インフィニット・バリアンズ   作:BF・顔芸の真ゲス

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ep.40 新しい専用機

side簪

 

 

 

簪「……ん」

 

カーテンから漏れ出る光に照らされて、私は目を覚ました。そばにあった時計によると時刻は朝の五時、結構早く起きてしまった。一緒に寝ていた蘭は既に起きているらしく、蘭が使っていた布団は丁寧にたたまれていた。

 

簪「……起きよう」

 

蘭に倣って布団をたたみ、まだ若干ぼんやりとする目をこすりながら下に降りる。

 

弾「お、おはよう簪さん」

 

蘭「遅かったですね!朝食の用意は出来てますよ!」

 

厳「……おう」

 

簪「……おはよう」

 

どうやら五反田家の人達は既に全員起きていたらしく、各々が調理器具の点検などで慌ただしく動き回っていた。

 

簪「……忙しそうだね」

 

弾「そりゃそうだ。ウチの食堂は朝から人がわんさかやって来るからな。しっかりと点検しとかなきゃ後で大変な事になっちまう」

 

厳「そんだけウチの料理を美味いって思ってくれている人が居るって事だろうが。おら弾、ボサッとしてんじゃねえぞ!」

 

弾「うぇ〜い」

 

蘭「あ、そうだ!簪さん、零さんを起こしてきてくれませんか?」

 

簪「零を?」

 

蘭「はい!今日は私が昼から店を空けてしまうので、零さんにも手伝って貰ってある程度お兄達の仕事を減らしておこうかと思いまして」

 

簪「……ん、分かった」

 

私も何か手伝いたかったけれど、ここに初めて来た私に何か出来る事なんて無かったので、蘭の言う通りに零を起こしに行く事にした。

 

 

 

簪「……零、起きて」

 

真月「……んあ」

 

簪「……起きない」

 

零を起こしに二階に上がって来たけれど、余程深く眠ってるのか、なかなか起きない。

 

簪「……それにしても」

 

零の寝顔、可愛いなあ……。いつもとは違う無防備は寝顔から、目が離せない。零って、こんな顔も出来るんだ。

 

簪「……ふふ♪」

 

零が目を覚まさないように気をつけながら、そっと布団に潜り零に抱きつく。零の身体から伝わる温もりが、私の心と身体を暖かくしてくれる。

 

簪「えへ、えへへへへ……」

 

顔がだらしなく緩んでいくのを感じながら、更に強く零に抱き着く。

 

簪「零の身体、あったかいなぁ……」

 

零、私だけの零。この温もりも、この安らかな寝顔も、全部私の、私だけのものだ。他の女になんか絶対に渡さない、渡す訳がない。

 

簪「あははは、零、零……!」

 

ねえ零、どうしたら零は私を、私だけを愛してくれるの?私は、零の優しい顔も、暖かい背中も、私を撫でてくれる腕も、勿論他の部分も、全部、全部愛してるの。なのに零は、私以外の女とも仲良くする。私以外の女にも優しくして、笑顔を向ける。それが、私には堪らなく嫌なの。その優しさが、その笑顔が、いつか他の誰かのものになるんじゃないかって、そんな事を考えちゃうの。私は、それが一番恐い。

 

簪「だから……」

 

だから零、私を不安にさせないで。私だけのものになって。私だけを見て。私だけに優しくして。私だけにその笑顔を向けて。私だけを、愛して。愛して、愛して、愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛して愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛ーー

 

簪「ーーはっ!」

 

ああ、いけないいけない。少し強く抱き締め過ぎてた。零、苦しく無かったかな?

 

真月「……っ」

 

良かった、少し苦しそうだけど目が覚めてはいないみたいだ。

 

簪「……良し」

 

零の身体に乗り、寝ている顔に私の顔を近づける。あの日お姉ちゃんは言ってた。

 

楯無『恋愛は臆した者から負けるのよ!本当に手に入れたいなら作戦は【ガンガン行こうぜ】一択!抱きついて、押し倒して、チューよチュー!』

 

あの日の私は恥ずかしくてとてもじゃないけどそんな事やろうとは思えなかった。でも今の私は違う、蘭に、鈴に、他の女達に零を奪われたくない。だから、先手を打つ。零が私だけのものだって、皆に分からせないといけない。

 

簪(あと、あと数センチ……!)

