インフィニット・バリアンズ   作:BF・顔芸の真ゲス

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ドルベ「なんだかんだで一週間も空けてしまった……。非力な私達を許してくれ……」
真月「いやホントに済まねぇ。後リアルが立て込むから12月の前半は少し投稿ペースが落ちるかもしれねぇ。暖かく見守ってくれると助かる」


ep.23 決着、青き雫と闇の誘惑

side真月

 

 

 

その後の話をしよう。

 

あの試合の後、セシリアは医務室に運ばれて治療を受けた。幸いにも絶対防御によって守られていたおかげで目立った怪我は無かったが、黒咲戦での傷が完治していない中での戦いは相当身体にきたらしく、まだセシリアは意識を取り戻していない。

 

そして彼女の専用機青き雫は主であるセシリアを守った時に限界を迎えたらしく、コアごと砕け散ってしまっていた。かなり酷い状態で、ISの生みの親である束でさえも恐らく修理は不可能だろう。

 

そしてミザエルだが、現在俺達の前で教師達に囲まれ言い争っている。話は簡単、ミザエルのタキオンドラゴンを寄越せというものだ。

 

ミザエル「ふん、何故貴様等に我がタキオンドラゴンを渡さねばならん。断固拒否だ」

 

千冬「貴様の機体がナンバーズだからだ。ナンバーズは国の所有物、個人が所持していいものではない。さあ早く渡せ!」

 

「そうよ!早く渡しなさいよ!」

 

「生徒の癖に教師の言う事に楯突いてんじゃないわよ!」

 

全く、五月蝿いったらありゃしない。あの女単体でもウザいが、取り巻きが加わると一層喧しくなるな。

 

ミザエル「断る、タキオンドラゴンは我が魂、我が半身も同然の存在。貴様等に渡せるものでは無い!分かったらさっさと帰れ!」

 

千冬「貴様!どうあっても渡さない気か!ならばっ!」

 

ならば実力行使とでも言わんばかりに担任は何処からか出席簿を取り出し、ミザエル目掛けて振り下ろした。おいおい、それで良いのか教師よ。

 

しかし人間より上位にあたる元バリアン相手にそれは正直悪手であり、あっさりとミザエルに躱されてしまう。

 

千冬「何っ……!?」

 

ミザエル「……ふん、遅過ぎて話にならんな。これが世界最強とは笑わせる」

 

千冬「貴様……!」

 

ミザエル「さて、今度は此方からだな。上手く避けろよ?」

 

そう言ってミザエルは担任に急接近し首を掴み、そのまま締め上げた。

 

千冬「ぐっ……!?貴様……!」

 

ミザエル「どうした?世界最強ともあろう者が、まさかこの程度の攻撃も避けられんのか?」

 

千冬「貴様……!教師にこんな真似してタダで済むと思っているのか……!!」

 

ミザエル「ふん、貴様から先に仕掛けてきたのだろうが。それなのにタダで済むと思うなだと?巫山戯るのも大概にしろよ……人間!!」

 

ミザエルが放った殺気によって金縛りに遭ったように身動きが取れなくなる教師達。おいミザエル、今はお前も人間なの忘れてないか?

 

璃緒「その辺にしておきなさいなミザエル。それ以上は私も止めなければいけませんわ」

 

ミザエル「……別にこれ以上何かをやる気は無い。先に部屋に戻っている。後は任せたぞ」

 

それだけ言ってミザエルは立ち去った。オイ、好き勝手やっといてそのまま帰るな。

 

璃緒「全く、勝手な性格は治らないものなのかしら?……それはともかく、これで懲りたでしょう?もう私達アークライトカンパニーに干渉しないで頂けないかしら、教師の皆さん?」

 

ミザエルが去った方を見ながら溜息を吐くと、メラグは教師達にそう言った。

 

千冬「……貴様等の専用機は検査する、これは日本政府からの指示でもある。貴様等に従わないという選択肢は無い」

 

璃緒「あら、あらあらあら?この学園はいかなる団体、組織、国家の干渉を受け付けない筈では?日本政府からの指示などに従う必要は無いでしょう?まあ、学園長からの指示だというならば従わなければいけないでしょうね、ですが、その学園長からは何か言われてるのですか?」

 

滅茶苦茶ニヤニヤしながらメラグは教師達にそう言っていく。アイツなんか黒くないか?

