ハイスクールD×D 光と闇のラタトスク   作:カルパン

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ジャンヌさんのキャラが大爆発します。ご注意を


聖処女なんて嘘だったんだ(遠い目 by帝

帝「ぐっ!ぁ"ぁ"……!!」

 

右腕を必死に押さえつけ、苦しみに帝は悶えた

 

形は腕として残っているものの、外見は酷く醜いものとなっていた

 

リアス「んぅ……エミ……ル……!?その腕!?」

 

寝起きのリアスも、その異常な光景を見ると、すぐに目を覚ました。いや、覚まさざるを得なかった

 

帝「!?あぁ、なんだリアスか驚かせるなよ」

 

リアス「どうしたのその腕!?い、一体いつから……!!」

 

帝「いや……これは生まれつきだ……これはまぁ右腕の神の結晶(イノセンス)とあるもんが同化……というよりかは、在るべき姿に戻ろうとしているだけだな」

 

リアス「在るべき……姿……?」

 

帝「そうだ。本来の姿ってやつだな……あ"っづぁ!!!!」

 

おうむ返しに聞いたリアスに、帝はそう答える

 

帝「でもリアス、できるだけ皆には……これな?」

 

帝は、人差し指を口の前でぴっと立てて止めた

 

その直後、悲鳴に似た絶叫が響き渡った

 

帝side

 

いぇぁぁぁぁぁぁぁ!!!???

 

帝「おぉうなんだぁ!?」

 

声が聞こえてきた方向に足を向けて走る

 

そしてたどり着いたその先には……

 

帝「……あの……さ、何やってんのゼロス……」

 

何故か怒っている邪ンヌとその邪ンヌに何度も蹴られている赤髪の美青年(笑)である、前の旅の仲間であるゼロスがいた

 

ゼロス「し、知るか!俺様はただオルタちゃんをデートに誘っただけで…… 帝「すまん皆、うちのバカが迷惑かけた」 ちょっとぉ!?」

 

帝「いやお前ぇ……自業自得って言葉知ってる?」

 

ゼロス「うわぁーん、エミルくんが俺のことバカにしたぁー!」

 

帝「バカをバカにして何が悪い?んん?旅ん時だって魅力(みりょく)を間違って魅力(みりき)って読んでたもんな」

 

ゼロス「あれは俺様の巧みなユーモアのセンスを余すとこなく使った結果のボケであってだな!!」

 

帝「はいはい、言い訳乙っと」

 

ゼロス「うぁーん!今度は今度でスッゲー蔑ろにされてるー!!」

 

帝「まぁそれは置いとくとして、別に遊びに来る分にはいいが、あまり皆を困らせないでくれよ」

 

ゼロス「わぁったわぁった、わかりましたよーっと。しっかしさっきのオルタちゃんは可愛かったなぁ……私にナンパしていいのはあのバカだけとか 邪ンヌ「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」 痛い痛いいだだだだだだだだだ!!!!」

 

帝「へぇー、邪ンヌにも好きなやつがいるんだな……ってあの……邪ンヌさん……?何故に怒ってらっしゃるんですか!?」

 

邪ンヌ「人の気持ちも知らないで……もういいわよ!!!!」

 

帝「あぶるぁばぁん!!!!????」

 

アイェェェェ!?ナンデ!?ビンタナンデ!?

 

ツッコミを入れるまもなく、俺は床の上を少しの埃を巻き上げて滑った

 

ゼロス「ぎゃはははははははははははは!!!!!!もうここまで来ると朴念神だぜ朴念神!!!!」

 

帝「よし喜べゼロス。お前の晩飯は激辛麻婆だ。なに、安心しろ。今までのよりも最高の辛さでもてなしてやるさ」

 

悪魔の笑みを浮かべて言うと、ゼロスは顔を青ざめさせてひきつらせた

 

自業自得じゃ、この阿保

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ジャンヌ「…………」

 

帝「……よし満点!!よく頑張ったなジャンヌ。お疲れ様」

 

ジャンヌの最後の漢字のテストの採点を終えた

 

形式としては、今までに習った漢字の総復習で、これを二時間ほどかけてやった

 

結果はさっきも言った通りの満点だ

 

そして俺は労いの意味を込めて、ジャンヌの頭をできるだけ優しく撫でた

 

ジャンヌ「ではその……ご褒美を……」

 

帝「……やっぱ足りないか……わかった。ほら、目、閉じて」

 

あの時の魔力供給以来、ジャンヌはすっかりキスにはまってしまったらしくご褒美と称してこうやってキスを求めるキス魔となってしまった

 

いやまぁ半分くらいは俺のせいなんだろうけど

 

互いについばむようなキスを何度もし、最後の一回で、少し長くジャンヌの唇に自分の唇を押し付けた

 

ジャンヌ「ん……ぷぁ……これで勉強も終わり……ですね」

 

帝「ああ、漢字はな」

 

そう言うと、ジャンヌはえっ?と言いたそうな表情になった

 

帝「勉強と言ってもそれは一くくりのもんだ。例えば数学、化学と物理と地学、現代社会や日本史に世界史、英文法に実践英語、ついでに芸術科と家庭と保健体育。幸いまだ時間はあるんだ。頑張って全部……とは言わんが、全体の4分の3は終わらせないとな。まぁ喜べジャンヌ、またご褒美と言って俺にキスをねだれるぞ」