 

顔が燃えるように熱くなっている。恥ずかしくてあと数センチが縮まらない。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。でも、あとちょっと、あとちょっと近づけばーー

 

蘭「いやちょっと待てえぇぇぇ!?」

 

簪「ぐえっ!?」

 

零にキスするまで後ほんの少しというところで、いつの間にか後にいた蘭に首を掴まれて引き離される。

 

簪「何……?」

 

蘭「いや何?じゃないですよ!?私零さんを起こしてきてくれませんかって言いましたよね!?キスしろだなんて一言も言ってませんよね!?」

 

簪「だから、起こそうとした。キスで眠りから覚ますのは、大昔からある伝統的なやり方」

 

蘭「それは御伽噺の世界だけですよ!?というかその場合男女逆ですから!?女がキスされる側ですから!?」

 

簪「……別に逆でも良いでしょ?何が問題なの?」

 

蘭「普通に起こせって言ってるんですよ私は!?」

 

……むう、後ちょっとだったのに、邪魔された。私の唇が零の唇に到達するその僅かな時間さえ、蘭は待てないというのか。全く、蘭は短気な子だなあ。

 

真月「……五月蝿えな、もうちょい静かに起こせねえのかテメェら」

 

簪「……あ、零おはよう」

 

蘭「あ、おはようございます零さん!」

 

真月「はいはい、おはようさん。で、さっきまでこの部屋で何してたのテメェら?」

 

蘭「い、いえいえ!何にもしてませんよ!?店を手伝って欲しくて零さんを起こしにきただけですよ!?」

 

真月「……あっそ。着替えるから、先に下降りてろ」

 

簪「……着替え」

 

蘭「はいはい下に行きますよ簪さん!」

 

簪「……ぐすん」

 

零の着替え、見たかったのに……

 

 

 

side真月

 

 

 

真月「さて、いっちょ上がりだな」

 

久しぶりに店を手伝う事およそ五時間、ピークを越えた俺は店の制服を脱いで支度を始めていた。

 

弾「いやあ、流石の腕前だったな零」

 

蘭「ホントですよ!久しぶりに厨房に立ったとは思えないくらいの料理の出来でしたよ!」

 

真月「いや、厨房に立ってないだけで料理自体はよくしてるからな」

 

厳「へっ!やっぱりテメェは筋がいいな。どうだ、会社クビになったらウチを継がねえか?」

 

真月「いやクビになんねえよ縁起悪いな。つーか店を継がせるなら普通弾だろうが」

 

弾「いや、俺としてはお前に継いでもらった方が気楽で良いんだが……」

 

真月「いや、もうちょいしっかりしろよ長男坊……ん?」

 

ふと右隣を見ると、蘭が真っ赤な顔をして早口で何事か呟いていた。

 

蘭「れ、れれれ零さんがウチを継ぐって、そ、そそそれってつまり、アレですよね。私と零さんでけっ、けけけ」

 

真月「蘭?おーい蘭?どうしたよおいーー痛っ!?」

 

様子のおかしい蘭に話しかけていたら、左隣にいた簪に腹を思い切り抓られた。抗議しようと簪の方に顔を向けた瞬間、深淵を体現したかのような暗い目をした簪と目が合った。

 

真月「か、簪……」

 

簪「……駄目だよ?」

 

真月「な、何が……?」

 

簪「駄目だよ零、私を見捨てたら」

 

少しずつ抓る力が強くなっていく。あの、割と痛いからやめて欲しいんですが。

 

簪「零は私とずっと一緒に居なきゃ駄目なんだよ?だって零が言ったんだもん、ずっと一緒に居てくれるって。なのに私から離れるの?私を裏切るの?あの時私に言ってくれた言葉は嘘だったの?嘘つき、嘘つき、嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘」

 

真月「ひいっ!?」

 

簪「ねえ何で怖がるの?何で私を見て怯えるの?私は零に私から離れないで言ってるだけだよ?なのに何でそんな顔するの?何で私から目をそらすの?人と話す時は相手の目を見なきゃいけないんだよ?ねえ、私の目をちゃんと見て?私を、私だけを見て?私はいつも零を見てるよ?だから零も私を見てよ。ねえ、ねえ、ねえ!」

 

真月「簪ィィィ!?お願いだから、お願いだから正気に戻ってくれえぇぇぇ!?」

 

蘭「あ、あの、簪さん!?冗談ですから!?おじいちゃんのちょっとした冗談ですから!?」

 

厳「ん?俺は本気だが?」

 

蘭「おじいちゃんんんんん!?お願いだから空気を読んでえええぇぇぇぇぇ!?」

 

不味い、これは非常に不味い。このままじゃ簪が何をするか分からないので、取り敢えず簪の頭を撫でながら会話を試みる。

 

簪「……あ」

 

真月「大丈夫だ簪、俺は居なくならないよ。だから落ち着いてくれ、俺はいつものお前の笑顔の方が好きだぞ?」

 

簪「え、へへ……零ぃ……♪」

 

案外簡単に落ち着かせる事が出来た。なんとなくだが、簪との付き合い方が分かってきたかもしれない。

 

蘭「……零さん、苦労してますね」

 