 

「そ、それは……」

 

璃緒「答えられないでしょうね?これは貴女方の独断行動なのですから!ああそうそう、私達アークライトカンパニーは学園長に干渉してこないよう交渉してますから、しらばっくれても無駄ですわよ?」

 

その言葉を聞いて憎々しげにメラグを睨みつける教師達。なんというか、メラグがウザい。かなりウザい。

 

璃緒「あら、何も言えないようですわね。ならこれで話は終わりですわね。さ、帰るわよ一夏、零」

 

一夏「おう、分かった」

 

真月「あ、はい!」

 

メラグに続いて、俺達はその場を離れた。後ろからの視線が鬱陶しく、これからもいたる所で突っかかってくるんだろうなと考えると気が重くなった。

 

璃緒「全く、鬱陶しいったらありゃしないわね」

 

教師達から離れた後、メラグはそう言った。

 

一夏「まあ、元姉からしたら俺達の機体は白式を遥かに上回る凄い機体だから、秋介に渡したいと思うのは普通だろうな。多分そのうち強行手段に出るぞ」

 

璃緒「あら物騒。それ、織斑秋介の方も警戒した方が良いのかしら?」

 

一夏「いや、秋介は別にいい。アイツはヘタレだからな、自分の評価が下がりかねない事はやらない。羨ましいと思う事はあっても奪おうとは考えないだろ」

 

璃緒「……なんか貴方に聞かされたよりもずっと小物に聞こえるんだけど、気のせいかしら一夏?」

 

一夏「まあ、秋介が俺に振ってきた暴力の方は、基本的に殴る蹴るをアイツ自身がやるだけだったしな。陰湿なやつは大体他の奴らが集団でやってくるだけだったし」

 

そう言われて、俺は過去にアイツが一夏を殴っていた時の事を思い出していた。成る程、確かにアイツは直接的な暴力しかやってなかったな。

 

璃緒「……淡々と喋っているけど、貴方は彼等を恨んではいないのかしら?」

 

一夏「いや、別に恨んでないな。あいつらに捨てられなかったらハルトやカイト兄さんと会えなかった訳だし、むしろ感謝してもいいくらいだ。あと正直な話別に昔の事とかどうでもいい、ハルト達と一緒に暮らせればそれで満足」

 

真月「……お前、なんかあっさりしてるな。なんて言うか、ドライってやつか?」

 

昔からそうなのだが、一夏はあまり怒らない。誰かに対して激しい怒りというものを抱いた事が無いのだ。恐らく怒りを抱く程他人に興味を持たないのだろうが、実の兄姉すら眼中に無いというのはなかなか凄いな。

 

一夏「そうか?別に大してあっさりしてる気はしないんだけど、まあお前らがそう言うんならそんなんだろうな」

 

真月「否定すらしないのな……。あ、そうだ。俺今から少し別行動するから」

 

璃緒「あら?また何か良からぬ事ですの?」

 

真月「ククク、まあそんなトコだ。まあ夕食前には戻るから、そこんとこは心配しないでくれ」

 

璃緒「別に貴方を心配なんてしないわよ。とっとと行って来なさいな。簪さんには私から伝えておくわ」

 

真月「ありがとよ。それじゃ、行って来るわ」

 

そう言って、俺は二人とは別の方に歩き出した。

 

さあ、良からぬ事を始めようじゃないか。

 

 

 

sideセシリア

 

 

 

セシリア「はい……、はい、分かっています。申し訳ありませんでした。それでは」

 

それだけ言って通話を終えた。相手はイギリス政府、内容は今回の処罰だ。

 

分かっていた事だったが、無様に敗北し、イギリスの顔に泥を塗り、挙げ句の果てに専用機を使い物にならなくした私に下った処罰は重いものだった。

 

イギリス代表候補生の資格の剥奪、さらには青き雫を壊した事による多額の借金、それが処罰として下された。

 

セシリア「……さて、これからどうしましょうか」

 

代表候補生を辞めさせられた今、私に借金を返す手段は無い。屋敷を手放せば返せるかもしれないが、今までオルコット家を守る為に生きてきた自分にとってそれでは本末転倒だ。更に言うなら、このままいけば私はイギリスに強制送還されるだろう。イギリスの顔に泥を塗った私に居場所は無い。イギリスに帰ったら何をされるか分からない。

 