 

ジャンヌ「そ、そういうわけでは……」

 

帝「の割には随分と表情と目には期待の感情が読めたんだがなぁ……まったく、とんだむっつり性女様だな」

 

ジャンヌ「で、ですから違います!」

 

帝「……そっかぁ、違うんだ……じゃ、次からはキスはしないようにするよ」

 

ジャンヌ「えっ、いやっそのっ、そっ、そうじゃなくて……ですから、えとえと……」

 

慌てるジャンヌが可愛くてついいじめたくなる俺は悪くないはず

 

帝「あれ、俺とキスしたくないんじゃないの?」

 

ジャンヌ「……したい……です……」

 

帝「んー?なんて?聞こえないぞー」(棒

 

ジャンヌ「で、ですから……!……したいです……もっと貴方と、一緒にキス……したいです!」

 

うぇんぬっ!?そこまで真っ正面から真っ直ぐに伝えられるとは思ってなかった……幸い声に出してないから驚いたとはばれてないだろうが

 

しかしよく見ると、ジャンヌは少し涙目で、顔を真っ赤にして俺の目をまっすぐに見ていた

 

帝「おわっ!?ちょっ泣くなって!……ごめん、少しいじめすぎたよ。慌てるジャンヌを見てると少し嗜虐心が……な?」

 

ジャンヌ「な?じゃないですよ……もぅ……いいです、次の勉強をしましょう」

 

帝「お、勉強の意欲があるのはいいことだ。それで?次は何がいい?」

 

ジャンヌ「ほ、保健体育の……実技を……」

 

帝「保菌体育の実技ってお前ぇ、体に悪いことばっかしなきゃいけねぇじゃんかよ……どっかでテキトーに被験体でも見繕って来るか……ちょっと待っててく……あの、ジャンヌさん、手、離して貰えないと実技ができないんですが……」

 

手の上に手をしっかり乗せ、押さえつけるように固定されていて思うように動けない

 

ジャンヌ「できますよ……いっぱい、色々と……」

 

ジャンヌはそう言うと、また顔を近付けてきた。今度は少しの情欲の色を目に宿して

 

帝「あれ?実技って性教育の実技のこと!?ちょっと待ちなさいあんた!?そもそもその身は神に捧げたもんじゃないのかよ!?」

 

ジャンヌ「もう主はいらっしゃらないのでしょう?でしたら別に問題ないですよ。それに人一人を愛するくらいなら主だってお許しになるはず……ですから……いっぱい***なことや***を一緒に……」

 

目にうっすらとハートを浮かべて更に近づいてくる

 

帝「いいのか!?それでいいのか聖処女!?うわぁっ!ま、待てジャンヌ!話せば分かることだってある!!だから待って!待ってください!!!!いやぁぁぁぁッーーー!?」

 

ジャンヌ「え?ふわぁっ!?」

 

全身に激痛が走った。その反動か、全身に力が入り、ジャンヌの体もろとも手を吹き飛ばしてしまった

 

帝「えと、ご、ごめんジャンヌ!今日はここら辺でおいとまさせていただく!」

 

チャンスと思うと同時に、怪我をさせてしまったかもしれないという多少の罪悪感と、痛みを悟られまいと扉から逃げるように飛びだした

 

帝「……ハァッ……ハァッ……ハァッ……クソ、前よりも周期が早い……!」

 

壁にもたれかかり、空いた手で首の痣を押さえる

 

ふらふらと、覚束ない足を壁に手を当てて支え、力なく壁伝いに自分の部屋へと足を進めた。多少の血を口の中から漏らして

 

帝「……あ~あ……ったく、腕は別物になってくわ、体は呪いで蝕まれるわ……次は何が待ってんだろうね……」

 

覇龍を使ってからこの痛みが始まった。やはり代償は少なからず大きかったわけだ

 

さて、あんまりの痛みでショック死するまでに、あのクソヤロウぶっ潰して痣消さねぇとな……多く見積もって後、5、6カ月ぐらいか……

 

帝「頼むからそれまでは持ってくれよ……俺の体……!」

 

いつの間にか着いた部屋で、ベッドに雪崩れ込むようにして、倒れながら自分にそう向けて言った

 

帝「俺の身は既に人であって人に非ず、龍であって龍で非ず、神でも、ましてや精霊でも非ず……俺はこの先、どうなっていくんだ……?」

 

俺にしては珍しく弱音を溢した

 

やはり自分のものが自分のものでなくなるのは怖いし、死ぬのも怖い。体を得体の知れないものに蝕まれるのも怖い本当にこの先が不安になってしまう

 

そんな事を考えてしまうくらい、精神が弱っていた

 

自然に涙が漏れ出してきたが、気にも留めなかった。じわじわと少しずつ湧いてくる恐怖心を押さえ込むのに必死だった

 

ははっ、涙を流せるくらいの人間性はまだ残ってたか

 

そのまま現実を受けきれずに現実逃避を始めてしまった

 

少なくとも仲間内では自分が一番強いとは自覚している

 

だが、弱さを見せれば皆が弱気になると思うと、どうしても言葉にできないものがある

 

帝「もう、嫌だよ……誰か……助けて……」

 

一人だからこそ言える言葉

 

それを皆に言えるときがくるのは多分一生来ないだろう

 

To be continued.


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