真月「……もう、慣れたよ」

 

思えばこの世界で生まれ変わってナッシュ達に合流してから今まで、俺は苦労しかしていない気がする。ホント、どうしてこうなった。

 

弾「……ん?おい零、迎え来たみたいだぞ?」

 

弾の言葉を聞いてドアの方を見ると、真っ黒な車が一台止まっていた。

 

真月「……みたいだな」

 

黒い車から一人誰かが出て、店のドアを開けた。そこにいたのは黒髪の、あの脳筋女と同じ顔をした少女だった。

 

マドカ「おい零、迎えに来たぞ」

 

弾「んなっ!?」

 

蘭「織斑千冬!?」

 

簪「どうしてここに……!?」

 

真月「ああ違うぞ皆、こいつはな……」

 

マドカ「いや、いい。この反応は正直予想してたからな、説明は自分でする。私はマドカ・ミューゼル、アークライトカンパニー所属の、零の同僚だ」

 

弾「えっ、別人なのか!?」

 

蘭「うっそ超似てる!?」

 

簪「……瓜二つ」

 

三人がそれぞれ驚いた表情で感想を述べる。まあ無理も無い、其れ程までにマドカはあの女と似ているのだから。

 

『M』、本名マドカは、スコールやジャック達と同じ元亡国企業のメンバーで、あの女のクローンだ。俺が亡国企業を壊滅させた時にスコール達と同じく加入したメンバーで、元亡国企業メンバー一の戦闘狂だ。常に強敵との闘争を渇望し、暇つぶしと称して本社の人間に片っ端から勝負を挑む。スコールの胃痛の原因の一つだ。

 

マドカ「世の中には同じ顔が三人居るというだろう?まあ、私の同僚には同じ顔が四人居るんだがな。それで、この二人が昨日お前が言っていた新入りか?」

 

真月「ああ。五反田蘭と更識簪、どっちも俺の友達だ」

 

蘭「むっ……!」

 

簪「…………」

 

マドカ「……二人は、そうは思っていないみたいだが。まあ良い、それで……」

 

そう言ってマドカは二人をジロジロ見つめ、好戦的な笑みを浮かべた。

 

マドカ「……ふむ、簪は結構腕が立つようだな。そして蘭もなかなかに伸び代がある。これは、将来が楽しみだな」

 

蘭「は、はあ。ありがとうございます……?」

 

マドカ「礼はいい。だが確かに、二人とも零が専用機を与えようとするだけの素質がある。よし、三人とも車に乗れ、本社に送ってやる。まあ、運転するのは私じゃないがな」

 

真月「おう、悪いな。無理言って来てもらって」

 

マドカ「気にするな。その代わり、今夜私に付き合って貰うぞ」

 

蘭「へ!?」

 

簪「……!」

 

ああ、マドカと戦えって事か。面倒な事だが、それくらいで良いなら安いものだ。

 

真月「ああ、別に良いぜ。何回やればいい?」

 

マドカ「私の気がすむまでだ。最近全く仕事が無いから身体が疼いて仕方がないんだ。ジャックや他の奴らでもいいんだが、同じ奴らと何回もやってたら流石に飽きる。ふ、今夜は寝かさんぞ?」

 

真月「マジか、夜通しやる気なのかよ。まあ明日も休みだから良いけどよ」

 

マドカ「なら別に良いじゃないか。ふふ、今夜は熱い夜にしようじゃないか。身体が言う事を聞かなくなるまでやるとしよう」

 

真月「はあ、勘弁して欲しいんだがな。……ん?」

 

強い視線を感じて後ろを振り返ると、阿修羅のような顔をした二人がいた。

 

真月「お、おい二人共、一体どうしたんだ?」

 

蘭「……零さん、一体何をやる気なんですか貴方は!?見た感じマドカさん私と同い年かそこらですよ!?犯罪ですよそれ!?」

 

簪「零、どういう事なの?その女とどういう関係なの?まさか彼女とかじゃないよね?違うよね?だって零言ってくれたもんね?私の事が大好きだって。なのに何でその女と親しそうに話をするの?何で夜の話なんてしてるの?もしかして本当に彼女なの?酷い、酷いよ零。私にこんな気持ちを抱かせて、その気にさせて、それも全部お遊びだったって事?私の気持ちを弄んで楽しんでたの?私を裏切って嗤ってたの?違うよね?零はそんな酷い人じゃないもんね?零が優しく人だって事、私が一番良く知ってるもん。零は騙されてるだけなんだよね?その女に誑かされてるだけなんだよね?そうなんだよね?……何で何も言ってくれないの?ねえ、答えてよ、答えてってば!?」

 

真月「待て待て待て!?二人は何か致命的な誤解をしているぞ!?おいマドカ、お前からも何とか言ってくれ!?」

 