本格的に詰みだ。さて本当にどうしようか……

 

真月「ククク、お困りのようだなぁセシリア・オルコットォ?」

 

セシリア「……ッ!?」

 

後ろから聞こえた声に振り向くと、そこには私のクラスの生徒が居た。

 

セシリア「真月さん……でしたっけ?どうして此処に?」

 

黒咲さんやミザエルさんと同じアークライトカンパニーのテストパイロット、確か明るい性格の筈だが、今の彼からはそんな感じが微塵も感じられない。今の彼の笑顔はいつもの笑顔のような爽やかな感じとは程遠い、底無しの邪悪さで満ちていた。

 

真月「いやなに、大変な目に遭ったであろうテメェの顔を見に来てやったんだよ。そしてさっきの通話を聞いた感じ、テメェ代表候補生辞めさせられたらしいなぁ?」

 

セシリア「……ッ!?」

 

聞かれていた!?この男は一体いつから私の背後に!?

 

真月「災難だなぁ?黒咲のヤツにボコられて大怪我を負い、ミザエルにやられて専用機を失い、挙げ句の果てには代表候補生の資格すら奪われちまうんだからなぁ!でも仕方ないよなぁ?こうなったのは全部!テメェの招いた結果!テメェの自業自得なんだからなぁ!!」

 

セシリア「……!」

 

この男に言い返す事が出来ない。この男の言う通り、これは愚かな私が招いた結果なのだから。

 

真月「聞けばテメェ、没落寸前の家を守る為に代表候補生やってたそうじゃあねぇか!あらあら〜?代表候補生を辞めさせられて、その上多額の借金まで抱えるなんて、セシリアちゅわ〜ん、ちょっとイケてないんじゃな〜い?ねえねえ今どんな気持ち?全てを失う寸前になってどんな感じ〜?ほらほら〜、今のこの崖っぷちの状況で、どうするつもりだ〜?アッヒャッヒャッヒャッ!」

 

残虐な笑い方をするこの男の言葉は全てが真実だ。私にはこの現状をどうにかする手段が無い。

 

真月「ヒヒヒッ!一つだけ、お前が助かって、尚且つ家も守れる素敵な提案が有るんだが、聞くか?」

 

セシリア「……ッ!?そんな手段が有るのですか!?」

 

それは今自分が一番に欲しているものだ。藁にもすがる思いで、私は彼に問いかけた。

 

真月「ああ、あるぜぇ?セシリア・オルコット、テメェが俺達アークライトカンパニーの社員になって、ちょいと俺の良からぬ仕事を手伝ってくれりゃあいいのさ。」

 

セシリア「良からぬ仕事……犯罪という事ですか?」

 

真月「ああ、そうすりゃテメェの安全は保証してやるし、借金だって肩代わりしてやるよ。俺は強力な手駒を手に入れる事が出来て、お前は家を守る事が出来る。な?悪い話じゃあねぇだろぉ?」

 

確かに素晴らしい提案だ。これが真実ならば、これが一番最善なものだろう、だが……

 

セシリア「お断りしまわ。元とはなりましたがわたくしはイギリス代表候補生、そのような邪悪な取引になど応じませんわ!」

 

そう、そんな提案には乗るわけにはいかない。私はイギリスに仕えていた身、祖国を売るなどあってはならない。

 

真月「……へえ、プライドってやつか、大したモンだな。でもよぉセシリア・オルコットォ?テメェが守りたいものはそんな下らねえモンじゃあねぇだろ?」

 

セシリア「えっ……!?」

 

真月「テメェは、『オルコット家を守る』っつー目的の為に代表候補生になったんだろぉ?じゃあ何でそんな下らねえプライドの為にオルコット家を救う道を捨てるんだよ?」

 

セシリア「……!?」

 

今の今まで、私はこの男の提案を断る気だった。いくら家を救う為だといってもこの男に乗って犯罪を犯すのは間違っていると。

 

しかしそれは私が本当に自分自身で考えて出した結論なのか?イギリス代表候補生としてのプライドに未だにしがみついていただけじゃないか?ちっぽけなプライドなんかを取って、家を守るチャンスを逃していいのか?

 

真月「テメェが選べる道は二つに一つ、『下らねえプライドをとって綺麗に滅びを迎える』か、『悪に堕ちてでも大切な物を守り抜く』かだ。よぉ〜く考えなぁ?俺としてはどちらでも構わないがなぁ?」

 

『悪』に堕ちれば、家を救える?

