インフィニット・バリアンズ   作:BF・顔芸の真ゲス

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ep.39 GWとそれぞれの日常

side真月

 

 

 

真月「……んあ?」

 

背中に暖かい感触を感じ、目を覚ます。時刻は7時、朝だ。

 

まだ疲れの取れない身体を動かして背中の方を見ると、そこにはーー

 

簪「すぅ、すぅ……」

 

何故か簪が俺に抱きついて寝ていた。変だな、ベッドは間違えていない筈だが。

 

真月(にしても気持ち良く寝てんなあオイ)

 

折角なので寝顔を観察する事にする。普段はまじまじと見る事が無いので知らなかったが、寝ている時の顔結構可愛いな。簪に限った事では無いが、寝ていて無防備な奴の顔は大体可愛い。あの気に入らないメラグですら、寝顔を見て一瞬惚れそうになったくらいだ。まあ、その後すぐに起きたメラグに殺されかけて正気に戻ったが。

 

簪「……ん、んうぅ?」

 

そんなこんなで五分くらい観察していたら、簪が目を覚ました。簪は暫くボーッとしていたが、その後俺に気付いて笑顔を向けてきた。

 

簪「……おはよう、零」

 

真月「おはよう、簪。調子は大丈夫そうだな。そんで、何で俺に抱きついて寝てたんだ?」

 

簪「……駄目、だった?」

 

真月「いや、別に良いが。これから朝食を作るが、何かリクエストは有るか?」

 

簪「いや、今日は私が作るよ。零はテレビでも見て待ってて?」

 

真月「おう?じゃあ頼むわ」

 

意外だ、簪が料理をするなんて。普段は俺が作るか、食堂で食べるかで、簪が料理する事なんて一度も無かったのに。

 

真月(まあ、本人が作りたいんなら別に良いか)

 

昨日あんな事があって疲れているであろう簪に動いてもらうのは申し訳無い気持ちになるが、本人がそうしたいらしいのでそれを尊重して待つ事にする。

 

真月(そういえば、もう少しで簪が好きな特撮がやるな)

 

確か社長が高笑いしながら土管から出てくるやつだったかなどとどうでもいい事をテレビを点けながら考え、俺は簪が朝食を作り終えるまで時間を潰す事にした。

 

 

 

side簪

 

 

 

卵を割って、温めたフライパンに投入する。久しぶりに自分で料理したけれど、目玉焼きくらいなら上手く出来るみたいだ。

 

簪「……よし!」

 

トーストも完成した、目玉焼きも完璧。ちょっと物足りない感じはするが、これから色々な物を作っていけばいいだろう。

 

楯無『男の子のハートを掴みたいなら先ず胃袋を掴め!料理の出来る女の子はポイント高いわよ!』

 

昨日お姉ちゃんに言われた事だ。確かに、アニメで主人公と一緒にいるヒロインは料理が出来るイメージがある。

 

簪「何だか……」

 

夫婦みたいだ、そんな感じの事を考える。こうやってゴハンを作って、一緒に食べて、沢山お話して、こんな日々を送っている私達は、ある意味夫婦に近いんじゃないかと私は思う。

 

簪「夫婦、夫婦かあ……えへ、えへへへへ……」

 

だらしなく顔が緩む。本当に夫婦になれたら、凄く幸せなんだろうな。

 

零、私を助けてくれた正義のヒーローで、私の初恋の人。零の事を考えるだけで胸の奥がポカポカ暖かくなって、とても幸せな気分になる。零に抱きついて寝たら、零の身体の温もりを感じてとても気持ちが良かった。零は、抱きついていた私を見て、どう思ったのかな?迷惑だと思ったのかな?恥ずかしいと思ったのかな?私を、女の子として意識してくれたのかな?だったら、少し嬉しい。

 

簪「零、出来たよ」

 

真月「おう、ありがとな簪」

 

零にありがとうって言われて顔が熱くなる。これから毎日作るのに、こんな調子で大丈夫かな?

 

真月「……うん、美味い。料理上手なんだな、簪」

 

簪「トーストと目玉焼きくらいで大袈裟だよ。それに零の方が料理上手でしょ?」

 

真月「いや、俺は前住んでた家が定食屋だったからだ。店の手伝いとかで厨房に立つ事が多かったのさ。……そうだ、今日はそこに行くか。簪、俺は前住んでた家に泊まりに行くから、他の奴が俺を訪ねて来たらそう言っといてくれないか?」

 

簪「泊まりに行くの?」

 

真月「ああ。ちょっと急な別れだったし、久しぶりに色々と話したいからな」

 

簪「……そう」

 

泊まりに行く、つまり今日は一緒に寝れないのか、何だか寂しいな。でも一日くらいなら大丈夫かな。

 

真月「良し、特に予定も無いし、次学校行くまでそこで過ごすか!」

 

簪「……え?」

 

次の学校まで、そこで過ごす?それって、一週間くらい零と会えないって事?