マドカ「ふむ、何だか大変な状況になっているようだな。ならば誤解は解いておいた方がいいだろう。安心しろ二人共、私と零はそんな関係ではない。ただ単に私が初めて(敗北)した相手というだけだ」

 

真月「変に言語圧縮してんじゃねえ!?何か如何わしい事したみたいになってるじゃねえか!?」

 

蘭「零さん!マジか、マジなんですか!?私嫌ですよ!?数年間を共に過ごした家族を警察に通報しなきゃいけないなんて嫌ですからね!?」

 

簪「あは、あははははははは!!そっか、そうなんだね!零はやっぱりその女に騙されてたんだ!待っててね零、今すぐその女を排除して、貴方を正気に戻してあげるから!私だけを見て、私だけに笑顔を向けて、私だけに優しくしてくれるいつもの零に戻してあげるから!」

 

マドカ「ふむ、私としてはちゃんと説明したつもりなのだが、どうやら逆効果だったようだな」

 

逆効果どころの問題じゃない、そうマドカに抗議をしようとしたが、パニックに陥った二人、特に簪を落ち着かせるので精一杯でそれどころではなかった。結局、ブチ切れたジジイに全員纏めて店を追い出されるまで、俺の誤解は解けなかった。

 

 

 

真月「ったく、疲れたぜ」

 

蘭「全くです、零さんもちゃんと説明して下さいよ」

 

簪「同感。零がちゃんと説明してくれていれば、あんな無駄な時間を過ごす事は無かった」

 

真月「話を聞く気が無かったのは何処の何奴なんですかねえ……」

 

蘭・簪『あーあー聞こえない聞こえないー』

 

真月「テメェら……!」

 

マドカ「ははは、仲が良さそうで何よりだ。さてお前ら、そろそろラボに着くぞ」

 

マドカに連れられて本社を歩く俺達は、地下のラボの扉の前まで来ていた。

 

簪「ここが、アークライトカンパニーの開発室……!」

 

蘭「な、何だか、とても緊張します……」

 

マドカ「緊張する必要など無い。ウチの技術者は変人揃いだからな。おい変人供!客を連れて来たぞ!」

 

そう言ってマドカがドアを開けると、丁度ドアの近くで作業していたダニエルが近寄って来た。

 

ダニエル「そうか、ありがとうマドカ。それで、こっちの二人が今回専用機を貰いに来た奴らか?」

 

蘭「は、はい!五反田蘭と申します!よ、よろしくお願いします!」

 

簪「……更識簪です。よろしくお願いします」

 

ダニエル「蘭に簪だな、よろしく。早速専用機を渡したいと思っていたんだが、少し待ってくれないか?先客がいるんだ」

 

真月「先客だあ?誰だよその先客って?」

 

鈴音「アタシよ!」

 

そう言って部屋の奥からジャンプしてここまで来た鈴は、ニコリと笑った。

 

蘭「鈴さん!?」

 

簪「何で此処に?」

 

鈴音「あら、簪はまあ予想してたけど、蘭は予想外ね。何だ、専用機を取りに来たってのはアンタ達だったのね」

 

真月「で、何でテメェは此処に居んだよ?テメェ中国の代表候補生だろうが」

 

鈴音「ああそれね。何かアタシも詳しくは聞いてないんだけど、アタシ一時的にこの企業所属になるみたい」

 

真月「はあ!?どういう事だよ!?」

 

鈴音「レッドデーモンズを修理出来る環境が本国の方じゃ整ってないのよ。そんで、ウチのお偉いさんが整備の環境が整ってるこの企業の社長さんと交渉して、整備なんかをしてもらえるようにしたみたい」

 

ああ、前にVの野郎が中国の役人と話をしてたのはこの事だったのか。というか中国政府、まともに整備出来ないような機体を何故作ったし。

 

真月「成る程、今は機体の整備中って事か。後どんくらいかかるんだ?」

 

ダニエル「大体二、三十分くらいだな。その間に蘭はカタログに目を通しておいてくれ」

 

蘭「は、はい!」

 

簪「……私は?」

 

ダニエル「君には既に専用機を用意してある。それもこれから持ってくるから、少し待っていてくれ」

 

簪「はあ……?」

 

それだけ言うと、ダニエルはまた奥の方に引っ込んでしまった。どうやら今はブルーノと亮は居ないみたいで、ダニエルが一連の作業を一人でやっているみたいだ。

 

マドカ「ふむ、案内は終わったな。良し零、トレーニングルームに行くぞ!」

 

真月「ざけんな!夜からって話だっただろうが!?」

 

マドカ「そうは言うがな、暇なのだ!毎日毎日本詰まらん書類に目を通し、スコールの愚痴を聞く生活はうんざりなんだ!刺激が欲しいんだよ私は!」

 