 

私がプライドを捨てれば、全てが丸く収まるのか?

 

ならば私は悪になればいいんじゃないか?

 

頭の中でそんな声が幾重にも重なって響き渡る。私は、迷っているのか?

 

真月「どうやら、すぐには決まらないらしいなぁ?良いぜ、明日まで待ってやる。その間によぉく考えて置くんだな。自分にとって一番大事なものは何なのかをなぁ?アッヒャッヒャッヒャッ!!」

 

そうして、悪魔は私の目の前から姿を消した。私はそれから暫くの間、その場を動く事が出来なかった。

 

セシリア「わたくしは……!」

 

 

 

side真月

 

 

 

上手くいった、我ながらなかなかの出来だと思う。これで十中八九オルコットは俺の部下になる。口では色々と綺麗事をぬかしてはいたが、あいつは恐らく目的の為に手段を選ばないタイプだ。あんだけ上等なエサぶら下げたら絶対に食いつく。

 

真月「さてと、それじゃあ部屋に……お?」

 

部屋に帰ろうとした時、本社からDパッドに通信が入った。どうやら俺の部下かららしい。人目のつかない所に移動し、盗聴の心配が無いか確認しながら俺は通信に答えた。

 

真月「俺だ、何か用か?」

 

???『遅い!五分待ったぞ!俺のピリ辛レッドデーモンズヌードルがのびてしまうだろうが!』

 

真月「……お前かよ、何の用だ『J』」

 

『J』、亡国の元メンバーで、俺が亡国を壊滅させた時に引き抜いたメンバーの一人だ。戦闘面においてはトップクラスの実力を持っているのだが、極度のニート体質の為戦闘系の任務以外では一日中社内でコーヒーを飲んだりカップ麺食ったりして怠惰な生活をしてスコールの胃にダメージを与えている。

 

J『少し頼みがあってな。近々俺の弟子がその学園に編入するらしい、お前にはそいつの世話を頼みたい』

 

真月「弟子だぁ?日がな一日惰眠を貪ってるテメェにいつ弟子を育てる暇があるんだよ?つーか良い加減に仕事しろやテメェ。スコールの胃がそろそろ限界なんだよ」

 

J『フン、俺に合った仕事が無い以上仕方があるまい。俺を働かせたいならもう少し戦闘系の仕事を寄越せ。最近荒事はレジスタンスとか言う奴等に貴様が全て任せているから身体が鈍ってしまいそうだ』

 

働かないのを開き直りやがったぞこいつ。ここまで駄目な大人はそう居ねえぞ。

 

真月「……分かった、弟子とかいうやつの面倒は見てやるよ。それとその内戦闘系の仕事やるからあまりサボり過ぎんなよ?」

 

J『馬鹿な事を言うな。キングたる者万全な状態で戦いに挑むのは当然の事だ。たまには本社に帰って来い。お前のとこの双子達が寂しがっていたぞ』

 

真月「分かった、それじゃあな」

 

そう言って通話を終えた。双子達と言うのは俺が拾って来て兄がわりになって面倒を見ている二人の事だ。外出許可が出たら会いに行くか。

 

それにしてもあのニートに弟子がいたなんて驚きだ。あのニートの弟子というだけで不安しかないが。

 

真月「はあ……疲れるな……」

 

さらなる面倒事が起こる予感を感知しながら、一日が終わりを告げた。

 

翌朝……

 

真耶「という訳でクラス代表は織斑君に決まりましたー!ハイ、皆さん拍手ー!」

 

秋介「……へ?」

 

拍手に包まれながら、秋介は間の抜けた声を上げた。

 

秋介「あのー、僕全敗でしたよね?何で代表になってるんですか?」

 

一夏「他にやれる奴が居ないからだろ」

 

秋介「いや何でだよ!?お前も勝ってたよね!?」

 

一夏「俺や零、璃緒さんはそもそもやる気無かったから辞退、黒咲さんは危険すぎて無し、ミザエルさんはパワーバランス考えて無し、セシリアさんは専用機失った上に代表候補生辞めさせられたから無し。ほら、消去法で考えてお前だけだろ?」

 

秋介「消去法とか言うな悲しくなるだろうが!?というかオルコットにそんな事が起こってたのか!?僕が知らない所で何が起こってたんだよ!?」

 