 

簪(……嫌だ)

 

嫌だ、嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!?そんなに長く零と離れるなんて耐えられない!?だって零は私にとってかけがえのない大切な人で、大好きだって言ってくれた人で、絶対私を一人にしないって言ってくれた人なのに!?どうしてそんなに私から離れるの!?どうして一緒に居てくれないの!?私の事を守ってくれるんじゃなかったの!?

 

真月「簪?……おい、どうした?」

 

簪「……私も行く」

 

真月「あ?」

 

簪「だったら、私も行く!」

 

真月「はい!?どうした急に!?」

 

簪「駄目なの!?何で私が行っちゃ駄目なの!?零は私の事嫌いなの!?だから来て欲しくないの!?」

 

真月「いや別にそんな事は言ってないだろ!?ただな、流石に女の子連れて泊まりに行くのは人としてどうなんだろうという事で……泊まる部屋だって余裕がある訳じゃ無いし……」

 

簪「今日みたいに一緒に寝れば問題無いでしょ!そんなに私と一緒に居たくないの!?ねえねえねえ!!」

 

真月(ヤベェ……まだ完全にナンバーズの影響取れてねえぞコイツ……!?)

 

ねえ、何で目を逸らすの?何で私の事ちゃんと見てくれないの?私は零の事で頭が一杯なのに、何で零は私の事を考えてくれないの?誰の事を考えているの?鈴の事?璃緒さんの事?天音達の事?それとももっと別の人?嫌だよ、私だけを見てよ。私の事だけを考えてよ。もっと、私を愛してよ。

 

真月「分かった分かった分かった!?連れてくから!?弾達にも何とか話を通すから!?だから落ち着け!?なんかお前恐い!?」

 

簪「本当!?ありがとう零!じゃあ、早速準備しよう!何持ってこうかな、着替えも準備しないとなあ♪」

 

真月(恐え……)

 

色々言うけど、やっぱり零は私の事を考えてくれてる。私の事を受け入れてくれる。嬉しいなぁ。やっぱり零は私のヒーローだ。

 

 

 

零とお泊り、楽しみだなぁ……!

 

 

 

side真月

 

 

 

何か様子がおかしい簪を拒み切れず、結局五反田家に簪も連れて泊まりに行く事になってしまった。

 

真月「つー訳で、泊めて貰うぞ弾」

 

弾「どういう訳だ!?いきなりやって来て泊めろって言われたのもアレだが、可愛い女の子まで連れて来てるのはもっと意味が分からんぞ!?」

 

真月「別に良いだろ彼女とかじゃ無いんだし。ジジイもいつでも帰って来て良いって言ってただろうが」

 

弾「それにしたってせめて連絡くらいしてくれ!?あと彼女じゃ無いなら何で連れて来たんだよ!?」

 

久しぶりに店の前で弾と話していたら、後ろにいた簪から何故か光の消えた目で睨まれた。ねえ、もしかしてこれが簪の素なの?

 

真月「こいつが来たいって言ったんだから仕方ないだろ。あ、紹介が遅れたな。弾、こいつは俺のルームメイトの簪だ。簪、こいつが俺の居候先の家族の弾だ」

 

簪「……更識簪」

 

弾「ど、どうも、五反田弾っす」

 

簪「……」

 

弾「……」

 

気まずい沈黙が続く。人見知りな簪が黙るのはまあ予想出来たが、弾まで黙るとは思わなかった。実際に女子と対面したら話せないとか、だからモテないんだろお前。

 

真月「……上がっていいか?」

 

弾「お、おう!丁度一夏の奴も二階にいるし、皆でゲームでもしないか?」

 

真月「何だ一夏も来てたのか。つーか弾、お前店は大丈夫なのか?」

 

弾「丁度ピークの時間帯は過ぎたからな。少しくらいじいちゃんも許してくれるだろ。そうだ、さっきまで一夏とISVSで対戦してたんだ。それやらないか?あれ確か四人まで同時にプレイ出来ただろ」

 

真月「ああ、アレか。やたら暮桜の性能が良い奴」

 

近接オンリーの筈なのに、やたら強いんだよなアレ。どんなに下手な奴でもアレ使っとけば勝てたから、操作に慣れるまでずっとアレ使ってたな。

 

簪「……それは日本版だから。海外版だったら国ごとに性能の良い機体が違う」

 

弾「え、そうなのか?俺てっきりアレが最新型で一番性能が良かったからだと思ってたぜ」

 

簪「あの頃の機体に武装の種類以外で大した性能差は無い。どの国もプライドがあるから、自分の国の機体を強く設定するのは当たり前」

 

弾「へえ、たかがゲームにそこまで……」

 

弾が驚き半分呆れ半分の声を上げるが、俺も同意見だ。そんなどうでもいい所に力入れるくらいなら機体の設計でも見直しとけと言いたい。どの国も何か一点に力入れ過ぎててバランス悪過ぎるんだよ。

