ腹黒メガネだよこいつ
「それで君の答えは?」
「わかったよ。俺も捕まるのは嫌だからな。ただしこちらの要求も呑んでもらうぞ。」
「できる限りの範囲ならな。」
「まず協力するのだからそれなりの報酬を貰おうか。」
さすがにタダ働きは割に合わないからな。
「次に戦力強化のためのカードを貰おう。」
今のままでも十分強いが、この世界に来てまともにデッキ強化してないし、ちょうどいい機会だ。
その他にも色々条件を要した。
「なるほど。それくらいなら問題ない。」
「交渉成立だな。それで俺はこれから何をすればいいんだ?」
「なら君にはまず数日後に開催される舞網市チャンピオンシップに出場してもらおう。」
それってミエルが出る大会か
「私はその大会で優秀なデュエリストをスカウトしてアカデミアと戦う戦士、ランサーズを選抜したと思っている。ついでに君の実力を改めて確認したい思う。」
「俺を試すのか?」
「君が腕の立つデュエリストなのは間違いないだろう。だが念には念をと思ってな。」
随分用心深いな。いや慎重と言ったところか
「まあいいだろう。タダで信用されようなんて思ってないからな。さて話は終わった事だし俺は帰らせてもらうぞ。」
そう言って俺は部屋を出ようとしたが
「悪いが君をこのまま返すわけにはいかないな。」
その言葉に俺は足を止め振り返った
「何?」
「君もさっき言った通り、我々はまだ完全に君の事を信用しきってない。そのため下手に外をうろつかれるのは困る。」
「分かった。だがせめて荷物を取りに行くくらいはいいだろう?」
「・・・いいだろう。ただし下手に情報を漏らすようなことをしたら分かっているな。」
しばらく黙り込んだ後、許可を出してくれた。
「それと今日は遅いからうちの客室で寝るといいだろう。しばらくそこを自由に使って構わない。」
「了解。」
そう言うと今度こそ部屋を出て行った。
ーーーーー
「あんた昨日一体どこに行っていたのよ!」
次の日の朝、俺は下宿先の塾に朝帰りするとミエルが外で待ち構えていた。どうやら塾の人から俺が帰ってきてない事を聞かされていたようだ。
「その事だが・・・・」
俺はミエルに昨日合った事を少し嘘を交えて説明した。
内容は
昨日デュエルをしていたら偶然それをLDSの社長が目撃して、よかったら舞網市チャンピオンシップに出ないかと誘われてその事について話していた。ついでに夜遅かったので下宿先も用意してくれて昨日はそこで泊まることになった。さらにしばらくただで使っていいというのでそっちに移動しようという事になった。
「ふ~ん・・・なるほどね。」
ミエルも俺の話を半身疑っていたが信じてくれたようだ。
「そう言う訳だから急で済まないがここを出るとこになった。」
そう言いながら俺は部屋の荷物を整理を済ませて、荷物を持ち上げた。元々いつ出て行ってもいいように必要なものは1とまとめにしていたため簡単に済んだ。
「悪いがもう行くな。」
俺が部屋を出て行こうとした時
「待って!」
ミエルに呼び止められた。なんか昨日とデジャブだな
「あんた大会に出るんだよね?」
「ああそうだが。」
「だったら絶対に勝ち残りなさいよ!今度こそあなたにリベンジしてやるんだから!」
そう言って俺に向かって指をさした。
「ああ、その時を楽しみにしているぜ!じゃあな。」
こうして俺は今度こそ数週間世話になった部屋を出て行った。
そして数日後、舞網市チャンピオンシップは開催された。
という訳で次回から舞網市チャンピオンシップに入ります。
基本的にアニメと同じ展開の試合に関しては飛ばします。
ただしミエルに関しては強化したので相手を変えたいなと思ってます。
後対戦相手も少し悩んでます。
確かミエルの相手って月影だったでしたっけ?(日影だったかも)
取りあえず候補としては
北斗、噛ませナイト、梁山泊塾生(ユーキのみ)、適当なモブあたりですかね。
誰になるかわかりませんがお楽しみに