真月「そのスコールが愚痴る要因はお前でもあるがな!」

 

マドカ「知るか!私は闘いたいんだ!だからとっとと……いや、今日はお前でなくともいいか」

 

真月「何?」

 

マドカ「蘭、専用機を決めたら言え。私が稽古をつけてやる」

 

蘭「へ!?私ですか!?」

 

マドカ「ああ。強い奴と闘うのも良いが、誰かを鍛えるのも良い経験になるからな。受験までに、私がお前を強くしてやる」

 

ほう、マドカが蘭を鍛えるのか。やり過ぎないかは心配だが、確かに適任ではある。

 

蘭「え、えっと……それは有難いんですけど、良いんですか?」

 

マドカ「ああ、同年代の奴とは仲良くしたいし、自分で自分の好敵手となり得る人材を育成出来るというならば、しない手は無いだろう」

 

蘭「あ、有難うございます!」

 

マドカ「ふ、礼は稽古の後にしろ。それで蘭、専用機は決まったのか?」

 

蘭「正直、個性的なのが多過ぎてどれ選べばいいのか分かりません。マドカちゃんは、何かオススメの機体とか有りますか?」

 

マドカ「マドカでいい。そうだな、蘭は何か武術をやってはいないのか?」

 

蘭「へ?ああ、空手を少々……」

 

マドカ「ふむ空手か、なら機体は近接型の方が良いな。コレはどうだ?」

 

蘭「『ジャンク・ウォリアー』、ですか。確かに近接主体だから私でも上手くやれそうですね。分かりました、取り敢えずこれを使ってみます!」

 

マドカ「ふふ、そうか。ダニエル!蘭はジャンク・ウォリアーに決めたぞ!」

 

ダニエル「そうか、こっちも丁度鈴の機体のメンテが終わった所だ」

 

鈴音「うおぉ!!凄い完全に治ってる!!」

 

ダニエル「右腕に少し疲労が溜まってる。このまま酷使した場合壊れる可能性が有るから、あまり無理な使い方はしないでくれ」

 

鈴音「オッケーオッケー!んじゃ零、アタシ師匠に会ってくるから、またね!」

 

そう言って鈴は部屋を飛び出して行った。全く、落ち着きの無い奴だ。

 

ダニエル「さて蘭、これがジャンク・ウォリアーだ。細かい調整をしたいから、今展開してみてくれないか?」

 

蘭「は、はい!えっと、ど、どうすれば……」

 

マドカ「頭の中で強く念じろ。自分が機体を展開している姿をイメージするんだ」

 

簪「いきなり全身を展開する必要は無い。先ずは腕、その次は脚、それぞれの部位を一つ一つ丁寧に展開して」

 

蘭「はい!んんん……!」

 

目を閉じた蘭の身体が少しずつ光に包まれる。光が蘭の腕に収束して腕部が展開。続いて脚部、胴体と言った具合に次々と展開され、やがて頭部の装甲も展開されて完全に機体を展開した蘭が姿を現した。

 

蘭「わあぁ……出来た!出来ましたよ零さん!簪さん!マドカ!」

 

真月「おお!やるじゃねえか!」

 

簪「……おめでとう」

 

マドカ「うむ、上出来だ。少し展開に時間がかかったが、初回で全身を展開出来たのなら良い方だろう。ダニエル、早く調整を済ませろ」

 

ダニエル「分かっている。……良し、問題無しだ。調整は問題無く終わったぞ」

 

マドカ「相変わらず仕事が異常に早いなお前は。よぉし!蘭、稽古の時間だ!今日は家に帰れると思うなよ!」

 

蘭「へ!?ちょっと、ちょっと待って下さいよ!?私明日学校が有るんですよ!?」

 

マドカ「知るか!休めそんなモン!」

 

蘭「理不尽だ!?ちょっと零さん簪さん!?何とか言って下さいよ!?」

 

真月「ドンマイ!ジジイ達には俺が連絡入れといてやるから安心しな!」

 

簪「……健闘を祈る」

 

蘭「あーん普通に見捨てられたー!?二人共後で覚えておいて下さいね!?」

 

そう叫びながら、蘭は機体を展開したマドカに担ぎ上げられて何処かに消えて行った。御愁傷様ではあるが、マドカは一度決めたら止まらないから仕方ない。

 

真月「俺はちょっとジジイ達に連絡してくる。簪、ダニエルから機体を受け取っておいてくれ」

 

簪「ん、分かった」

 

ラボは精密機械が多い為、部屋を出てからジジイ達に連絡する事にした。変人の巣窟に簪一人を残していくのは心配ではあるが、比較的まともなダニエルだけなので大丈夫だと思いたい。

 

 

 

side簪

 

 

 

ダニエル「さて、これが君の専用機だ。早速展開してみてくれないか?」

 

簪「……はい」

 

零が出て行った後、ダニエルさんが待機状態の機体を持ってきてくれた。形状はシンプルなネックレス型、ちょっと地味なので、後で形を変えて貰おう。そんな事を考えながら、機体に手を触れ、機体を展開するイメージを頭の中で形にしていく。

 

簪(……あれ?)