 

簪「……たかがゲームと侮ってはいけない。このゲームに出てる機体の性能データは、実際に企業から提供された機体のデータを元に設定されている。だから、ある意味ではプレイヤーは本物の機体を使っていると言っても過言ではない」

 

弾「へえぇ……そりゃ凄えな。簪、だっけ?随分詳しいんだな、アンタ」

 

簪「このゲームは結構やり込んでたから。実際に機体を動かす時に操縦のイメージもしやすいし、他の機体の事も知る事が出来るから結構勉強になる」

 

弾「成る程なぁ。良し、そんじゃあ四人対戦と行こうか!簪さんも結構強そうだから、かなり面白い対戦になりそうだ!」

 

簪「……狙うは一位」

 

どうやら二人はなんとか意気投合したようだ。このまま会話が無い気まずい感じが続くと思ってたので、これは嬉しい。店の奥に入って行く二人を見つめながら、俺はそんな事を考えていた。

 

 

 

弾「よし!ここだ!」

 

簪「……甘い!」

 

弾「うおぅ!?避けられた!?つーか何だ今の動き!?中の人死んでるだろ絶対!?」

 

簪「……こういう非現実的な動きが出来るのも、ゲームならではで良いよね」

 

一夏「よし、アイテムゲット。それじゃあ早速これを零にシュートォ!!」

 

真月「なあっ!?一夏テメェ!?人が折角必殺ゲージ貯めてたのに邪魔してんじゃねえ!?」

 

一夏「近くに居た、お前が悪い!」

 

真月「この野郎……!」

 

格闘ゲーム特有の殺伐とした雰囲気の中、俺達はひたすらゲームに没頭していた。俺も久しぶりにやったが、これはこれで実際に機体を操縦するのとは違った面白さがあって良いと思う。

 

簪「……これで終わり」

 

弾「あ、何かヤバい予感……」

 

一夏「おいちょっと待ていつの間にか全員端っこに集められてるぞ!?」

 

真月「待て待て待て!?三人同時撃破とかそんなのアリなのか!?」

 

簪「その為のクアッド・ファランクス」

 

一・弾・真『ギャアアアァァァァァ!?』

 

簪「……ふう、私の勝ち」

 

結果はまさかの三人同時撃破で簪の勝利だった。というかプレイ上手過ぎだろ。端っこに誘導されてるの全く気がつかなかったぞ。

 

弾「ま、まさかこんな事が……」

 

一夏「わ、ワンターンスリーキルゥ……」

 

真月「四人対戦は結構やってきたが、こんな事になったのは初めてだぜ……!」

 

簪「……ビクトリー」

 

あまりに芸術的な敗北に、俺達はドヤ顔でピースサインをする簪に思わず畏敬の念を送ってしまった。

 

弾「おお、そういや一夏に零。女の子に囲まれた生活なんてラノベの主人公みたいな状況に置かれてて羨ましいって俺は思うが、実際の所どんな感じなんだ?」

 

真月「大変に決まってんだろ。元々が女子校だから男子トイレが極端に少ないし、男子は大浴場使えないから部屋のシャワールームしか使えないんだぞ」

 

一夏「そうだなぁ、学生寮で私服着るのは別に構わないけど、頼むから露出高い寝巻きとかは勘弁してもらいたいよな。目のやり場に困る」

 

弾「前者は同情してやるが後者は死ね。なんだよそれやっぱ天国じゃねえか!クッソ超羨ましい!!それで、ルームメイトとはどうなんだ?さっきは聞き流してたが、零のルームメイトは簪さんなんだろ?一緒に生活してて不便な事とか無いのか?」

 

真月「特に無えな。俺と簪じゃあ部屋に戻る時間が違うからシャワールーム使う時間帯とかも決まってるし、洗濯とかは学園内のコインランドリーで出来るから洗濯物が混ざったりする事も無いしな」

 

一夏「俺も大体同じだな。強いて問題点を挙げるなら、朝早く起きる箒の自主トレに付き合わされる事だな」

 

真月「ああ、それでお前朝はいつも死んだように寝てるのか、納得した」

 

弾「箒って確かお前らの幼馴染だったよな。って事は二人とも女子と同室かよ巫山戯んな死ね!」

 

簪「そうだったの?」

 

真月「一夏にとっちゃ幼馴染だな。俺にとっては血の繋がってない妹みたいなもんだが」

 

一夏「零は弾のトコに来るまでは箒の家に住んでたからな。ある意味束さんの弟だぜ?」

 

簪「IS開発者の弟って……凄いね零」

 

真月「別に凄か無えよ。ちょっと機械弄りが得意なだけで、私生活はダメダメだからなあのウサギ。俺や箒がどんだけ苦労したことか……」

 