一夏「ギャンギャン喚くな、獣かお前は」

 

秋介「お前にだけは言われたくねぇよぉ!?」

 

目の前で繰り広げられる漫才を、俺はボーッと見ていた。つーか、お前らホントは仲良いだろ。

 

そんな感じで漫才が暫く続いていると、オルコットが席を立って頭を下げた。

 

セシリア「皆さん、あの時は色々と代表候補生にあるまじき振る舞い、発言によって皆さんの気分を害してしまい、本当にすみませんでした」

 

流石はお嬢様、ただ頭下げてるだけの姿にも気品が溢れている。これでは許さないとか言い難いな。

 

「ま、まあそんな風に謝ってくれたんだしね……」

 

「あの時は織斑君と言い合って気が立ってたもんね……」

 

秋介「何気に今僕のせいにされてなかったかい!?」

 

セシリア「そして真月さん」

 

秋介「無視ぃ!?」

 

セシリア「私が一番守りたいのは私が生まれ育ち、今までずっと祖先達が過ごして来たオルコット家です。それを守る為なら、私は何だってできます。だから……」

 

そこまで言ってから深く深呼吸をし、俺の目を真っ直ぐ見ながら言葉を続けた。

 

セシリア「私は、貴方の提案に乗ります。今日この日から、私はアークライトカンパニーの社員となりますわ」

 

……釣れた。

 

思わずニヤケてしまうのを必死に堪えながら、俺はオルコットにこう告げた。

 

真月「本当ですか!?やったー!今日から僕にも後輩が出来るんですね!セシリアさん、宜しくお願いします!」

 

セシリア「ええ、宜しくお願いいたしますわ」

 

真耶「えっと……、イマイチ話が呑み込めて無いんですけど……。つまり、どういう事ですか?」

 

ミザエル「つまり、オルコットはアークライトカンパニーの一員になったという訳か。まさか私が部屋に戻った後そんな事が起こっていたとはな」

 

璃緒「ふふふ、歓迎いたしますわ、セシリアさん」

 

一夏「へえ、宜しく。今はいないけど黒咲さんも歓迎してくれるんじゃない?額に青筋浮かべながら」

 

秋介「それ絶対歓迎してないだろ!?というか、え!?それマジなの!?」

 

セシリア「ええ、大マジですわ」

 

『え、えええええぇぇぇぇぇ!?』

 

オルコットがにっこりと微笑みながらそう言うと、クラス中が驚愕の叫びを上げた。

 

 

 

学園生活一週間とちょっと、俺達に新しい仲間が出来た。

 

その裏で、さらなる面倒事が起きようとしている事に、俺はまだ気がついていなかった。

 

 

 

side???

 

 

 

「ここに居たのですか鳳代表候補生」

 

鈴音「ああ、アンタか。何か用?それとアタシの事は『クイーン』って呼びなさいっていつも言ってるでしょ?せっかく周りがつけてくれた称号なんだから」

 

「いや貴女の年と外見だったらどう頑張ってもプリンセスが精一杯ですよ」

 

鈴音「五月蝿いわね、それで結局本題は何?」

 

「政府からの命令です。貴女にはIS学園に入学していただきます」

 

鈴音「なんだそんな事?元々行く気だったわよ」

 

「……?でも入学式の前は行かないと言っていませんでしたか?」

 

鈴音「だってその時は大会控えてたじゃない。ひと段落ついてから行こうと思ってたのよ」

 

「……変な所で真面目ですね。それでは行くという事で、出発は二日後ですので、それまでに準備お願いします」

 

鈴音「……何か早くない?まあ良いけど」

 

「こちらにも色々と事情があるのですよ。それではまた二日後」

 

鈴音「ええ、また二日後にね。……さて、一、二年振りになるのね。まずは一発殴るとしましょうか。覚悟しなさいよ、零!!」




次回予告

真月「ククク、オルコットを仲間に出来たのは大きいな。今度あいつの専用機も用意しなくちゃあな」
「久しぶりね、零!」
真月「げぇっ!?何でテメェが此処に!?Jの弟子ってまさかコイツか!?」
次回、インフィニットバリアンズ
ep.24 絶対王者、襲来
真月「クソッ!?Jの野郎面倒な奴育てやがって!?覚えとけよ!?」

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