 

思ったよりすんなりイメージが出来る。いくら機体の展開に慣れているとはいえ、初めての機体だからそれなりに時間がかかると思っていたのに。それなのに、何だかとても簡単に自分がこの機体を纏っている姿が想像出来る。まるでずっと前から一緒にいたみたいにーー

 

簪(……まさ、か)

 

そんな筈は無い。あの子はもう倉持に返還したんだ、ここに居る筈が無い。それなのに何で、何でこんなに懐かしい気持ちにーー

 

ダニエル「……どうやら、気が付いたみたいだな」

 

簪「……!?待って下さい、じゃあこれは、本当に!?」

 

ダニエル「ああ。そのISには君の専用機、『打鉄弐式』のISコアが使われている」

 

簪「……あ、ああ……!」

 

やっぱり、そうだった。このISは、ずっと一緒にいたあの子だったんだ。両目からとめどなく涙が溢れる。ずっと気がかりだった、もう会えないと思ってた、それなのに、また会えるなんて……!

 

簪「何で、この子が此処に……?」

 

ダニエル「……本人が居ない時にこれを言って良いのか分からないが、答えよう。そのコアを倉持から譲り受けるよう社長に頼んだのは零だ」

 

簪「零、が…?」

 

ダニエル「ああ、必死に社長に頼み込んで、大分無理をして交渉してもらったそうだ。……先の襲撃で手に入れたナンバーズを、交渉のカードにつかってまでな」

 

簪「……!」

 

そこまで、してくれたなんて。私なんかの為に、命懸けで手に入れたナンバーズまで手放したなんて。そんなにしてくれるくらい私の事を心配してくれたなんて。嬉しさと、恥ずかしさで顔が熱くなる。

 

ダニエル「意外だったよ。自分本位な彼が、ここまで誰かの為に必死になれるなんて。君は、其れ程までに彼に想われているんだな」

 

簪「零、零……!」

 

ダニエル「……その機体はまだ未完成だ。君が名前を付けて、魂を注いで初めて完成するんだ。その機体に名前を付けて上げてくれないか?その機体に名前を付ける資格が有るのは、ずっと一緒にいた君だけだから」

 

簪「名前……」

 

私の中で、もう名前は決まっていた。

 

簪「……零式、『打鉄零式』!それがこの子の、名前!」

 

もう会えないと思っていたこの子とまた合わせてくれた彼の名前、私の愛する最高のヒーローの名前を、この子に付ける。この子となら、誰にも負けない、何処へだって行ける。そう、思えるんだ。

 

ダニエル「……!機体が……!」

 

簪「わあ……!」

 

私が名前を付けた瞬間、零式は眩い光に包まれて、その形を変えていった。光が消えた時、其処に有ったのはさっきまでのネックレス型の零式では無かった。

 

簪「デッキ、ケース……?」

 

ダニエル「これは……予想外の結果だな。まさかデッキケースになるとは思わなかった。だがこうなったという事は何か意味が有るんだろう。簪、これを少し貸してくれないか?二時間くらいで良い、それだけあれば俺のアイデアが実現出来る筈だ」

 

簪「アイデア?」

 

ダニエル「ああ。ふと思いついた事なんだがな、こういう展開方法でーー」

 

簪「そんな事が可能なの!?」

 

ダニエルさんのそのアイデアに、私は目を輝かせる。それは、私が昔から憧れていたものだからだ。

 

ダニエル「ああ、出来る。その為に、君のデッキを貸してくれないか?」

 

簪「お安い御用……!」

 

ポーチを漁り、常に携帯しているデッキケースをダニエルさんに手渡す。

 

ダニエル「有難う。それじゃあ早速作るから、暫く待っていてくれないか?」

 

簪「はい……!」

 

私の返事を聞いて優しく微笑んで、ダニエルさんは奥の方に引っ込んで行った。

 

簪「ふへ、へへへ……!まさか現実でアレが出来るなんて、夢みたい……!」

 

広いラボにただ一人残された私は、これからの事を考えて、電話を終えた零が帰ってくるまでずっとニヤニヤしていた。

 

 

 

Exside.フランス

 

 

 

シャル父「シャルロット、今回お前にはIS学園にスパイとして編入してもらう」

 

シャルロット「……はい、父さん」

 