弾「あの篠ノ之博士をダメダメって言える時点で大物だよお前……ああ、幼馴染で思い出した。鈴の奴が学園に来たんだろ?あいつ元気だったか?」

 

真月「元気過ぎて困るくらいだぜ。ベランダを飛び跳ねて部屋まで来たりするからな」

 

弾「何処の暗殺者だよそれ……」

 

弾が若干引いた声を出す。まあ当然の反応だ。俺だって鈴の人外っぷりには同じ人外でありながら戦慄してしまうからな。

 

弾「まあ、元気ならそれで良い。そんじゃ第二回戦をやるとしよ……んあ?」

 

続きをしようとコントローラーを手に取った時、階段をドタドタと駆け上がってくる音が聞こえた。こんだけデカイ音立ててジジイが怒鳴らないって事は、音の主はあいつだな。

 

蘭「くぉらこのクソお兄!可愛い妹に買い出し行かせといて自分はゲームとか巫山戯てんの!?昼ごはんが出来たから呼びに来たよ!」

 

ドアを蹴破って怒鳴り込んで来たこの赤毛の少女が弾の妹の蘭だ。弾に対する言葉遣いこそ乱暴だが、これはジジイの言葉遣いが移っただけで、別に仲が悪い訳では無い。寧ろ週末に二人で買い物に行くくらいには兄妹仲は良好だ。

 

弾「蘭……毎度毎度ドアを蹴破って入ってくるのは止めろって何度も言ってるだろ。後俺はちゃんとじいちゃんに許可取って休んでるんだからそんなに怒鳴らないでくれ」

 

蘭「休憩取る分には別にいいけど、実の妹をパシリみたいに使うなって言ってんのよ!あ、後余ったお釣りでポテチ買ったから、それ今日のおやつね!」

 

弾「味は?」

 

蘭「私とお兄共通で好きな味コンソメしか無いんだからコンソメに決まってるでしょ!あ、一夏さんの分も昼ごはん有りますから、どうぞ下に降りて来て下さいね!」

 

一夏「ああ蘭、悪いが昼飯二人分追加な」

 

真月「よう蘭、久しぶりだな」

 

蘭「へ?……ってええぇぇぇ!?何で零さんが此処に!?ちょっとお兄!私聞いてないんだけど!余分に食材とか買ってないよ私!?」

 

弾「何の連絡も無しに来たんだから伝えられる訳無いだろ!とりあえず、超スピードで後二つ作れ!冷蔵庫にまだ食材の残りがあったろ!」

 

蘭「だったらお兄も手伝ってよ!ウチでおじいちゃんの次に料理作るの早いのお兄じゃん!」

 

弾「分かってるっての!お前ら、すぐに料理作るから下に降りて待ってろ!」

 

蘭「待ってて下さいね零さん!すぐに作りますから!」

 

そう言って弾と蘭は慌ただしく階段を駆け下りて行った。下から何やら騒がしい物音とジジイの怒鳴り声が聞こえるが、まあ弾が何かやらかしたんだろう。

 

真月「……さて、蘭達がメシを作ってくれるみたいだし、俺達も下に降りるか。行くぞ一夏、簪」

 

一夏「おう」

 

簪「……うん」

 

どこか簪が不機嫌そうに見えるが、二回戦が出来なかったからだと考え、俺達は弾達の後を追って下に降りた。

 

 

 

蘭「お待たせしました零さん!お兄と私特製五反田チャーハンです!冷めない内に召し上がれ!」

 

下に降りてから大体十分くらい経った頃、テーブルの上にやたらでかいチャーハンが置かれた。簪の分のスプーンも用意してあるので、多分二人前だろう。

 

真月「くく、前より美味そうに出来てるじゃねえか。ほら、食べるぞ簪」

 

簪「うん、頂きます」

 

手を合わせた後スプーンを取り、二人同時にチャーハンを口にする。

 

真月「おお、美味い。料理上手くなったなお前ら!」

 

簪「……美味しい」

 

蘭「ホントですか!?やったあ!頑張って作った甲斐がありました!」

 

弾「オイ、俺も半分手伝った事も忘れるなよ!」

 

蘭「うるさいお兄黙ってて!……それで、零さん。一つ聞きたいんですけど……」

 

簪「零、私も質問」

 

そう言うと二人は俺の方に近寄り、お互いを指差しながら真剣な表情で俺に問いかけてきた。

 

蘭「誰ですかこの美人さん!?」

 

簪「誰なのこの人……!」

 

真月「いや、どうしたお前ら?」

 

蘭「どうしたじゃないですよ!?いや泊まりに来てくれたのは本当に嬉しいけど、こんな可愛い女の子がセットだなんて聞いてないですよ!?」

 

簪「私も、聞いてない……!?女の子が居るなんて言ってなかったよね!?私に隠してたの!?だから一緒に行きたがらなかったの!?」

 

真月「ど、どうしたお前ら?なんか視線がキツイぞ?」

 

蘭「話を逸らさないで下さい!彼女なんですか、彼女なんですか零さん!鈴さんもいながら、さらに別の女の子にまで手を出しちゃったんですか!?私を含めて一体何人の女の子を毒牙にかけちゃったんですか!?」

 

簪「ちゃんと私の話を聞いてよ零!ねえ、何で隠してたの!?何で、ねえ何で!?何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で何で!?」

 

真月「ひいぃっ!?落ち着けお前ら!?良し、一旦落ち着こう!落ち着いて話をしよう!?」

 

やばい、二人の勢いがやばい。特に簪がやばい、このままじゃ昨日の簪に逆戻りするんじゃないかと思うくらい恐ろしい目をしている。

 

弾「なあ一夏、もしかしなくても俺達、所謂『修羅場』というモノに立ち会っているのか?」

 

一夏「そうだな、多分修羅場で合ってるな」

 

弾「マジかよ……つーかやっぱ簪さんって零に惚れてるクチだったのか。はあ、あの朴念仁……!」

 

一夏「まあ、本人こそ意識してなかったけどとても懐いてたからな。それを昨日の出来事で完全に本人が自覚したんだろう」

 

弾「昨日何があったのかは聞かないけどよ、あれ普通の恋心超えてるだろ。若干ヤンデレ入ってるだろアレ」

 

一夏「そんだけ惚れさせる何かをしたんだよアイツは。にしても、修羅場ってのは自分が巻き込まれるのは御免だが、他人の修羅場は見てて飽きないな。何というか、昼ドラのドロドロした感じをリアルに体験出来て面白い」

 

弾「修羅場ってる女子の内の一人が妹じゃなけりゃあ同じ感想を言えたんだがな……」

 

オイそこの男子二人、談笑してないで助けてくれ頼むから。さっきから簪のハイライトが仕事してなくて本当に恐いんだよ。

 

弾「あ、何かこっち見てるな。はあ、仕方ねえな。おい零!醤油切らしたからちょっと買って来てくれ!」

 

真月「よっしゃ任せろ!そんじゃ二人共、お使いが入ったから話はまた後でな!」

 

蘭「あ、ちょ、まって下さいよ零さん!?」

 

簪「逃げないでよ零!?」

 

弾からの助け船にありがたく乗り、勢い良く走り出して俺は店から脱出した。いいか、これは逃げたんじゃない。一番適切な言葉選びを考える時間を稼ぐ為の戦略的撤退だ。断じて逃げた訳じゃないからな!

 

 

 

side弾

 

 

 

蘭「ちょっとお兄!何で零さんを逃がしちゃったの!?」

 

簪「零、何で逃げたの?何で?私の事、嫌いになっちゃったの?」

 

このままでは話が進みそうにないので零には一時的に離脱してもらい、俺と一夏で話を収める事にした。

 

弾「落ち着けお前ら。このままじゃいつまで経っても話が終わらない。だから落ち着いてくれ」

 

蘭「……はあ、分かったよお兄。でもお兄、私は落ち着いてきたけど、こっちはどうするの?」

 

弾「あ?……げ」

 

簪「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいそんなつもりじゃ無かったのお願いだから嫌いにならないで貴方に嫌われたら私生きていけないのだから嫌いにならないでごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

蘭が指差した方を見ると、光の消えた目で壊れたラジオのように謝罪の言葉を呟き続ける簪さんがいた。これはアレだ、完全に病んでるわ。零よ、何故こんなになるまで放っておいたんだ。

 

一夏「重症だな、これは。簪さん、零はそんな事くらいで簪さんを嫌いになんてならないよ。だから落ち着いてくれ、な?」

 

簪「……ほんと?れいは、わたしをきらいにならないでいてくれる?」

 

一夏「ああ、本当さ。だから落ち着いて俺達の話をよく聞いてくれよ?」

 

簪「……うん、わかった」

 

若干幼児退行している気がするが、なんとか落ち着いてくれたみたいなので、話を始める事とする。

 

弾「よし、じゃあお互いに自己紹介をしよう。簪さん、こいつは俺の妹の蘭だ」

 

蘭「ご、五反田蘭です!」

 

簪「……よろしく」

 

弾「そんで蘭、この人は零のルームメイトの簪さんだ」

 

簪「……更識簪、よろしく」

 

蘭「あ、どうも……ってええぇぇぇ!?ルームメイト!?今ルームメイトって言ったお兄!?つまり一緒に生活してるって事なの!?」

 

弾「ああ、そうらしいぞ」

 

簪「……うん」

 

蘭「いやいやいや!おかしいよねそれ!?男性操縦者って零さん含めて五人居ましたよね!?それで何で女の子と一緒に住むような事態になるんですか!?」

 

一夏「それは俺もよくわからんが、男子で女子と同じ部屋に住んでないのは秋介だけだな」

 