いつもの場所、いつもの椅子で、父さんは僕に言った。何の感情も篭っていない目で僕を見る父さんの傍らには冷たい目で此方を見据える義母さんがいる。ニヤニヤと笑いながら私をバカにする副社長夫妻が居ないのが唯一の幸いだ。この場所は、嫌いだ。だってこの場所には僕の居場所が無いから。

 

シャルロット(いや、何甘い事を考えてるんだ僕は)

 

居場所なんて何処にも無い。母さんが死んだあの日から、父さんの部下を名乗る人達に連れてこられたあの日から、僕は自由を奪われた。あの時点で僕は、シャルロットは死んだんだ。此処に居るのはその残り滓、逃げる事も死ぬ事も出来ずただ生きているだけの肉の塊だ。

 

シャルロット「標的は五人の男性操縦者、ですか?」

 

シャル父「ああ、お前には彼らの所持するISのデータを盗んできてもらう。我が社の存続の為には、何としてでも第三世代のISを作る必要が有るからな」

 

シャルロット「分かりました。編入はGW明け、という事ですね?」

 

シャル父「ああ。そしてお前には男性として入ってもらう」

 

シャルロット「…………はい?」

 

今、この人は何て言ったんだ?とてつもなく馬鹿げた事を言っていた気がするが、流石に僕の気のせいだよね?

 

シャル父「ふむ、よく聞こえなかったようだな。シャルロット、お前にはシャルル・デュノアという名前の男性操縦者として学園に編入してもらう」

 

シャルロット「いやいやいや!?何真顔でとんでもない事を言ってるんですか!?そんなの一瞬でバレますよ!?」

 

シャル父「問題無い、政府は私が何とか誤魔化したからな」

 

シャルロット「何で騙されたのフランス政府!?」

 

シャル父「女装が趣味という事にしたら、今までの写真については誤魔化せたからな。それに戸籍も新しく作った。ほれ、これなら問題無いだろう?」

 

シャルロット「問題しか有りませんよ!?何で編入前からそんな属性付与されてるんですか僕は!?そもそも何故に男性!?女性として入った方がスパイとかやりやすいでしょう!?」

 

シャル父「ただ女性として入れるより、男性として入った方がターゲットと接近しやすいだろう。それに、アークライト社とは違う天然物の男性操縦者第2号という肩書きがあれば、我が社の良い宣伝になるだろう?」

 

シャルロット「人を魚か何かみたいな扱いにしないで下さいよ!?というか副社長夫妻は!?あの二人は反対しなかったんですか!?」

 

シャル父「あの二人なら三日前からアメリカに出張に行かせた。この場にいたら間違いなく反対するからな」

 

シャルロット「自分のトコの副社長を厄介払いってどういう事!?」

 

不味い、このままでは僕はデュノア社から来た女装好きの女顔男性操縦者とかいう怪しさの塊として学園に行かされる!?間違いなく浮いてしまう!?なんとかして女性として編入しなくては!

 

シャルロット「そ、そうだ!胸!胸はどうするんですか!自慢じゃ無いですが僕結構デカイですよ!服の上からバレバレですよ!!」

 

シャル父「それについても問題無い。胸にコル、何とかを付ければいける筈だ」

 

シャル義母「コルセットですよ、貴方」

 

シャル父「そうそう、それだそれ。兎に角そのコルセットで胸は隠せるから、安心して男装して来い」

 

シャルロット「何で頑なに女性として編入させてくれないんですかーー!?」

 

 

 

拝啓お母さん。心が、折れそうです……

 

 

 

Exside.ドイツ

 

 

 

「以上が君に与える任務だ。良いかね、ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐?」

 

ラウラ「はっ!ラウラ・ボーデヴィッヒ、任務了解しました!」

 

「うむ、君の働きに期待するよ」

 

どうせ私の働きになど期待していないのだろう、その目を見れば良く分かる。任務というのはただの理由付けで、実際は使えない駒を廃棄処分する気なのだろう?そんな事を考えている事を悟られないように表情を作り、勢い良く敬礼する。

 

ラウラ「はっ!では失礼します!」

 

敬礼をした後で、部屋を後にする。ドアを開けた先には信頼する副官が笑顔で待って居た。

 

ラウラ「クラリッサ、別に待つ必要は無かったぞ?」

 

クラリッサ「いえいえ、少佐の隣を歩き、中佐を支えるのが我々黒ウサギ隊の仕事ですので」

 

ラウラ「そうか、隊長思いの部下を持って私は幸せだよ」

 

クラリッサ「はい隊長!一生ついていきます!」

 

私より歳が上の副官は何の曇りの無い目でそう言って笑った。その純粋さが、私には少し眩しい。

 