蘭「いや何でですか!?そりゃ一人部屋が人数分用意出来ないとかがあるのは仕方ないですけど、それでも相部屋って普通男子とですよね!?学園は何をトチ狂って男子と女子を同じ部屋にしてるんですか!?間違いがあったりしたらどうするつもりなんですか!?」

 

簪「わ、私は零になら別に……」

 

蘭「いや駄目に決まってるじゃないですか!?んな事したらどっちも退学ですよ!?」

 

簪「そうしたら、零と一緒に暮らせばいい。私は零とならどんな暮らしにだって耐えられる」

 

蘭「だからそういう事を言ってるんじゃないんですって!ああもう!私一人じゃツッコミ不足だよ!?ちょっと鈴さん連れてきてよお兄!?」

 

弾「いやアイツ連れてきたら場がさらに混沌とするだけだろ!?アイツはツッコミも得意だけどボケ要素もあるんだからな!?」

 

蘭「そういえばそうだった!?……はあ、もういいです。ツッコミ入れるのも疲れてきたのでルームメイトの件はこれ以上は何も言いません。ただこれだけは言わせてもらいます!」

 

そう言って蘭は簪さんにビシッと指を突き立て、深呼吸をした後にこう続けた。

 

蘭「零さんは私が貰います!私の方が貴女の何倍も付き合いも長いし、何倍も零さんの事を愛してるんです!絶対に、絶対に渡しませんから!」

 

まさかの戦線布告である。いや妹よ、この零にベタ惚れしてる簪さんにそれを言うのか。さらに爆弾を投下するのか妹よ。そして、我が妹の戦線布告を聞いた簪さんはというと、こちらもまた真剣な表情になって蘭を見つめ、こう口にした。

 

簪「それはこっちの台詞、零は私が貰う。貴女にも鈴にも、勿論他の誰かにも渡さない。たしかに私と零はまだ会って一ヶ月弱の付き合いだけど、これから付き合いを深めて行けばいいし、思いだけなら私は誰にも負けないくらい零を愛していると思ってる」

 

蘭「ぬぬぬ……わ、私の方が零さんの事色々知ってます!零さんがどんな人間なのか、私の方がずっと良く知ってるんです!」

 

簪「私だって、零の事沢山知ってる。零がどんな人間なのか、知り尽くしてる」

 

蘭「ぬぬぬぬぬ……!」

 

簪「…………!」

 

二人が睨み合ってる光景に頭痛を覚えてきた頃、丁度零が帰ってきた。おい零、お前俺が折角逃してやったのに本当に醤油だけ買って帰ってきたのかよ。

 

真月「オイ弾!醤油買ってきたぞ!それとお前ら、何怖い顔して睨み合ってんだよ。喧嘩か?」

 

簪「零……!ごめんなさい、私……!」

 

真月「よしよし、そんな泣きそうな顔すんな」

 

零に抱きついて泣きそうな顔でそう謝罪する簪さんの頭を撫でながら、真月は笑った。頭を撫でられて簪さんは上機嫌だが、それを面白く思わないのは蘭でだった。

 

蘭「零さん!零さんが簪さんと一緒に暮らしてるっていうのは本当なんですね!?」

 

真月「お、おう。本当の事だが……」

 

若干不機嫌になった蘭に戸惑いながらも返事を返す零。お前は時々鈍いのか鋭いのか俺には分からないよ。

 

蘭「……そうですか。……決めました!零さん、私IS学園を受験します!」

 

弾「はいぃ!?」

 

蘭のさらなる爆弾発言に思わず変な声を出してしまう。いいのか妹よ。人生を左右するような出来事を一時の感情に左右されて決めてしまっていいのか妹よ。

 

真月「蘭、お前確か結構有名なエリート学校に通ってなかったか?確か中高大一貫とかの凄いトコ」

 

蘭「はい、でもIS学園の受験自体は前から考えてました。今のご時世、IS学園出身ってだけでも就職に大きく役立ちますから。それに私の学力なら問題無く行けますし」

 

成る程、思いつきで言った事なのかと思ったが、蘭なりに色々と考えた結果の発言なのか。

 

弾「IS学園は実技もあるぞ。それにいくら座学が優秀でも、適正が低かったらその時点で不合格だからな」

 

俺がそう言うと、蘭はその言葉を待っていたかのように得意げな笑みを浮かべ、一枚の紙を俺達に見せてきた。

 

蘭「政府がやった適正試験の結果です。どうです?これでも私がIS学園に行けないと?」

 

一夏「どれどれ……ほう、これは凄いな」

 

真月「全適正Aランク、代表候補生クラスか。成る程、確かにこれなら余程酷い事やらかさない限りまず間違いなく入試には受かるな」

 

蘭「ですよね!それでですね、IS学園に入ったらですね、零さんに色々と指導して貰いたいです!」

 

簪「……!」

 

うおう、グイグイ攻めるな我が妹よ。

 

真月「いや、なんで俺?そりゃまあ、頼まれたならやるけどさ。正直な話、俺より上手い人間なんてザラにいるぞ」

 

蘭「零さんが良いんですよ!私の癖とか色々知ってる零さんだからこそ、私に適切な指導をしてくれるんじゃないですか!」

 

真月「成る程な、まあ理屈は分かる。けどな蘭」

 

そこまで言った後零は目を閉じ、真剣な表情になって口を開いた。

 

真月「ISは『兵器』だ。スポーツだのなんだの言われてるが、結局は兵器なんだよ。こいつで生身の人間に攻撃したら、あっという間にそいつは死ぬ。これは人殺しの道具なんだよ。それは、以前から言ってたよな?」

 

そう、それは変えられない真実だ。事実としてISを使ったテロは起こっており、そのせいで何人もの人が命を落としている。一夏だって、それ絡みでドイツで攫われて、殺されかけたんだ。ISが危険な物だっていう事は、俺達家族にとって疑いようの無い事実として心に刻まれている。

 

蘭「……知ってます。昔から、ずっと零さんに言われてきた事ですし。その上で、私はIS学園に行きたいと考えているんです」

 

真月「……理由を聞かせてもらおうか」

 

蘭「もう、守られるだけの存在でいるのは嫌なんです。零さんが私達家族を守る為に、ウチの周りに人を送っているのは皆知ってます。だけど、私はそのまま守られているのが嫌なんです。私の身は、私の家族は、私が自分で守りたい。私は、私の大好きな家族を守れる人になりたいんです。その為に私はIS学園に行きたいんです。守る為に、力をつけたいんです」

 

弾「蘭……」

 

それは、蘭がずっと心に秘めてきた、蘭の本当の気持ちだった。俺達を守りたい、俺達の支えになりたい。零に近づく為じゃない、守る為の力を手に入れたい。そんな思いを蘭が秘めていたなんて、俺は全く気がつかなかった。

 

真月「……ジジイ、テメェは蘭を止める気は無いのか?」

 

厳「……止めねえよ。蘭が自分で必死に考えて、その末に至った結論だ。止められる訳がねえ」

 

いつの間にか近くにいたじいちゃんが、真剣な表情でそう言った。恐らく前から伝えられていたんだろう。その表情には、とても悩んだ跡が見てとれた。

 

簪「……零、私も蘭を支持する」

 

一夏「俺もだ、零」

 

真月「……何でだ?」

 

簪「私も蘭と同じだったから。守られるだけの存在でいるのが嫌で、お姉ちゃんや零を守れるくらい強くなりたくて、私は力を欲した。蘭は、私と同じ」

 

一夏「大体簪さんに言われたが、俺もそんな感じだ。元々俺が企業のテストパイロットに志願したのは、ハルトとカイト兄さんを守る力をつける為だったからな」

 

真月「……弾、テメェはどうなんだ?実の妹がこんな事を言っていて、周りはその意見を尊重する気らしいが、兄のテメェは、そこんとこどう思ってるんだ?」

 

ここで零が俺に話を振ってきた。恐らく、ここでの俺の返事次第で、零は賛成にも反対にもなるんだろう。零の言葉を、蘭は突っぱねる事が出来ない。俺の意見が、蘭のこれからを決める事になるだろう。なら、俺はーー

 

弾「……俺も、蘭を応援するよ」

 

蘭を応援してやる、蘭の好きにやらせてやる。これが、兄として俺がするべき決断だろう。

 

真月「……本当に、それで良いんだな?」

 

弾「ああ。確かに、蘭に危ない目に遭って欲しく無いって思ってる。それでも、俺は変わりたいって思った蘭を応援したい。大切な妹に、好きにやらせてあげたい」

 

蘭「お兄……!」

 

弾「それに学園で何かがあっても、お前が蘭を守ってくれるんだろ?お前は、そういう奴だからな」

 

そうだ、俺は零を信じる。捻くれてるけどお人好しな俺達の家族を、俺は信じる。

 

真月「……分かった。もう蘭の意見に何か言う気はねえ。ただし蘭、一つだけ条件がある」

 

蘭「条件、ですか?」

 

真月「ウチの企業のテストパイロットになれ。そんで受験までひたすらISの操縦訓練をしろ。守る力をつけたいなら、今から行動しろ」

 

蘭「は、はい!……あれ?この条件、私に得な事しか無い気が……?」

 

真月「俺としても出来るなら自分が知ってるトコに所属して欲しいからな。それに、早い内に所属を決めちまえばタチの悪いスカウトマン達に絡まれたりしないだろうしな」

 

蘭「は、はあ……」

 

真月「明日俺は簪と一緒に本社に行く。蘭、テメェの専用機を決めるから、テメェも俺について来い」

 

簪「あれ?私も一緒に行くの?」

 