『クク、良い部下じゃねえか。そいつは何の迷いも躊躇いも無くテメェの為に命を捨てられるだろうさ。良かったなあ、そんな最高の部下に恵まれてよぉ?』

 

ラウラ(黙れ、貴様の声は頭に直接響いて不快だ。私の許可無く喋るな)

 

頭に響く声にそう心の中で毒を吐きながら、私は周囲に目を向けた。

 

「ねえ見て、黒ウサギ隊の無能隊長よ?」

 

「ねえ知ってる?あの無能隊長今度任務でIS学園に行くんだって」

 

「あはは!あいつが任務?失敗して泣きながら逃げ帰ってくるのがオチじゃない!」

 

「無理無理、次失敗したら廃棄処分よ。国にすら戻れないわよあの臆病ウサギ」

 

「ホント、生きてて恥ずかしいって思わないのかしら?」

 

「こんな無様な姿を晒すくらいなら、他の姉妹と同じように廃棄されてれば良かったのにね」

 

陰口、嘲笑、侮蔑。あらゆる負の感情が私に向けられる。特に反応する必要は無い、いつもの事なのだから。

 

クラリッサ「……!」

 

ラウラ「止めろクラリッサ。手を出したらお前の立場が悪くなる」

 

クラリッサ「ですが隊長……!」

 

ラウラ「あいつらの言う事は事実だ。私は任務達成率ゼロパーセント、試合勝率3割以下の無能隊長だ」

 

クラリッサ「隊長は悪くありません!隊長は、私達を死なせない為に……!」

 

ラウラ「それは任務を失敗して良い言い訳にならない。それに試合の勝率の悪さは覆しようの無い事実だ」

 

クラリッサ「隊長は、悔しくないんですか……!」

 

ラウラ「無い、あいつらは事実を述べているのだからな」

 

クラリッサ「私は、私達は悔しいです!私達が不甲斐ないばかりに隊長に迷惑をかけてしまって……!私達の所為で隊長が馬鹿にされるのが、本当に悔しいです……!」

 

ラウラ「…………」

 

血が滲み出る程強く拳を握り締めるクラリッサから目を逸らし、窓の向こう、日本の方角を見つめる。あの人は今も変わらず力を至上のものとして考えいるのだろうか。

 

『おいおい、可愛い部下がこんなに悔しがっているのに、テメェは何にも思わないのか?つまんねえ意地を張ってないで俺様の力を借りろよ。俺の力が有れば、テメェを馬鹿にしてる奴らなんざ瞬殺だぜ?』

 

ラウラ(断る。お前の力を受け入れたら、私はあの人と同じになってしまう。そうなるくらいなら、私は弱いままで構わない)

 

そう、私は弱いままでいい。馬鹿にされたままでいい。笑われたままでいい。力に溺れて人として大切な物を失うくらいなら、私は一生無能でいい。大切な部下と共に歩けるならば、私は力なんて無くていい。それが、一番人間らしい生き方なのだと私は思うから。

 

『そうかい、なら仕方ねえ。力が欲しくなったらいつでも言いな。俺様はテメェのパートナーだ、いくらでも力を貸してやるぜ、ラウラ?』

 

ラウラ(そんな日は一生来ないさ、クロ)

 

『だからそんな猫みたいなあだ名付けんじゃねえよ!俺にはちゃんと名前があんだよ!』

 

そう言って私の中に住むモノは、若干イラついたような声で名前を言った。

 

『俺様はナンバーズ96、【ブラック・ミスト】様だ!2度とそんな巫山戯た名前で呼ぶんじゃねえ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

シャルル「という訳で、今回の次回予告担当は僕と!」
ラウラ「私がやる」
シャルル「いやあ40話に到達してやっと僕達の登場だよ。ホント、長過ぎだよね。一体完結までに何話かかることやら」
ラウラ「原作が未だに一年生編終了してないからな。三学期以降は必然的にオリジナルになる。今以上に話を考えるのが難しくなるな」
シャルル「卒業までやる気だからねこの小説。もうちょい文才が有れば楽に話を進められるのになー」
ラウラ「メタな話はここまでだ。次回予告に入るぞ」
「フランスから来ました、シャルル・デュノアです。皆さん、よろしくお願いします!」
シャルル「という訳で僕登場!今作の貴重なツッコミ役だよ!」
ラウラ「苦労人枠とも言えるがな」
シャルル「それを言わないで!?」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。少し一般常識に疎い所があるが、よろしく頼む」
ラウラ「私だな。……ちゃんと自己紹介が出来ているのだろうか」
シャルル「自己紹介は大事だからね。ああ、何で僕は男装で行かなきゃいけないんだ……」

次回、インフィニットバリアンズ
ep.41 二人の転校生

シャルル「次回もよろしくね!」
ラウラ「また、見てくれ」

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