真月「代表候補生でも企業代表でもない今のお前はウチにとっても有用な人材だ。お前もウチにスカウトして専用機を与えておこうと思ってな」

 

簪「……!」

 

凄え、零が企業の人っぽい事やってやがる。今までは半信半疑だったが、この仕事っぷりで零が企業に所属してるって事をハッキリと理解出来た。

 

真月「よし!真面目な話はお終いだ!続きは明日、本社に行ってからだ!おいテメェら、ゲームの続きをやるぞ!」

 

蘭「あ!私もやりたいです!」

 

弾「俺は店の方に戻るから、続きは蘭とやってくれ!」

 

一夏「俺もそろそろ戻る。零、また学園でな」

 

真月「はいよ。……二人減って三人プレイか。まあ良い、やるぞ蘭、簪!」

 

蘭「はい!」

 

簪「うん……!」

 

三人が二階へ上がっていき、一夏は店を出て行った。静かになった店内で、俺はこれからの事を、暫くの間考え続けていた。

 

 

 

おまけ〜男子達の日常〜

 

 

 

織斑秋介の場合

 

 

 

秋介「頼む箒!僕に稽古をつけてくれ!」

 

箒「……はあ。別に構わないが、一体どういう風の吹きまわしだ?お前は練習するのが嫌いだった筈だが」

 

秋介「あいつに、一夏に勝つ為だ!あいつと僕の機体の性能差は埋めようがない。だがそれを本人の実力で埋める事は出来る!これ以上あいつに良い顔させてたまるか!次の学年別トーナメントで、あいつを倒したいんだ!だからお願いだ箒!僕に稽古をつけてくれ!」

 

箒「……成る程な。良いぞ、稽古をつけてやる」

 

秋介「本当か!」

 

箒「ああ。お前の事は正直嫌いだが、一応はウチの門下生だからな。教えを請う奴にはちゃんと教えるさ」

 

秋介「さらっとディスったね今!?」

 

箒(それに、昔よりは良い目をするようになったからな。少しはマシになってきたという事か?)

 

 

 

海馬ミザエルの場合

 

 

 

ミザエル「……」

 

本音「すぴぃ、すぴぃ……」

 

ミザエル「……」

 

本音「むにゃむにゃ……」

 

ミザエル「……!」

 

本音「むふふ……ミザやぁん……」

 

ミザエル「……暑い!!」

 

本音「むぎゅ!?蹴り飛ばすなんて酷いよミザやん!?」

 

ミザエル「貴様が私に抱きついて寝るからだろうが!!暑っ苦しいわ!!」

 

本音「むうぅぅぅ!?そんな良い方しなくても良いでしょ〜!?ミザやんのケチ〜!」

 

ミザエル「やかましい!これから暑くなるというのに何が悲しくて二人引っ付いて寝なければいかんのだ!」

 

本音「私はそうしたいの〜!ミザやんと一緒に寝たいの〜!」

 

ミザエル「だぁまぁれぇ!暑いものは暑いのだ!」

 

本音「やだやだやだ〜!?ミザやんと一緒に寝たい〜!」

 

ミザエル「餓鬼か貴様は!?布団にシワがつくからベッドで駄々をこねるな!?」

 

本音「や〜だ〜!?」

 

ミザエル「があああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 

黒咲隼の場合

 

 

 

隼「ハックション!?ううぅ、寒い……!」

 

楯無「そりゃ夜中の海に何時間も漂っていたんだから風邪引くわよ。寧ろただの風邪で済んだ事に驚きだわ」

 

隼「元はといえば貴様が俺を海まで飛ばしたのが原因だろうが!?」

 

楯無「悪かったって言ってるでしょ?私だって何処に飛ぶかなんて分からないわよ。はい、お粥よ」

 

隼「ああ、助かる……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告

蘭「という訳で今回の次回予告担当はこの私!五反田蘭と!」
弾「前回から引き継いで俺がやるぜ……」
蘭「ちょっとお兄!折角続投したんだからちゃんとやらないと!」
弾「続投するんなら虚さんも続投してくれよ……」
蘭「仕方ないでしょ!虚さんだって忙しいんだから!ほらお兄、次回予告始めるよ!」
「さあ、この中から君に合う機体を選んでくれ!」
蘭「うわあ……凄い数。多過ぎて悩むなぁ……」
弾「その内の半数以上がゲテモノに見えるのは俺の気のせいか?」
「あら、何でいんのあんたら?」
蘭「鈴さん!鈴さんじゃないですか!」
弾「あいつも来てるのかよ……何かすっげえやな予感がするんだけど俺……」
蘭「そして次回は皆ご存知あの二人も登場します!是非見てくださいね!
弾「まあ、出番は其れ程多くないけどな」

次回、インフィニットバリアンズ
ep.40 新しい専用機

シャルル「次回も!」
ラウラ「楽しみにしてくれ!」
弾「いや次回予告にフライング出演してんじゃねえよ!?」

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